北神圭朗議員は14日午後、衆院予算委員会の外交・通商政策に関する集中審議で、日米首脳会談の内容、日米共同声明の趣旨などについて質問した。

 北神議員ははじめに、トランプ大統領の「狙いを高くさだめ、求めるものを手に入れるまで押しまくり、欲しいものを手に入れる」などとした自伝の内容を引き合いに、「相場観を高めて現状維持で胸をなでおろして有頂天にまでなるということは、トランプ大統領の術数にはまっている可能性もあると思っている。そのくらい気を付けなければいけない」と、日米会談が成功だったとことさら強調する安倍総理に対し注意するよう促した。

 北神議員は、日米共同声明にある「テロ集団との闘いのための両国の協力を強化する」という趣旨の文章を取り上げ、「テロとの戦いに、さらに日本も協力を深めていくのか」と質問した。安倍総理は、「今回発出した記述は、日本はこれからも国際社会と協力し、難民・移民支援など日本ならではの貢献を行っていく。それぞれができることをやっていくという意味だ」と答えた。北神議員は、「日本には日本の立場がある。あまり米国を喜ばすためにテロとの戦いにのめり込まない方が賢明だ。限られた資源のなか、人道支援などの分野にとどめるべきだ」と指摘した。

 北神議員は、北朝鮮の核・ミサイル問題について、「北朝鮮のミサイルの射程が米国本土まで伸びることで米国がちゅうちょし、北朝鮮への抑止力が外れることはないのか」と質問。安倍総理は、「ミサイル攻撃には自国のミサイル防衛で対応している。敵国の基地へは米国が攻撃する。共同声明には核兵器から通常兵器に至るまでと具体的に明記した。わが国は敵基地攻撃能力を持っていないし、有する計画や議論は行っていない。しかし変化していく情勢について検討していく責任はある」と述べた。北神議員は、「こういうことを日米首脳会談で話していくべきだ。中東に行くとかそういう話ではなく、日本はこういうところ(東アジアでの安全保障体制の構築)に力を入れていきたい。日米連携でやるべきだということを伝えるべきだ」と指摘した。