衆院予算委員会で14日行われた「外交・通商政策等」に関する集中審議で、緒方林太郎議員は南スーダンの国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報に「戦闘」の記載があったことを取り上げ、政府の見解をただした。

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 緒方議員は、PKO法上の武力紛争は「国家または国家に準ずる組織の間において生ずる武力を用いた争い」と定義されていることから、昨年7月に南スーダンの首都ジュバで起きたキール大統領派とマシャール副大統領を支持する反政府勢力・マシャール派との戦闘をめぐっては、「政府がマシャール派を国家または国家に準ずる組織ではないと判断する限り、現地でどんな事象が起こっていようとPKO5原則との関係では、理論上『武力紛争』は存在せず、その結果として『戦闘行為』もないことになる」と指摘。河野統合幕僚長が9日の記者会見で、「戦闘」は混乱をきたすので「大規模な衝突等」に置き換えるよう指導したと明らかにしたことにも触れ、「こうした指導が入り、かつ政府がマシャール派を『国家に準ずる組織ではない』と判断している限りは、今後現地からは『戦闘』という報告は上がってこないのではないか」「現地にも法令担当者が派遣されていると聞いている。『戦闘』という言葉がどれだけ機微なものかを理解しているそうした担当者のチェックも経て作られる日報に『戦闘』という言葉が多用されているということは、現地から『現在の状況は戦闘行為に近い、戦闘行為そのものだ』というサインを送ってきているのではないか。その現地のサイン、魂の叫びをもっとしっかり受け止めるべきではないか」と迫った。

 稲田防衛大臣は、「『戦闘』という言葉を使っていけないとは言っていない」などと開き直り、質問にはまともに答えなかった。