衆院本会議で16日午後、高井崇志議員が民進党・無所属クラブを代表して地方税法等改正案、地方交付税法等改正案について質問した。

 高井議員は、安倍総理の2年前の「地方創生」の表明によって全国の地方自治体が「総合戦略」や「人口ビジョン」の策定に取り組まされたが、「成果を挙げているとは到底言えない」と指摘。そうした中で成果を挙げている事例として、昨年11月に「シェアリングシティ宣言」を発表した秋田県湯沢市、千葉県千葉市、静岡県浜松市、佐賀県多久市、長崎県島原市の5自治体が推進する「シェアリングエコノミー」を通じた街づくりを取り上げた。

 これはモノやサービスが必要な人と提供者をICT(情報通信)でつなげる「シェアリングエコノミー」を通じて地域課題の解決を目指すというもの。ベンチャー企業130社で構成されるシェアリングエコノミー協会との連携によって地方自治体が人口減少や、子育て・介護、観光活性化等の様々な課題に対して、ICT活用と民間活力で財政負担を減らし、持続可能な社会を創り出そうとしていると説明。このようなシェアリングエコノミーをはじめとするICTを活用した地域活性化対策について高井議員は、「予算を一桁増やすくらい思いきって力を入れるべきだ」と総務相に提起した。

 また、高井議員はICTの活用は地方財政にも大きく寄与すると指摘した。年間約3300億円、関連費用まで含めれば5000億円以上になる地方自治体の情報システム運営費は、システムの共同化・クラウド化によって3割(年間1000億円)以上の削減が可能であるとの見解を示した。その実現に向けて、地方自治体の情報システムがほんの一握りの大手ITベンダーによって寡占されている現状を改革しなければならないと説いた。

 最後に今回の法改正について「税制的にも財政的にも弥縫策にとどまり、大きな方針が見えない」と批判。人口減少の下で行政サービスを安定的に提供するためには、「税源の偏在を抑えながら、地方税の一層の充実を図るとともに、地方財政の健全化を進める改革を一刻も早く進めなければならない」と指摘し、そうした改革を地方の目線でめざしているのが民進党であると表明し質問を終えた。

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