後藤祐一議員は17日、衆院予算委員会の集中審議で、南スーダン派遣施設部隊が現地情報を防衛省に報告している昨年の7月7日から12日までの日報について質疑した。

 この日報は、昨年の10月2日に防衛省に情報公開請求がされ、廃棄されていることを理由に12月2日に不開示決定がされたもの。

 後藤議員は、当初廃棄したと発表していた日報が防衛省内の組織である統合幕僚監部で発見されたことを受けて、「実は全部、統幕(統合幕僚監部)にあるのではないか。第1次隊から第9次隊まで含めて、11次隊まで全て多少の漏れはあるかもしれないが、統幕に取ってあるのでは」と指摘した。稲田防衛大臣は、「統幕で南スーダンへの部隊派遣の開始以来の日報を電子データとして保存していることを確認した」と明かした。これに対して後藤議員は、「大変大きな事実だ」と述べ、「先の補給を考える上でも日報は必要。必ずどこかにあると思ったらやはり全部ある」と語った。

 続けて後藤議員は、統合幕僚監部が日報を保管しているにも関わらず、12月2日に日報が存在しないと不開示決定したことを追及。「12月16日に(防衛省の職員が)大臣に廃棄の説明した時に統幕は知っていたはず」と稲田防衛大臣にこの件についての考えを問いただした。稲田防衛大臣は、「徹底的に探して見つかったら公表しろと指示をして、見つけて実際に公表している。したがって隠す意図とか、あると分かっていたのにないと言ったということではない」と隠ぺいではないことを強調した。

 後藤議員は、もともと統合幕僚監部が日報を全て保管していることや、日報では現地の状況を表す言葉で「戦闘」と使っているにも関わらず、大臣報告資料には「衝突」など別の言葉に置き換えられていることを念頭に、「大臣が蚊帳の外になっているのではないか」「現地の自衛隊の情報が伝わらないのはシビリアンコントロール上、大変な問題。この状態が続くなら現地のPKOから撤収することも考えないといけない」「実際、国連でも(南スーダンが)危険になっているという情報もある」などと述べ、南スーダンPKOからの撤収を考えることを促した。

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