衆院予算委員会で27日、今井雅人議員が締めくくり質疑に立った。今井議員は、学校法人森友学園が国から極端に安い金額で土地を取得している問題や、森友学園の理事長らが保護者への連絡やブログなどで差別的な言動をしているにもかかわらず、安倍昭恵総理夫人が森本学園系列の瑞穂の國記念小學院の名誉校長を引き受けていたことが海外のメディアに大きく取り上げられていることについて質疑をした。

 今井議員は、同学園の理事長らが中国人や韓国人を蔑視するような発言をしていることについて安倍総理大臣に「こういう考えに賛同できるか」と問いただした。安倍総理は、「教育者であれば当然、人種、国籍、宗教等で差別してはならないのは当然のこと」と答弁した。今井議員は「全く同感だ」と述べたうえで、「そういう学校の名誉校長を総理夫人が受けていたということが非常に問題だ」と昭恵氏が名誉校長を引き受けていたことをあらためて問題視した。

 今井議員は、海外のメディアがこのことに非常に関心を持っており、総理夫人が「教育方針は主人も大変素晴らしいと思っている」と述べていることがアメリカの新聞ワシントン・ポストに引用されていることを紹介。今井議員は昭恵氏が名誉校長になっていたことについて、「寄付金を集める広告塔になり、夫である総理はそれをやめなさないと言うことなく容認していたということの責任は大変重いと思う」「海外の有名メディアがこういう書き方をしているのは国益を損ねている」と述べ、安倍総理と昭恵氏の責任の重さを追及した。

 これに対し安倍総理は、「すでに妻は名誉校長を辞任した」「この取引がどうだったかということを含めて会計検査院が判断するのでしっかりしていただきたい。学校法人としてふさわしいかどうかは大阪府が判断する」と総理大臣夫人が名誉校長を辞任したことで責任をとっており、残された問題は土地取引の問題だけかのように答弁した。

 今井議員は、「辞めたからいいという問題ではない。(名誉)校長であったことは事実だし、事実をもとにこういう記事が出ているのも事実。そのことは重く受け止めていただきたい」と名誉校長の辞任だけでは済まない問題であることを強調した。

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