党役員会見に関する基本的な方針について

安住淳代表代行記者会見

2017年2月24日(金)14時00分~14時16分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=heClw5rl3ok


■質疑

■冒頭発言

(なし)


■質疑

○政治分野における男女共同参画推進法案について

【朝日新聞・松井記者】
 女性の候補者をいかに増やしていくかということの関連でお聞きしたい。超党派の議連が中心となって進めていた政治分野における男女共同参画推進法案が、おそらく内閣委員会の委員長提案で、このまま何とか提出されて、なおかつ成立の見通しが立ってきたが、民進党として女性議員の数、なおかつ候補者の数を増やすことに、どのように取り組んでいくか。代行としての考えをお聞きしたい。

【代表代行】
 私も3回選対委員長をやりましたが、特にお子さんなどを持っている女性を立候補させるというのは大変なことで、相当なサポートが必要でしょうね。
 衆議院選挙というのは、比例を含めて、今のような仕組みであれば、いろいろな知恵の出し方はそれぞれ各党あると思う。すぐに半分というのはなかなか大変だとは思いますが、できればヨーロッパの普通の国並みには女性に国政に出てきていただいて。実は県議会などは、もっとだ。ああいうところにもっと女性の声が反映できるようにするというのは大事だと思う。
 特に、やはり経済的な問題。私のような田舎では政治の担い手になる人が本当に少ないから、やはり職業を持ったまま立候補できる制度とか、いろいろなことを変えていかないと、ただお題目を唱えていてもだめだとは思う。幸い、政党はそれぞれ今、国民の皆さんのご理解をいただいて何とか政党交付金等がありますから、そういう点では経済的なサポートを含めて、男性よりは女性に手厚くするというのは一つあってもいいと思います。

【朝日新聞・松井記者】
 資金的なサポートということだが、これまで民進党は、例えば地方議員の選挙の際に女性の候補者により手厚く資金を分配するだとか、いろいろと工夫をしてこられたかと思う。いろいろと取り組まれる中で課題とか、「今後、さらにこうしたらいいのではないか」という何か改善に向けたアイデアがあったらお聞きしたい。

【代表代行】
 おととし、宮城県連でも(女性のための)政治スクールを開催して、50人ほど参加したのですが、1年やっていくうちにだんだん少なくなって、結果的に県議選と市議選に出てくれたのは一人ずつで、お二人だった。一人は惜敗で、一人は当選したのだけれども、現実、たぶん他の政党もそんな感じだと思う。
 ですから、経済的なこともだけれども、気軽に選挙に出られる社会環境をつくらないと。皆さんも、女性記者、たくさんいるけれども、職を辞めないで議員ができるとなったら出てくれる人もたくさんいると思うのだけれども、日本の社会はそれに寛容ではないから。辞めないといけないという環境が最大のネックになっていると思うので、そこを変えたら、若い有為な人材も選挙に出てくれるのではないかなと思う。そういうところまで深化して与野党で話をすることが必要だと思います。

○森友学園への国有地売却問題について

【NHK・黒川記者】
 大阪府豊中市の国有地の払い下げ問題、これきょうの質疑でもいろいろ出ていたが、率直に代行としてこの問題に関する受け止めをお願いしたい。

【代表代行】
 どう考えたって、あの土地(国有地・八千七百七十平方メートル)を実質的には200万円程度で手に入れているというのはあり得ない話。役所の説明も全く理解できない。安倍夫人の名を使って寄付を集めていたり、到底普通の私立の学校ではあり得ないようなことをやって、土地を取得して、学校の開設まで持っていこうとしたのだと私は思います。まだ事実関係を究明しないといけませんので、それぞれあらゆる機会を通して実態の解明をしたいと思っています。

【テレビ朝日・白川記者】
 麻生財務大臣はこの件について、再三の質問に対しても、再調査等をする考えはない、適正に評価して行われたことだ、という答弁に終始している。安住さんは財務大臣もやられているが、そういった観点から見て今回の麻生さんの対応はどうお考えか。

【代表代行】
 売却して決済してしまったら、現職の大臣はそう言わざるを得ないのでしょう。それがそうなのかどうかを調べるのが我々であり、皆さん(報道機関)だから。
 「そうでない」となったら、やはりそれは役所側も責任をとらなければいけない。前の学校(森友学園より以前に購入を打診した学校法人)が提示した額で「低過ぎる」と言って、なぜこんな安い、事実上ほとんど無償提供しているよう形をとったのか。誰かがこういう、言ってみれば「悪知恵」を働かせて土地を取得したかとしか思えないから、それにはたして役所が関与をしているのかどうか。皆さんもそこに一番関心があるのではないですか。
 それから学校開設に必要な要件として、寄付を集めるとか、私立としてはやらないといけないことがあるわけだけれども、それは安倍夫人の名前があるから、そういうことで寄付を集めていたということは事実なのではないですか。
 そういう意味では本当に、政治家の名を借りて、いってみれば総理の威光を背に、いろいろなことをここまで進めてきたのではないかと思うから、理事長に参考人として国会に来てもらって、国民の前で説明しなさいと言っているんです。与党は何でそれを隠すんですか、そのほうが不思議ですよ。  幾ら名誉校長を辞めたとか言ったって、既に集まっている寄付は昭恵夫人の名前があるから寄付した人もいるんじゃないですか。そういうことから言えば、実質的には政治がかかわっているからここまで来たと断ぜざるを得ないような状況ではあるのです。
 それが実態として本当にそうなのかどうかは、これからさらに調べないといけないと思います。皆さん(報道機関)も調べないといけないのではないですか。

【共同通信・中西記者】
 この森友学園の問題の核心というのはどこにあると代行はお考えになるか。この問題を、党としてはこれからどういうふうに追及されていくおつもりか。

【代表代行】
 今、党として激しく追及いる。
 問題の核心は、国民の財産である国有地を事実上タダ同然で払い下げを受けることを、なぜ彼ができたのか、ということです。それが適正な取引だと財務省は説明しているけれども、私も国民もそうは思っていない。現に、違う学校法人は7億ぐらいの購入金額を提示して、「安い」ということではねたわけでしょう。あの学校(森友学園)は、廃棄物を処理したことを含んで言えば200万円で手に入れているのはなぜなんだ、ということなのです。本当にそこに不正がなかったのか。何らかの政治的関与がなかったのか。
 また、名誉校長を総理夫人がやっているということが、そうしたものの環境づくりに何らかの影響を与えたのかどうか、ということが一番大事なのではないですか。だから、寄付をした人達に聞いてみたらいいんですよ。もしかしたら、その寄付を出した人の中には、「安倍さんの奥さんが名誉校長をやっているから、出した」という人はいるのではないですか。なぜそういうことを調べないのですか。こういう都合の悪い話は政党頼りなのですか、報道機関の皆さんは。自分達も取材したらいいんじゃないですか。

○「プレミアムフライデー」について

【NHK・黒川記者】
 きょうから、政府が提唱している「プレミアムフライデー」だが、これについて率直な代行の受け止めをお願いしたい。

【代表代行】
 有効に使えばいいのではないでしょうか。
 私は昭和の人間で、「24時間働けますか」という世界でいつもしごかれてきたから、本当にうらやましいなと思うけれども、やはりそういう時代だと思いますので、できるだけ、日本のサラリーマンもサラリーウーマンも職場以外のつき合いをもっともっと広げて、それが充実した人生につながっていけばいいと思います。
 昭和でやってほしかったですね。

【朝日新聞・松井記者】
 ちなみにきょう安住代行は、「プレミアムフライデー」はどんなご予定か。

【代表代行】
 ええ、17時半に県連の役員会をやって、18時ぐらいから県連の記者会見、びっちり入っています。

○原発・エネルギー政策のアップグレードについて

【共同通信・中西記者】
 「原発ゼロ」の目標の前倒しをめぐって党内議論が進められているが、党内や連合には慎重論もある。こうした中で、党大会ではどういう方向性を打ち出すべきと代表代行はお考えか。

【代表代行】
 大変熱心に、それぞれの立場からこの原子力政策にアプローチしているのは大変いいことだと私は思っています。真摯にこのエネルギーの問題と向き合うというのは。ですから、やはりエネルギー環境調査会で、ある程度収れんされていく時期というのは区切らないで、ここまで来たらやったほうがいいと思います。党や、連合も含めて、亀裂を入れて何のプラスもない。さりとて世論調査を見ても、やはり1年でも2年でも早く原発をやめたほうがいいねというのは国民世論でもあると思うので、そういう中で現実的に、廃炉費用もそうだし、それからこのエネルギーの関係で言えば、本当に代替エネルギーのコストダウン等がちゃんと現実経済の中で見合っていけるのかどうかも含めて、精緻な議論をやった上で工程表をきちっとつくれば、その方向は自然と落ち着くところに行くのではないかと私は思っていますので、今議論をそれぞれやっていることは決してマイナスではないと思っています。
 こういうことを皆さんにも報道してもらって、国民の前で結論を一定の方向に導いていくということがある意味では党の再生の第一歩につながると思います。

【共同通信・中西記者】
 そうすると、党大会で「2030年・原発ゼロ」とか、新たな数値目標を打ち出す必要はないとお考えか。

【代表代行】
 結論は出さないといけないでしょう。だけど、やはりある程度議論が収れんして、その中でしかるべき時に方向性をしっかり出すということだと思います。

○天皇陛下の退位をめぐる議論について

【朝日新聞・松井記者】
 天皇陛下の退位の問題でお聞きしたい。今、衆参両院の議長・副議長のもとで各党の協議、全体会議も開かれる見通しだが、ただ、なかなか国会がどういう調整機能を果たすのか、どうやって意見をまとめていくのか、国会の役割が問われる事態になっている。今、議長・副議長のもとでこうした進め方をしていることについて、国対経験の長い安住代行から見てどのように感じるか。

【代表代行】
 戦後初めてのことですよね、衆参両院の議長・副議長がいわば調整に入る形。だから、そのルールを立法府にいる各党・各会派が壊すわけにはいかないと思う。そこで進めていくことの流れの中で、それぞれの党の主張をまずきちっと伝えるべきだと思う。そこから先どういうふうにするのかは議長のお考え一つなのだけれども、ただ、偏ったほうの意見だけを取り上げて「それで結論だから、おまえたち従え」といっても、国民世論も納得しないと思うので、そこで本当に知恵が出てくるのか。
 また、その議論はやはり開かれたところでしっかりとやっていくというプロセスが大事だと思う。そうでないと、透明性がないと「普通の国会の常任委員会を何で使わないんだ」と、逆にそういうことになりますから。
 そういう点では初めての試みなので、議長・副議長がどういう運びで、どういうコンセンサスをつくるために、どういう知恵を出されるのか。我々としてもできるだけ協力したいとは思っています。ただ、昨日の(誕生日に先立ち21日に行われた)皇太子殿下の会見もそうだし、やはり陛下の「おことば」も含めて、我々としては大変重く受け止めていますので、しっかり言うべきところは我々の考え方は言わせていただきたいと思っています。