参院予算委員会で6日、財政・内外の諸情勢についての集中審議が行われ、民進党・新緑風会の1番手として質問に立った福山哲郎議員は、(1)北朝鮮によるミサイル発射問題(2)森友学園の問題(3)テロ等準備罪(共謀罪)――について政府の認識をただした。

 福山議員は冒頭、北朝鮮から弾道ミサイルが発射されたことに対して、「3発がわが国のEEZ内に落ちた。これはわが国だけではなく東アジア、国際社会全体の平和と安全を損なう暴挙であり、地域に緊張を生み出すものだ」として、北朝鮮に厳重抗議した。さらに福山議員は、稲田防衛大臣から現状の報告を聞いた上で安倍総理に対し、安全保障上の重大な問題であり、「一刻も早いNSC(国家安全保障会議)の開催が必要だ」と、昼の開催ではなく今すぐにでも開催することを提案した。委員会室内で与野党理事らが協議し、福山議員の提案通りに予算委員会を一時休憩してNSCが開催されることとなった。

 森友学園の国有地払い下げをめぐる問題について福山議員は、「売買価格を公表しない。埋設物の確認をしないで8億円も値引きした。面会記録等の関係書類を廃棄した。売買契約書に記された鑑定評価もしていない可能性がある。そして2017年度予算に歳入の記載がない」と、問題点を指摘し、「これは隠そうとしたと思われても仕方ない。しかし政府・与党は参考人招致にも応じない」と述べ、非常に遺憾だと表明した。

 福山議員はテロ等準備罪(共謀罪)について、「報道によれば、検討中の共謀罪の対象犯罪は300弱とされるが、著作権法に適用された場合、漫画などを2次使用するために話しあった場合は準備行為として共謀罪が適用される場合がある。こうした2次使用などから日本の漫画文化は派生してきているが、この法律は漫画文化を壊すものではないかと危惧されている」と指摘し、法務大臣に見解を求めた。金田法務大臣は、「法案は今だ成案に至っていない。法案の具体的内容等については、成案を得た段階で十分に説明を尽くさせてもらう。一般人は処罰の対象にはならない」と答えた。福山議員は、「法務大臣はいつも答弁を逃げる。森友学園の問題も含め、国会に対して非常に不誠実な答弁が続いている」と法相の姿勢を批判した。