党役員会見に関する基本的な方針について

野田佳彦幹事長記者会見

2017年3月6日(月)15時01分~15時30分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=7RwSbILt208


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○北朝鮮のミサイル発射に厳重抗議

【幹事長】
 既に大串博志政調会長名で談話を公表していますが、あらためて、けさの北朝鮮のミサイル発射という暴挙に対して厳重に抗議し、強く非難したいと思います。
 また、参議院で予算委員会集中審議が行われておりますが、我が党の福山哲郎議員の提案で、委員会を休憩して政府がNSC(国家安全保障会議)を開催するという珍しい事態となりましたが、国民の安全を第一に考えれば、福山議員の提案も政府の対応も妥当なものだったと考えております。

○参議院予算委員会集中審議 森友学園への国有地売却問題について

【幹事長】
 質疑では、福山議員が森友問題を中心に議論を行いました。
 その中で、国有地払い下げに伴う歳入が予算書に全く計上されていないことを指摘いたしました。国民の財産である国有地を売却しながら、その対価を予算に計上しないことは全く理解できません。政府は、払い下げ経緯が「適正」とするならば、その対価は堂々と予算に計上するのが当然だと考えます。


■質疑

○原発・エネルギー政策のアップグレードについて

【日本経済新聞・林記者】
 先ほどの予算委の集中審議で蓮舫代表が、東電、原発政策を取り上げて質問されていた。今、党のエネルギー環境調査会では「原発ゼロ基本法案」を検討しているようだが、具体的な中身が見えない中でこうした法案を提出する意義について、どうお考えか。

【幹事長】
 2012年に野田内閣でまとめた革新的エネルギー・環境戦略、それを踏まえて、以後、調査会をつくりながら随時議論を深めてまいりました。現在は玄葉光一郎調査会長のもとで、その後のさまざまな推移を踏まえながらの最新のエネルギー政策を、次の政権公約に掲げるために議論をしています。
 議論をしていることを、最終的には法案としてまとめる。今、「提案型」の路線を我々はとっていますので、その議論をしている結果を法案としてまとめるというのは当然の帰結だと思います。

【日本経済新聞・林記者】
 その法案の中には、2012年の時にはなかなか結論を出せなかった核燃料サイクルや日米原子力協定の問題については、何かしらの成果というか結論が出せる見通しはあるかということと、幹事長は2012年の時に総理として原発再稼働を決めた経緯があるが、この間の議論の経緯について個人的にどういった思いをお持ちか伺いたい。

【幹事長】
 いろいろな論点があります。エネ環戦略にも課題は明記しています。そういう課題はあることもあらためて確認しながら、議論を、今、平場でしているし、これからもまだ議論が続きますので、議論を踏まえた結果が結論となる、その結論が法案となるということであります。
 再稼働を決めたということは、当時のエネルギーの需給関係を考えた時に、夏場の関西地区の状況を考えた時には再稼働せざるを得ないと当時は判断をしました。その後のいろいろな状況も含めて、議論を今していただいている。そして結論を出すということだと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 野田さんが総理の時に、そこ(官邸前)で反原発運動をやっていた団体とお会いした。画期的なことだと思う。その後で、その時などは毎日毎日、東京電力が何パーセント使ったとかいうことをやったので、そのあたりが、特に関西はひどいので大飯の再稼働ということになったが、現在、野田さんとしては、再稼働問題を含めて、原発に対してどのようなご意見を、蓮舫代表とは違った意見で考えて持っていらっしゃるか。

【幹事長】
 いや、「違った意見」ということはありません。一体でやっております。
 再稼働については、当時も決めましたが、新たに原発をつくったりすることはしない。そして、40年で一つの区切りとして廃炉にしていく。加えて、その後の議論の中ではしっかり避難計画をつくっていく。あるいは原子力規制委員会の安全チェックの結果を踏まえることなどなど、いろいろな条件を付している。これは現段階の我々の考え方で、これは蓮舫代表と違ったということはない。

【フリーランス・上出記者】
 既に何度も同じやりとりがなされていると思うが、野田首相の時に原発事故の収束宣言、これについて後々いろいろな批判をする方もいるし、その後の安倍さんの「アンダーコントロール」にもつながっていく。野田幹事長として、そのことについて誤解があったら解いていただきたい。その問題について一番強調したいことはどういう点であるかということを伺いたい。

【幹事長】
 あの当時の、私の総理の会見。あの会見の一番の趣旨は、ロードマップがありましたが、そのロードマップ、工程表の中で、冷温停止できるかどうかが一つの大事な節目でしたが、その冷温停止ができたというところに至ったことの報告だった。それが全体的な終結宣言として受け止められてしまったことは、言葉足らずなこともあって、そこは本当に残念なところだったと思います。
 一方で、あの会見では、原発については引き続き廃炉に向けての戦いがあるということなどを含めて、戦いのことも強調しています。一方的というか、片面だけ切り取られたかたちで流れてしまったことは残念だったなと思います。原発事故との戦いが引き続き続く、とは強調していたはずです。

○定期党大会について

【朝日新聞・松井記者】
 今度の日曜日・12日に党大会があるが、この大会は民進党としてどのようなことを主に発信する大会と位置づけていらっしゃるか。

【幹事長】
 議案としてはやはり活動報告と活動方針です。特に活動方針のところで、今年は政治決戦の年だと思います。くしくもメディアの中でも解散の時期が出ていました。そういう年でありますので、その政治決戦に向けてしっかりと活動方針をお互いに確認しながら、全国各地でやはり戦い抜いていく決意、そういう力を合わせる、心を合わせる機会だと捉えています。

○自民党総裁任期の延長について

【時事通信・岸本記者】
 昨日の自民党大会のことで、昨日のぶら下がりでは、「3期9年」という(総裁任期)延長に関して、他党のことなのでとおっしゃっていたが、首相が歴代最長政権に意欲を示していることについて所感を伺いたい。

【幹事長】
 「3期9年」と党が決めること自体は、いいとか悪いとかとコメントする立場ではないことは、これは重ねて申し上げたい。
 安倍総理ご自身が「最長不倒」記録を狙っているのかどうかはわかりませんが、長くやっていい実績を残せばそれはそれで評価になると思いますが、決して「長きをもって尊しとせず」、しっかりと成果が残せないのだったら、長いこと自体がいいことではないということもある。一般論ではそう言えると思います。

○次期総選挙について

【産経新聞・豊田記者】
 先ほど解散に触れられたことで関連して伺いたい。弊紙は、きょうの朝刊で、春に向けて「解散風が吹き始めた」と報じたが、一方で来年秋ではないかという報道もある中で、幹事長ご自身としては解散についてどんな現状認識をお持ちかということと、党内の準備状況について伺いたい。

【幹事長】
 まあ、「4月」という説はあるわ、「都議選とダブル」という話もあるし、「秋以降」という話もあるし、「来年」という話もありますが、いつあってもおかしくないという常在戦場の気持ちでいきたいと思います。そのことは党大会でも確認していきたいと思います。

○森友学園への国有地売却問題について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 本日の福山さんの質疑に対して、総理が例によって激昂し、私にはうろたえているとしか見えない。自らの夫人が「私人」であると、これはほとんど意味がある主張とは思えないが、そう言ってみたり、夫妻が被害者であると本気で思っているようにうかがえるが、前総理として、かなりギャップがあるのではないかと思うが、その辺を伺いたい。あの激昂ぶりを含めて。

【幹事長】
 国会での答弁というのは、やはり理性的に冷静に対応しないと説得力がなくなってしまいますよね。あまり感情的になると、逆に、説明責任を果たすという上ではマイナスではないかなという印象を私は持っています。
 加えて、ご家族のことを言われるとやはり感情的になるのかもしれませんが、そうは言いながらも、これは総理夫妻が被害者であるということは違う。結果的には、ご夫人が広告塔にならざるを得なかったし、「安倍晋三記念小学校」という名称で寄付を集めたりなどということが、保護者やお子さん達にも影響を与えることになっているわけです。そのご意思は別として、結果的にはさまざまな影響が出たことについては、やはり一定の反省を踏まえた冷静な説明をすることが大事なのではないかと思いました。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 いずれにせよ夫人が記者会見をするなり国会で説明する責任があると私は思っているが、それを民進党は真正面から要求していくというお立場なのか。どんな形であれ、総理夫妻は事の経緯も踏めて国民に対してお詫びをするというか、何らかの釈明をしないとお考えになっているか。その辺を伺いたい。

【幹事長】
 ご夫人もいろいろな形で、チャンスがあるならばやはり説明責任を果たされたほうがいいだろうなという気もします。国会で呼ぶかどうかは、基本的には総理が出席していますから、総理がまず責任を持って、ご夫人の分もきちっと説明責任を果たすことが先決ではないかと思います。

【フリーランス・安積記者】
 今、総理夫人が「公人」なのか「私人」なのかという論争がある。前総理として、総理在任中に奥様が公邸にいらっしゃったと思うが、奥様が、例えばどういう振る舞いをしなければいけないかとか、そういったことをご相談されたことはあるか。もともと幹事長の奥様は安倍夫人とはちょっとタイプの違う奥様の類型だと思うし、外遊(同行)も1度しかされていなくて、安倍夫人とはかなり違って、同行される機会がなかったようには思うが、例えば「公人としての自覚を持って振る舞わなければいけない」とか、そういった話し合いはされたか。

【幹事長】
 総理になった瞬間は、やはりそれまでと違って「覚悟を持ってサポートしてほしい」ということは言いました。
 それを踏まえて、これは当然、外遊の場合は、国際会議など入る場合には、夫人日程が入ることがある。そのほうが外交上プラスということもありますので。その時には外務省の女性職員が担当していただいて、その日程を、これはある種公的な活動ですから、立ち居振る舞いを含めて、しっかり勉強して対応していたと思います。一方で、それ以外はいわゆる家庭の中での私人としてのサポートをしていたと思います。
 これ歴代の総理夫人、一概には言えないと思うのです。それぞれの性格とか家庭の環境も含めて違いがありますが、一方で、公的な部分と私人の部分とを本人の中でどうやってうまく整理しながら対応をするかだと思います。私の家内の場合は、私人の部分のほうが多かったのではないかなと思います。
 アメリカの、例えばオバマ夫人などは14人くらいのスタッフがついていました。これは一つの制度として、予算もついてやっていること。日本はそうではないので、個々別々の感がありますが、安倍総理のご夫人の場合は5人くらい秘書がついていたのでしょうか。だから、同じ日本で相当違いがあるのだなということを、あらためて今回はこの報道などを見て自分なりに知ったということでございました。

【フリーランス・堀田記者】
 森友というのは学校法人ではあるが、小学校を建設できる実績とカネの両方がなかった。それで許認可をおろす責任者の一人である大阪府の“偉い人”が、その(ハードルの)レベルを2012年2月に下げた。これは朝日新聞も書いている。その後で、実績というものを出してきて、カネは後からどうにでもなると。それをすくい上げたのが、当時の野田内閣の平野博文文科大臣だ。顕彰するということで実績を与えた。平野さんは実際に森友というのはどれくらいのまともなところであるかということを知っていたかというのは、もうちょっと聞いたほうがいいと思う。

【幹事長】
 文科大臣表彰が野田政権の時にあったというのは事実ですが、その森友学園と当時の平野大臣とのかかわりがあったということは全く聞いていません。

【フリーランス・堀田記者】
 お金のやりとり等はない。私も調べた。

【幹事長】
 直接のつき合いはないと聞いております。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 共産党は、衆議院と参議院と一糸乱れぬ形で、非常に野党らしい、誰が見てもあっぱれなMVPだ。籠池事件というのは、もしかしたら久々の疑獄くらいの大きな話かもしれないが、民進党は結局、衆議院の時はたくさん猟師が出てきていろいろな鉄砲を撃っている感じで、参議院になったらそこの連携がどうなっているかもわからない。こういうのは本来、やはり党を挙げて一つに、紡錘形になってやらないとなかなか相手も強い、というのが普通だと思うが、何かそういうところが、野党らしさが決定的に欠けているようにも見える。幹事長はその辺どうお考えになるか。

【幹事長】
 それぞれの質問者が多角的な論点から取り上げながら、この疑惑、「疑獄」という言葉を使われましたが、大変深い闇、深い疑惑だと思います。その論点はいろいろある、国有地の払い下げにかかわること、教育方針と、それに関連する、国際メディアの関心などを含めて、安倍総理夫妻とのかかわりなどなど、いろいろな論点があることを、多角的にコツコツコツコツ毎日、チームとして取り上げていくことが今大事だと思います。その中での絞り込みをしながら、どうやって厳しい追及に持っていくかはこれからの展開なので、評価はその後にしていただければと思います。

○ミサイル防衛・敵基地攻撃能力論について

【朝日新聞・松井記者】
 北朝鮮のミサイル発射問題の関連だが、自民党内で今、敵基地攻撃能力が検討されている。政府・与党内でも、検討したほうがいいのではないかという声が出ているが、敵基地攻撃能力について民進党としてはどう考えていらっしゃるか。

【幹事長】
 これは前もご質問いただいたと思うのですが、ミサイルの迎撃強化ということは、これは大事だと思います。ただ、敵基地攻撃となると、これはかなりの飛躍の話になって、単なるミサイル迎撃という域を超える。憲法上の問題も含めていろいろな論点がありますので、それは飛躍し過ぎではないか。

○天皇陛下の退位をめぐる議論について

【NHK・山枡記者】
 退位の関連で伺いたい。前回、2回目の全体会議の後で、共産党の小池書記局長が、天皇の退位を初めて立法化することは今後の先例になると考えると。要は、これまで共産党は皇室典範改正が筋だとおっしゃってきたが、特例法も否定しないという考え方を示された。意見がいろいろある中で、これをどうやって一致点を見出していくかという作業が全体会議だと思うが、共産党の意見をどう捉えられるかということが1点と、3回目に向けて民進党としてどういうことを検討されて臨まれるか伺いたい。

【幹事長】
 まず前段の質問は、他党がどういう話をするかどうかを我々がどう評価するかというのは、特にありません。そういうお考えなのかなということです。野党連携のテーマでも何でもないので、それぞれの党がそれぞれの判断をされて発言をされることだと思いますので、コメントすることではないと思います。
 それから後段は、今、作戦会議中です。

○野党連携について

【テレビ朝日・村上記者】
 先ほど幹事長は、退位の話は野党連携のテーマではないとおっしゃったが、今後、どういうテーマであれば、安倍政権「一強」に向かって(他の)野党と組んでいけるとお考えか。

【幹事長】
 国対委員長などでも確認していますが、「共謀罪」であるとか、連携しているテーマはいろいろあります。長時間労働の規制の問題などは、一緒に法案(長時間労働規制法案)を出したりしていますから、こういうテーマでは連携しています。

○経産省における取材対応厳格化・全室施錠措置について

【フリーランス・上出記者】
 経産省の庁舎管理が非常に取り上げられていて、論調の違いを超えて、ほとんど全ての主要紙が社説で、ちょっとやり過ぎでこれは取材規制につながるということで、かなり強く批判している。これについて幹事長としてはどのように捉えているか。

【幹事長】
 国境なき記者団が世界の「報道の自由度ランキング」を毎年発表している時に、野田政権は22位でした。それが評価が高いのか低いのかは別として、その後、安倍政権は72位になりました。今回のようなことはさらにランキングを下げていくことになるのではないでしょうか。そういう懸念を持っています。

○連合主催・春闘集会への参加について

【朝日新聞・松井記者】
 きょう夕方、幹事長は連合の春闘の集会に参加されるが、それに向けた意気込みと、連合との関係では最近、原発政策等々をめぐってきしみも指摘されているが、現状での連合との関係についてどのようにお考えか。

【幹事長】
 頑張ります。

○東京都議会議員選挙について

【フリーランス・堀田記者】
 都議選をやることは決まっている。この前、「都議選がんばろう」というパーティーが京王プラザであった後で、公認者が離党した。だけど、まだ民進党のポスターは貼ったままだ。それから(都議会で)旧維新との統一会派をつくって、「民進党」という名前を消すようなことをやっているが、新しく2人が辞めたと。民進党の旗を毅然と立てて選挙をやるという雰囲気が全然見当たらない。グリーンのなんとかに寄り添っていくとか。要するに「正々の旗、堂々の陣」で選挙をやることを彼らはできないのか。

【幹事長】
 都議会の会派から、名称が「民進党」が抜けたということは、それは単なる民進党のグループだけではなくて他の人達にも入ってほしいというメッセージ、という説明を聞いています。  加えて、地元のポスターではちゃんと民進党の公認としてポスターを貼っている人たちもたくさんいます。
 今おっしゃったのは、離党届を出した人が、まだポスターを貼りっぱなしというお話ですね。離党した人たちの対応がどうかというのはちょっとわかりませんが、旗をおろさないでしっかり頑張っている仲間がたくさんいるのも事実です。