参院予算委員会の集中審議で13日、民進党の3番手として小西洋之議員が質疑に立った。
 小西議員は、(1)森友学園への国有地売却問題(2)南スーダンPKOからの派遣部隊撤収について(3)幼稚園で教育勅語を幼児に暗唱させる件――を取り上げて質疑を行った。

 小西議員は、政府が10日に南スーダンでのPKOから自衛隊の派遣部隊を撤収させる方針を発表した理由として、国連が新たなPKO部隊を首都ジュバの治安改善等に展開しつつあることと、3月中に南スーダンで国民対話が行われることを挙げていることについて、「昨年の10月25日に第11次の自衛隊のPKO派遣継続に際し、政府から示された理由と100パーセント何もかみ合っていない」と指摘した。

 昨年の10月25日に政府が示した第11次隊のPKOへの「派遣継続に関する基本的な考え方」では、「国連は新たに4000人の地域保護部隊を増設し、増派を決めるなど国際社会は取り組みを強化している」と挙げていることに触れ、今回の撤収の理由とは矛盾していると小西議員は指摘。「これは派遣継続の理由になっていたので、撤退の理由にすることは許されない」と述べた。さらに、「本当に今、南ス―ダンで国内の安定に向けた政治プロセスが進んでいるのか」と疑問を呈し、「おそらく進んでいると明言されるのは世界の政府のなかでも安倍内閣だけ」と述べ、その理由として「報道でも多々あるようにかつての副大統領がこの和平プロセスにはのらないと。そしてキール大統領の下の閣僚や軍人が次々と辞任して新たなる反政府武装勢力を形成している。どこが和平プロセスに向かっているのか」と南スーダン国内で安定に向けた政治プロセスが進んでいると述べるには不十分な状況であることを追及した。

 これに対し安倍総理は、「キール大統領から評価され感謝も示されたわけだし、国連またUNMISS(国連南スーダン共和国ミッション)からも理解を得られた。これは順当にしっかりと準備をしてこなければできない。そうした中で判断した」と小西議員の質問に正面からは答えない答弁をした。

 小西議員は山本予算委員長に、なぜPKOから派遣部隊を撤収することになったのか政府の考えを文書で提出することを求めた。さらに安倍総理に対して、「このようなやり方は国を誤る。外交安全保障では常に、政府は正直にありのままを国民と国会に説明して国民的議論のもとにやっていくべきだ」と正直な理由を述べることを求めた。

安倍総理にただす小西議員

安倍総理にただす小西議員