党役員会見に関する基本的な方針について

細野豪志代表代行記者会見

2017年3月10日(金)14時01分~14時18分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=eFocUKK8EdY


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○韓国大統領の罷免について

【代表代行】
 まず冒頭、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾(訴追を受けた憲法裁判所の審判で罷免)が決定したことを受けて、一言申し上げたいと思います。
 北朝鮮の情勢が極めて混迷している状況でありますので、特にこの問題については日米韓の協力が極めて重要である。そういった中において、実質的なところで韓国で権力の空白が生じていたというのは非常に大きな問題であったし、また現状もそれが続いている。
 したがって、弾劾(罷免)が決まりましたので、これは韓国の判断でありますから、新しい大統領が早期に誕生して、しっかりと国際的に連携できる体制をぜひつくっていただきたい。これは日本の安全保障にも直結する問題ですので、そう強く望みたいと思います。
 一昨年末、慰安婦に関する日韓合意もございました。これをしっかり遵守するというのは、当然、韓国政府の責任であると思っております。そういったことも含めて、一刻も早く新しい大統領が誕生することを我々としては期待したいと思っております。


■質疑

○韓国大統領の罷免について

【読売新聞・上村記者】
 冒頭発言に関連して。韓国では次の大統領として、日本に非常に強硬的な文在寅(ムン・ジェイン)氏の優勢が伝えられたりもしているが、こういった状況をどうご覧になっているか。また、日本政府に対して、大統領選の結果にかかわらず、望む対応をお聞きしたい。

【代表代行】
 私も若干ですが韓国の政界には友人もおりますし、いろいろな情報は得られる立場にありますので、情報収集はしています。新しい大統領が誰になるのか、それぞれの主張を見ていますと若干の懸念は私も持っています。
 ただ、大統領というのは国民が直接決める、まさに元首でありますから、まずは韓国の国民の皆さんが冷静にご判断をいただいて、大統領を選んでいただくということだと思いますので、それを待ちたいと思います。
 ですから、日本への対応も含めていろいろな懸念はありますが、いずれにしても隣国ですから。しかも北朝鮮という、非常に厄介な問題を抱えていることは間違いありませんので、どういう体制になったとしても協力を模索していくというのは、これは国益上必要なことだと思っています。
 政府に対しても同じことが言えます。まずは大統領が選ばれるまでは新たなアクションは起こしにくい。ただ、選ばれた後は、可及的速やかに協力関係をつくらないと安全保障の問題に対応できませんので、その関係を早急に築いていただきたい。強くそのことを求めたいと思います。

○小池都知事による「国政研究会」の立ち上げについて

【NHK・一由記者】
 小池都知事が、国政選挙をにらんで勉強会を立ち上げるという意向だ。民進党は都議会では小池都政に賛同するというか、協力していく姿勢を示しているが、国政に関して都知事がこのような勉強会を立ち上げることに関して、今後の影響などについて代行はどのようにお感じか。

【代表代行】
 それぞれの、東京も含めた自治体の議会やまた政治のあり方と、国政というのは極めて密接にかかわっています。特に首都である東京の場合には、その関係がより密接だと思うのです。したがって、小池知事が「都民ファースト」ということで都政に打って出られるわけですから、その意味ではいずれかの段階で国政についても何らかのアクションが起きるだろうと見ていましたので、意外と早くその時期が来たかなと。そんな印象です。
 これからどういう関係を築くかということに関しては、率直に言って、政策なり政治的なスタンスなりを見なければわからない、そこは見きわめていく必要がある。一つのバロメーターは、自民党とどう向き合うのか。ですから、自民党と違う道を歩むということなのであればいろいろな可能性はあるでしょうし、逆に、共同歩調を国政ではとるということになってくると、それは我々としてはなかなか協力するということにはなりにくいということになると思います。

○静岡県知事選挙について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 細野先生といえば総理を目指す若手のエースの1人だが、そのキャリアパスの途中で首長みたいなものもありと、そういうことを視野に入れて考えているということはあるか。

【代表代行】
 婉曲的にご質問いただきましたが、私のほうから具体的にお答えしたいと思います。
 静岡県知事については、川勝平太さんという、8年前に私が擁立し、8年間立派に役割を果たしてきた知事がおられる。そして、(川勝知事は)出馬に意欲を持っておられると私は考えています。ですから私の立場は、川勝知事をしっかりと支えて応援していくという立場で、全く揺らぎはありません。したがって、全く考えていません。

○務台内閣府政務官兼復興大臣政務官の辞任について

【共同通信・田窪記者】
 あした、東日本大震災から6年になるが、そんな中、務台内閣府政務官が「長靴業界はもうかった」という趣旨の発言を自身のパーティーでして、きょう辞任した。これについて、総理の任命責任をどのように考えているのか伺いたい。

【代表代行】
 あすは3.11ですので、私は福島の追悼式典に行ってまいります。これまで5回の追悼式典をいずれも福島に行っておりまして、それぞれ被災地は大変厳しい状況にずっとありましたが、特に福島の場合は原発事故がありましたので、被害が続いているという状況です。そういった皆さんの気持ちを常に受け止めて政治でやっていくというのが、国政にかかわる者のあるべき姿だと私は思っています。そこは党派関係なく、例えばその時の政務であるとか官僚の皆さんのサポートも含めてやってきたという思いがあります。
 そういう意味では、務台政務官の「長靴」云々の発言は言及するにも値しないぐらいの意識の低さを感じます。ですから、安倍政権の中で本当にこの復興に対してどれぐらい思いがあるのかというところが疑われる事案だと思います。そういう意識がないのであれば、もう「おんぶ」をされた時点で退いていただいたほうがよかったと思います。

○天皇陛下の退位をめぐる議論について

【読売新聞・上村記者】
 天皇陛下の譲位について。野田佳彦幹事長がこの前の各党との全体会議の場で、特例法を是認するとも受け取れるような発言をしておられたが、どのようにご覧になっているか。

【代表代行】
 この問題に関しての私の姿勢は、全く変わっておりません。陛下の思いというのは、象徴天皇の役割を果たすという意味では高齢になると難しいという中で、制度として譲位を位置づけるということだと思います。我々はその思いを忖度してしっかりと制度をつくるというのが、あるべき役割です。ですから、特措法というのはあるべき姿ではないし、皇室典範でしっかり書くというのが我々がとるべき道だと思います。
 この考え方は再三にわたって野田幹事長には申し上げています。我が党の案もしっかりと持ちながら、どう取り扱っていくのかというのも考えていく必要があるということも伝えてあります。
 あとは、幹事長も難しい中でいろいろな調整なりご判断をされていますので、私の思いは伝えてありますので、あとは幹事長に、党内、当然いろいろな声が届いているでしょうから、しっかりと前に進めていただくことを期待したいと思います。

【毎日新聞・葛西記者】
 きょう公表された議事録では、全党一致が重要だという趣旨の発言を野田幹事長はされていた。この全体会議の動向は野田幹事長が考えていると思うが、野田さんがそこで出した結論には、一任するというお考えなのか。

【代表代行】
 幹事長が、難しい状況の中で交渉しておられるわけですから、それを尊重するという立場ではあります。
 この問題は、そんな簡単に妥協できるという筋の問題でないのは事実です。そもそも陛下の存在そのものが、それこそ一点の曇りもなく「憲法違反ではない」という状態にしておかないと、国家自体の屋台骨が揺らぎますから、これは譲れないと私は思います。
 皇室典範というのは、ある意味、天皇陛下とご家族の家族法という意味合いがある。その意味では、他の法律が国政に関する機能で、当然、陛下のご意見を聞くということにはならないわけですから、それと比較をするとおのずと違う性格のものだと思います。ですから、そういう皇室典範の特徴を考えれば、このご譲位の問題については特に陛下の思いを忖度した上で国会でしっかりと案をつくっていく、議決していくのが望ましいと考えています。

【読売新聞・上村記者】
 全党一致が望ましいというのは、全党・会派一致しているところだと思うが、皇室典範の改正を訴えていた共産党や社民党が特例法に対して柔軟な姿勢を示してきて、民進党が今突出しているようにも見受けられるが、この状況をどのようにご覧になるか。

【代表代行】
 そもそも天皇制を認めていない共産党と同列に論じられる話ではないと思います。
 我が党は我が党として、しっかりと考え方を示しているわけですから、その実現に向かって最後まで努力をしていくということに尽きるのではないでしょうか。

【時事通信・岸本記者】
 民進党の独自案、典範改正案の提出に関して代行は現時点でどうお考えか。

【代表代行】
 案をしっかり持っておくというのは交渉する際にも極めて重要、それが交渉力の源泉にもなると思います。
 それをどう扱うかは、幹事長が一番ご苦労されているところですので、私なりの考え方はしっかりと幹事長にお伝えしてありますので、幹事長にご判断いただくということになろうかと思います。

○憲法改正をめぐる議論について

【共同通信・田窪記者】
 細野代表代行は自身のグループで憲法改正の私案を4月に発表する予定で作業を進めているかと思うが、その進捗状況と、憲法改正に関しては安倍政権のもとでは消極的な意見も党内にあって、それに関してどのように思われているか、あらためて伺いたい。

【代表代行】
 作業は、そろそろ期限が迫っていますので、最終段階まで来ているという状況です。自誓会のメンバーにも一緒に議論をしていただいてきましたし、何人かのメンバーには具体的な執筆作業も共同でやってきています。いいものをぜひ出したい。最終的には、私個人の名前で説明をしながら出そうと思っております。
 党内にいろいろな声があるのは悪いことではないと思います。
 私の個人的な見解を申し上げるならば、これは代表代行というところからは少し離れますが、提案型政党を目指すのであれば、国の基本にかかわる憲法について、やはり「こう考えるのだ」ということを、しっかりと示すべきだ。それが民進党の本来の姿だし、また政権に戻るということを考えるならば、非常に重要な局面に来ていると考えています。

○新ゆるキャラ「ミンシン」・旧ゆるキャラ「民主くん」について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 大西青年局長によると、民進党の大会に「民主くん」を呼べないとおっしゃっていたが、そういうのは、やや恨みを買うのではないかと思う。まさか旧維新の松野頼久さんや江田憲司さんがそんな冷たいことを言わないと思うが。やはり新旧交代のセレモニーをしたほうがいいのではないか。

【代表代行】
 いろいろな方に関心を持っていただくという意味でゆるキャラが登場することは悪いことではないと思いますが、党大会のメインという話にはどう考えてもなり得ませんよね。ですから、新しいキャラクターが決まりましたので、必要な時にそのキャラクターが出てくるということでいいのではないかと思います。