党役員会見に関する基本的な方針について

蓮舫代表記者会見(民進党2017年度定期党大会終了後)

2017年3月12日(日)15時45分~16時07分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=o4--o2b5uO0


■質疑

■冒頭発言

(なし)


■質疑

○エネルギー政策 「原発ゼロ基本法案」について

【NHK・花岡記者】
 原発政策について伺いたい。きょう、党大会で方針を示すということで、「原発ゼロ基本法案」ということと、できるだけ前倒しをしていくことを発表された。これから法案の具体的な中身が議論されていくと思うが、どれくらいのタイミング、いつまでに、総選挙ということが言われているが、総選挙がいつになるかわからない中で、とりあえずのめどは考えておられるかということと、法案の中身の議論の進め方はどのようにお考えになっているか。

【代表】
 エネルギー政策、「原発ゼロ基本法案」についてはエネルギー環境調査会で取りまとめをしていただきました。玄葉光一郎会長とも話していますが、これから2週間に3回ペース、1週間に1回では足りないというスケジュール感覚で、論点整理、そしてどういったものをどういう形で法案の条文に埋め込んでいくかという議論を党内で早速始めてもらいたいと思っています。
 「次の総選挙までに」という大きな目標は掲げていますが、「常在戦場」、いつ総選挙になるかわかりませんので、とにかく作業を急いでもらいたいというお願いをしたところです。

【NHK・花岡記者】
 この党大会で、「2030年代」の前倒し、具体的な年限を示されるのではないかという話もあった。きょうは、前倒しも検討していく、前倒しできるようにやっていくという話があったが、その具体的な年限を示さなかったことと、その「前倒し」という言葉をこの党大会で言ったお気持ち、この間の経過も含めて、どういう経緯でここに落ち着いたのか伺いたい。

【代表】
 我々は、二大政党制を実現する、政権交代を実現する政策集団ですので、実現が可能な法案の中身を探っていただいて、その上で前倒しが実現可能となるように、そこを目指して法案をつくってもらおうと思っていますので、そこはもう仲間が丁寧な、専門性の高い見地から議論していくことになると思います。

【読売新聞・佐藤記者】
 きょう連合の神津会長があいさつされた中でエネルギー政策に言及されたくだりで、民進党に対して、責任ある対応を引き継いでいくことが国民の期待につながるというような発言をされていたと思う。この発言に関して代表はどういうふうにお聞きになられたか。

【代表】
 率直に、すなおに受け止めました。

【読売新聞・佐藤記者】
 聞きようによっては、責任ある対応を引き継いでいくという会長の発言は、民進党がこれまで掲げてきた「2030年代ゼロ」という政策について、引き継いでいったほうがいいのではないかというような聞き取り方もできると思うが、その辺についてはいかがか。

【代表】
 私は、そういう斜めな見方はしません。率直に受け止めました。

【TBS・長沼記者】
 きょうの党大会の蓮舫代表のスピーチの中で、エネルギー政策についてもっと踏み込んで発言してもらいたかった、ちょっと残念だったという声も先ほど聞かれたが、そういう方々と一緒に、今後、法案の策定ということになってくると思うが、どういう調整や会話をしていくのか伺いたい。

【代表】
 党のエネルギー環境調査会が全議員から、相当出席率の高い会議を丁寧に重ねてまとめてきました。きょうの段階の私の発言も踏まえて、これからは法案化をする作業ですから、その速度をもう少し加速させて、具体的な条文に落とし込んでいくという作業ですから、いろいろな立場の方達がさまざまな見地から闊達な議論をしていただいて、一つの方向に修練していくのだと思っています。

○井手教授のスピーチ 尊厳ある生活保障総合調査会について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 井手英策先生の渾身のプレゼン、拍手鳴りやまずと。これは会場が心一つになって、私には当大会で唯一最大の収穫だったのではないかと見えたが、その受け止めと、それから6月に中間報告と聞いたが、党大会の勢いで、どういう形で国民にプレイアップしていこうと。その辺を伺いたい。

【代表】
 井手先生を中心軸に勉強会、議論を重ねている前原調査会(尊厳ある生活保障総合調査会)ですが、まさにきょうお越しいただいた井手先生のプレゼンを毎回拝聴しています。拝聴すればするほど、私達の目指すべき社会の仕組みのヒントがあるということを感じていましたので、党大会にお越しいただいて、その思いを全ての仲間と共有したかったというのがお招きをした理由ですが、すばらしいごあいさつをいただきました。さまざまな示唆に富んでいる、ご提案も含めた、耳の痛い話もあったと思いますが、しっかりとそれを受け止めていく礎を、きょうは仲間全員で共有することができたと思っています。
 今、実際に、古川元久税制調査会長も前原誠司会長と一緒になって、制度だけではなく、国のあり方には税制も欠かせないものですから、日本版ベーシックインカムの税制とあわせて、具体的な提案に落としていただけるよう前原会長にお願いしています。

○教育の無償化について

【日本テレビ・古谷記者】
 きょうの党大会で、衆院選に向けて「教育」と「原発」という大きな方向性を二つ示したと思うが、教育の無償化は、自民党も興味を示して具体的な検討を始めていると思う。これは争点消しという見方もできるが、有権者からすればその違いがわかりにくいということもあるかもしれない。今後、その違いを出していくためにどのようなところを重点的にやっていきたいとお考えか。

【代表】
 教育無償化は与党も野党もなくて、この国の政治家であれば、次の子ども達に学びを保障するというのは大きな大きな責任だと思っています。
 ただ、現政権の教育無償化というのは、相対的な数が財源的に圧倒的に足りないと思っています。2万人規模の給付型奨学金という形を創設したところで、やはりゼロが二つ違うレベルの学生がいるわけですから、ここは財源をどのように確保していくかというのがこれからのポイントになると思っています。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 教育費の無償化については、消費税1%で3兆円、それから相続税・贈与税のかさ上げ、それから租特、配偶者控除の見直しとか、この5兆円の財源という考えを出されたが、これは蓮舫さんの私的なお考えなのか、そういうのを衆院選のマニフェストに盛り込んでいく、対案にするのか。どこまで煮詰まった「5兆円」のお考えなのか伺いたい。

【代表】
 教育無償化にかかる費用は最大で5兆円です。それに対して、細野豪志代表代行を中心に、政調会長とともに政策アップグレード検討会で財源も含めてまとめてもらいました。その時に、消費税1%・3兆円弱、それに対して税制改革の部分で幾ら幾らという積み上げもしっかりしていただいています。
 ただ、総選挙に向けてどこまで、いきなりフルスペックで無償化をするのか、それともまずはこの(必要な)規模から始めるのか、それによって税源の中身が変わってきますので、それはうまく収支を合わせてしっかりと総選挙ではお訴えをしたいと思いますが、党としてオーソライズされているものです。

【朝日新聞・中崎記者】
 代表のごあいさつの中で、憲法改正を伴う教育無償化について言及された。野党の日本維新の会を初め主張もあるが、党内にも憲法改正すべきではないかと、細野グループを中心にそのようなお考えもあるようだ。それについて、代表としてあえてあいさつの中で触れられたお考えと、党内でそのような議論があることについての受け止めを伺いたい。

【代表】
 教育無償化と憲法に関してはこれまでと同じことを言い続けています。
 他方で党内には、細野さんを中心として、党の憲法調査会に提言として一つのアイデアを提出するということも本人から伺っていますが、それは枝野幸男憲法調査会長のもとで、一つの提案という形で、また平場で議論に付されると思いますので、特段矛盾が生じているとは思いません。

○代表就任から半年 「提案路線」を振り返って

【朝日新聞・中崎記者】
 代表に就任されたのはちょうど半年前、まさにこの場所で記者会見をされたと思う。この半年間を振り返って、「蓮舫路線」と「提案型」と掲げて代表に就任され、できたこと、できなかったこと、難しいこと、いろいろあると思うが、振り返って伺いたい。

【代表】
 就任して半年、まさに支えていただいて、党としてしっかりとまとめていく、そのために努力してきました。まだまだ道半ばですし、我々の提案している、例えば「働き方改革」の対案、自然エネルギー・再生エネルギーを推進していくための対案、あるいはさまざまな税制改革の対案。例えばこの間の補正予算には我々は組み替えも要求しました。そういう部分で節目節目、大事なときには我々は「提案路線」を掲げているのですが、なかなかそれが伝わらないというところは反省しなければいけないと思っています。
 ただ、きょうは1回目の党大会ですから、この半年間、そしてこれから1年間、我々がしっかりと教育、エネルギー、社会保障、税制改革で、旗を掲げるということは確認できたと思いますので、しっかりと発信していければと思っています。

○天皇陛下の退位をめぐる議論について

【朝日新聞・中崎記者】
 天皇陛下の、皇位をめぐる話で、あした正副議長のもとであらためて各会派の意見聴取がある。自民党側と民進党側で考え方が異なる部分も大きく、とはいえ、大きく合意に向けて進めていく必要があると思うが、もう時期も迫ってきているが、民進党としての対応を現時点で伺いたい。

【代表】
 現段階でまだ、両院の正副議長のもとで各党の意見が聴取されていますので、ここで断定的に、民進党の代表である私が「こうあるべき」と言うのは避けたほうがいいと思っています。
 ただ、国民の総意としての立法府の意思というのは、明確に示すべきだとも思っています。各党のさまざまな意見を両論併記で論点をそれぞれ並べて示して政府に丸投げするのでは政府の下請機関になりますから、やはり立法府としての決断をしっかりとまとめて、この国会の中で政府に対して、「我々の意思はこうだ」「こういう法案化をするべきだ」という意思を示すべきではないか。それがすごく重要な時に入ってきたように思います。

【産経新聞・豊田記者】
 民進党はかねてから皇室典範改正で対処すべきだと主張されてきたが、ここに来て特例法を容認する方向に来ていると報じられ始めている。代表は特例法についてどのようなお考えをお持ちか、あらためてお聞きしたい。

【代表】
 報道でいろいろな中身が報じられているのは承知していますが、私達の基本的な立ち位置はやはり皇室典範の改正という、この主張は今もなお両院の正副議長のもとで我々の考えとしてお示しをしています。

○次期総選挙・野党連携について

【時事通信・島矢記者】
 代表は党大会のあいさつの中で、次期衆院選に向けて言及されていたと思うが、その中で野党共闘についての言及がなかったと思う。今回あえて野党共闘について触れなかった意味について伺いたい。

【代表】
 幹事長報告でもありましたが、1年間の活動方針案にそこは明確に書かせていただいておりますので、重なると思ったので、私のあいさつではなくて幹事長の報告の中に入っています。

【新潟日報・小林記者】
 代表のあいさつの中で、衆院選の候補過半数を目指すとおっしゃっていたが、新潟5区を含め候補が不在になっているところもある。そこの部分については野党共闘の中で調整区ということで見送るということもあり得るのか、あくまで候補の擁立を目指すのか、確認させていただきたい。

【代表】
 この場で特定の小選挙区について言及することは控えさせていただきたいのですが、基本的には私達だけで、単独で過半数を目指す候補者を擁立する。実際に、今その努力を馬淵澄夫選対委員長にお願いしています。

○東京都議会議員選挙について

【テレビ朝日・延増記者】
 あいさつの中で都議選について触れた際に、全国に応援を呼びかけられたが、今、離党届を出す候補者が相次いだり、厳しい情勢が予想される。今後、都議選は小池都知事との連携なども含めて、どのように力点を置いていきたい、どのように都議選を乗り切っていきたいと蓮舫代表はお考えか。

【代表】
 公認で候補者を既に擁立していますので、1人でも多くの仲間がしっかりとした結果を出せるように、都連を中心に、そして党が全面的にそれはバックアップしていきたいと思います。きょうは党の青年局も全員がしっかりと都議選の応援に入るという確認をしています。ここは頑張っていきたい。
 その上で、「改革」という部分では今まさに百条委員会が行われていますが、改革を求めたのは私達民進党の仲間であり、その改革は都民が求めているものであるという姿勢は、これまでと同じように、これからもしっかりと訴えていきたいと思っています。

【共同通信・田川記者】
 小池都知事との連携についてはどのようにお考えか。

【代表】
 「まず連携」ということではなくて、我々の仲間、民進党の仲間がしっかりとした結果を出すために、きょうは党大会で(党内に)協力をお願いして、そして全党を挙げて臨んでいくんだということ、まずはこの姿勢に尽きると思います。

【東京新聞・我那覇記者】
 足元で公認の人達が離れていったりしているが、このことについて懸念というか受け止めというか、そういう部分はどうお感じになっているか。

【代表】
 仲間が、という部分では非常に残念ではあります。ただ、見ている方向性は、やはり「改革」という部分では同じだと思っておりますので、しっかりと改革に向けた動きをする仲間を引き続き私達は応援していきたいと思っています。

【東京新聞・我那覇記者】
 例えば、引き止められなかった、これは別に代表だけではないと思うが、党として引き止められなかった部分についてはどうお考えか。

【代表】
 それも含めて非常に残念だと思うのですが、今、とにかく東京都連が中心になってしっかりとこの都議選に対して、公認の候補者に結果を出してもらう、全力を挙げるという部分、それを党として全面的に応援していくという方針には変わりはありません。

○自衛隊南スーダンPKOからの撤収について

【NHK・花岡記者】
 金曜日(3月10日)に、政府が南スーダンからの撤収を発表された。政府の説明としては、国内政治の安定に向けてプロセスが進んできているとか、施設整備について一定のめどがついたとか、そういう説明をしていて、戦闘があったからとか治安情勢が悪化したからではないと説明をしているが、これについて納得できるかどうか。今後、国会でどういう点をただしていきたいかについて伺いたい。

【代表】
 全く納得できない説明だと思います。治安情勢が悪化したから、ではなくて、では一体何のための撤収なのか。その説明はやはりしっかりと総理並びに防衛大臣から伺わないと。
 私達は、そもそも「駆けつけ警護」を付与した南スーダンへの派遣はリスクが高いからやめるべきだと。実際に派遣するのであれば、自衛隊員の安全が確保されないので、確保する法律案も出しています。それに対して一顧だにしなかった政府が、ここに来て、例えば国有地払い下げの問題が大きくなった時に合わせるかのように、南スーダンから、特段の理由もなく自衛隊を撤退させるというのは、残念ながら何らかのアリバイづくりのように見えてしまうことがあると思いますので、ここはしっかりご説明を伺わなければいけないと思います。

○衆議院議員への鞍替えについて

【時事通信・山田記者】
 ご自身の衆議院への転出の話だが、選挙はいつあるかわからないが、同じような質問は何回も聞かれているかもしれないが、あらためて。比例1位とか、あるいは衆議院はやはり諦めるとか、そこを含めて現在何か変化はあるか。

【代表】
 総選挙があった時には、しっかりと総選挙に候補者として臨みます。その方向は変わっていません。

【東京新聞・我那覇記者】
 衆院選転出の話だが、これまで似たような質問を受ける中で「総選挙に候補者として臨む」とはっきりおっしゃったのはなかったように思う。ちょっと踏み込んだような印象を受けた。去年から方向性自体は示していたと思うが、例えば東京から出るとか、それ以外の選択肢はあるのかとか、今、具体的にどういうふうに調整が進んでいるのか、お話を伺いたい。

【代表】
 まだ内緒です。

○新ゆるキャラ「ミンシン」のデビューについて

【共同通信・田川記者】
 きょう、新しいゆるキャラの「ミンシン」のお披露目だったと思うが、壇上に上がらなかった理由、一緒に並ばれなかった理由は何かあるか。

【代表】
 何だろう。(笑い)
 それは実行委員会が決めたことで、把握していませんでした。
 物理的に階段を上れないそうです。