党役員会見に関する基本的な方針について

江田憲司代表代行記者会見

2017年3月15日(水)14時02分~14時36分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=icZ0gWgSh_s


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○稲田防衛大臣に対する辞任要求について

【代表代行】
 まず稲田防衛大臣の問題ですが、例の南スーダンPKOの日報の廃棄問題でも省内を掌握できず、今回の虚偽答弁でも、ご自身の危機管理もできないような方が国の防衛・危機管理ができようはずもございませんので、1日も早く辞任していただきたいと思います。この国にいて心を安んじて暮らしていくためにも、こういう方が防衛大臣、自衛隊の指揮官だということは国民も大変不安を覚えますので、1日も早く辞任していただきたいと思います。

○森友学園問題 関係者の参考人招致要求について

【代表代行】
 それから森友問題は本当におかしなことだらけで、何でこんな異例づくし、初物づくしのようなことが、籠池さんの要望に沿って、縦割りの役所で本来連絡も悪いようなところが、足並みをそろえて認可や土地売却に向けて手続を進めたのかというのが本当によくわかりませんが、引き続きしっかりと追及していきたいと思います。
 この稲田問題も含めて、やはり稲田大臣の前に籠池さんが参考人として立って、お互いの言い分の整合性というものも突き詰めていかないといけないと思っていますので、引き続き籠池さん、当時の財務局・航空局等々の関係者の参考人招致も求めていきたいと思います。
 あした(16日)予算委員会で現地調査もございますし、申請が取り下げられたといっても引き続き疑惑は深まるばかりでございますので、この点をしっかり民進党としても真相究明に向けて努力していきたいと思います。

○森友学園問題 安倍総理夫人の説明責任について

【代表代行】
 そういう中で、やはり安倍昭恵夫人の関与があったのかどうか、この点が私は非常にひっかかるのです。
 総理夫人が公人か私人かという議論がございますが、公人というのは必ずしも公務員である必要はないのです。「公人=公務員」ではない。政府の答弁を見ますと、あたかも公人は公務員に限るというような解釈で「私人だ」とおっしゃっていますが、公人というのは公の立場に立つ方、私人というのは公の立場からは関係のない一個人、私はそういう理解をしております。
 昔、総理夫人担当の政務秘書官をやっていた経験からも、総理夫人にはいろいろなイベント・行事の出席依頼、さらには祝辞やメッセージ依頼、総理大臣の分身あるいは総理大臣の代理としてそういう依頼が来るわけです。そうした時に、祝辞やメッセージを出すべきかどうか、さらにはそういう行事やイベントに総理夫人が出席するかどうかの判断は、実は政務秘書官の私がやっておりました。それは当然のことながら、やはり当時の橋本家、今でいう安倍家の、これまでの人間関係、いろいろな経緯、そういったものも頭に置きながら、公的な立場にある総理夫人がこの案件について関与していいかどうかという判断をしなければいけない。
 そうした時に、これは役所から出向している総理秘書官はできません。この方々は政策のサポート役。一方で、じゃあ内閣総務官室や官邸の職員や内閣府の職員ができるかというと、それは総理大臣や夫人に年に1回も会わないような人達ばかりですので、ここもできない。だから総理夫人の公の立場の活動について判断しているのは、今でも今井総理秘書官(政務担当)だと思っています。そうでないと判断できない。だから経済産業省の常勤の職員が(総理夫人の秘書役として)2人いるのではないですか。
 外務省の職員が非常勤で3人いる、これは自然なことです。それは外遊日程、国内でも、今サウジアラビアの国王が来られていますが、その接遇もあります、総理夫人として。ですから非常勤として外務省の職員が3人ついているというのは極めて自然なことで、私がお仕えをしていた橋本政権でも当然そういうことがございました。
 しかし、安倍政権の特異なところは、国内の問題についても専門の職員、しかも経済産業省から出向の職員が2人いる。これ(経産省からの出向であること)はある意味で自然なことで、それは総理夫人担当が政務秘書官で経済産業省出身ですから。行革等々で、そうでなくても人繰りが厳しい役所から純増で2人官邸に出向させるというのは役所にとっては大変なことなのです。しかしそこは、政務担当の秘書官が経産省出身だから、親元の経産省にお願いしたと見るのが自然ではないでしょうか。
 そういう担当職員が、この昭恵夫人の幼稚園での講演・訪問にも同行していたという事実が明らかになっております。そこで、私もビデオを見ましたが、瑞穂の國記念小學院で何かお役に立てることがあればみたいなお話を安倍昭恵夫人がすれば、同行していた職員は出張報告なり何なりでその関係部署に伝えたということも十分考えられますし、やはり役所にとってみれば、これは「安倍総理案件」なんだという印がついて、最近はやりの言葉で言うと「忖度」に「忖度」を重ねて関係部署が動いたということも十分考えられます。
 そういうことが事実かどうかも含めて、安倍総理夫人も説明責任を果たさないかんと思います。週刊誌の報道を取り上げたくはありませんが、けさ発売の某週刊誌では、あたかも安倍総理夫人が文科省に口利きをしたような記事も掲載されておりました。もちろんその真偽は不明でございますが、そういうことも含めて、私の経験からしても、やはりこの森友案件というのは、幾ら考えても考えても、状況証拠は全てそろっている。しかし、個別具体的な政治家の介入が見えてこない。その一つの要因としては、背景にはそういうこともあるのではないかという疑念もありますので、そういう点も含めて、しっかりと解明をしていかなければいけないと私は思っております。


■質疑

○森友学園問題 関係者の参考人招致・説明責任について

【共同通信・下山記者】
 参考人招致の要求だが、きょう衆議院厚労委員会の理事会で、籠池さんの奥さん、副園長を参考人として新たに呼びたいという意見が民進党から出たようだが、代行ご自身、今後そういったところも求めていったほうがいいと思われるか、受け止めを伺いたい。

【代表代行】
 奥様ですか、副園長さんも、本来かけ持ちであってはならない職務につかれて、それが補助金申請にも絡んでいるというような話もございますので、やはりそこも徹底的に解明するためにも参考人招致を要求していくのは当然ではないでしょうか。
 とにかく、ここまで自民党・安倍総理が拒否されるというのは、本当にやましいことがあるからだと国民は思いますよ、誰しも。やましいことがなければ堂々と出てきていただいて、しっかりと説明責任を果たしていただきたいと思います。
 きょう(15日)も何か不可思議なことが起こりました。外国特派員協会で籠池さんの会見予定が急に取りやめになったなんて、背後で何が動いているのでしょう。先週は、前日まで「小学校認可、お願いします」と言っていた方が、翌日になると「申請書を取り下げる」と言うのでしょう。これも何か大きな力が背後で働いたのではないかと推測します。何から何まで疑惑だらけなので、これ解明しない限り本当にまともな政策論議が滞っちゃうので、しっかりと安倍自民党には対応していただきたいと思います、ご自身の問題として。

○稲田防衛大臣に対する辞任要求について

【NHK・一由記者】
 先ほど代行のほうから稲田防衛大臣の件に関してご発言があった。自民党・公明党は、稲田大臣は国会で謝罪して答弁を撤回しているということで、済んだ話ではないかという姿勢を示しているが、それでは済まないということか。

【代表代行】
 もちろん、申し上げたとおり、あの日報問題でも省内を掌握し切れていない。それから今回の一連の答弁も、とぼけておられるのか、確信犯なのか、天真らんまんなのか、わけわからない。だから基本的に防衛大臣の資質に欠けると思います。
 あれだけ強弁されたわけです、追及に。あんたのほうが虚偽だとおっしゃっていた方が、コロッと変わるわけでしょう。こんな方に自衛隊の指揮を任せていいのでしょうか。本当に不安に思います、私も一国民として。本当に1日も早く辞めていただかないと、日本の防衛が全きを期さないと思います。

○「首相夫人は私人」答弁書の閣議決定について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 公務員がみんな公人だと思っている公務員ってどこにもいないと私も思うが、今回のような「総理夫人=私人」だというようなことを閣議決定することは、ある種の公私混同みたいなものを許していくような、禍根を残す閣議決定ではないかと私は本当に思うが、何でこんな閣議決定になってしまうのか。問題はやはり高い立場や肩書を持っている方の公私混同だと思うが、その辺はどうご覧になるか。

【代表代行】
 まあ、よっぽどかばいたい何かがあるのでしょう。そこを公人と認めればつじつまが合わなくなるような事情・背景があるのではないですか。
 だから、何度も申し上げるとおり、公人か私人かと言われれば、総理夫人というのは公の立場に立って行動される場合もあれば、当然純粋に私的な立場で行動される場合もあると思います。しかし今回のような、私立といえども幼稚園に行き講演をし、名誉校長になるということは、総理夫人だからこそ要請をされ、行かれたわけです、明らかに。そこに公務員も同行していたわけです。
 先ほど言い忘れましたが、そういう位置づけの公の立場に立ち、かつ、民間の人の中にはやはり総理夫人を利用してやろうとか、その信用力を利用して利得・利益を得てやろうとすり寄ってくる方も多いんです、私の経験から言っても。そうした時に当然、総理夫人肩書というのは大きいですから、そこは私の場合は、一私企業、一私学のために総理夫人が肩書を貸すとか名前を貸すとか講演に行くとか祝辞を出すとかメッセージを出すということは一切やっておりませんでした。それはその結果、その一私企業、一私学、一私団体に多大な利益や利得を及ぼすわけです。しかし、総理大臣というのは全国民の代表者ですから。全体の奉仕者、全国民の代表たる総理大臣の分身や代理と外から見られる総理夫人が、そういう私的に利用されてはいかんという基準ははっきりありました。
 今回は、それをあえて破ったのか、全くそんなことは意識もなく簡単に行かれたのか、よくわかりませんが、仮に何も判断もせず行かれたのであれば、それは官邸の危機管理上もゆゆしき問題だと思います。そこは政務秘書官がしっかり管理していたというのが従来の政権だと私は思っている。安倍昭恵夫人の言いなりに、あちこち行かれて、そこに公務員、担当がいるのだからついていきましたでは、これは官邸の危機管理がなっていないと思いますし、逆に判断をして、政務秘書官なり誰それが判断して昭恵夫人が行ったとすれば、なぜこんな一私学のために総理夫人を行かせたのかという問題も出てきますし、本当に問題だらけなんです。だからこそ、「私人である」と強弁せざるを得ないのではないですか。

○加計学園による獣医学部新設について

【フリーランス・田中記者】
 加計学園のことで伺いたい。これのほうが金額といい、安倍総理の“お友達”としての親密度といい、はるかに凶悪だ。疑獄としてスケールが大きい。
 おとといの予算委員会で福島瑞穂さんが追及していたら、安倍総理は、週刊誌見て言っているでしょうと言っていたが、瑞穂さんの書類は知らないが、言っている内容は、内閣府から今治市議会におりてきた文書だ。私は現地に行って取材したから。そうなると、国家戦略特区の議長である安倍総理の関与というのがかなり色濃くなってくるが、そこら辺は官僚経験者の江田さんはどうお考えか。

【代表代行】
 私はその件について知識が乏しいので、あまり責任あるお答えはできませんが、しかし私が聞いている限り、今治での獣医学部の新設については、民主党政権時代から要望があったと。しかし、トントン拍子で進んだのは安倍政権になってからだ、ということは事実らしいのです。ですからその辺については事実関係を民進党としても解明はしていきたいと思っています。現にやっております。それ以上のことは今はわかりません。
 加計学園(の設立者)は私の地元(出身地)岡山の方なので。岡山理科大学を創設された。私は残念ながら全くお会いしたこともお話ししたこともございません。

○党内のグループ活動をめぐる報道について

【時事通信・岸本記者】
 江田代行自身が共同代表を務めていた旧維新グループが分裂という報道が幾つかある。その事実関係と所感をお聞きしたい。

【代表代行】
 代表代行会見なので詳しいことは控えますが、ただ1点、誤った報道があるので正したいと思います。何やら、私が昨日新しいグループを立ち上げたという報道がございますが、私自身に全く取材もございませんし、事実に反します。
 我々グループ、政策集団として昨年発足させたのですが、引き続きグループ活動、しっかり政策提言等々をやってほしいという意見がグループの大勢を占めていたので、きのうの時点で、グループ・政策集団としての活動を継続するということを、過半数を超える人達の出席を得て再確認したということです。ですから、昨年、維新と民主党が合流した時に、それまで訴えてきた政策を実現しようという思いで結成したグループは引き続き継続するということを、過半数を超える出席者の総意で決定をした。
 特に議論したのは、蓮舫代表も党大会でおっしゃった「原発ゼロ基本法案」、この中身を充填していく作業がこれから続きますので、しっかりその点についても政策提言をしていこうということを申し合わせた。それ以上でもそれ以下でもございません。

【朝日新聞・松井記者】
 確認だが、もともとあった旧維新の方々によるグループが、最近会合がちょっと間遠になったので、あらためて再始動というか、一部どこか出ていく方がいるかもしれないが、基本的にグループとして再活性化させていくという理解でよろしいか。

【代表代行】
 難問山積、政策課題山積ですから、やはり昼にも集まって、お互いの情報を共有しながらしっかりとした政策提言をしていこうということで、これは従来のグループの活動をしっかり継続していこうということでございます。
 この点についてはこれ以上何か、私はあまり代表代行会見でグループの話はしたくないので、ご関心の向きはこれが終わった後に個別に対応させていただきたいと思います。

○官邸に対する官僚組織・報道機関の「忖度」について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 江田さんは、官邸のある種の一つの完成形、統制の完成形だというようなことをおっしゃっていたが、霞が関は「全自動忖度機」になっていると、おもしろいことを言う人もいる。まさにそういう状況だ。内閣法制局長官の首をすげかえたあたりから「全自動忖度機」になったと私は見ているが、江田さんはこの霞が関の「全自動忖度機」はいつからとご覧になるか。

【代表代行】
 「全自動忖度機」というのは、いい表現ですね。
 まさに、私が言い忘れたポイントとして、やはり内閣人事局がつくられ、指定職というか局長以上の人事は全て官邸に握られ、それで現実問題、次官人事の差しかえもあるという中で、元官僚として言えば、上の幹部ほど戦々恐々としていますよ、今。官邸に逆らったら、次官の首が飛ぶ、役所の既定人事が変更させられる。皆さんの会社もそうでしょう、会社の同期会や役所の同期会をやると、大体人事の話なんです、酒を飲みながら。その人事の首根っこを官邸に押さえられているのです。ですから、そこも大きな一つの背景だと私は思います。「忖度」があったとすればね。
 だから何度も言いますように、それは不承不承であれ積極であれ、名誉校長に安倍夫人がつき、それで児童や寄附金集めのパンフレットに安倍昭恵夫人の写真が載って「名誉校長」があって、籠池先生の教育に対する熱意にほだされて名誉校長に就任しました、なんてメッセージが載っているわけでしょう。それを見た役人は、「これは安倍首相案件だ」と思うのが当たり前ではないですか。だからそういうことを与えてはだめなんですよ、信用、クレジットを。だから差し控えるべきですよ。
 安倍さんが開き直って、「なにか我々夫妻を犯罪者扱いにしている」、そんな問題ではない。もう脇が甘いというレベルを越えているのです、これは。大問題なのです、官邸の危機管理上。もっとそこを攻めたほうがいい。契約の細かいことは、いろいろなおもしろいことがあり過ぎて、もう不可解なことがあり過ぎますから、これはおもしろいのですが、こういうことはあまり細かいところ、「戦略は細部に宿る」からいいのですが、やはりその根幹のところはそこだと思いますよ、今回の案件は。そこをもっと解明すべきだと私は思います。

【朝日新聞・松井記者】
 関連で。「全自動忖度機」についてだが、報道機関もある種「全自動忖度機」になっているのではないかという見方があって、例えば特定のニュースが流れると、その直後に特定の方がテレビに出演して官邸の考え方を説明されるとか、特定の報道機関をうまく官邸が利用しているのではないかと。第2次安倍政権の報道機関との向き合い方について賛否両論あると思う。官邸を経験された江田代行から見て、今の安倍官邸の報道機関への向き合い方をどのように見ていらっしゃるか。

【代表代行】
 私がいたのは自民党政権、本格政権ですが、当時から、申しわけないがレベルの低い方がテレビ報道や新聞報道に対して抗議文書を送っていたということはありました。ありましたが、総務大臣が「放送の電波を停止することもあり得る」なんていう答弁を予算委員会でしたり、そういった圧力を公然とかけるような政権というのは初めてですよね。
 だから皆さんにお聞きしたいのは、私も耳に入っているのは、報道現場が非常に萎縮しているという話もよく聞きます。それはそうでしょう、報道現場のスタッフも会社の一社員です。もともと皆さんの社長さんは総務大臣に頭が上がらないわけですから。総務大臣というのは、特にテレビは放送免許権を持っている。それはずっとあったわけでしょう。あったわけだけれども、それをかさに着て、露骨に、公に圧力をかける政権というのはなかったわけで、そこが、アメリカのどこかが報告書を出してやはりそういうことも指摘されているわけでしょう。
 何というか、一回カンフル剤で金融緩和をやったのがたまたま当たったと。別に安倍総理がずっと政治家として政治生命をかけて訴えたことではないのだけれども、たまたま総裁選で石破さんが優勢だったところに差別化を図るためにポーンと飛びついた金融緩和、これは実は私がその3年前から訴えてきたことにパーンと飛びついたら、カンフル剤だからパーンと効いて、株も上がった、円も安くなった、雇用指標もよくなった、という財産を食い潰してずっと来たのが安倍政権なんです。
 私はあまり気のきいた表現はできませんが、やはり国民から見ても、「あばたもえくぼ」にずっと見えてきたんですよ、この安倍政権。なぜ支持率が高いかというと、もうずっと「あばたもえくぼ」に見えてきたんですよ。金融緩和で一時的に経済が多少よくなった。今は悪いですが。
 これが、何かのきっかけで、やっぱり「あばたはあばた」だったのだと国民が認識する、この森友問題しかり、この稲田問題しかり、と僕は思っているのです。やっぱり「あばたはあばた」だったんだと。その一つが、言論の自由というか、放送の自由とか表現の自由に露骨に圧力をかける安倍政権ということも、経済が多少上向いたところの陰に隠れていたところがどんどん見えてくるきっかけになるのではないか。
 もっと危機意識を持たないと、参考人招致にも応じてきっちりと身ぎれいにしないと、安倍総理は国民を侮っていると手痛い仕打ちを受けるのではないかと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 安倍さんに対しては、橋本龍太郎に対しての江田さんのように、中曽根さんに対しての後藤田正晴さんのように、諫言を呈する人がもういない。それが力の一極集中になってしまった。かつてはナベツネさんがその役割を果たしていたが、第2次安倍政権になってからはちょっと変わった。
 江田さんの言い分はわかるが、例えば安保法制の時などはかなり国民をなめたが、だけどその後での、国民が勝ったかどうかという、選挙だ。ほとんど負けている。だから野党が安倍さんを強くしている。それは反省してください。

【代表代行】
 野党がふがいないから今の安倍政権を許している。だからこそ安倍さんが決して抱きつけない政策分野で、しっかりと違いのわかる政策を打ち出し、国民に訴えていく。特に選挙の時はそうしなければだめだ。
 だから、いろいろと批判されていますよ、それは蓮舫さん、党大会で、確かに震災、3.11の翌日になるから、原発政策についてもっとわかりやすく歯切れよく打ち出すんだとおっしゃっていた。それが結果的には年限を示さなかったという批判はありますが、しかし「30年ゼロ」であろうが「30年代ゼロ」であろうが、民進党は原発はなくしていくということではもう一致している。原発再稼働も、安倍政権のように原子力規制委員会の安全基準に適合しただけで動かすというのではなくて、プラス、避難計画はしっかり国の審査対象にして国が責任を持った形でやりましょうと。今は自治体任せです。それから核のゴミの最終処分場、これは最終的に決める必要はないけれども、少なくともその決めるプロセスは開始することを前提とすると書いてあるわけだから。今、原発再稼働を民進党に問われたら、みんな反対です。これは基本的政策合意でホームページにも載っている、我々の政策ですからね。原発政策は安倍さん抱きつけませんから、そういうところでしっかりと違いを出させて選挙戦でも戦っていくことが大事ではないでしょうか。
 抱きついてくるような分野で違いを出そうと思ってもなかなか難しいのです、国民の受け止め方としては。だから私は常々言っているのですが、カジノも一つかもしれません、安全保障政策もそれは大きな相違点があります。そうしたところをバンバン訴えていかないと、やはり自民党に代わって民進党が政権交代可能だという選択肢たり得ないと思いますので、ご指摘をしっかり踏まえて反省をしながら、次の衆院選に向けて対応していきたいと思います。