衆院予算委員会で23日午後、学校法人「森友学園」理事長・籠池泰典氏の証人喚問が行われ、民進党・無所属クラブを代表して枝野幸男議員が質問に立った。

 枝野議員は(1)国有地払下げをめぐる安倍総理夫人・昭恵氏とのやりとり(2)昭恵氏から100万円の寄付金を受け取ったとする際の具体的状況(3)約8億円も値引きされて国有地が払い下げられた経緯――等についてただした。

 小学校建設用地に付いていた10年の買い受け特約を、介護施設並みの50年の特約に付け替えられないかを昭恵氏に依頼し、その返答をファクスで受け取ったとする問題について、「このファクスは、昭恵夫人にお願いしたことに秘書(夫人付きの公務員)から回答があったということか」と尋ねた。それに対して籠池氏が「その通りだ」と答えたことから、枝野議員は「昭恵夫人本人が直接行動していないが、自分が頼まれたことについて公務員にお願いをして回答がきたということ。安倍首相がこれまで言ってきたことと全然違う」と指摘した。

籠池泰典証人

籠池泰典証人

 籠池氏の重大な発言を受けて枝野議員は、「あなたの証言は議院証言法で事実と違うことがあれば偽証罪に問われる。ファクスが偽造されたものであれば、それも罪に問われる。これは間違いのないものか」と再度確認した。籠池氏は「間違いない」と明言した。このように籠池氏が偽証罪に問われる立場で証言しているのだから、昭恵氏や秘書役の公務員も参考人や証人として意見を述べるべきではないかと問うたところ、籠池氏は「その通りだ」と両当事者からの証言を求めた。

 「安倍晋三からです」と昭恵氏が100万円の寄付を籠池氏に渡したとする問題に関連して「100万円の寄付の際、人払いしたのは誰か」との問いには「昭恵夫人だ」と答えた。一部の評論家らが「100万円は籠池氏が講演料として昭恵夫人に渡そうとしたが夫人が断って、それを寄付にあてたものではないか」とする見方を流布していることについては、「事実は小説より奇なり。私が申し上げていることが正しい」とそうしたうわさについて反論した。