党役員会見に関する基本的な方針について

蓮舫代表記者会見

2017年3月23日(木)17時30分~18時05分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=UU6duLvpU0A


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○森友学園問題・証人喚問 総理夫人ら関係者のさらなる証人喚問を求める

【代表】
 きょう(23日)は籠池氏の証人喚問が、参議院、そして衆議院で行われました。福山哲郎参議院議員、枝野幸男衆議院議員、ともに核心に迫るいい尋問を行ったと思っています。
 新たに証人から証拠として出されたファックスに驚きました。これまで総理は、国会の質問(に対する答弁)の中で、「私と妻が、この結果に働きかけをしたかのごとく議論をしている。まるで事実があるかというような印象操作だ」と、質問をした私達の仲間に激しい論で答弁をされておりましたが、このファックスを見ますと、メディアにこれまで流れている中身はまるで一般的な事実確認を役所にしただけの内容のように報道されていたのですが、2枚目がありまして、この2枚目には具体的に、「工事費の立て替え払いの予算化について」「予算措置を行う方向で調整中」と明言された記述があります。「昭恵夫人にもすでに報告させていただいております」と、総理夫人付きのファックス。これは総理夫人が口利き、あっせんしたと思われる内容にもとれます。
 実際に枝野代議士が証人に確認をしましたが、籠池証人は、昭恵夫人に電話をして、留守番電話に入れて、その結果が総理夫人付きから電話とファックスで来たと、このように確認をしている。つまり、総理夫人が介在をして、予算措置化したのではないか。口利き、あっせん、そのおそれというものが浮かび上がりました。
 もちろん、この事実の是非とか、そのファックス、先ほど官房長官からもお配りされたようですが、このファックスに書かれてある中身、昭恵夫人が実際にどのようにかかわっておられるのかは、きょうの籠池証人の話は一方的過ぎますので、やはり双方向で確認をさせていただく意味でも、昭恵夫人に国会に、同じ条件で、フェアに、証人喚問でお越しいただいて話していただきたいと、要求をしていきます。
 あした(24日)、参議院の予算委員会もあります。そこには、これまで私達が要求していた参考人のお二人も来られるということになりましたが、きょう(23日)の話を聞いていますと、ほかにもやはり同じ条件で確認をしなければ、8億円のディスカウント、そのいわゆる売買のやりとりをされた代理人の方はどんな売買のやりとりをしたのかをきょうの籠池証人はご存じないようでしたので、その部分においてもつまびらかに、国会で、同じ条件で、明らかにしていく必要があると判断をしています。
 引き続きあした(24日)の答弁、あるいはどういう事実、あるいは籠池証人との答弁のそごがあるかも含めて、この問題、幕引きではなくて、幕が明けたと思っています。しっかりと明らかにするのが、国税をお預かりしている我々政治家、立法府として(責務を)果たさなければいけないと、きょう証人喚問を見てあらためて思ったところです。


■質疑

○森友学園問題 総理夫人ら関係者のさらなる証人喚問の必要性について

【日本テレビ・原記者】
 確認だが、昭恵さんの証人喚問を求めていくということでよろしいか。もう一度お願いしたい。

【代表】
 きょう(23日)の籠池証人の言葉はやはり一方的でありますので、双方向に、もう一つの事実はどうだったのかというのを確認しなければ、事実というのは見えないと思いますので、やはり当事者である昭恵夫人に同じ条件で国会に来ていただくしかないと判断をします。

【TBS・牧野記者】
 国会に、証人喚問を昭恵さんに求める件については、具体的にきょうから、例えば理事会とか、どういう対応で求めていくのか。

【代表】
 参議院の予算委員会の理事会が動いておりますので、そこでどういうやりとりをするのかの報告を受けた上で、他の野党の皆様方にも働きかけをすることによって、この喚問が必要だという意思確認をして、しっかり政府与党に求めていこうと思っています。

【フリーランス・上出記者】
 昭恵夫人を呼ぶことに関しては、自民党はもう絶対にさせないというか、相当抵抗があると聞いている。その中で、野党にも働きかけるということだが、今の段階での見通しを伺いたい。

【代表】
 与党はいずれにせよ数を持っていますから、国会の運営は与党がやろうと思ったら何でもできます。実際に参考人(招致)をずっと拒否しておられましたが、いきなり段階の高い証人喚問に籠池氏をお招きすることを決めましたので、やはり参考人であれ証人であれ、お招きをすることを決めるのは自民党・公明党次第です。
 ただ、私自身も、やはり総理夫人をいきなり国会にというのは、これまでは言及していませんでした。やはり、一体何が真実なのか、順を追って担当関係者から話を聞いた上で、世論の皆様方の「なぜ」という疑問が高まったときに考えるべきものだと思っておりましたが、きょうの籠池証人の話を聞いていますと、あるいはお出しになられたファックス、予算措置化の問題一つを見ましても、やはりこれは総理夫人が関与をしていた。しかも総理大臣がこれまで、「我々は全く関与していない」、こういうことを指摘する我々野党に「印象操作をしている」と、逆に国会の場所で私達を批判しておられましたので、ならば、むしろ同じ条件の中で冷静に、与党も野党もこの問題、事実なのかどうなのかの確認をする場所を設けるべきではないかというのが、きょう(23日)の証人喚問を聞いた私の率直な思いです。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 昭恵さんの証人喚問はたぶん国民が望むだろうと私も思うが、逆にイコールフッティングで考えたら、松井さんについては下地さんが証人喚問を要請されていた。ファックスを送ってきた谷さんはまさに公人なわけで、政府の答弁で言えば公務員だ。それから迫田さん。これはみんなやはり証人喚問でやってもらうというのが普通の発想だと思うが、どの範囲で証人喚問をこれから要請していこうとお考えか。とりわけファックスを書いた方などは証人喚問に出てきていただいて、2人の公務員については公人だから、昭恵さんが出てこないとしても聞けばいいと思うが、その辺どのようにお考えになっているか。

【代表】
 今や国会の運営に関して、自民党のおっしゃっていることは整合性がとれていません。そもそも民間人だから(という理由で)参考人(招致)さえも消極的だったのが、いきなり証人喚問です。
 もう公人だから、私人だから、ということではなくて、国民の税金、その国有地がどうしてこんなに安く払い下げられて、そこに総理夫人が関与をしていたのか、忖度があったのか、いろいろな部分で一つ一つ私達は国会で明らかにしていくことを与党に申し入れてきました。
 きょう(23日)の証人喚問を見た限りでは、やはり谷・総理夫人付き、総理夫人、並びに、もう一つ枝野さんの質問でもありましたが、実際に8億のディスカウントの売買交渉をされた、籠池理事長の元代理人、弁護士の方にもやはり来ていただかないと、一体お金のやりとりがどういう形で、そのゴミの処理費用の計算がなされたのかがわかりませんので。我々は国民の皆様方と同じ目線で、同じ考え方で、おかしいと思うところはやはり明らかにしていきたいという要求はしていきたいと思います。

【日本経済新聞・林記者】
 昭恵夫人らの国会招致が約束されなかった場合に、他の法案採決に応じないなどの考えはあるか。

【代表】
 そこまで先走って考えていません。ただ、やはり現段階で明らかに、つまびらかに、何が本当なのか、一方的なきょう(23日)の証人の話だけで決められる話ではありませんので、双方向でちゃんと答えてくださる方に来ていただくというのが、きょうの私達の判断です。

【NHK・花岡記者】
 きょう証人喚問の中で、籠池さんが、政治家の関与について聞かれて、はしごを外したのは松井一郎さんと何回も答弁されているが、維新の側は浅田参議院議員がみずから松井知事の国会への招致を求めると発言された。これに対して、民進党としてはどういうふうに対応していくか。

【代表】
 どんなはしごの外され方をしたのかというのは、そこまで必ずしもつまびらかにはなりませんでしたが、やはり小学校の認可においても不透明な部分があったという疑いが持たれていますので、ご本人も国会でお話をされると意思を表明されていますので、ぜひお越しいただければと思います。

【NHK・花岡記者】
 確認だが、松井知事の参考人招致を求めるのか、それとも証人喚問を求めるのか。

【代表】
 基本的には、立法府で一つの案件を話をしているときには、同じ条件であると思っています。

○森友学園問題 総理夫人の関与について

【朝日新聞・中崎記者】
 総理はこれまで国会答弁の中でも、「私や妻がこの問題にかかわっていたら総理大臣を辞めるし、国会議員も辞めなければいけない」と発言されていた。今回のファックス、昭恵さんの個人の携帯にかけて、それをお付きの国家公務員の方から返ってくるという一連のことであったり、あと100万円のことについてもあらためて言及されていた。籠池氏の証言が仮に正しかった場合、蓮舫代表としては、このような事実は、総理の言う「かかわっていた」ということに当たる程度のものであるとお考えになるか。

【代表】
 順をしっかり追わなければ、立法府というのは慎重にいろいろな多方面の方達から関係者の声を聞いて次の判断をしていかなければいけないと思っています。
 ただ、総理はこれまでの答弁で、「私や妻は一切関与をしていない」と、大変強い口調で答弁されました。ただ、この総理夫人付きが、総理夫人から依頼をされて、単なる問い合わせを越えた、予算措置も含めた口利きやあっせんをしたのではないかという疑念が浮かび上がってきましたので、それはこれまで総理が国会で力強くご答弁されていた中身とは随分距離があるように思います。だからこそ、確認をしていかなければいけないのではないでしょうか。

【NHK・花岡記者】
 昭恵さんの関与についてだが、きょうの午後の官房長官会見で、これは今までの総理の「関与していない」という答弁と矛盾しているのではないかという民進党の指摘について、長官は、夫人付きの方に籠池さんのほうから陳情書が来たのだと。その陳情書に対する回答だと。それは制度的な問題に対して回答しただけだということで、しかもその内容というのは、その籠池氏の側の要望を断ったもので、事実上のゼロ回答で、認識としては口利きとかあっせんにはならないのではないかという認識を示したが、この点についてはどうお考えか。

【代表】
 籠池氏から来た陳情書であれば、なぜ「本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております」と書かれているのでしょうか。これはむしろ、きょう籠池証人が言われたように、昭恵夫人の留守番電話に入れた部分を、夫人付きが確認をしたと推察されますよね。
 それと、いわゆる陳情に対しての事務的なお答えという割には、工事費の立て替え払いの予算化は、これ11月の段階で27年度予算に入れられるかどうか努力をしたと読めるような言いぶりですし、そこで予算化できなかったから、「28年度の予算措置を行う方向で調整中」。これは一般の陳情に対する答えとしては、「予算措置」ですから、私は官房長官のそのご説明はなかなか「そうですか」と素直に納得はできません。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 100万の、行ったか行かないかの密室の話もあるが、やはり首相官邸の危機管理ということが本質的に問われているのではないか。まさに昭恵さんの行動も含めて。そういう意味では、やはり今の官邸のあり方について、なにか首相官邸の危機管理が欠落していると受け止めた国民も多いと思うが、そういうファックスも受けて、その辺どんなようにお考えになるか。

【代表】
 官邸の危機管理は官邸が考えることです。私達は、今、国民が「おかしい」「疑問」と思っていることが現政権から出てきたら、それをただす役割の、行政監視の立場があると思っていますので、そこはきっちり責務を果たしたいと思っています。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 冒頭おっしゃったように、総理は、本件に妻も含めて関わっていたら総理だけでなく議員も辞めるとおっしゃったわけだが、籠池さんも証人喚問という立場でこれだけのことを言って、やはり総理及び夫人がしかるべき説明責任、反論でもいいが、何がしか説明しなかったら、やはり言葉に戻ってお辞めいただかなければいかんという結論になるのではないかと思うが、その辺はどうなのか。やはりこれを何もしないということはあり得ないと、そこはどうか。

【代表】
 あす(24日)の予算委員会は総理もご出席をされて質疑がされることになると思いますので、私は総理のご認識を率直に聞いてみたいと思っている一人です。
 これまで、「名誉校長に安倍昭恵という名前があれば印籠みたいに恐れ入りましたとなるはずがないんですよ」と笑いながら強気でおっしゃっていましたが、やはりこれまでの一連の流れ、あるいはきょう(23日)の証人を見ていると、「忖度」という言葉が本当にあった。しかも予算まで動かした。しかも、いろいろな部分の見えない力が働いて、一つの方向に向かおうとしていたという部分は、まさに印籠ではないか。
 つまり、総理夫人というのは、それくらいまでやはり影響力がある人だという認識を本当に総理がお持ちではなかったのか。私はむしろそちらのほうが驚きだと思っています。

○森友学園問題 証人喚問における各党の尋問ぶりについて

【読売新聞・佐藤記者】
 きょうの枝野さんと福山さんの質疑を見ていると、事実関係を非常に丁寧に踏まえた上で鋭い指摘をされていた印象を受けた。民主党時代に偽メール問題ということもあったが、やはりその時の経験も踏まえて、今回丁寧に、慎重にやっていこうというお考えがあったのか。

【代表】
 今、私達は民進党です。  いろいろな部分で、私達議員は国会や国会外での政治活動を通じて学びながら、常に向上心を持っている立場です。その部分で、やはり決めつけない。乱暴な物言いにならないように。そして、何が事実なのか。今言われていることの何の確認をしなければいけないのか。そもそも福山さんの段階では、出されたファックスというものが本当に真贋がわからないものでありましたから、やはりきょうの我々の質問者の姿勢というのは、立法府に身を置く者として適正だったと私は思っています。

【朝日新聞・中崎記者】
証人喚問の質疑のあり方について伺いたい。自民党を初め、少し決めつけたような質問の仕方が見受けられたと思う。特に、日本維新の会の下地議員は、「詐欺だ」とか「偽証だ」と決めつけていたり、あるいは「人生で重いものになる」と恫喝ともとれるような質問の仕方をされていた。国権の最高機関である国会の場で、証人喚問とはいえ犯罪者でもない段階で、あのような質問のあり方について、他党のことではあるが、国会に身を置かれる方として、ご意見があれば伺いたい。

【代表】
 籠池証人が衆議院の自民党の議員に対しても、「まるで決めつけのように自分のことを指摘されるのは不愉快」というような発言をされていたようでございますので、やはり立法府の品位というものを守っていただく質疑者の品格というものが求められると思うのです。
 しかも、大阪の維新の方ですから、その部分では証人が、一番はしごを外した方という表現をされていたがトップの政党の議員ですから、あえてそこは、いろいろな思いがあって強い反撃をされているのかなという見方もされてしまいますので、そこは品格を持っていただきたいとは思いました。

【フリーランス・上出記者】
 この証人喚問に関して、こういう質問をすると嫌かと思うが、絶好の機会というか、ある意味では国民の世論を刺激して、「政治は何だ」ということを見るすごいいいチャンスだと思う。他の野党とある程度情報交換しながら追及するとか、そういうやり方というのはありか。あるいはこれは個別に、それぞれの野党が努力して、あるいは今選挙なんかで協力している野党と何か力を合わせてやると、そういう可能性はあるか。

【代表】
 政党が違いますから、情報を共有するとか、「こういう方向性で進める」ということを話し合うということはありません。
 ただ、国会の場で、立法府において4野党で結束をして、こういう方をお招きしましょう、あるいはこういう日程で提案をしましょう、それはやはり我々の数になりますので、その部分の野党の連携した声の重みというのは与党の皆様方に受け止めていただけると思っていますので、そうした協力は大事だと思っています。

○森友学園問題に関するメディアの報道姿勢について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 きょうは柿沢さんの出身母体の全国放送が比較的ちゃんと報じていたように思う。やはりメディアとの関係ということにおいて、特にテレビがいろいろ報じていると思うが、その辺も含めて、NHKはちょっとどんな感じなのか。放送のあり方について伺いたい。

【代表】
 NHKも含めてなのですが、やはり放送者たるもの、今何を国民が知りたがっていて、ニュースの価値としてバリューがどれくらいあるのかという判断は、それぞれがばらつきはあるかもしれませんが、ただやはりこの国有地の払い下げの問題、これだけ国民が厳しく反応しているのは、私はアベノミクスの失敗だと思っています。景気は豊かになっていない、経済はよくなっていない、物価が上がって、給料は上がっていない、安定した雇用は広がっていない。でもふっと中央を見たら、こうした国有地が、86パーセント、90パーセントディスカウントされて、実質200万円で特定の方、それも総理夫人が名誉校長を務めておられる方に差し出されたのではないか、というような思いを持っていると思うのですね。この声をやはりしっかり報道していただくことは大事だと思いますし、我々もただ報道に流されるのではなくて、立法府の品位を持って、事実を明らかにしていく責務を淡々とこなしていきたいと思います。

○2017年度予算案の審議について

【朝日新聞・中崎記者】
 予算委員会ということで、予算案の審議について伺いたい。参議院は、「30日ルール」ということで、それは変えられないところで、きょうの国対委員長会談の後、自民党の国対委員長がオンの場で27日(の採決)で合意したとお話しされているが、それについての事実関係と、このような状況になっているが、予算審議に与える影響について伺いたい。

【代表】
 まず、誤解のないように、これはぜひ報道していただきたいのですが、我々は予算関連の法案とか予算の審議においては、拒否もしていない。協力もしているし、前向きに進めるものに対しては提案もしています。このことは、まず誤解をしないでいただきたい。
 一方で、参議院はやはり「30日ルール」という特殊なルールがありますので、28日には自然成立をしてしまうという部分は、これは参議院の与野党ともに共有しているところです。その部分で、国対委員長がそこまで合意をしたかどうか、まだ報告は上がってきていませんが、デッドラインはある。
 この中でしっかりと、今問題になっているものはギリギリまで努力をして明らかにしますが、先ほども申し上げたように、きょう(23日)は幕引きではなく幕明けでございますから、次に求めるものもどんどん出てくると思いますので、予算案の審議が終わったとしても、予算委員会、関連法案、しっかりそこで議論すべきことが続々とあると思っています。

○「共謀罪」法案の閣議決定について

【朝日新聞・中崎記者】
 「共謀罪」について伺いたい。今週、閣議決定された。これまで金田法務大臣初め、「まだ成案が出る前なので」というような答弁が続いていたが、これで成案を得て、民進党としての対応も今後決まってくるところかと思うが、まず閣議決定された法案についてのご評価と、今後これまでも慎重な姿勢は再三示されているが、法案が出てきた段階で代表として現時点でお考えがあれば伺いたい。

【代表】
 まずこれまで我々は、法案が出ていないものに対して、ある意味、姿勢を明確に示しました。これまで過去3回、廃案となった。この廃案となった理由は、やはり国民の皆様方に、表現や内心の自由が侵害されるのではないか、いつも監視をされるのではないか、捜査が不当に拡大されるのではないかという不安があった。その声が非常に大きいと思っています。ですから、まず法案が出てくる前に、過去と同じ「共謀罪」の内容であれば、それは当然慎重だという思いは、まずまとめたところです。
 実際に法案が出てきましたので、これまでの答弁も相当不確かで、怪しげで、不安定ではあるのですが、金田大臣にはしっかりと法務委員会で常に前線に立って答弁をしていただけると思いますので、この法案の必要性というものは委員会でしっかりとただしていこうとは思っています。
 ただ、法案の中身を見る限り、テロへの対策とは言っていますが、でき上がった(当初の)法案そのものに、そもそも「テロ」の文字が入っていなかったものに、どこにテロへの対策の根拠があるのか。定義づけがないものに対して、これが本当にテロ対策なのか。あるいは条約で絞り込めないと言っていたものが、さくっと絞り込めた。これまでの答弁との整合性はどうなのか。絞り込んだ犯罪の中には、テロとは全く関係ないものも入っていますから、その関連というもの。とにかくいろいろと聞かなければいけない視点が幾つもありますので、そんなに早々に採決だというような姿勢はあり得ない。そうした姿勢で臨みます。

○東京都議会議員選挙について

【読売新聞・佐藤記者】
 都議選に関連して。きのう22日にも新たに2人離党されるという報道があった。この間の離党者が計6人になったと思うが、こうした離党が相次いでいる状況を代表としてどのようにお考えになられるか、お聞きしたい。

【代表】
 一義的には、そうした離党届の取り扱い等は都連で対応することになっています。
 その上で、私としてはそうした動きがあることは非常に残念ではありますが、いずれにせよ今の国会の様相を見ましても、強過ぎる与党に対してしっかりと論を持って、国民の声を代弁する、選択肢になる政党がいなければいけないという思いは強まっていますので、そうした思いを持って都議選には臨んでいきたいと思っています。

○民進党結党から1年に当たって

【NHK・花岡記者】
 27日で民進党結党1年というタイミングを迎える。この民進党結党1年、代表に就任してからで結構だが、その成果と課題、あと衆院選に向けてコメントをお願いしたい。

【代表】
 結党1年で、前半部分は岡田克也前代表がしっかりとこの党のガバナンスをつくり上げてきてくださって、後半の部分からは私が担当するようになりました。
 今回のこの予算委員会、文科省の天下りの問題ですとか、他にもいろいろな大きな問題がありました。特に南スーダンのジュバの日報の取り扱いの虚偽・隠蔽、こうしたものに関しましても、予算委員会で我々の指摘等がさまざまな事実を明らかにしました。その部分では、合流をしたときの、維新の若い方達の極めて前向きな力強さ、あるいは民主、政権時代も経験しているキャリアのある方達の融合というのが一つ形となって出てくるようになったと、ここは私自身は我々の仲間を誇っています。
 ただ一方で、まだまだ私達の、一つのメルクマールの支持率も低いところで留まっているのを、何とか国民の皆様方のご評価に、こうした我々の新しい動きをつなげてもらうための努力をもっともっと私がしなければいけないと思っています。

【NHK・花岡記者】
 重ねてだが、衆院選に向けての意気込みというか、どんな点をさらに訴えていきたいかということと、あと恐縮だが、100点満点で自己採点で就任以来何点だったのか、その理由も伺いたい。

【代表】
 政権も4年もたつと、やはり権力は時間がたてば、ある程度見えていたものがやはり見えなくなってくるというのが、今の安倍内閣だと私は思っています。特に経済政策が功を奏していませんし、アベノミクスは失敗したと思っています。
 そうした中で、やはり気の緩みというものが、ある意味、各省庁にあらわれている。あるいはそれは農水大臣のTPPをめぐるさまざまな失言、あるいは防衛省はそれこそシビリアンコントロールが機能していないのではないかという大きな疑念、あるいは文科省は省を挙げての天下りあっせん、そして財務省は今度は国有地の売買の不透明さです。
 その意味で、今の政権がガバナンスを持って今の霞が関をまとめて、国民のために本当に仕事をしているのだろうかという部分は、日に日に私達は問題視していますので、しっかりと次の総選挙では我々が今の国民の声を代弁して、この国を少しでもよくするための政策集団なんだということをしっかり訴えて、政権交代に向けて我々は力強く戦いたいと思っています。

【NHK・花岡記者】
 採点については。

【代表】
 それはNHKさんがつけてください。

○党OB・OG会の発足及び党本部ビルについて

【日本経済新聞・林記者】
 岡田前代表の発案でOB・OG会が設置されることになったが、OBの方々にどんなアドバイスや経験談をお聞きしたいかということが一点。
 もう一つ、民進党本部について伺いたいが、(民主党)結党時の98年から約20年間にわたって使われている今の党本部のビルに、蓮舫代表が何か思い入れがあればお聞きしたい。

【代表】
 OB・OG会の立ち上げについては、これは前代表が代表時代から取り組みたいとおっしゃっていたものです。それが、少し時差がありましたが、私が代表の時に結実して発足をしました。さきの党大会にも実際に先輩方、何人かお越しをいただいて、それは大変力強いですよね。他方で、OB・OGと言っても、期数を重ねた、あるいはある程度のご高齢だという理由だけではなくて、次の人生に転じるためにお辞めになられた方達も入ると承知をしています。そうした人達は、私と同世代の方もいますし、次の人生の職場においてさまざまな幅広い知見も持っていますから、そういう部分の、違う社会に飛び込んだ方達の知見、経験を持ってキャリアを持った人生の先輩方の知見、それはつかさつかさで必ずや我々の党の財産になると思っています。
 党本部のビルへの思い入れですか。特にないけれども。職場という意識なので。