党役員会見に関する基本的な方針について

江田憲司代表代行記者会見

2017年3月24日(金)15時00分~15時22分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=LJDdtYVhG_Q


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○森友学園問題 さらなる証人喚問を求める

【代表代行】
 まず冒頭、森友問題ですが、私は当初から一貫して、安倍総理夫人の道義的・政治的責任は重い、しっかり説明責任を果たすべきだ、と言ってまいりました。きのう(23日)の証人喚問で、やはりこの国有地がタダ同然で売却された問題につきましては、総理夫人主導ではないか、官邸主導ではないかという疑惑が深まったと思います。野党4党共同で安倍昭恵夫人等々の証人喚問を要求しておりますが、ぜひとも実現して、しっかりとした真相究明に努めてまいりたいと思います。
 もともと安倍昭恵夫人が名誉校長を引き受けていたと。4度も幼稚園を訪れて、講演もされ、そこで小学校について「私にお役に立てることがあれば」と講演で明言もされ、そしてそこには公務員たる夫人付が随行していたということをとってみても、この問題は他の閣僚や大物政治家やいろいろな人が動いたという話もるるありますが、やはり中心的役割を果たしたのはこの安倍総理夫人ではないかという疑惑がさらに(深まった)。
 きのう(23日)の100万円の授受証言、そしてまだ更地だった校地予定地まで視察をされていたという証言もございまして、そういう意味でも疑惑が深まったということですので、我々が申し上げているとおり、昨日がスタートだと。自民党・与党は、官邸は幕引きを狙ったようですが、見事にその当てが外れて、ますます疑惑が深まり、国民も「しっかりと解明をしてほしい」ということだと思いますので、野党としての役割をしっかり果たしてまいりたいと思います。

○森友学園問題 官邸のメカニズムを踏まえた真相究明を

【代表代行】
 この問題で、皆さんにきょう申し上げたいのは、やはり官邸のメカニズムというものを知らないと、なかなかこの森友問題の謎は解けないのではないか。その意味で、私の知る限り、この問題を解明する鍵というか、知見を多少皆様にご提供させていただいて、ぜひともメディアの皆様にも真相究明に向かってお力を拝借したい。私の官邸での経験、私は内閣総務官室にも勤務をしており、当時は内閣参事官室というところでしたが、総理秘書官だけではなくて、当時の通産省から出向して内閣参事官室、今の総務官室にも勤務を2年間させていただいておりますので、そういう経験から、この森友問題の謎を解く鍵というか知見を提供させていただきたいと思います。
 まず、きのう(23日)非常にクローズアップされた総理大臣夫人付でございますが、この方は谷さんというのですか、一応、形式上は総務官室在席ということになっておりますが、その実質上の上司は、外務省の非常勤の職員は外務省出身の総理大臣秘書官、経産省出身の常勤の2名の職員につきましては、実際上の上司は政務担当総理秘書官あるいは経産省から出向している総理秘書官だという点です。ここは非常にキーになると思います。
 ファックスがきのう(23日)出てまいりました。私も読ませていただきましたが、谷さんですか、2種の国家公務員、大変優秀な方であると聞いておりますが、いかに優秀であっても、ああいうやりとり、財務省本省との連絡調整を彼女の独断でやることは絶対にあり得ません。絶対にあり得ません。それは、先ほど申し上げましたような、内閣総務官であるとか、国会で答弁をしている内閣官房の審議官というものは実際上は上司ではございませんので、何を答弁されても私は信用しません。
 先ほど申し上げましたとおり、非常勤の3名の外務省職員は、総理外遊に同道される、随行される夫人のファーストレディーとしての役割を担うために担当しているもので、それは橋本政権当時にもいました。国内でも、いろいろな外国の賓客が来られますので、その接遇のために総理夫人が活躍される場面も多いので、実際上は外務省出身の総理大臣秘書官の指揮のもと、総理夫人プログラム等々をこなしていくというのがこの非常勤の外務省出身の夫人付でございます。
 経産省の常勤の2名につきましては、以前にも申し上げましたとおり、安倍政権になって初めて設けられたポスト。ただ本来は、夫人担当は政務担当総理秘書官だということも申し上げてまいりました。それは当然のことでございまして、総理夫人のところにはいろいろな行事・イベントへの出席依頼、さらには祝辞・メッセージ依頼が来ます。そうしたときに、今でいうと安倍家、当時でいえば橋本家との、これまでの人間関係・経緯等を頭に置きながら、総理夫人、そうは言っても総理の分身・代理として見られるわけですから、今回のような一私学であるとか一私企業であるとか、そういうところに祝辞や祝電、行事出席をするのは極力控えると。一方でそれまでの総理家とのいろいろな関係・経緯も踏まえながら判断するというのは政務担当秘書官にしかできませんので、だからこそ総理夫人担当というのは政務担当秘書官なわけです。
 そうした中で、経産省出身の総理夫人付が所管外の、特に財務省専管の国有地売却について、彼女自身の意思で、力で、権限で、連絡調整できるはずがございません。特に財務省という役所は、自分の専管事項について、官邸の職員といえども他省庁の役人が容喙(「ようかい」横から口出しする)をしてくることについては極力嫌う役所でありますから、これは当然、先ほど申し上げましたような安倍夫人、あるいは政務担当総理秘書官、あるいは経産省出身の総理秘書官の指示に基づいて動いたと。だからこそ、ああいうファックスのやりとりもできたと解するのが自然なわけです。
 いずれにせよ、こうした官邸内のいろいろなメカニズムを知っていただいた上で考えていかないと、この森友問題の謎は一向に解明されないと思いますので、そういうことも踏まえて、ぜひメディアの皆様にも真相究明に当たってご尽力いただければと思います。そういう意味で申し上げさせていただきました。

○森友学園問題 総理夫人の活動・経費負担のあり方について

【代表代行】
 安倍昭恵夫人、自民党・与党は拒否するのでしょうけれども、ここまで一方の当事者、籠池さんが、ある意味、自民党議員ですらが「堂々と証言をしていた」と評するくらいの証言をされた以上、やはり同じ条件下で、うそをつけば偽証罪に問われるという場で、同じ土俵でしっかりと証言をしていただきたいと思います。
 そういう中で、仮に100万円の授受というものがあったとすれば、そのお金の出元は一体どこなのかということにも非常に関心がございますし、少なくとも総理(夫人)同行の職員は安倍昭恵夫人が(旅費などを)支払ったということを内閣官房は主張しているわけですから、私が疑問なのは、安倍昭恵夫人につきましては極めてアクティブに地方出張等々行かれていて、それは昭恵夫人がポケットマネーでやっているとすれば、大変過大な負担を強いられているのではないかと思います。私はもともと、この公人か私人かという立場は、当然、総理夫人は公人だという立場に立つものでありますし、昭恵夫人が総理の代理であるとか分身でそういう活動をされているのであれば、ある意味公的な立場に立つ公人として、そういう出張等々の経費も政府で負担しても、国民感情からいっても許されると思っています。それを、「私人だ」「私人だ」と言うから、公費からはそういう経費が支弁できない。だったら、安倍夫人が個人的なポケットマネーで出しているのか。そうすると、かなり過大な負担になっている状況というのを官邸はどういうふうに考えるのか。そうした総理夫人の位置づけ、その活動に対する経費負担のあり方等々についてもしっかりただしていかないといけないと思っております。今後のために。


■質疑

○森友学園問題 関係者の証人喚問について

【時事通信・岸本記者】
 つい先ほど、自民党と民進党の国対委員長会談で、昭恵夫人を含めた8人の証人喚問が拒否されるということがあった。これに関して、受け止めをお願いしたい。

【代表代行】
 国民が判断し、いずれ抗し切れずに認めざるを得ないのではないですか。そうしないと、一向に疑惑は晴れない。安倍政権の支持率は下がり続ける。「やっぱり安倍政権というのは、自分の知っている人、つき合いのある人に便宜を図る政権なんだな」と。「時にはそういう国有地、いろいろな国民の財産までも使って便宜を図る政権なのかな」という疑惑が、どんどんどんどん広まっていくのではないですか。やはりこの問題、一貫して危機意識がなさ過ぎますよ。
 ですから、私が以前も申し上げたが、これは「消えた年金」問題と同じ道をたどるのではないか。あれはたしか年末くらいに発覚して、当初は全く鈍感で対応しようとしなかった安倍総理が、半年のうちに、皆さんメディアの報道もあり、どんどん国民の間に疑念が広がって、最終的には半年後の参議院選挙で惨敗し、その後、退陣ということになるわけで、あまり国民を侮っていると、今の安倍政権もその二の舞いになるのではないでしょうか。その危機意識が足りなさ過ぎると思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 その8人以外に、谷さんの実質的な上司の今井さん(今井尚哉政務担当総理秘書官)、あるいは宗像さん(宗像直子総理秘書官)、やはり2種ではなくてこっちのほうの話を聞かないと、官邸のリスク管理の失態というのか、そこは解明できないと、そういうご趣旨なのかなと。2種の人がやるわけないから。先ほどの謎解きの示唆というのはそういうお話になるのか。

【代表代行】
 疑惑解明のためのスタートラインに立ったという認識でございますから、とりあえずきょう(24日に)要求した8名について、この国有地売却をめぐる担当部署の方々、直接関係する人達を(証人喚問の)要求したということでありますので、これはまだまだ一里塚。これからいろいろな場を通じながら、一歩一歩疑惑を解明していくということなので、将来的にご指摘のような方を証人喚問する余地は十分検討、頭の中に入っております。

○民進党結党1年に当たって

【読売新聞・重松記者】
 間もなく民進党、1年になる。当初の、合流をされた時の期待感というか、そういうものを踏まえて、それと比べて、どう振り返られるか。なかなか支持率も上がっていないが。

【代表代行】
 なかなか国民の皆さんの期待に応えられていない現状については、深く反省すべき問題もあると思います。  一つは、よく言われる党のガバナンスの問題。私、この1年、代表代行・役員として務めさせていただいた中にも、やはり一つの公党としてのガバナンスに未熟なところもあるなという思いもあります。そこはみずからにもはね返ってくる、私の責任でもある。そこは、2年目を迎えるということで、しっかりと問題意識を持って対応していかなければいけないと思う。
 自民党と比べて議員の質がどうかと言われれば、特に若手議員の皆さんは自民党の若手議員と比べて遜色ない、むしろ政策的な能力、国会での質問能力等々、秀でていると思います。ただ問題は、そういう優秀な特に若手の政治家を持つ党として、それを1を2に、2を3に、とにかく1プラス1が2以上の総合力を発揮させるためにはやはり党のガバナンスが非常に重要なわけで、そういう意味で、しっかりと認識した上でやっていかなければいけない。
 聞くところによりますと、若手政治家がその点について近々、幹事長宛てに提言を出すという動きもあるようでございますから、そうした党内の意見にも真摯に向き合って、役員としてはこの点についてはしっかり対応してまいりたいと思います。
 政策面につきましては、しっかりと自民党に対峙し得る政権交代可能な政党として、「安倍自民党とここがこう違うんだ」ということを、安全保障の面でも、内政、特に原発・エネルギー問題、所得再配分の問題等々につきましてもしっかり、安倍自民党ではできない、安倍総理が抱きつけないところで、しっかり二大政党の一角を占めようかという政党としての違い、対立軸を出していけたらと思います。

【読売新聞・重松記者】
 ガバナンスの未熟さについて触れられたが、これは合流前からも民主党に対してガバナンスの未熟さというのを、外から見ていて感じられていたかということと、それが今、この1年たって少しは成長というか、前に進んだと考えられるか。

【代表代行】
 ちょっとした違いなのですが、中に入ってみて多々感じるところもございますが、そこは上に立つ者のちょっとした心配りや配慮、組織の潤滑油みたいなところが多少足りないのかなと。やはり民進党も150名前後の国会議員を有する、地方議員も入れれば相当大所帯な組織です。その組織を動かしていく、一致結束して、さっき言ったように1プラス1が2以上になるような総合力を発揮させるためのやり方については、やはり多少足りないところがあるのかなという思いがある。
 組織を動かすというのは簡単に言うと、なだめ、すかし、脅し、おだて、やっていくという、人間の集団ですから、そういう経験知も必要です。部下を10人も20人も持ったことがない人にいきなりガバナンスをやれと言っても無理なので。そういうところが、やはり自民党が我々よりも一歩抜きん出ていると。そういうところは虚心坦懐に学んでいかなければいけないと思います。

○東京都議会議員選挙について

【読売新聞・重松記者】
 都議選だが、党の候補者、離党者が続々出て止まらない状況になっているが、どう食い止めていくのか、その方策というか手だてはあるか。

【代表代行】
 きょう(24日)、都議選対策本部を初回開催いたしまして、都議選に向かっての対応を具体的に決めました。そういう中で、今、都議選の候補者になるような人の支援態勢も含めてしっかり充実させていくことが大事というのが一点。
 それから、やはり今の小池知事の「都民ファースト」との関係をどうしていくのか。そういった問題については、今、馬淵澄夫選挙対策委員長にご苦労いただいておりますが、そういった姿も、候補者、今の民進党の都議の皆さんにもおいおい見える形にしていくことが非常に大事だと思います。