ご指名をいただきました連合の神津です。
 本日は民進党の定期大会にご招請いただき、ご盛会を心よりお祝いを申し上げつつ、連帯のメッセージを申し述べさせていただきたいと思います。

 昨年3月結党大会、それからもうすぐ1年ということであります。
 その間に世界ではさまざまな出来事がありました。英国のEU離脱、そして米国のトランプ大統領誕生など、懸念されるのは内向き志向、そして「自分たちさえよければいい」という考え方の横行ではないかと思います。

 また、これら世界における昨今の風潮として、政敵を自らつくり出し、自身の支持率の維持・向上につなげようといった向きがあります。それは本来の民主主義のあるべき姿ではないと思います。リーダーの立場にある人間、あるいは為政者が自ら対立や分断をあおるようなことはしてはならないのだと思います。

 重要なことは、一つ一つの課題に対して真摯に議論を尽くすこと。そして議論の結果を受け入れ、議論の当事者を含め皆が調和し、一丸となって対応していくことであろうと思います。このことがあらためて世界共通の課題となっていると思います。

 さて、未曾有の被害をもたらした東日本大震災から、昨日で丸6年が経過しました。いまだにおよそ12万3,000人もの方々が避難生活を余儀なくされています。本当の意味での復興の実現が求められていると思います。

 こうした中で、民進党としてエネルギー・環境政策について、この間の事実を踏まえるとともに、いまだ避難生活を余儀なくされている方々にも寄り添いながら、予断を持たずに、党内で議論を深めていくことは重要なことだと思います。

 一部のマスコミ報道においては、今回の議論をめぐる一連の動きを、「党内対立」あるいは「民進党と連合が対立している」、そんな扱いがありました。しかし私は、真摯に議論を重ね、それぞれに、それぞれの方々が真剣に意見を交わしてきたものであると理解をしております。

 この課題は、我が国のあり方、そして国民の生活に直結するものであります。さらに福島第一原発の事故は、民主党政権の当時に発生したものであります。その上に立って、大変な苦労の末まとめ上げられた政策を、その後堅持されて今日に至っていると考えています。野党となった今日においても、責任ある対応を引き継がれることが、国民の期待とつながるものであると考えるものであります。

 次に、労働組合にとって一丁目一番地の課題であります雇用・労働政策に関して、若干触れておきたいと思います。
 政府の「働き方改革実現会議」での議論が大詰めを迎えようとしております。我々としては、時間外労働の上限時間、これを罰則付きで設定する。そのこと自体は労基法制定70年の歴史の中で大きな改革であって、これを実現させるとともに、確実に実効性のあるものとして前に進める。その第一歩としての努力を重ねておるところであります。

 また、実現会議でまとめられる実行計画はいわば全ての働く者に対するメッセージでもあります。したがいまして、36協定の本来の趣旨の徹底や、公正取引の担保、そして何と言っても過労死、過労自殺の一掃に向けた対策などさまざまな観点を踏まえつつ、政労使での合意形成に努めてまいりたいと考えておるところです。

 こうした考え方につきまして、民進党の皆様方にもご理解をいただくとともに、引き続き働く者の処遇改善に向けて、連携を密にさせていただきたいと考えております。

 そして、年明け早々とも言われておりました衆議院の解散・総選挙、これは見送られたものの、衆議院は常在戦場であります。いついかなる事態にも対応できるよう準備を進める、そういったことだと思います。

 現在の状況を踏まえまして、応援団の立場から以下の点について切実な思いで期待を申し述べたいと思います。
 それは、まず個々の政策をそれぞれ磨き上げて、それらをパッケージ化し、目指す社会像、ビジョンや政権構想として早期に国民にわかりやすい形で示していただきたいということであります。こうしたビジョン・政権構想は、現政権との間での基本的な立ち位置の違いを明確にするためにも必須であると思います。個々の政策をバラバラに示しても、なかなか民意を取り戻す、そういったことにはつながらないのではないのかと思います。

 民進党として揺らぎなく政治政策のど真ん中で、どっしりとした存在感を世にアピールしていただきたい、このことを申し述べておきたいと思います。

 いずれにいたしましても、支持率が急上昇するような奇策はないと私は思います。目先の状況だけにとらわれることなく、政権構想を練り上げ、候補者擁立を進めていただき、地道に国民に訴えていただくことで、働く者・生活者の不安を解消していくことが求められていると思います。それこそが次期衆議院選挙の勝利につながるものと確信をするものであります。

 私たちも推薦候補者全員の当選のために全力を尽くしてまいります。蓮舫代表を筆頭に、民進党の皆さん方が大きな発展に向かわれることを心より願います。

 私たちにとっては民進党しかありませんから。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 ともに頑張りましょう。ありがとうございました。