蓮舫代表は13日午後、党本部で定例記者会見を開き、(1)熊本地震(2)衆院厚生労働委での強行採決――等について見解を語った。

 発生から明日で1年を迎える熊本地震については、「あらためて被害者の皆さんに心から哀悼の意を表するとともに、今なおご遺族をはじめ心身の傷が癒えない方がたくさんおられる。心からお見舞いを申し上げる」と語った。昨年12月に被災地を見舞った際の状況も振り返った上で、「今なお避難所で暮らしている方々が4万人以上いるという実態を見ると、与野党の枠を越えて一日も早く復興を成し遂げたい」と述べた。

 昨日12日に衆院厚生労働委員会で、民進党の柚木道義議員が安倍総理に森友学園問題の質問をしたことを理由に、与党が介護保険法改正案を強行採決したことについて、「国会・衆院が不正常になっている理由はひとえに自民党の国会運営にある」と批判した。

 その上で、昨日段階で強行採決が行われた際、「与野党の筆頭間や理事会などでもまったく話に出ていなかった採決が、いきなり与党筆頭理事と委員長の職権で行われた。国会は与党が数をもっていたら何でもできるのかという、あまりの暴挙に愕然とした」と述べた。さらに森友問題では「総理が侮辱された」と言って証人喚問を決めたのも自民党だったことも踏まえ、「今回は総理に都合が悪い質問があったら即座に審議打ち切り、採決となった。その後の理事会で自民党の筆頭理事は、『安倍総裁に説明がつかないから強行採決を行った。総裁は私のボスですから』という発言をして、理事の現場判断で強行採決を決めたということだった。まさにこれは自分のボスへの忖度(そんたく)以外の何物でもないと思う。もはや霞が関だけではなく、自民党内、国会に至っても総理への忖度政治が行われている」として、強く抗議した。

 細野氏が、憲法への考え方が執行部と違うことを代表代行辞任の理由としたことの受け止めを記者に問われ、「党は組織であるので組織論で考えたいということは常日ごろから話し合ってきた。細野さんが政治家になってからずっと憲法に対して抱いてきた思いがあることも承知している。ただ、党内には憲法調査会があり、枝野幸男会長が役員会を丁寧に開いて所属国会議員と意見交換を行い、どういう考え方が党として憲法に対して提言していけるかをまさに今話し合っている。細野さんの私案もテーブルに載せていただけるようお願いするということで合意していた。そこから先の判断はご本人ではないかと思う」と答えた。