党役員会見に関する基本的な方針について

蓮舫代表記者会見

2017年4月13日(木)15時00分~15時20分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=r9MvdJYo8zE


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○熊本地震から1年に当たって

【代表】
 あした(4月14日)で、多くの被害を出した熊本地震から1年が経過します。あらためて被害者の皆様方に心から哀悼の意を表すると同時に、今なおご遺族を初め心身の傷が癒えない方がたくさんおられますので、心からお見舞いを申し上げます。
 私自身、代表就任直後、昨年10月でしたか、被災地を訪問しました。特に建物の崩壊ですとか、あるいは道が分断されて、行き交い、交通に支障が大変出たこと。そして農業にも多くの被害が出ていることに対して衝撃を受けました。今なお避難所で暮らしておられる方々が4万人以上いる実態を見ますと、与野党の枠を超えて1日も早く復興をなし遂げたいという思いを新たにしたところでございます。

○衆議院厚労委員会における強行採決・「忖度政治」に強く抗議

【代表】
 国会、衆議院が不正常になっている理由は、ひとえに自民党の横暴な国会運営にあります。
 きのう、その報告を受けた時に耳を疑いました。与野党の筆頭間で、理事懇でも理事会でも全く話に出ていなかった採決が、いきなり現場で、(与党)筆頭理事、そして委員長の職権で行われました。国会は、与党が数を持っていたら何でもできるのかと、余りの暴挙に正直愕然としています。
 思い返しますと、森友問題の時には「総理が侮辱された」と言って証人喚問を決めたのも自民党でした。今回は、総理に都合の悪い質問があったら、即座に審議打ち切り、採決であります。
 その後の理事会が開かれたところで、自民党の筆頭の方が、安倍総裁に説明がつかないから強行採決を行った、総裁は私のボスですからと、このような発言をされて、私の現場判断で強行採決を決めた、ということですが、まさにこれは自分のボスへの忖度(そんたく)以外の何物でもないと思います。もはや霞が関だけではなくて、自民党内、国会に至っても、総理への「忖度政治」が行われていることに強く抗議を申し上げたいと思っています。


■質疑

○細野代表代行の辞任表明について

【朝日新聞・中崎記者】
 先ほど細野代表代行が役員室を訪れ、幹事長に代表代行の辞表を出したということだ。その後、取材に応じた細野さんは、先日、私案を雑誌に投稿されたが、憲法の考え方が執行部と違うということを理由に挙げられていた。代表代行がこういった形で辞表を出されたことの受け止めと、その理由として憲法について挙げられている点、その2点について伺いたい。

【代表】
 党はもちろん組織でありますから、組織論で考えたいということは常日ごろから細野豪志代表代行とは話し合いをしてきました。
 細野さんが政治家になってからずっと憲法に対して抱いていた思いがあることも承知をしています。その中で今回、思いを月刊誌で発表されました。
 ただ、党内には憲法調査会があります。そして枝野幸男会長が就いていて、役員会を丁寧に開いて、平場でさまざまな先生のお話を伺ったり所属の国会議員の意見交換を行って、どういう考え方が党として憲法に対して提案をしていける、提言をしていけるのかを、まさに今話し合っているところでありますので、細野さんの私案もこのテーブルに載せていただけるようお願いしますというところで合意に至っていましたので、そこから先の判断はご本人ではないのかなと思います。

【朝日新聞・中崎記者】
 そういう理由で代表代行を辞任され、先日は長島代議士が離党され、少し党内のちぐはぐなところが目立っているような印象もあるが、代表としては、特に今回は執行部からということなので、それに対しての受け止め等はいかがか。

【代表】
 同時期にちぐはぐ感を見せてしまったことは、私達を支援してくださっている方に対して大変申しわけないと思っています。ただ、多くの仲間が一枚岩でしっかりまとまって、今の間違った「一強」の政治に対してあらがっていこうという考え方は同じだと思っていますので、しっかりまとめていきたいと思っています。

【日本テレビ・古谷記者】
 先ほどのお話の中で、細野さんにはお話をしていたので、その先は本人の考え次第だ、ということがあった。やはり党の憲法調査会がある中で、ご自身の考えを独自に雑誌などに公表されるということについては、そういうふうにした以上、党の役職を辞任することも仕方がないとお考えか。

【代表】
 今の段階で衆議院の憲法審査会は審議を行っています。他方で参議院の憲法審査会は、与党が理事懇さえも拒否して開けない状態が続いています。そうした中、私達は党として、我々の憲法の考え方はどうあるべきかというのは、平場も含めて憲法調査会で進めているところでございますので、そこに対して細野さん個人の政治家としての思いを課題として提案するのは正しいことだと私は今も思っていますが、他方で今回の届けに至ったのは、執行部の考え方と受け止められかねないところもあると本人が受け止めたようでございますので、恐らくそうした判断の表れだとは思っています。
 まだ幹事長から詳細な報告を伺っていませんので、伺った上で対応を考えたいと思います。

【産経新聞・山本記者】
 細野さんと最後にお話しされたのはいつだったのか伺いたい。  この件に関してではなくて、細野さんとコミュニケーションをとったのは、今週、先週、あったか。

【代表】
 今週も、電話で何度も話しています。

【産経新聞・山本記者】
 その時にこの話は全く何も聞いていないということでよろしいか。

【代表】
 ここでお話しすることではありません。

【読売新聞・森山記者】
 細野さんの辞表を仮に受理した上で、後任の代行をどのような人物像で選ぶか。もしくは(後任の)代行を置かないという選択肢はあるのかどうか、お聞きしたい。

【代表】
 その質問は時期尚早だと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 細野先生は蓮舫代表をつくる時の原動力にもなったわけで、そういう姿から見ている私としては、これはちぐはぐではなくて、何か壊れているのではないかなというくらいの話だ。やはり何か執行部に対する明らかな不満があって辞めたと私などは思うが、その辺はどうなのか。本当に憲法だけなのか。

【代表】
 現段階で幹事長に細野さんがお話しになった内容、そして幹事長から私が伺っている内容はまさに憲法の話でありまして、それ以外はやはり直接話をしてみないと、今ご指摘いただいた部分、私の行き届かなった部分、一体どこがあるのかも、私が今ここでお話しするのには材料を持ち合わせていません。

【産経新聞・山本記者】
 去年9月の代表選の際に、細野さんが蓮舫さんを支持される姿勢を示された時に、代表と細野さんでお話をされているかと思うが、たぶん憲法改正、憲法の問題もお話しになられているかと思う。その時にどういった形の話をされたのか。例えば憲法の新しい案を出すことについて一緒にやっていきましょう、みたいな話をされたのかどうか、そのあたりを覚えていらっしゃったら伺いたい。

【代表】
 ちょっと記憶を呼び返さないといけない質問に対しては、今この場で「こうだ」と答える立場にはないと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 細野さんの問題は組織的にお考えになるとおっしゃった。代表代行というのは党規約上、代表の補佐をして執行役員会のメンバーなわけだが、こういう方が3人並立していること自体にガバナンス上やや無理があったのではないか。逆に言うと、3人が2人になっても実質的にはあまり関係ないのかなというところもあり、やはりその辺もちょっと無理があったのではないかなという感じがするが、組織論的にいかがか。

【代表】
 今のご指摘も含めて率直に受け止めたいと思います。どういう形で党のガバナンスを維持していくのか。そして所属している議員の士気をどうやって高めていけるのか。それはまさに私の責任の存するところでありますので、今回のことを契機にもう一度考えたいとは思います。

○野党連携について

【共同通信・野見山記者】
 今夜、新宿で野党4党と市民連合の合同演説会がある。先ほどの細野さんのぶら下がりで、先日、野党4党と市民連合でまとめた共通認識の中で、憲法改正に対して、安倍政権下の改正には反対するという趣旨の文言が提案型政党と相入れないという発言があった。今後の野党連携、政策のすり合わせ、憲法も含めて、どうやって臨むお考えか。

【代表】
 野党でお返しした政策(「『市民連合が実現を目指す政策』に関する4党の考え方」)の文言については、執行役員会でも、政調会長から丁寧な説明があって、今言われたような細野さんからの発言に対しても政調会長からの細やかな説明があって、ご本人、「あ、それならば」とご納得されていたと理解しています。
 その部分で、私が代表に就任してからあえて踏み込んだり、あるいは組織の手続を飛び越えるような手段はとっていなくて、4野党の政策責任担当者の皆様方と細やかな政策の調整であったり、あるいは今も選挙責任者の立場の皆様方が、それぞれその地域の特性を生かしながら、どういう「できる限りの協力」が行えるかという丁寧な交渉を続けていますので、特段、私になってからオーバーランをしたというふうには理解はしていません。

【日本経済新聞・加藤記者】
 細野さんは野党4党の憲法改正の政策について、ちょっと執行部の対応を批判されていたり、長島さんも野党共闘の路線に対して批判をされて離党されたわけだが、今後もこういった野党共闘の路線は全く変わりはないと代表はお考えか。

【代表】
 特に代行は執行役員会のメンバーでもありますから、3月末の党大会の、ことし1年の活動方針についても文言は等しく同じく目を通して、それを了とされています。その部分では、1年間の活動方針を変えるということは今、考えていません。

【フリーランス・上出記者】
 今後の問題について伺いたい。長島さんは離党された理由を、共産党と共闘するというのは私の信条に反するのだ、ということを言っておられる。同じようなことを言っている方は、結構ちらほら私も耳にする。実際に、野党共闘ということが前面に出ていながら、こういう形で出てくる。今後、そういった問題、党内の一致団結というか、前向きに進んでいくという点で、代表として今こういう問題が広がらないように一番気をつけていること、最も大切だと思っていることは何か伺いたい。

【代表】
 まずは私達の政策の旗です。「教育の無償化」「原発ゼロ」、この二つをしっかりまとめてきましたので、この二つは我々がしっかりと次の政権を担う時の我々の政府の姿である。国の予算の再分配を、教育、あるいは再生エネ、自然エネルギーのためにしっかり振り分けていって、地方の創生、それと子どもたちの未来の可能性をつくっていく。これは我々は、どこの他の野党に遠慮することもなく突き抜けて話していけるのだと思っています。
 その上で、「一強」の今の政治の姿勢、傲慢さ、国会運営の前例なき横暴なやり方に対してしっかり戦っていくには、シンプルな構図で、小選挙区でオーダーメイドでそれぞれ細やかな配慮をして候補者を擁立していく。こうした作業を同時進行、かつ、急ぎながら進めていくことに尽きるのだと思っています。

○森友学園問題に関する総理の答弁姿勢について

【フリーランス・上出記者】
 きのう柚木道義議員の質問で、森友問題について国民の多くが疑問に思っていて、証人喚問などをしてほしいという声が多いということに関して、安倍首相は、支持率が53%あると切り返された。これは聞き方によっては、国民から白紙委任をされている、こんなにたくさんあるのだから何をやってもいいのだ、というような非常に傲慢さを感じた方は多いのではないかと思う。先ほど代表も言っておられたが、こういった数の力に対抗するすべとしてはどうしようもないような、むなしい感じもするが、何かこういう問題一つ一つのことを、もう少し野党一緒に攻めるとか、質問を一緒にやるとか、そういう提言もあるが、何かスッキリしない感をもう少しきちんと整理することはできないものなのか。

【代表】
 きのう(12日・衆議院厚生労働委員会)の柚木さんの質問は、まさに委員会審議をいきなり中止して法案採決をするに値するような中傷誹謗ではなかったと思います。NHKの世論調査を活用させていただいて、多くの国民が安倍昭恵さんの国会への招致を望んでいるという質問に対して、総理は、みずからの支持率が高いとお返しになりましたが、総理の支持率が高いことを誰も否定していません。同じように高い、安倍昭恵さんの国会への参考人招致あるいは証人喚問について伺ったものですから、まさにこれは答弁拒否だと思っているし、ある意味まっすぐ答えない姿勢は傲慢さが出ているなと思っているところであります。
 「野党4党で質問を調整して」とよく言われますが、我々は政党が違います。政党が違った上で、それぞれ部門会議あるいは調査会でさまざまな調査・リサーチをして、みずからの見識の中から、国会議員としての国政調査権を持ちながらの質問でございますので、それを野党で連携するというのはどういう形なのか、私は想像がつきません。/p>

○次期衆議院選挙・区割り改定について

【朝日新聞・中崎記者】
 近く選挙の区割り審の勧告が出ると思う。だいぶ定数が変わったりするところもあるので、野党共闘においても選挙区調整等、影響があると思う。近く発表されるものについてどう対応されていくか考えを伺いたい。

【代表】
 近くどのような発表があるのか、これは各都道府県連からもいろいろな情報を収集しながら、まさに選対の場において「こうであろうか」「こうかもしれない」という可能性も含めて、候補者調整にどういう影響があるのかも交えながら、馬淵選対委員長に全てお願いをしています。

【読売新聞・森山記者】
 長島さんの関係だが、長島さんが離党されることになれば東京21区が空白区になる。そこの次の候補の選定をどう進めていくのか、それに対してのお考えと、蓮舫代表が21区から出馬するという選択肢はあり得るのか、お聞きしたい。

【代表】
 一般論としては、空白区は埋めていく。当然のことです。その作業を選対委員長にはお願いを既にしてあります。具体的にはどうするかというのは、まだここでお話しできる段階ではありません。

○強行採決に端を発する衆議院の不正常化について

【NHK・花岡記者】
 冒頭の、国会の運営について伺いたい。不正常な形ということで、衆院の本会議が開かれていない。一方で「共謀罪」については委員会の審議入りの日程については合意されたということだが、これに対する影響、今後の国会審議への影響をどうお考えか。

【代表】
 今回の国会、特に衆議院側は不正常になっている責任は全て自民党にありますので、自民側がどのようなボールを返してくるのかを今見きわめているところです。