坂本祐之輔議員は18日午後に開かれた衆院本会議で、「国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律案」について質問し、関係大臣の見解をただした。

 同改正案は、産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に関する施策の総合的かつ集中的な推進を図り、農業分野の外国専門人材の受け入れや子育てに係る環境の整備、テレワークの推進などを行うとするもの。

 冒頭で坂本議員は、山本地方創生大臣の一昨日の「一番のがんは学芸員という人たち」との発言を取り上げ、「学芸員に対しても、そして、がんと闘っている患者、そのご家族に対しても配慮のない発言だった」と厳しく批判した。山本地方創生大臣は、言い過ぎであったとして、発言を撤回して謝罪した。

 加計学園の国家戦略特区を活用した獣医学部の新設について、「これまでに判明した事実を勘案すると、はじめに加計学園ありきで、これに合わせて制度設計をしたと疑わざるを得ない」との疑惑を指摘。山本地方創生大臣は、「これまでの歴代政権が実現に向け積み上げてきた。法令に従い適切に実施し、安倍総理夫妻が影響を与えたことは一切ない」と答えた。

 国家戦略特区制度の成果について、「アベノミクス第3の矢である『成長戦略』の中核をなす政策だが、世界銀行のビジネス環境ランキングでは順位は低下傾向にある」「国家戦略特区の枠組みを活用した地方創生特区を設けたものの、その利用は広がっていない。東京一極集中を促進させている」と指摘。山本地方創生大臣は、「大胆な規制改革がビジネス環境の向上に寄与する。引き続き世界でビジネスがしやすい環境を整備すべく精力的に取り組む」「国家戦略特区の枠組みを活用して、今後も改革によって成長を実現しようという地域を協力に支援していく」と述べるにとどまった。

 坂本議員は、世界で一番ビジネスのしやすい環境を創出するはずが、「成果目標を達成できず、むしろ弊害が生じているのであれば、制度自体あるいは運用を大きく見直す必要があるのではないか」と疑問を投げかけた。

坂本祐之輔議員が質問

 農業への外国人の就労解禁の件について坂本議員は、「農業従事者がこれだけ減少・高齢化したのは、小規模農家を潰してきた結果に他ならない」と、政府・自民党の農業政策を厳しく批判。その上で、「農業分野の人手不足は全国的な問題だ。今後、全国で同様の解禁を行うのか、そしてそれが人手不足の根本的解決策となるのか」と問いただした。山本農水大臣は、「農業の抱える課題を根本的に解決するためには、外国人材の受け入れのみならず、農政全般を見直し農業の成長産業化の実現が重要。本法案での農業分野への外国人材の受け入れは、農業経営の規模拡大に伴い、必要となる専門人材の就労を適切な管理の下で可能とする制度として導入することとした」と答えた。

 保育・子育てに係る環境整備について、「小規模認可保育所の対象年齢を5歳まで拡大すると、小さな空間でのストレスや事故が生じたりすることも予想される」と質問。塩崎厚労大臣は、「発達過程に応じた適切な支援ができるよう配慮する保育事業者に求める。保育事業者は取り組み内容を自治体に報告し、自治体はそれを公表することで保育の質の確保を図る」と答えたが、具体的な方法には触れなかった。

 テレワーク推進に向けて、「仕事と生活の調和を図ることができる環境を整備することができれば良いが、適切な労働時間管理が行われるようにすべきだ」として、塩崎厚労大臣に見解を求めた。塩崎厚労大臣は、「今年度はテレワークの普及加速に向け、企業の実態を把握しながらテレワークでの労働時間管理の留意点を明らかにする予定だ」と答えた。

 最後に坂本議員は、「2014年1月のダボス会議で安倍総理は大見えを切ったが、国家戦略特区によって、経済・社会に大きなインパクトのある成果はもたらされていない。目立った成果が出ない一方で、東京一極集中が一層促進されようとしている。民進党は、地方の目線で自立を可能とする改革を誠実に推進することを誓う」などと質問を結んだ。