党役員会見に関する基本的な方針について

安住淳代表代行記者会見

2017年5月10日(水)15時00分~15時14分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=mjTbHu2MTDU


■質疑

■冒頭発言

(なし)


■質疑

○文在寅(ムン・ジェイン)韓国新大統領の就任について

【読売新聞・高田記者】
 韓国で新大統領が決定し、巷間伝えられているところでは新しい大統領は北朝鮮に融和的でアメリカ・日本に対してなかなか厳しいとされているが、現時点での受け止めをお願いしたい。

【代表代行】
 きょう宣誓式を行って新大統領になられて、その後の言動が選挙戦の時の言動とどういうふうに、一致しているのか、それとも大統領として、統治者としての発言・行動になっていくのかというところは、もうちょっと時間をかけて見ていかなければならないと思います。

○政権に近いとされるジャーナリストをめぐる週刊誌報道について

【日本テレビ・古谷記者
 ちょっと下世話な話になるかもしれないが、一部の週刊誌報道で、安倍総理に極めて近いとされるジャーナリストの方が準強姦容疑で逮捕状が出たところ、逮捕が取りやめになったという報道があった。その際に、警視庁の現役の刑事部長が前官房長官秘書官だったことから、何か関係があったのではないか、何らかの忖度(そんたく)があったのではないかという可能性を指摘するものだった。週刊誌報道の内容ではあるが、今後このことに関して何か、政府に真偽を確認するとか、そういったことのお考えはあるか。

【代表代行】
 政治家ではないのでね。私はおつき合いがないからちょっと何とも言えないのだけれども、ジャーナリストとはいえ民間の方ですから。一部週刊誌でそういう話が書かれていることは承知していますが、事態、ちょっと様子を見たいと思っています。

○「共謀罪」法案の審議について

【テレビ朝日・白川記者】
 「共謀罪」について伺いたい。衆議院の採決というような声も与党側からは聞こえてきている中だが、一つお伺いしたいのは、今、日本維新の会が自民党に対して修正協議を持ちかけていて、それが整えば賛同するというようなことを言っている。与野党対決型の法案で、維新はこれまでも修正協議を自民党と個別に行って最終的に賛成に回るということがあったが、この維新と自民党の修正協議自体についてはどのように見ていらっしゃるかお聞きしたい。

【代表代行】
 もともと野党連携の枠にある人達ではないので、関係ありません

○憲法をめぐる議論について

【テレビ朝日・白川記者】
 安倍総理が、ゴールデンウィーク中に、憲法9条3項の加憲について表明したが、それについての考えを伺いたいのと、また日本維新の会の話になって恐縮だが、維新は3分の2を一緒に構成して憲法改正をというような勢力でもあるかと思うが、それとの関連性は何かお感じになるか。

【代表代行】
 他党のことは関心ありません。
 憲法9条の改正を唐突に言うというのは、今の政治の流れからいって、何かそれを憲法審査会で議論を詰めてきたとか、自民党内でそういう深さのある議論をしたとは到底思えないので、思いつきで言ったのか、ポピュリズムで言ったのか、それとも何かもっと深い戦略的なことがあったのかよくわかりませんが、唐突感はかなりあるのではないですか。
 ですから、どういう背景でそういう話をしたのか、ちゃんと国会で話すべきでしょうね。それをやらないのだから、やらない以上、国会で話さないということは国会で議題にする必要はないということなのだと思いますから、憲法審査会はその問題をちゃんとクリアにしないと開けませんね。

【テレビ東京・山本記者】
 総理の、新聞を読め、といったような発言に関する受け止めと、きのうの質疑の中で総理のほうから、民進党としても憲法に対して具体的な提案を、というような内容の話があったかと思うが、あらためて党のスタンスについて伺いたい。

【代表代行】
 一部の新聞を読めという発言は、ちょっと残念だとは思いますね。「おごり」に聞こえるし、政治家に新聞社が利用されていると見られたら新聞社にとっても損だと思いますから、それは、皆さん自身がその新聞社に対してどういう批判をするかはご自身で考えればいいことだと思います。
 我が党でも憲法改正については積極的な議論をしていますが、9条についていじろうという考え方はほぼないということはコンセンサスだと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 安住さんは女川出身で、私も石巻・女川は発災後に何度か行っているが、やはりこの3.11の前と後で自衛隊に対する思いというのは、特に被災地では劇的に変わったと思っているが、そういうところはどういうふうに。9条云々はちょっと抜きにして、自衛隊についての国民意識はどのように変わったとお考えなのか伺いたい。

【代表代行】
 自衛隊の存在というのは定着していると思います。
 しかしそれは、もちろん災害救助等で自衛隊の貢献が非常に大きいし、ある意味で共産党の皆さんも高く評価しておられると思いますから、既に現行法の中で十分その存在価値というのは高まっていると私は思います。
 3.11以前と比べても、というよりは、長年積み重ねてきたそういう信頼感というのは、やはり専守防衛に徹してきて、9条に基づき、ある意味で武力行使をしないで、しかし侵略する者に対しては防御的にしっかりとそのディフェンシブな防衛力を整備してきたというのは、海外からも高く認められていると思います。ですから、その形を崩すということは戦後歩んできた道を崩すことになるので、私は大変懸念を持っている。
 国民の皆さんの自衛隊に対する信頼というのは、旧軍とは明らかに違って、そうした9条のもとで自衛隊の存在というものを、やはりみずから戒めてやってきたというところが大きいのではないかと思う。それに、3.11を初めとする災害救助等で大きな貢献をしてきたことが積み重なって今日ありますから、そういう積み上げてきたものの土台を大事にして、これからもやっていったほうがいいと私は思っています。

【産経新聞・奥原記者】
 9条について、枝野幸男さんが2013年に「文藝春秋」に、現行の9条に自衛権に基づく実力行使のための組織を規定するべきだという私案を発表されたり、前原誠司さんも昨年の代表選で9条に3項を加えて自衛隊の存在を位置づけるべきだという提案を発言されているが、9条についていじろうということはないというのは御党のコンセンサスであると。

【代表代行】
 それが多数になっているとは思っていません。

【時事通信・岸本記者】
 関連して。ということは、9条に関していじるという部分に関しては、安倍晋三首相の言う憲法改正ということに関しては反対というのが、御党のコンセンサスという認識でよろしいか。

【代表代行】
 これから党内で必要があれば議論するとは思いますが、どういう考えで総理がそれを言って、2項と3項の整合性がどうなるのかというのははっきり説明していないから、コメントのしようがありません。1項があって、2項でその(戦力)保持について否定をしていると。その上で3項というのが論理的にあり得るのかというのがまずある。
 しかし、ここで、会見で、そういう項目の話を一々言うつもりはございませんが、私が申し上げているのは、戦後歩んできた道を踏み外していくという憲法改正にはくみしないということはおおむねコンセンサスを得ているのではないかと思います。
 国際情勢の大きな変化に対応して自衛力を強化していくことについては必要だと思うけれども、私が先ほどから言っているように、戦後積み重ねてきた自衛隊の信頼というのは、ある意味9条に基づいた抑制的なものがあっての存在で、(現行憲法に)「自衛隊」という言葉はないけれども、国民の中にはそれはかなり定着していて、それを否定する者はほとんどないと私は思うので、今それを無理に書く必要はないのではないかというのが個人的な考えです。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 共産党も理解を示している、自衛隊の積み重ねを評価しているとおっしゃるけれども、(共産党の)綱領を読むと、ゆくゆくは廃止とか書いてある。だから、やはり民進党は、共産党とこの問題について全く相入れない立場ではないかと私は思っているが、そこはどうなのか。野党共闘のリーダーとして、この問題ではやはり共産党と同一歩調ということはないのではないかと思うが、その辺はどういうふうに理解したらいいか。

【代表代行】
 自衛隊の存在を否定しているということは事実なのかもしれないけれども、現行法の中で、集団的自衛権に関わる部分以外の自衛隊の運用について、共産党は参議院選挙においては特段それについて異議を申し上げているわけではないわけですね。我々もそれについて、共産党に合わせて何かやったわけではないわけだから、それと選挙で候補者を一本化していく話とは別の話だと私は思いますよ。
 だから根幹にかかわる部分で、この自衛隊を最初からもう、根本から認めないとなれば、それは当然協力には限度があるということはおっしゃるとおりだと思います。

○天皇陛下の退位に関する特例法案の審議について

【NHK・黒川記者】
 天皇陛下の退位の関連で伺いたい。与党側は国会での審議、内閣委員会でという考えを持っているようだが、この内閣委員会で審議することについて、代行としてどういうふうに感じていらっしゃるか。

【代表代行】
 今後の手順は、与党側のそういう考えはわかりましたが、議長から(政府に)投げて、議長に戻ってくる話なので、議長・副議長のところで話をしていただいた上で場を決めるということだと思いますから、議長から何らかの提案があれば、我々としてはそれに対して真摯な対応をしたいと思います。