党役員会見に関する基本的な方針について

安住淳代表代行記者会見

2017年5月17日(水)15時00分~15時27分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=DSrx90qVFDg


■質疑

■冒頭発言

(なし)


■質疑

○「眞子内親王殿下、ご婚約に向けて準備」報道について

【読売新聞・高田記者】
 国会の質問等の前に、秋篠宮眞子内親王殿下がご婚約ということできのう報道が流れ、宮内庁も発表したが、安住代行の受け止めをお願いしたい。

【代表代行】
 大変おめでたい話だと思います。末永くお幸せになっていただければと思います。

○退位特例法案・安定的な皇位継承に関する議論について

【朝日新聞・斉藤記者】
 眞子内親王殿下のご婚約が、退位の法案の附帯決議の議論に何か影響を与えると考えられるか。

【代表代行】
 もともと、今の皇太子家また秋篠宮家を見ても、国民の皆さんもわかるとおり、女性のお子様が大変多うございますから、いずれ一定の年齢に達したところでこういうお祝いは出てくるわけです。今の制度上は皇籍の問題がどうしてもありますから、それでは今のままにして男性を中心にということであれば、皇族の将来がどうなるのかということは当然議論をしなければならない課題だと私は思っております。ですから、我が党としてはこれまでも、この天皇陛下のご退位の話の中でいろいろな意見交換をさせていただいているところでも、女性宮家の創設について前向きに検討するべきではないかということを話しております。
 もとよりご本人のご意思の問題もございますから、これを強制にということではありませんが、やはり皇室が栄えるということを考えれば、成人に達せられつつある現状の中では、やはり議論を急いだほうがいいのではないかと、私は思っています。

【フリーランス・宮崎記者】
 退位特例法は金曜日の閣議で、これまでの事前の提示どおりに決定すべきか。また女性宮家、附帯決議ということになると、これは法的拘束力がない。こういったものを例えば附則とか、そういった形にしていくお考えはお持ちか。

【代表代行】
 現実的には、今の法案の成案を得るということはおおむねコンセンサスを得ていますから、これを今、急につけ加えることはたぶん難しいと思いますので、附帯に今のような考えをぜひ盛り込んで、2段階でしっかりと、やはりこの議論も法案成立の後に、各党真摯に皇族の将来について話し合ったほうがいいと私は思っております。  ですから、そういう点では、附帯の中でそうした院としての合意が得られる文章が残るようなことがあるほうがいいと今は思っています。

【フリーランス・上出記者】
 男系天皇でなければだめだという方が結構おり、そのうちの代表的な学者が、今回のご婚約に関連して、女性宮家は絶対だめだというような談話を一部新聞に載せている。その載せたところはリベラルな新聞社だと思うが。今おっしゃった宮家の存続、皇室の存続というのは、どのような根拠で、民進党というか、安住さんの場合はどのような根拠で皇室の繁栄などを願っているのか。まさか万世一系だとは思っていないが、憲法にはちゃんと「象徴」ということが書いてあるので、そこからたどれるとは思うが、その辺をちょっとかみ砕いて説明していただきたい。

【代表代行】
 もちろん、明治憲法下の我が国と、戦後の平和憲法の中でスタートした民主主義国家の中での天皇陛下の位置づけは明らかに違います。
 この話は、お祝い事に絡めて深く議論することが適切かどうかは私はわからないので、簡単に申し上げますが、やはり象徴天皇制を支える皇族制度のあり方というのはあってしかるべきだと思っております。
 この議論は、戦後、憲法改正等を含めて天皇の位置をどうするか、位(くらい)ですね、大日本帝国憲法下での天皇陛下の位置づけではなくて、象徴天皇制というもので天皇陛下の立場は劇的に変化したわけです。しかし、同時に旧宮家の存廃の話があった後、それではどういうふうに皇族制度を維持するかということは、実は我が国ではあまり議論がされてこなかったと思います。今の陛下のいとこの方々も男性の方も大変多かったわけですが、三笠宮家を含めお亡くなりになられた方々も多くて、結果的に今こういう状況になっております。
 ですから、そういう点では、戦後憲法下での皇族制度のあり方というのは、そろそろあるべき姿は考えたほうがいいと私は思いますし、その中で男女の話ですね、これは対等であってもしかるべきだというのが私自身の考えでございます。

【フリーランス・宮崎記者】
 (特例法案の審議の場となる見通しの)衆議院議院運営委員会は、議事録は残るが、インターネット中継はされていない。今回、この件に関してはどのような対応であるべきとお考えか。

【代表代行】
 議院運営委員会は、部屋もそうなので、これまでのやり方だとそうだとは思いますが、極めて重要で歴史的な質疑をすることになりますので、私のほうからも佐藤委員長等には、副議長にもお願いを申し上げまして、国民の皆さんが、また記者の皆さんが、取材しやすいような環境をぜひつくっていただいて、各党各会派が、むしろその点では自民党も十分配慮するということですから、少数会派の方々の意見もきちっと聞いていただくような場を議運でつくってほしいということは申し上げて、了解は得たと思っております。

【朝日新聞・斉藤記者】
 今の話は、第1委員会室を使うとかそういう意味か。

【代表代行】
 今調整中ですが、議運の今の場所は大変威厳があって、皇室の議論を静かな環境でやるのにはいいと私は思いますが、狭くて、どうもマスコミの皆さんの対応等、非常に難しいのではないかという議論があると聞いておりますので、そこは記者クラブやフリーの皆さんの意見もよく聞いた上で、国民に議論を聞いていただいて歴史に残すことが重要ですから、そういうことを前提にいろいろ工夫をしてほしいということは申し上げております。

○「総理のご意向」加計学園獣医学部新設問題・森友学園問題について

【ニッポン放送・後藤記者】
 きょうの文部科学委員会で御党の玉木雄一郎議員が、加計学園に関して新たな文書、文科省が内閣府から「総理の意向だと聞いている」と言われたとする文書が出された。これに対して松野文科大臣は、「国家戦略特区に関する対応に向けた文書というのは、作成された可能性はある」とした上で、「確認させてほしい」と言っている。それから菅官房長官は会見で、「誰が書いたかわからない。こんな意味不明なものについて、一々政府が答えることはない」と言っている。これらの政府の反応に対して意見をいただきたい。

【代表代行】
 朝日新聞等の報道もありますが、仮に事実だとすれば、特区制度の悪用・私物化につながりますから、それを首相が主導してやったとなれば、これは進退にかかわるような重要な事件になると思います。それも、我が党が入手したものも朝日新聞社が入手したものもたぶん一緒だと思いますが、日付も実名も全て書いてあって、誰が見ても公的な機関が扱った文書であることは疑いようがないのではないかと思います。
 議院運営委員会で文科省に確認を求めておりますが、確認し次第返答するということで返ってきておりますので様子は見たいと思いますが、特区制度はそもそも、特例を出すことによってある事業の進展を図ることが主目的ですね。そのことが経済の活性化や地域に根差したさまざまな事業を行うのに重要だということでスタートしていますが、もし報道されていることや文書に書いてあることが事実だとすれば、総理の胸三寸で、総理と仲のいい人のためにこの特区制度を使うということは、国家の法を総理のために曲げることにつながりますからね。もし事実だとすれば徹底的に追及します。

【フリーランス・上出記者】
 これまでも森友学園で追及が続いていて、政府は早く幕引きしたいと思っていると思うが、この加計問題が出てきたことで、またこういった首相の関係、影響力などについて、まとめて光が当たる形になると思う。森友との関係でどのようにこれを整理して、あるいは合わせわざにしてやっていけるとか、どのようなポイントが今回浮き上がってきた問題から見えるか、お聞きしたい。

【代表代行】
 森友の案件は新たな段階に入ったと思う。昨日公表された文書がもし事実だとすれば、(地下埋設物の撤去費用の)積算根拠となっていた穴埋め(地下埋設物が存在する深度)のメートルが、明らかに違いますから。これは3メートル掘って(埋まって)いなくて、その先には何もないということを、あの文書には書いてあったと。これは本当に驚愕すべきことで、航空局の測量は、たしかその3倍近くのメートルになっているわけでしょう。それが実は3メートルから下は何もないという文書を、もし公的な機関がわかって値引きの根拠にしていたら、これはどうなりますかね。だから、そういう点では、必要であれば、本当に3メートルより下に廃棄物があるのかどうか掘ってもらわないといけないような事態になってきたと私は思っているのです。
 だから口先だけで「ある」とか「ない」とかいう次元を超えて、本当に3メートルより下に廃棄物があって、役所が値引きをした根拠が本当に事実なのかということころにいよいよ突き当たってきたなということですから、加計とはまた別に、これはこれで今、私どもとしては、本当にお金や権限が与えられてショベルカーがあるのだったら、みずから議員を派遣して掘らせてみたいなと思っているくらいです。国民の疑惑に答えるのだったら、航空局はそう測量したと言っているのだから、みずから測量して証明しないとだめかもしれませんね。

【東京新聞・我那覇記者】
 森友と加計の関連性について、例えば外形的には安倍さん、昭恵さんが関連していたり、あるいは「忖度(そんたく)」というキーワードが両方とも関わってくるのかなという気がするが、そこら辺の共通性、事案の似通っている部分について代行はどうお考えになっているか。

【代表代行】
 全て総理の周辺で起きていることでしょう。全て総理の周辺で、そこに近くにいる役人が関係省庁にいろいろ差配をした、ということがこういうことを起こしているとすれば、やはり総理みずから説明する責任もあるし、文書の証明をしないといけないのではないですか。昭恵夫人も含めて全く国会で説明もしない。これは確かに、逃げているとしか言いようがないのですね。
 だから黒白をはっきりするには、森友のことで言えば、昭恵夫人はまず出てきて説明する。それから、一方の当事者が、実は3メートル(まで)しか廃棄物はないと、文書まで出し始めているわけだから。本当にそうであれば、積算した「事実」は本当に事実なのかを国交省の航空局は証明しなければ、この話はおさまらないと思いますよ。
 加計については、私どもの政権の時代から文科省は、獣医学部が我が国全体で飽和状態になっていて、また各種団体も含めて、これは適正規模を超えていく可能性があるので、獣医学部の新設というのは相当慎重にやるべきだという意見だったのではないですか。そういう意見をいわば全く無視して、ここに書いてあるとおりとすれば、「これは官邸の最高レベルが言っていること」「総理のご意向だと聞いている」とまで書いてあるわけでしょう。これは合理性や行政の正当性を、一人の指導者の考え方に沿ってひっくり返す話だから、これは共通していると言えば共通しているところはあると思います。

【日本経済新聞・加藤記者】
 今、加計学園の件で今後も追及していくお考えを示されたが、今後、党としてどういった場面で、国会の各委員会なのか、集中審議を求めるのか、どういった形で政府側に説明を求めていくお考えか。

【代表代行】
 紙を今議運で、出せと言っているではないですか。今、ボールは政府側にある。それが出てきてからまたいろいろなところでやります。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 官房長官の、こんなの応じないでいいというのは、事実というものについて全く。これが官邸の意思だと思うが。一方で、もう既にそういうサイドからは、朝日新聞と民進党の共同キャンペーンだと、そんなことも流れてきている。やはり事実を解明する前にそういうことになっていること自体が、今の世の中おかしいと私は思っているが、特に官房長官のはまさにそうだと思うが、どうご覧になるか。

【代表代行】
 政治的に何かこれを利用してキャンペーンを張っているなんていうことは、全くないです。むしろこの文書がなぜ存在するのかということが新出の問題なので。そこから角度の違った政治的な攻撃をするというところは、逆に言えば相当なうさん臭い話だと思いますよ、官房長官の話はね。
 私は何を言われたって全然構わないけれども、まずこういう文書を誰がつくって、そういう事実があるのかどうか、それは政府側が突きつけられているのだから、みずから納税者に対して、国民に対して、これが事実なのかどうか説明する責任があると思いますよ。それを何か政治的な争い事のように見せかけるのは、薄汚いやり方だと思います。

○吉野復興大臣について

【河北新報・小沢記者】
 今村前復興大臣が問題発言の責任をとって辞任し、吉野大臣が就任してから二十日余りたった。あらためて、被災地出身の吉野大臣に対する評価をお聞きしたいのと、同じ被災地出身議員として何か注文があればお願いしたい。

【代表代行】
 吉野さんは、発災の時に野党でいらっしゃったのですが、私自身が財務大臣で随分質問も受けたし、本当にそういう意味では地元を丁寧に歩いていたことをよくわかっていますので、そうした意味では与野党を超えて被災地の人間としては、わかっている方になってもらったことは、安心感はございます。
 問題は、(復興の)ステージがずっと変わってきて、宮城や岩手については復興も、ある意味で仮設住宅等の数も随分減ってきまして、残り4年の中でどういうふうにゴールに入るかという段階に入っています。そういう中で人口減少の問題等が起きていて、新たな課題に対応してもらわないといけないのだけれども、問題はやはり福島だと思います。ですから、そういう点では、原子力の問題をどうするのか。こうした問題について、自民党と福島県民の意見は違いますから、そういう中で大臣自身がどういう判断をされていくのかということに注目しています。

○衆議院小選挙区区割り改定について

【フリーランス・宮崎記者】
 きのう、衆議院の新区割りの法案が出た。これに関しては、5年前の法案は定数是正も含めて、安住代行はいろいろと政権でご苦労された経緯もあるかと思う。今回の法案、野党として、日程闘争等の駆け引きということにしていくことはあるのかないのか伺いたい。

【代表代行】
 ないと思います。
 個人的には、ちょっと言いたいことはここ(のど元)まであるのだけれども、それを言い出すとちょっと、「一票の平等に、君は反するのか」と怒られそうなので言いませんが、一言だけ言わせてもらうと、被災地の私のところは人口が一番低いことになったのですね、実は6年前から。これは、亡くなった方もいるし避難している人もいるから3万人ほど減ったのですね。そこを最下点に考えて「違憲状態だから」と言うのは、ちょっと無理があるのではないかと、私は思っていました。
 でもまあ、一応それはそれとして、新しい区割りになって、区割り審から出てきた答申を見ると、決して意図的に何か特定の団体や党のためにやったという感じは見受けられないので。
 ただ、さまざまな複雑な思いを、100選挙区変わるということは100近い地域で新たな区割りで選挙をやらされる人達が出てくるわけですから、そういう人達の心情を考えると、疑問点等についてはしっかり質疑をした上でこの法案を成立させ、一定の周知期間をしっかりとった上で、総選挙のあるべき時期を考えてもらいたいと思っています。
 ちなみに私は、全国でも珍しいですが、これで3回連続、違う選挙区で戦うことになりますので。そういう議員もいるということをぜひお忘れなく。

○憲法論議について

【産経新聞・奥原記者】
 あすの憲法審査会だが、これはつつがなく開かれる見通しになっているか。

【代表代行】
 わかりません。

【産経新聞・奥原記者】
 あすの憲法審査会だが、「わからない」というのは、これは国対マターだからということになるのか。

【代表代行】
 (法務大臣不信任決議案提出を受けた)本会議の運びのこともあるので、わからないと言っています。
 そもそも、積み上げてきた議論を丁寧にやってきているところで、いきなり9条を変えるって、ちょっと総理のやり方のほうが変じゃないの。やっぱり現場の意見を無視しているのだから、議論のしようがないというところがありますよね。

【朝日新聞・斉藤記者】
 その「変じゃないの」のさらに一つ先の話で恐縮だが、憲法の国民投票と国政選挙を同日にやることを総理は否定していないが、それを同日にやることに違和感を覚えるか。

【代表代行】
 これは私の個人的な意見だけれども、それはたぶんテーマとしては国民の皆さんにとってはわかりやすいかもしれませんね。ですけれども、それは解散権の濫用だと思いますよ。本来、憲法で定められた解散は、そんなことを政治的に使うために解散を認めているわけではないわけです。だからそういう点で言うと、「何でもありなのか」と言いたくなりますよ。それは本来のあるべきやり方ではないと私は思います。

○金田法務大臣に対する不信任決議案の提出について

【フリーランス・宮崎記者】
 「共謀罪」の話だが、金田法務大臣の不信任決議案、今後どういった形で審議されていくか。

【代表代行】
 今、議運で話し合いをさせていただいております。提出した以上、本会議での討論・採決ということになると思いますが、さまざまな経緯・経過を今からたどると思いますが、定例日は、早ければあしたということになるのではないでしょうか。
 運営全体が、「共謀罪」の場合はちょっと乱暴だったなということと、残念ながらなかなか議論がかみ合わなかったのは、やはり金田大臣自身の答弁能力の問題等があったからだと思う。ですから、やはりもうちょっと丁寧にわかりやすい議論・答弁を国民の皆さんにわかるようにしてもらえば、この法案についての理解というのは逆の意味で進んだと思うのだけれども、相当乱暴な運びをしてきたので、それに対する我々としての抗議として、いわば、通信簿で言えば「あなたは赤点です」ということを本会議で堂々と議論したいと思っています。