党役員会見に関する基本的な方針について

蓮舫代表記者会見

2017年5月25日(木)15時01分~15時41分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=5lhufJ8VZ5I


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○加計学園問題 前川前文科次官の国会招致要求について

【代表】
 きょう(25日)は特に加計学園の疑惑・問題について、やはり一段と(疑念は)深まったと指摘せざるを得ないと思っています。  前川前文科事務次官は、「総理のご意向」メモは「本物」と証言された。メディアを通じてですが、その内容を読んで、「行政がゆがめられた」という言葉の重さに、ある意味、私も共鳴しました。
 他方で、権力の中枢部でもある官房長官は、当初は「怪文書」と言い放ちました。そしてきのうの段階でも、やはりこの部分は「存在が確認できなかった」、文書に否定的な発言を繰り返していますが、どちらかがうそをついている構図ではないでしょうか。
 時の権力者と、権力をしっかりと支えて仕事をしてきた事務方の前トップが、言っていることが真っ向から対立している。どちらが正しいのか、やはり国民の前で明らかにしていただかないと。総理の意向が働いたのか、忖度(そんたく)があったのか、公正で平等な行政の判断・決断が行われたのか、まずここを明らかにしないと前に進められないと思いますので、きょう(25日)参議院の文科委員会でも私どもの仲間から、前川前事務次官の国会への招致を強く求めました。
 なお、きょうの文科委員会においても、前川前事務次官にお越しいただきたいと私どもが主張しましたが、自民・公明、与党が反対されました。なぜ反対をするのかわかりません。官邸が、文書の存在がそもそも確認できなかった、忖度はなかった、このメモは怪文書だという、そういう立ち位置をとるのであれば、なおのこと前川前事務次官を国会に積極的に招致して、前川さんが言っていることがうそだということを見せていくほうが与党の言っていることと符合するのではないかと思います。なぜ自民・公明が国会の招致を断るのかが、全くわかりません。
 きょう(25日朝刊掲載)の朝日新聞の前川さんのインタビューの中で、天下りの問題、省を挙げて天下りのあっせんを行っていたというのは違法行為・脱法行為でもありますので、これは決して許せませんが、「引責辞任は自分の考えで申し出て、大臣と官邸の了解をいただいた」(と話している)。それに対してきょう官房長官は会見で、「私の認識は全く異なっている。当初は責任者として自ら辞める意向を全く示さず、地位に恋々としがみついていた」。ちょっと異常だと思う。前川前事務次官と、官房長官が真逆のことを言っている。
 どちらが正しいのか、私達には知るすべがありません。やはりしっかりとこれは国会で明らかにしていく(べきである)ということを、これからも強く、声高に申し上げていきたいと思います。

○「共謀罪」法案・民法改正案の審議について

【代表】
 「共謀罪」の法案についてです。衆議院で随分と無理な日程、職権に次ぐ職権で強行採決をしてきたにもかかわらず、参議院では、やはり熟議の府でありますから、民法の審議を粛々と行っているところであります。
 小川敏夫議員が、民法改正でローンの繰り上げ返済における借り主負担の問題も指摘しております。これはやはりローンを借りている方達、国民の多くが気になる問題だと思いますので、衆議院で積み残してきた論点、あるいは国民の皆様方が不安に思うような条文あるいは条文解釈があるのであれば、法案審議の中でそれは全てクリアにするべきだと思っています。もう少し丁寧な審議が必要ではないかという認識に立っております。どんなに衆議院で急いできても、参議院は、自民・公明・民進、しっかりと丁寧な審議をしていきたいという思いは共有していると信じたいと思います。
 「共謀罪」に関しては、国連の特別報告者の指摘、これも政府が言っていることと特別報告者の指摘には相違がありますので、まず政府がそこをしっかりと説明する責任があるのではないかと思います。


■質疑

○加計学園問題について

【朝日新聞・中崎記者】
 加計学園の問題について伺いたい。冒頭でも触れられていたが、本日の参院文科委員会で、御党としては前川前次官の参考人招致を求めた。理由については、斎藤嘉隆筆頭理事が理事会の中で聞かれていたが、与党側ははっきり答えずに、全会一致という原則の前でかなわなかったが、今後、衆参ともに予算委を求めておられるし、真相究明のためにどのような対応をされていくお考えか。

【代表】
 真相を解明するのは、まさしく国会で堂々と、国民が見ているところで、議事録に記録が残る場所で行うのがふさわしいと考えています。
 特に文科省は、天下りの調査結果が出た時に、衆議院では予算委員会の集中審議を行うと約束していたにもかかわらず、これをほごにしています。また、特区担当の山本大臣のもとで行革の視点から全省庁(対象)の天下り調査の報告も私達は待っているところです。
 山本大臣・松野文科大臣がおそろいのところで、官房長官もおられるところで、この特区の問題、天下りの問題、前川前事務次官の問題は、予算委員会で1回でも2回でも行えば、まずは、一体何が本当で、何が問題で、そしてこれから先どういうことをクリアにしていけばいいのかが国民にもわかる質疑が十分できるような時間は確保して開いていただきたいと思います。

【朝日新聞・中崎記者】
 本日の参院の文教科学委員会の中で再三、各委員の方からこの問題について質問が出て、松野大臣初め政府側からの回答、前次官はもうお辞めになっているので民間人であるということでコメントできない、というような回答があった。それについての受け止めと、となると冒頭で触れられた、菅長官が(前川前次官)本人の辞任に当たる経緯についてかなり厳しく批判されていたが、そのあたりの関連性についても考えを伺いたい。

【代表】
 松野大臣は、辞めた方(の発言)に対してコメントする立場にはないとお話しになられましたが、私からしてみたら、むしろ、辞められた方が文科省が正式に行った調査に対して真っ向から反対のことをおっしゃるのであれば、それはヒアリングをする対象だと思っています。文科省の調査が絶対のものだという自信をお持ちであれば、しかも教育行政がゆがめられていないという自信をお持ちなのであればこそ、なおのこと、自分に仕えてくださった前事務次官には、携帯電話でも、ヒアリングをしっかり行って、そごがなかったのだ、調査をしたのだと説明することのほうが、松野大臣のお話しになられていることが裏づけられるのではないかと思います。
 きょう(25日・参議院文教科学)の委員会の中では、その調査自体も行わないという立場だったので、がっかりです。何も明らかにしたくない、ふたをしたい、この異常な事態をおかしくないと言い続けている文科省は、みずからの主張がゆがめられたことに対する怒りも、「行政がゆがめられた」のではないかとする前事務次官の指摘も、それにすら、しっかりと抵抗して公平な調査を行うという意識をトップが持っていないのは、極めて残念だと私は思います。

【日本テレビ・古谷記者】
 今のお話だと、やはり文科省は再調査を行うべきだというお考えだと思うが、その際に、今回の調査(対象)は担当者を中心に7人だけだったということだが、やはり前次官がああいうことをおっしゃっているということは、例えば官房長もそういう報告を受けているかもしれないし、あるいは委員会の指摘の中でも、もう少し対象範囲を広げたほうがいいのではないか、あるいは共有フォルダーだけではなくて個人のパソコンの中も見たほうがいいのではないか、そういった指摘も出てきているが、もし再調査をするのであれば対象者の範囲をどうお考えか伺いたい。

【代表】
 まず調査対象者が7人というのは、あまりにも少な過ぎます。天下りの調査を行った時の対象数と比べてみてください。しかも個人の記憶、(調査対象の)個人が作成したかという確認を行っただけであって、その個人フォルダーは調べていない、共有フォルダーだけを調べているという、あえて何も出てこないところをちょっとのぞき見をして、「出てこなかった」と言っているにすぎませんから。調査結果自体も誘導してつくられたものではないかと疑わざるを得ません。
 ですから、対象者の狭さももちろんのことですが、調べる場所も含めて対象はもっと広げるべきです。特に、事務次官を支えている官房長は、幹部は共有していたものがおそらくあるのではないかという推察も当然ながら働きますので、そこを早急に調査をするべきだと私達は考えています。

【テレビ朝日・延増記者】
 先ほどの衆院の文科委員会の理事懇でも野党は参考人招致を求めたが、前川氏が民間人だからという理由で(与党は)拒否した。天下り問題でも前川氏は参考人として来ていたので矛盾するのではないかという指摘もあるが、蓮舫代表はどのようにお考えか。

【代表】
 その情報をまだ直接聞いていないのですが、前川氏は民間人だから国会への招致は慎重だ、ということですか。全く同じことを聞いた記憶があります。籠池氏が民間人だから国会招致は慎重であるべきだと言った竹下国会対策委員長は、「総理が侮辱された」から参考人ではなくていきなり証人喚問でした。ならば、前川前事務次官が総理を侮辱するような言動があったら、国会に証人喚問されるのでしょうか。あまりにも自民・公明の言っていることは自分達にご都合主義過ぎます。
 官邸と前事務次官の言っていることが真っ向から対立するのを、お互いがお互いを、ある意味今、美しくないなと思うのは、何か「あった」ものを「ない」、「言っていない」ことは「言った」、「言っていないし、僕はこう思った」「それはなかった」と、なにかお互いがちょっとののしり合っているような、まさに政治不信、まさに行政不信に陥るような構造がありますので、堂々と国会の場所で、予算委員会で、文科委員会で、国会にお越しをいただいて、正しいことを話していただくのが筋だと思います。

【フリーランス・上出記者】
 最近の流れを見ると、アメリカではFBIの前長官が堂々とトランプ氏に真っ向対立することを言っている。日本に比べると、少しくらいあるのかもしれないが、いわゆる忖度というのはあまり感じられないような、さすが民主主義の先進国だなと。それにひきかえ日本はみんなグルになって、一部メディアもあわせて、安倍政権を守ろうとしているということがあまりにも多い。これはかなり重大な事件でもあり、国会の中でもう少し他の党とも力を合わせてやるような算段というのも一つの力になるのではないか。安保法制の時はデモなどもあったが、そういう幅広い攻め方というのは何かお考えか。

【代表】
 私は、93年からメディア、ニュース番組のキャスターをやって、当時の政権交代から取材をしていました。政治家になって13年目になりますが、ここまであからさまに官邸の力が強くて、総理への忖度と思えるような森友学園・加計学園のような事例が立て続けに起こっているというのは、昨今だけではないのかなと思います。総理の一日を見ていても、メディアのトップの方と会食することも多いようですし、メディアとの関係であるとか、あるいは自分への忖度があったのかなかったのか含めても、きっちり説明をしない姿勢に、私達はもっと国会で、おかしいと思うことはおかしいとしっかり問うていかなければいけないとは思っています。

【共同通信・野見山記者】
 官房長官の説明について、最初から「怪文書だ」と言い切った後になって、後から後から資料や証言が出てきている。こうした官邸のこの問題に対する姿勢なり、官房長官の説明責任についてはどのように思われるか。

【代表】
 官房長官はやはり信頼をされる人物だと国民の皆様が思っていると思います。非常に残念なのは、官邸を守って、行政に関することを司り、そして1日に2回、国民に対して説明をされる立場の方が、口を開くたびに、言っていることが少し変わってくる、かなり変わってくる。それと、ある意味勇気を持って証言をした人に対しては、行政としてはある意味踏み込み過ぎるまでの強い口調で発言をされるということは、むしろ政治不信を高めることにもつながると思います。
 官房長官みずからがそうした役割を担うのではなくて、堂々と立法府の国会において、官房長官がそう言わなくても済むような、自分達が言っていることが正しいのだと思えるような対応を与党がとればいいだけの話だ。やはり私達は立法府に身を置く立場として衆参ともに予算の集中審議、関連する委員会全てで加計学園の問題をしっかりと議論をして、前川前事務次官あるいは関係者の参考人(招致)は求め続けていきたいと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 前川さんの“出会い系”報道。このタイミングでというのを、蓮舫さんもメディア出身なので、どうご覧になったか。私はこの商売を30年やっているが、これほどの恐怖政治というか、メディアと政治のある種の恐ろしい状況というのは、これは霞が関はどう考えたのだろうと。そのことが一番恐ろしくて、もはやこういう状況では、時の権力者である官房長官と民間人になった事務次官の白黒をつけるもつけないも、結局押し切られてしまうのかなと。しかし、これが日本の国に及ぼす影響ははかり知れないのではないかと思うが、どうご覧になるか。

【代表】
 全く同じ認識です。
 仮に、摘発された店舗に現職の事務次官が通っていたということであれば、それは社会部のニュースとしては報道する意味はわかります。
 退いて民間人になられた方が、摘発されていない段階のお店に出て(行って)いたと。きょう(25日・朝日新聞朝刊掲載)の前川前事務次官のインタビューを読んでいると、「在職中、官邸幹部に呼ばれ、注意を受けた」と。つまり官邸が知っていた情報だとお話しになられて、もしこれが本当であれば、どこから情報が漏れたのか。つまり、時の権力者に不都合なこと、あるいは侮辱をするようなことを言うことによって、極めてプライベートな情報がどこからか漏れるのではないかというリスクというのは、これは相当怖い。ある意味、萎縮効果を生みかねないと思っています。

【産経新聞・奥原記者】
 加計学園についてだが、岡山の高井先生を初め、民進党内にも加計学園の獣医学部設置について国家戦略特区の適用を求める先生方がいらっしゃったり、江田前最高顧問であったり、加計孝太郎さんと近しい方は、安倍首相の他にも、自民党・民進党内にも少なからずいらっしゃる。これについて、今回の疑惑追及との整合性について、お考えを伺いたい。

【代表】
 まず明快なのは、我々は権力を持っていません。かつ、総理を忖度する立場でもありません。確かに四国には獣医学部がないという問題認識のもとで、国家戦略特区を陳情あるいは要望するという(国会での)質問もあっておかしくないと私は思っています。
 ただ、その時に、我々が問題視しているのは、獣医学部がないから国家戦略特区でここに開くという時に、これは文科大臣も文科省もずっと言っていたのは、獣医師の需給を農水省がちゃんと調べたのだろうか。あるいは、厚労省が(ライフサイエンス分野の)需要面でも調査をしたのだろうか。今回の「総理のご意向」メモは、それを全て超越して、総理決断にしてしまえば、そうした調整がないのではないかというやりとりが詳細に書かれているわけですから、ここの部分で権力側でゆがめられた公平性というのがあるのではないか。この問題認識に立っているわけですから、今ご指摘の部分の我が党の議員の質問とぶつかる話では全くないと思っています。

【日本経済新聞・加藤記者】
 加計学園の問題で、民進党としては参考人招致を要求していて、共産党の小池書記局長は証人喚問を要求されているが、これは党としては証人喚問を要求する考えはないのかどうか伺いたい。

【代表】
 与党、自民・公明が、ハードルをいきなり下げたといいますか、まずは国会に参考人招致と私達が求めているものを、「総理が侮辱された」と言って証人喚問まで、民間人の証人喚問のハードルを引き下げました。その部分では、おそらく前例となってしまっていきなり証人喚問という話が出てきているのかもしれませんが、まずは国会に参考人でお越しいただいて、お持ちの資料、それと当時どなたとどういうやりとりをされて、そしてその時に内閣府はどういうふうに言われてきたのか、農水省とのやりとりはどうだったのか、厚労省とのやりとりはどうだったのか、官邸との距離というのはどういうものだったのか、まずはこういうところをしっかりお話をしていただいて、その中でなお、政府側が出してくる資料なり、さまざまな情報なり、さまざまな答弁とそごがある。これはもっと、(虚偽の発言をした場合は)偽証罪に問うようなことも含めて聞かなければいけない、と判断した次のステップが、本来、証人喚問なのではないかと私は思います。

【東京新聞・我那覇記者】
 加計の問題だが、2点お尋ねしたい。
 先ほど文科省に対して、何も明らかにしたくないというのが残念だというお話だったが、政権全体に対して、例えば何かを隠そうとするとか、「隠蔽体質」と表現すればいいのか、そういうことをお感じになっているかどうかということが1点。
 もう一つは、先ほど参院文科委は代表もお聞きになっていたかと思うが、政策決定過程に関しては説明できないのだというような趣旨のことを大臣がおっしゃっていた。それに対して、どういうふうにお感じになるか、あわせてお聞きしたい。

【代表】
 まず後者の部分ですが、この国家戦略特区ということほど、政策決定過程は情報公開をして透明化しなければいけないと思っています。
 京都産業大学が手を挙げていて、そして加計学園も手を挙げていて、なぜ途中でいきなり条件が「広域的」と変わったのか。なぜ突然、12月22日、3大臣合意で「1校に限る」とされたのか。しかもパブリックコメントが終わった後の話です。パブリックコメントでは「1校に限る」という文言はなかったと思います。
 前者の部分は、特に自分達に都合の悪い情報はとにかく出さない、この姿勢は非常に強まっているように思います。同じ内閣で官房長官が「怪文書」と言った。でも、その時に文科省では怪文書かどうか確認の調査も行っていませんでした。調査をしたら極めて限定的な対象者で、調査対象の例えばフォルダー等も相当縛りをかけられた狭いものであって、「文書は確認できなかった」。「存否について明らかにできなかった」ではなくて「確認できなかった」という。だから、この内閣の不一致感もありますので、どっちが本当のことを言っているのか、私達も戸惑ってしまうことがあまりにも多過ぎます。
 まずは情報を出していただかなければ国会での質疑につながりませんので、隠蔽体質である、ある種異常なまでに言っていることが、証言をしている方達と相反することですので、ボールは全て、説明責任は政府にあるのだという認識があまりにも薄くて、傲慢ではないかなと思っています。

【東京新聞・我那覇記者】
 政策決定過程の話だが、今は加計に絞ってお話しされたが、政策決定過程を明らかにするというのは、どんな政策にあっても基本的にあるべき政府の姿勢だと思う。一体どういうふうに国民生活にかかわることが決まっていくのか、それが明らかにならなかったら、ものすごく民主主義に反することだと思うが、一般論としてどういうふうにお感じになるのかもお聞きしたい。

【代表】
 一般論として、特に国民の生活を大きく左右する法律をつくる立法府にいる立場からしてみたら、一つの法律をつくる時にどういう関係者から事情を聞いて、どういう賛成意見、どういう反対意見があって、そしてどういう法律の要旨をつくっていくかという過程、審議会でどのような議論があったのか、あるいは関係省庁とどのような調整があったのか、こういうものは基本的には情報公開されるものです。国民の「知る権利」に最大限応える必要があると思っています。民進党は、情報公開においては極めて積極的にこれまでも行ってきた自負がありますから、その部分では松野大臣の発言を聞いても、今の政権はでき得る限り知らしめなくてよいという立場に終始しているように思いました。これは民主主義にとって極めてゆゆしき事態だと思っています。

【フリーランス・堀田記者】
 一番の問題は、前川さんが内部告発したかどうかは、それはかつての西宮冷蔵の事件なんかとは違う。要するに朝日新聞がそれを使った。使わなかった社もある。内部告発した人間を守るということについて、民進党はどうか。

【代表】
 まず、内部告発の制度というのは、その組織の中での内部告発で、組織がその情報の真贋を確かめて、告発した人を保護するという規律だと思っています。
 今回の情報の提供のあり方であったり、報道等を通じてお話しになられていることは、その部分では私達はそれが是だという前提に立っているわけではなくて、「これが本当なのですか」ということを常に政府に対して確認を求めてきました。確認を求めていることに対して、委員会では正面からお答えにならないで、例えば官房長官の会見で「怪文書だ」と切り捨てるということは、説明責任を果たしていないのではないかという部分で、今はまだその段階だと認識しています。

○天皇退位等特例法案・安定的な皇位継承に関する議論について

【日本経済新聞・加藤記者】
 昨日、衆院の議運の筆頭理事同士で、退位の法案の附帯決議についての協議が始まった。民進党としては、女性宮家の創設(についての政府の検討)と、それを「1年をめど」と期間を区切って国会に報告するように求めているが、女性宮家の創設について、こういう明記がなければ基本的には合意することはできないとお考えなのか。党としてのスタンスを伺いたい。

【代表】
 誤解をまねかないように明確に申し上げておきますが、「女性宮家の創設等」は国会の総意です。衆参両院の正副議長のもとで、各党・各会派が協議をして、国会の総意として「女性宮家の創設等」と明記をしましたので、これは揺らいではいけないのだと思います。  ただ、その時期については両論併記でありましたので、その部分は今、まさに自民と民進党の筆頭が協議をしています。やはりこの附帯決議の協議が整った上で、静かな環境で国会の審議に入るというのが両党間の合意ですから、ここは誠実に進めていただきたいと思っています。

○総理改憲発言「一自衛官としてありがたい」統合幕僚長発言について

【朝日新聞・中崎記者】
 自衛隊の河野統幕長が、先日、外国特派員協会で会見された際に、憲法9条に自衛隊を明記するという安倍総理の発言についての質問に対して、「一自衛官として」という前置きを置かれた上でだが、「ありがたい」と発言された。各方面から賛否ともに声が上がっているが、蓮舫代表としてはどのように受け止めていらっしゃるか。

【代表】
 確かに「一自衛官」かもしれませんが、お立場は自衛隊制服組のトップでありますので、望ましい発言だとは決して思いません。責任ある立場でありますので、こうした発言は厳に慎むべきだと考えています。

【フリーランス・上出記者】
 関連だが、問題の割にはそんなにメディアの報道が大きくないなと私は思っているが、前に栗栖さんや田母神さんなんかが解任されたことがある。現政府の政策などについて立ち入ってはいけないということが自衛隊法でも決められているし、憲法でももちろんある。大変大きな発言だと思うが、それにしてはちょっと取り組みが弱いかなと思うが、もうちょっとインパクトのある、そういう質問の仕方なり追及の仕方があるのではないか。今お聞きしていると、ちょっと弱いような感じがしたが、いかがか。解任に値すると私は思うが。

【代表】
 強い・弱いは、受け止める皆さんの考えだと思いますが、私としては、望ましい発言だとは到底思えませんし、今後の発言は注視もしていきたいと思っています。

○連合における憲法論議の着手について

【読売新聞・藤原記者】
 きのう連合の神津会長が、連合として憲法改正の議論をこれからしていくというお考えを明らかにされた。この連合の方針を蓮舫代表はどういうふうに評価されるかということと、あわせて、互いの状況を照らし合わせたいというふうに神津会長はおっしゃっていたが、憲法改正に関して連合とはどのような意見交換というか、コミュニケーションをとっていくようなお考えはあるか。

【代表】
 きのう(24日)の朝の連合との定期会で、神津会長から憲法議論を開始するというご報告をいただきました。さまざまな政策について、調査をして、意見を交わしながら、政策提言を行っている連合であるので、憲法において新たな議論を始めていくのも特段違和感はありません。
 ただ、連合が行っていく、その憲法の議論と、我が党の中で行っている調査会、それぞれ別のものでありますから、ここを、意見をすり合わせるというようなことはないものだと思っています。

○情報公開・疑惑に対する説明のあり方について

【産経新聞・奥原記者】
 先ほど、民進党は情報公開を積極的に行っているというお話があった。18日付のツイッターで、自民党の小野田参議院議員が、二重国籍の件だが、アメリカ国籍の喪失証明書が届いたとツイッター上で公開したが、それを受けてというか、蓮舫さんとしてあらためて戸籍謄本の内容を公開される考えはないかということを伺いたい。

【代表】
 ないです。

【産経新聞・奥原記者】
 例えば森友学園について、3月2日の会見で、安倍昭恵さんについて、公人だから説明責任を果たすようにと求められていて、昭恵さんが公人か私人かというのはいろいろ見方はあるが、代表は公党のトップという立場で、公人中の公人だ。その中で、ちょっと疑惑に思っている方も国民の中には多いと思うが、そういった中で疑惑解消に努めるというのは、民進党のトップの責任、役割ではないかなと思うが。

【代表】
 全くそう思います。
 おそらく、今比喩に使った「安倍昭恵さんが公人か私人か」の部分で、情報公開というのはフェイスブックで1回お書きになられただけで、1回も会見もされていないし、あるいは公に説明をされるということがないままに、終わらせている。後から後から森友に関しては情報が出てきて、安倍昭恵さん付きの秘書がプライベートな旅行にも同行しているのではないか、その旅費はどうなっているのか。いろいろな問題が出ていることに対して、答えていないことはおかしい、と言ったわけであって、その整合性で言うと、私は会見で問われたらお話をしていますし、これまでも何度も説明していますし、SNSでしゃべって終わりということではない。そこは整合性はとれていると思います。

○東京都議会議員選挙について

【フリーランス・上出記者】
 都議選だが、公約みたいなのが大体出そろって、例えばきのうの朝日新聞の都内版などでは一覧表になっているが、都民ファーストは、一番争点になるであろう豊洲移転問題では、まだ政策を明示しないということだ。民進党は、一応、移転の場合は条件付きと。自民・公明は移転。共産が反対と。自公、共産は明確だが、残念ながら民進党はよくわかりにくい。結局、小池さんが、与党ということで、それとの関係を悪くしないために、あえてやっていないのか。その辺、ちょっとわかりにくいと思うので、真意を説明していただければと思う。

【代表】
 我々の立場は明快です。今、ボールは小池都知事にあります。既に議会では議決をされていて、豊洲に移転するということが東京都政の意思として決まっています。そこに衛生面の問題があって、調査等を行って、移転を遅らせているのは知事ですから、判断をするのは知事だ。
 その時に、その判断材料に、地下水の問題で、例えば特殊なシートを敷くなり、あるいは微生物等を使って水を浄化するなり、しっかりと衛生面、安全と安心を担保しなければその判断はできないんですよという、まさに二元代表制ですから、議員にはそうした知事の判断に対して、都民の安全を守る、その関心をしっかり働かせるという立場が民進党です。そこは明快だと思っています。

【フリーランス・上出記者】
 ということは、移転ということが基本方針にあるので、問題がなければ移転ということが民進党の考えということでよろしいか。

【代表】
 知事の判断を待っているのが今の議会の状態です。
 これ、「豊洲」に行くのか、「築地」に行くのか、「第3の道」なのか、全く私達はわかりません。知事の判断ですから。その判断が都政にとって、都民にとって本当にいいのかを、しっかり見ていくのは議会ですから。その議会を構成する都議会議員の候補予定者には、そうした監視ができる立場の人を、とお訴えをしているところです。

【フリーランス・上出記者】
 都民ファーストは知事に丸投げという感じだが、それとどう違うのか。

【代表】
 それは都民の判断ではないですか。