党役員会見に関する基本的な方針について

野田佳彦幹事長記者会見

2017年5月29日(月)14時36分~15時09分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=Iqz4PHyGrXo


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○たび重なる北朝鮮の弾道ミサイル発射に厳重抗議

【幹事長】
 北朝鮮が3週続けてミサイルを発射したことが明らかになりました。我が国のEEZ、いわゆる排他的経済水域内に落下したということでございます。たび重なる挑発行為に断固たる抗議をしたいと思います。
 北朝鮮の脅威は新たな段階に入ってきたと思います。G7でも、北朝鮮問題については国際社会の最優先事項としての認識が共有されたということですが、要は具体的にいかに自制を求めるかだと思います。これまでも申し上げてまいりましたが、日米、日米韓の連携に加えまして、中国を含めた関係国に対して、日本が強く働きかけをしていかなければいけないと思います。

○「共謀罪」法案 参議院での審議入りに当たって

【幹事長】
 「共謀罪」法案、本日から参議院で審議が始まりました。
 報道各社の世論調査を見ましても、「共謀罪」法案の今国会成立を望む声は少なくなってきていると思います。これは、この法案に不安を抱いている証拠だと思います。この国民の気持ちを受け止めまして、しっかり丁寧にこの法案の問題点を明らかにしていき、そして丁寧な審議を強く求めていきたいと思います。

○加計学園問題について

【幹事長】
 加計学園の問題については、先週もいろいろ私もコメントさせていただきましたが、特に今日申し上げたいのは、菅官房長官が、民主党政権時代に実現に向けて「速やかに検討」と格上げをしてきた、ということを盛んにおっしゃっていることについて。
 当時の、民主党政権下における特区というのは「構造改革特区」です。いわゆるボトムアップで(地方から)上がってきたものについて、検討を加えていくというもの。一方で、2013年12月から制度がスタートしている安倍政権になってからの「国家戦略特区」はトップダウン型。したがって、総理の意向とか、誰かへの忖度(そんたく)とか、トップダウン型(の国家戦略特区)とボトムアップ型(の構造改革特区)とは全く違いますので、同じ前提であったかのように議論をすりかえるのはまさに国民に誤解を与えるものであるということを強く申し上げたいと思います。
 また、官房長官については、余りにも個人攻撃が、見苦しいほどであり、これが長官の職責とは私には到底思えません。それだけ前川前文科次官が発言することについての警戒感が強いからだろうと思います。ただ、あそこまで明快にお話をされ、しかも証人喚問にも応じていいとご本人もおっしゃっているわけですので、きちっと国会の中で前川前次官にお話をしていただけるように、これから強く主張し、与党に物を申して実現していきたいと考えています。


■質疑

○加計学園問題について

【朝日新聞・岡本記者】
 今の加計のお話に関連するが、今求めているのは前川前次官の証人喚問が一番大きいところだと思うが、いろいろと出てきたあの文書の中に現役の官僚の方のお名前がたくさんある。幹事長がおっしゃるように、あの文書が本物なのか偽物なのかを確かめるには、そういった方々も直接、証人喚問なり何なりで呼んでもいいのではないかという意見もある。こうした点については幹事長は今どういうふうにお考えになっているか。

【幹事長】
 あの(文書)中でお名前の出ている人の中では、既に委員会で答えている人も、そうでない人もいます。どういう人達にどういう場でお話をしていただくかは、あらゆる選択肢をよく考えていきたいと思います。

【北海道新聞・佐藤記者】
 きょうの参院本会議で、御党の真山勇一議員からの加計学園に関する質問に対して、総理が、圧力をかけたことは一切ないとお答えになった。また、冒頭で幹事長が菅官房長官の発言として触れられていたが、総理も、自民政権下で不可となったものが民主党政権で復活した、という旨の答弁をされていた。この辺の総理の答弁に対する幹事長の受け止めをお願いしたい。

【幹事長】
 先ほど申し上げたとおりであって、当時の特区は構造改革特区であるということです。それと、「総理のご意向」とか「官邸の最高レベル」云々と言われている今の状況、しかも国家戦略特区というトップダウンのものとは全く性格が違う。
 わかっていておっしゃっているのか、わからないでおっしゃっているのか、よくわかりませんが、きちっとそこは総理も官房長官も制度そのものを整理した上で答弁をすべきだと思います。

【日本経済新聞・林記者】
 前川前次官は証人喚問があれば応じると言っている一方で、自民党側は証人喚問に応じていないが、その意図はどこにあるとお考えか。

【幹事長】
 やはり、前川前次官がお話をされると不都合が生じると思っているから、としか思えない。同じ「民間人」とは言いながらも、森友の問題では籠池理事長(当時)を、(野党は)参考人(招致)を要求しましたが、一気に、自民党の側から証人喚問で行こうという話になりましたね。全くスタンダードが変わっています。
 それはそれだけ、逆に、前川前次官、ちょうどその頃の、議論をしている最中の文科省の事務方のトップであったがゆえに、(偽証をした場合は)偽証罪というような厳しいことが問われるような環境での発言をされることに対して(与党は)大変危機感を抱いている、というふうに想像するしかないと思います。

【NHK・関口記者】
 先ほどの幹事長のお話にあった長官発言の部分だが、トップダウン型であると総理の意向とか忖度とかいうものが発生し得る、なので当時の構造改革特区とは別物になるのだ、という趣旨だと思うが、もう少しそこの違いというか、今回、総理への忖度がなぜ生まれる仕組みになっているのかという部分を詳しく伺いたい。

【幹事長】
 鳩山政権の時に、この構造改革(特区)制度のもとで、「検討」という言葉を使うようになりました。ただ、それは地方の要請を受けながら、全部拒否だったものを検討してみようかというところまで来たと。それはボトムアップ型の地方の熱意がベースにあったと思います。その結果どうなるかについては、まだずっと留保はされていたのですね。
 今回の国家戦略特区というのはトップダウン型ではないですか。まさに、岩盤規制にドリルで穴をあけると。その意図は、それだけ規制というのはがんじがらめになっているから、ボトムアップだけでは間に合わないのではないかとか、あるいはその抵抗勢力が邪魔するのではないかと、意図自体は、一つの考え方だと思います。規制緩和を推進するために、特定地域だけ規制緩和を進めていく、そのやり方を私は否とするものではありません。
 ただ、トップダウン型でやるということは、なおさら公正に、その特区が決まっていく、地域が決まっていくことが要請されます。ボトムではないのですから、トップダウンでおろすのですから。
 そのトップダウンのところに、40年来の、長い間の親友で、奥様がまた同グループの保育施設の名誉園長なんか務めるという、とても関係が深いという構図の中でのトップダウン型の特区の活用というのは、岩盤規制に風穴をあけるというよりも、それは公のためなのですが、しかしご夫妻のために特区を活用するというのは、長年の友人のための特別扱いの特区になると。だから、これは全然違うということです。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 先週の文科委員会で、(松下)政経塾出身の松沢さんが的を射た質問をしていたと思う。松野さん(文科大臣)は9期ですか、野田さんは早稲田の先輩でもあるが、文科省はちょっと官邸とは違う立場だと思うが、やはり分掌している文科大臣のあるべき姿というものについてどんなふうにお考えになるか伺いたい。文科大臣に対する注文があれば、早稲田の先輩・後輩で、人となりをよくご存じだと思うが、どういう注文をつけたいか伺いたい。

【幹事長】
 個人的には、彼の真面目な性格もよく知っているつもりでありますが、ただ、今、本当にめぐり合わせとは言いながらも、文科省のまさに信頼そのものが問われるという事態の、彼は責任者になっています。その時の対応として、例えば、加計学園をめぐる、存在するかしないかと言われている行政文書について、「確認できなかった」ということを言っている。確認できなかったら、これだけの関心事だったら、徹底して(存否を)確認できるまで調べろと言いたい。あの調べ方については疑問がいっぱいあります。個人のパソコンとか、あるいは削除したデータがあるのかなど、誰もが疑うことにもきちっと答えるような調査の仕方ではないので、もう一回きちっと調査をしたらどうかと、松野大臣には言いたいと思います。

○スローガン「ニッポン丸洗い」について

【日本経済新聞・林記者】
 きのうの講演の中で、加計問題について触れている文脈で、初当選の時から野田幹事長が掲げていた「ニッポン丸洗い」というフレーズがしばらくぶりに復活していたと思う。あらためてこの言葉の意味と、このタイミングで加計について触れたところで復活させた理由をお聞きしたい。

【幹事長】
 国会議員になって間もなくぐらいから、「ニッポン丸洗い」というスローガンをずっと、ビラを作る時もポスターを貼る時にも掲げてまいりました。それは、明治維新の功労者であった坂本龍馬がお姉さんに宛てた手紙の中で、最近おまえ何やっているんだという問いかけに対して、「日本を今一度せんたくいたし申候」という答えを書いているのです。260年続いた徳川幕府の後半は、ひずみもゆがみも汚れも、いろいろなものが出てきた。それをジャブジャブ洗濯しようという志だった。
 私は、やはり55年体制下で野党としての議員がずっと続きましたので、同じようなひずみや汚れが当時の政治状況にあると思いましたので、「せんたくいたし申候」ではよくわからないので「ニッポン丸洗い」とわかりやすい言葉で、自分の志を言葉としてくくってやってきました。
 それは、東日本大震災の大津波以来、影響を考えまして使わないようにしていたのです。しかし、それから約6年たって、また自民党政権に戻って、先ほど言ったような加計学園・森友学園の問題、あるいは自民党の2回生達の言動等々、いろいろな問題を含めて、もう一回「丸洗い」するぐらいの改革をしていかなければいけない、ということをきのう(28日の時局)講演会では申し上げた。

○南スーダンPKO部隊の撤収完了について

【読売新聞・記者】
 南スーダンのPKOについて、先日、陸自部隊の撤収が完了した。総理時代に派遣を決めたお立場として、この5年4ヵ月の活動について、実績をどういうふうに評価されるか。
 また、今回のPKOは任務中に「駆けつけ警護」などの新しい任務が付与され、PKO自体に危険な活動が増えたとも言われている。南スーダンから戻ってきたことでPKOが一旦ゼロになっていると思うが、また派遣する時があるかもわからないが、今後、PKOのあり方そのものをどういうふうに考えるかということと、国会で議論する必要があるかもしれないが、どのような議論をしていくべきだとお考えになるか。

【幹事長】
 もともと、私は南スーダンのPKO派遣を決めた時の責任者でありますので、無事に隊員が帰ってきたことについてはホッとしています。この間、このPKO活動に関わったそれぞれの隊員の皆さんと、それをサポートしたご家族の皆さん、あるいは関係者の皆さんに、あらためて感謝申し上げたいと思います。
 ただ、この5年間のうちに、PKOの中でも特にいわゆるインフラ整備的なものから、少しずつ任務が変容していく。一方で治安情勢もどんどん悪化するという状況だった。その中で「駆けつけ警護」など新たな任務が付与されたなど、この5年間については、きちっとした総括、南スーダンの総括を通じてPKO制度自体をよく総括をするようなことを踏まえて、そのあり方論を党内でも議論を深めていきたい。その議論が必要になってきているのではないかなと思います。
 もう一つ、最後に付け加えると、特に撤収の時はしんがりが一番大変だったと思いますから、最後の務めを、責任を果たしたことには敬意を表したいと思います。

【読売新聞・藤原記者】
 党内の議論の場というのは、どういうところを考えていらっしゃるか。

【幹事長】
 それはもちろん政調主導で、(議論の)場所はどこか作っていくべきだろうと思います。

○政官関係・政治主導のあり方について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 現在、国家公務員試験の真っ最中だ。次官とか局長というのはある種の優秀な学生が目指す一つの目標だが、かかる状況を見ると、もう、いい学生は霞が関に来ないのではないかと心配される。あわせて、民進党も役人の使い方を間違ったような面があったが、ここに来て安倍官邸は霞が関の根幹を、秩序を崩すような誤った部分があるのではないかと思う。行政の長であられた野田さんに、役人と政治の関係についてお考えがあれば伺いたい。

【幹事長】
 今、国家公務員試験に応募して、そして国家公務員になろうという人達に変な影響が出ないことを望みたい。やはり志を持って国民のために、公のために働きたいという若者達が、まっすぐにその志を遂げられるような、そういう環境をつくっていかなければいけないだろうと思います。
 その役所の人達、官僚との関係の中では、民主党、3年3ヵ月のその政権の中の反省点は、「政治主導」が空回りをして、官僚主導を排していこうと、あまり何でも官僚に依存するのではない、あるいはそこにコントロールされるのではないという気持ちは持ちながらも、その人達をチームとして、一体感を持って仕事をさせることができなかったことは、大きな反省だと思います。
 ただ、その官僚とのつき合い、距離感をよくわかっていて、政権運営に習熟していると思っていた安倍自民党政権でありますが、余りにも官邸が強過ぎる構図が強いがゆえに、その気持ちを忖度するとか、あるいは、場合によってはその意向が幅をきかすというような状況が生まれている今は、弊害が生まれているのではないかと思います。
 だから我々の政権の時と今の政権とは弊害のあり方がちょっと違いますが、今のあり方にも相当いろいろな問題があるのではなかろうかと思います。官邸のことはよく気にされていますが、例えば自分達の担当大臣のところは本当にリスペクトの念を持って支えているかどうかは、よくわからない役所もいっぱいありますね。
 とにかく官邸については、その忖度をしたり、意向を酌んだりしようという空気が出てきているということは残念に思います。忖度というレベルではなくなってきているのではないかと思います。

○東京都議会議員選挙について

【毎日新聞・樋口記者】
 週末に弊社などが都議選に関して都内の有権者にアンケート調査をしたが、その中で投票先として、「まだ決めていない」という方が49パーセントいらっしゃったが、その中で民進党には3パーセントということで、非常に厳しい数字だ。この状況を幹事長はどう受け止めたかということと、なぜこういう形になってしまっているのか、状況の分析、ご見解があったらお願いしたい。

【幹事長】
 各社いろいろな世論調査をやっていて、みんなそれぞれ数値が違うのですね、個性が。御社の数字を見ると、一番高い支持率のところで17とかですよね。政党支持率は総じてみんな低い。その分、「まだ決めていない」という人が40数パーセント、決めていない人が逆にいっぱいいるということ。
 そうすると、これから告示までの期間、それから告示から投票までの期間、限られた時間でありますが、全力を尽くしていくことによって、「まだ決めていない」人達のご支持をいただける可能性もあると思いますので、逆にそれは励みとして頑張っていきたいと思います。

【TBS・牧野記者】
 都議選に関連して、民進党から公認を受けている大塚隆朗元都議が離党届を提出したという報道がある。事実関係と、受け止め、今後の対応などをお聞きしたい。

【幹事長】
 事実であって、港区で公認をしていた大塚氏が離党届を出してきたということですので、都連の幹事会としては、今、公認取り消しを党本部に求めてきています。きょう(29日)の執行役員会で公認取り消しの決定をして、そして持ち回りの常幹で最終決定をしていきたいと思います。
 一方で、新たに公認候補を擁立する選挙区も出てきているという状況で、おそらく公認候補自体の数は変わらないと思いますが、残念なことです。

○憲法9条に関する河野統合幕僚長発言について

【産経新聞・奥原記者】
 23日に河野統合幕僚長が、自衛隊の根拠規定が憲法に明記されるのは非常にありがたいという発言をされた。統幕長は「一自衛官として」という前置きをしているが、蓮舫代表を初めとして、「(統幕長は)責任ある立場で、こうした発言は厳に慎むべきだ」という意味の発言をされている。野田さんは自衛官の息子として、自衛隊がなかなか認められないというところの苦しさを身をもって体験されたお一人だと思うが、河野統幕長の発言に対する蓮舫代表の発言は幹事長と同じ認識か。

【幹事長】
 同じ認識です。
 「同じ認識」というのは、個々の自衛隊員にお話を聞けば、きちっと憲法上に位置づけてほしいと答える人はたくさんいると思います。昔も今も、たくさんいると思います。その思いを、統合幕僚長は表現したかったのかもしれません。だけど、統合幕僚長ですから、極めて重たい立場の人です。個人としての意見をこの時期に発言することは、逆にそういう自衛隊員の悲願を阻んでいくことになりかねないのではないでしょうか。だからこそ、重たい立場の人はうかつな発言をすべきではありません。

○憲法論議について

【産経新聞・奥原記者】
 9条改正について伺いたい。先日の日経新聞の世論調査では、自衛隊の憲法明記に対して、「賛成」が51パーセントとなった。民進党として党内で憲法9条をいかにするかという議論について、今後、意見を集約していくお考えはあるか。

【幹事長】
 世論調査もいろいろです。尋ね方によって数字のいろいろな変化がありますので、これはよく分析をしなければいけないと思いますが、世論調査がどうのというよりも、もともと憲法については、9条も含めてでありますが、党の憲法調査会等でいろいろな議論はしています。
 憲法改正項目としても、それは他のテーマ、例えば国と地方だとか、そういうことの議論も、まだ何かを決めているわけではありませんが、そういう構えを持ちながら衆議院の憲法審査会に臨んで、憲法の議論はこれからもちゃんとやっていきたいと思いますが、9条に限って、いつまでに、どのようにまとめるというようところまでは一切考えていません。

○天皇退位等特例法案・安定的な皇位継承に関する議論について

【時事通信・岸本記者】
 退位の(特例法の附帯)決議案に関して伺いたい。今も筆頭間で断続的に協議されていて、幹事長も報告を受けていると思うが、きょうの衆議院議運までにまとまるという見通しを幹事長はお持ちか。

【幹事長】
 思っていません。

【時事通信・岸本記者】
 いつくらいまでにまとめるべきかということと、きのうもおっしゃっていたが、女性宮家というものは入れるべきという考えはお変わりないか。

【幹事長】
 やはり、いつまでにと、それはダラダラとやる話ではないとは思います、会期も決まっているわけですし。決して対決法案ではなくて、お互いに折り合いながら前に進めてきたことですので、そういう意味では、いつまでもダラダラという気持ちではないのですが、ただ、これまで確認したことは、今の女性宮家の問題など、決まったことを後退させるようなことはいけませんので、それがちゃんと明確に位置づけられなければ、これは国対間で約束しているとおり、審議に入ることは残念ながらできない、ということです。

【テレビ朝日・村上記者】
 関連して伺いたいが、附帯決議の中の年次に関して、民進党は「1年をめどに」と主張されているが、2018年、来年は退位に向けた重要な年になると思うが、女性宮家の創設には皇室典範改正自体が必要になるので、来年さらなる法改正の議論となると、静かな環境が確保できない可能性もあるのではないか。

【幹事長】
 本当に検討しているかどうかは別として、内閣官房の中に、こういうことを検討するセクションがある。今までもやっているはずなのです。ですから、どんな環境だって、今までもやってきたわけです。関係ないです、その議論は。

【テレビ朝日・村上記者】
 確認だが、あくまで「1年」にこだわる根拠というものをあらためてお聞きしたい。

【幹事長】
 それは、皇族方の減少というのは極めてリアリティのある危機になってきたではないですか。今までも政府の中で検討して、女性宮家ではないかもしれませんが、皇族方の減少とか公務負担とか、いろいろ言いながらも、検討して結論が出ないまま来ている。そこにそのまま任せたってしょうがないので、お尻を切らないと物事が進まない、という意味合いから、やはりなるべく早く期限を区切って結論を出しましょうということを申し上げている。

【日本経済新聞・林記者】
 1点だけ確認させていただきたいが、先ほど附帯決議の話で、女性宮家が明確に位置づけられなければ審議に入ることはできないとおっしゃったが、「女性宮家」といった文言が盛り込まれない限り、審議に入れないといった意味か。

【幹事長】
 それは一番象徴的でありますが、よく全体を、附帯決議の中身を全般的に見ながら判断していきたいと思います。

○「共謀罪」法案の審議について

【TBS・牧野記者】
 きょうから「共謀罪」の法案が参議院で審議入りした。きょうの参議院総会では、安倍政権を打倒しようとか、そういった声が出席者の中から結構相次いでいたが、どのような姿勢で審議に臨むべきだとお考えか。

【幹事長】
 基本的には、衆議院でもいろいろな論点が出てきた、(政府に)答えてもらっていない論点がいっぱい出てきている。そういうものを引き続きしっかりと質していくということです。
 そしてやはり国民の皆様に、いかに欠陥のある法案かと。今までは大臣答弁が心もとないということが焦点になっていましたが、刑事局長が答弁してもやっぱりよくわからないというのがだんだん明らかになっていますから、構造的にいろいろな問題があると思います。そういう構造的な問題を国民の皆様に知っていただくように、国会でいい審議を徹底して、それをきちっと外にもアピールをするということの中で、やはりこの法案は従来言っている、過去3回廃案になった「共謀罪」と同じではないかということがわかっていただけるならば、廃案に持っていける可能性が出てくるのではないかと思います。

○政治家とメディア幹部の会食について

【フリーランス・堀田記者】
 野田さんクラスの人や代表が大手マスコミとメシを食うことについて、基準点とかそういったのを教えていただきたい。というのは、この前、蓮舫さんの会見で、大手マスコミとメシを食っている安倍は悪い、大手マスコミも悪いと言ったが、その前日に蓮舫さんの古巣のテレビ朝日の会長と政治部長が(首相と)メシを食っている。そういったことでどれくらい、メシを食うことについて考えていらっしゃるか。それを野田さんの基準で伺いたい。

【幹事長】
 その頻度であるとか、そういうことの問題なのだろうと思います。全くコミュニケーションをとるなということではないと思います。例えば、私を担当していただいている記者の皆さんと懇談することもある。与党だって同じだと思う。
 代表も、総理も、同じようにそういうことはあるし、もっと上のレベルの幹部の人達とも時折情報交換したり食事するということは、全てノーということではないと思いますが、その頻度であるとか、あるいはその関わり方に恐らく違いがあるのだろうと思います。余りにも頻繁に会って、ゴルフまで一緒にしたりとか、というところの一端として指摘をされているのではないかと思います。