党役員会見に関する基本的な方針について

蓮舫代表記者会見

2017年6月1日(木)15時00分~15時19分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=drx8VycXcZY


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○天皇の退位等に関する皇室典範特例法案 衆院委員会採決に当たって

【代表】
 本日(6月1日)、衆議院の議院運営委員会で、天皇陛下の退位に関する法案が今まさに審議をされ、間もなく採決をされ、附帯決議が決議されます。つい先ほど我が党を代表して野田佳彦幹事長が意見表明をされました。私達としては、昨年8月の天皇陛下の「おことば」を踏まえまして、今国会中の法整備が必要との考えで党内でも議論をしてまいりました。その意味では、成立(衆議院で可決される見込み)の運びとなることは歓迎したいと思っております。
 また、この間、各会派の意見を取りまとめに向けて大変ご尽力をいただきました両院の正副議長には、心から敬意を表したいと思っております。

○森友学園問題・加計学園問題について

【代表】
 本日午後、参議院の法務委員会が開催されます。また、来週月曜日には参議院の決算委員会・締めくくり総括質疑が総理入りで行われます。参議院では予算委員会の開催も合意されておりますので、まさに国民の関心の極めて高い加計学園の問題、行政がゆがめられたのかどうなのか、あるいは森友学園の問題も、なお引き続き確認しなければいけない論点が幾つもありますので、こうした委員会を活用して、国民の疑念を代弁する形で総理みずからに問わせていただければと考えております。

○待機児童問題解消を3年先送りする政府方針について

【代表】
 驚いたのは、昨年、わずか1年前に、我々の仲間の議員の質問に対して、待機児童問題は必ず解決すると総理自身が答弁をされていたにもかかわらず、あっさりと先送りが決められました。今年度中に待機児童は解消する、としていたものを、3年後、2020年まで先送りをする。総理は、待機児童の問題は大したことがないとお考えなのかと疑ってしまいます。
 子どもは育ちます。3年も先送りをされたら、3歳になる。3年間仕事を休んでいたら、復職は極めて厳しくなります。本当に今、育児も仕事も、あるいは生活のために両立をしなければいけないご両親の思いに全く寄り添わないこの方針に、私達は愕然としています。
 また、これから行われる新たなプランというものも、引き続き、いわゆる箱物整備等を含めた受け皿整備と伺っています。これまでの受け皿整備でも成果が出なかったのに、また同じことをおやりになる。
 我々は、これは解は簡単で、やはり保育士さんの待遇改善をまず決定的にしっかりと優先事項として進めていく。財源の措置が必要ですが、政府の意思として、「輝く女性」や、あるいは「待機児童ゼロ」にするんだと総理がお話しになられました。「100の言葉より1の結果」と何度も総理は、私にも言っていますが、100の言葉しか並び立てていなくて1の結果も出していないことには、私達は強い反感を覚えます。
 引き続き、我々も待機児童解消に向けた政策提言を政府に対しても行っていきたいと考えています。


■質疑

○東京都議会議員選挙・都政における諸課題について

【朝日新聞・中崎記者】
 小池都知事が先ほど自民党に対して離党届を提出された。昨日、若狭議員も離党届を提出されて、都議選に向け動き出している。「都民ファースト」の代表にも就任されたということもあり、都議選にも影響を与えるかと思うが、離党届を提出されたことについての受け止めと、「都民ファースト」の代表に就かれたことについて伺いたい。

【代表】
 自民党の党籍が残っていることは非常に気がかりでしたので、今回すっきりしたなあという印象を持ちます。
 いずれにせよ、私達民進党も、都議選においては古い古い自民党の政治と決別する戦いだと位置づけています。どこで何が決まったのかわからない、二元代表制なのに時の知事にべったりの古い隠蔽体質の政治を、やはり新たに、情報公開をする、都民に見える形でしっかりと仕事をしていく。その部分で我々は今回の都議選を戦っておりますので、都知事が同じ改革志向を持っているのであれば、賛成できることは賛成をしますし、間違った方向であるとか、あるいはオリンピックの350億円の(都外)自治体への(負担分担の)財源、どのように決めていくのかも含めて、知事がどのように発言されるのかをしっかり確認するような立場の議会を構成する議員を選んでもらいたいと思っていますので、是々非々で臨みたいと思います。

【テレビ朝日・延増記者】
 関連して。きのう安住代表代行が「二重党籍」などと小池知事の現状を批判された。都議選に向けて、蓮舫代表はこの小池知事の判断をどのように考えられるか。

【代表】
 私が判断するものではないと思います。

【読売新聞・工藤記者】
 都議選についてだが、読売新聞含めて数社の世論調査では、投票先としての民進党の支持率が共産党を下回っている状況にある。こうした状況の受け止めと、けさは代表みずからビラ配り等もされて、かなり力を入れていると思うが、その辺の狙いと今後の戦略についてお聞きしたい。

【代表】
 狙いは、ありません。とにかく頑張っている仲間をしっかり応援する。ここに尽きると思います。

【テレビ朝日・延増記者】
 東京オリンピック・パラリンピックの大会費用の負担をめぐって、東京都以外で開催する費用350億円分の負担についての判断、これを先送りすることになったが、これについても批判が出ている。この先送りの判断について蓮舫代表はどのように考えられるか。

【代表】
 開催される自治体の首長が納得する形で、国・東京都・組織委員会・関連自治体が合意をしたことは歓迎をしたいと思います。
 ただ、350億円の財源、決して小さい額ではありませんので、これは一体、今後誰が負担をしていくのか。企業からの支援金なのか、あるいは都民税なのか、あるいは国税なのかというのは、これはやはり国民の関心事でもあると思いますので、できるだけ早く明らかにしていただければと思います。

【産経新聞・奥原記者】
 都議選について、「都民ファーストの会」が政策で豊洲移転の是非についての判断を先送りされた。それについてどういうふうに思われるか。

【代表】
 豊洲の判断は、今、ボールは小池都知事にあると考えています。そのための材料として、さまざまなチームを立ち上げ調査を行われている。
 その調査結果、報道されるところ、あるいは東京都の発表等によっても、なかなか都民の不安を払拭する内容にはなっておりませんので、それを踏まえて都知事が判断されると思いますが、その判断の際に、私達としては少なくとも、特殊シートで土壌を覆うであるとか、あるいは微生物等を使った水質浄化を行うであるとか、知事の行政執行あるいは行政判断に対して「ぜひここは踏まえていただきたい」ということを、議会を構成する議員の候補予定者にはしっかりチェックできるんだという立場でこの選挙戦に臨んでいきたいと思います。都知事のボールを、まずそれを確実なボールとして投げるための材料を提案できる、そういう民進党の主張だとご理解ください。

○衆議院小選挙区区割り改定法案 衆院通過に当たって

【共同通信・野見山記者】
 先ほど衆院本会議で区割り法案が可決された。この受け止めと、採決時に福島選出の玄葉光一郎議員や小熊慎司議員らが棄権したのかどうか、その事実関係、あるいは理由を含めて、何らか事後の報告はあったのか伺いたい。

【代表】
 後者の部分はまだ確認できていません。
 前者の部分ですが、区割り、東京においても、私自身も選挙区が変わる地区に住んでいることがありますので、やはりしっかりと多くの方達に、変わる選挙区の告示をするべきだと思っています。
 ただ、衆議院の「一票の格差」の問題は区割りを通したところで、抜本的な改革が全て終わるかと言ったら、決してそういうわけでもありませんし、あわせて2年後の参議院選挙までにも参議院における選挙制度改革は進めなければいけないので、引き続きこの問題は取り組む課題だと思っています。

○加計学園問題について

【朝日新聞・中崎記者】
 加計学園問題だが、野党4党は前川さんの証人喚問を求めているが、与党側から打ち返しがないという状況が続いている。加えて、本日、内閣参与を務めていた木曽さんが、当時の前川次官と直接この加計の問題についても話していたことを認めている。いろいろ登場人物が出てきているが、今後新たに参考人招致なり証人喚問なりを求めていくお考えは。和泉補佐官についても、大串博志政調会長は検討するとおっしゃっているが、その辺はいかがか。

【代表】
 まさに今の内閣の体制というのが、次から次に明らかになった情報によって、「加計学園ファースト」体制になっていると。総理は、加計学園の理事長の「腹心の友」。萩生田官房副長官は、加計学園の元客員教授。そして内閣官房参与(当時)は、元文科省、加計学園の現職理事と。
 こうした体制を背景に、和泉総理大臣補佐官が官邸の意向を文科省の当時の事務次官に伝えて、押し切ったと。それに対して使われた行政文書が、それは「怪文書だ」と官房長官言っている。ただ、前事務次官は「本物だ」と言われている。だから、ここの部分の溝を埋めるにはたった一つ。国民に見える形で、国会で証人喚問を通じて、どちらが正しいのかを明らかにするしかないと思っているのです。
 何人も証人喚問の要求をしたところで、ハードルが上がるというのであれば、まずは前事務次官、しっかり来ていただいて、そこで不明な点があるのであれば、さらにもう1人、さらにもう1人という形で。登場人物が増えていますので、一つ一つ整理をして、内閣は丁寧に疑惑の解明に、特に総理大臣は答えるお立場にあるのだと思っています。

○尊厳ある生活保障総合調査会での議論について

【共同通信・野見山記者】
 待機児童にも関連するが、きょう夕方、前原誠司さんが会長の「尊厳ある生活保障総合調査会」で、井手英策教授から提言がある見通しだ。中身としては、保育や介護のサービス支援を充実させて国民の将来不安を解消しようというのが重点を置く内容だと言われているが、こうした内容を今後の衆院選なり党の政策にどういうふうに反映して生かしていかれるか。

【代表】
 尊厳調査会は、きょうの夕方(1日17時から)、井手先生から提言をいただきます。この提言を受け止めて、民進党の全国会議員で議論をしていく。それを政策という形でしっかりまとめていく。できれば、これは我々の次の国の形の“骨”になると思っていますので、総選挙の時にしっかりと掲げられればと考えています。

○国家戦略特区制度凍結法案の検討について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 国家戦略特区法の廃止法案を出されるそうだが、これはその法律自体に大きな欠陥があるということなのか、それともやはりそれを悪用する人がいるから悪いのか。やはり法律自体が、もう廃止しないといけないくらい、合法的にそういう悪い私的誘導ができる、という見方なのか。そこを伺いたい。

【代表】
 まだ決定はしていません。きょう夕方から、関連の部門会議が開催されると聞いています。
 その国家戦略特区凍結法案を検討するに至ったのは、まず調査チームの中で、どういう特区が実現されて、どういう方々がその特区の恩恵を受けられたのかを詳細に調査をしてきました。その結果、例えば厚労省の病院系の政策に携わる部局におられた方が再就職している病院が病床規制の緩和の対象となったり、あるいは官僚機構と(官僚が)再就職した先と、特区における不透明なつながりというのが幾つも明らかになったと、櫻井充座長からも聞いておりました。
 その部分で、この国家戦略特区がある意味使われているのではないかという疑念。今回の加計もそうですが、やはり権力の関係者、権力に近い方達だけがこの制度をある意味活用して、平等性が損なわれている、行政の中立性がゆがめられていると私達は考えていますので、一旦こうしたものはなくして、どういう形で規制制度を緩和あるいは強化していくのがふさわしいのかは、またこれは提言型で出していきたいとは考えています。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 廃止法案、非常に大胆だと僕は思うが、これは野党4党で協力して出すような、そういう枠組みになるのか。

【代表】
 現段階でまだ党内の決定はしていませんから、ここから先は私から今言える立場にはありません。

○天皇退位等特例法案・「女性宮家の創設等」検討を求める附帯決議について

【毎日新聞・眞野記者】
 午前中の衆院議院運営委員会で官房長官は、退位の特例法について、「将来の先例になり得る」と答弁された。ただ、「女性宮家の創設等」については、「法施行後に検討したい」と答弁をされている。代表の受け止めをお願いしたい。

【代表】
 国会の総意として、両院の正副議長が大変ご尽力されて、各会派の意見を取りまとめていただきました。その中に「女性宮家の創設」という提言が入っておりますので、これが今回、附帯決議に盛り込まれるのは極めて当然だろうと思っています。
 ただ、その時期に関しては両論併記であったということもありまして、政府の中でのさまざまな検討もおありでしたでしょうし、きょうの官房長官の答弁の内容を見ておりますと、幾つもの同時進行で越えなければいけない課題があるので、女性宮家であるとか、皇室の存続に向けての新たな課題を今すぐさま議論する環境にはないのだと。ただ、これから先やらないということではない、という答弁でしたので、国会にいる立場としても、国会として政府に対してどういう意見が具申していけるのかも、これは考えていかなければいけないと思います。

【産経新聞・奥原記者】
 譲位特例法について、民進党としては、法施行後では遅い、法成立後速やかに議論を始めて1年以内にというふうにこれまで主張されてきた。官房長官の「法施行後の具体的な検討に向けて、適切に対処したい」という答弁については、これは法施行前から議論する、あるいは議論の準備を速やかに進めるという受け止め方をされたのか。馬淵澄夫さんがおっしゃっていたが、法施行前から議論する、そういう言質を得られたというお考えか。

【代表】
 いま一度、議事録(で発言内容)を整理させていただきますし、その答弁に対して、質問者、あるいは質問者が受け止めた発言に関して、議事録(で発言内容)を整理しないとなかなかここで私が断定的に言うことはできませんが、いずれにしても、皇族方の減少という現実に向き合って、我々は認識を共有していることは事実だと思うのです。時期においては、どういうふうにとらまえていくかというのはそれぞれの会派の立場はあるとは思いますが、皇族方の減少に対して、立法府として、政府として、皇室をどうやって未来永劫続けていくことができるのか。その認識は共有していると思います。我々の考えは変わっていません。