参院本会議で7日、民進党・新緑風会が提出した秋野公造法務委員長解任決議案が審議され、真山勇一議員が趣旨説明、小西洋之議員が賛成討論に立った。決議案は賛成少数で否決された。

真山勇一議員趣旨説明

 真山議員は、法務委員長解任決議案提出の理由として、先月30日の法務委員会の開催にあたり、共謀罪法案(組織犯罪処罰法改正案)審議の全日程で法務省林真琴刑事局長を政府参考人として登録し答弁させるという「包括議決」を強行採決したことが憲法、参院規則違反に当たることを挙げた。また、そもそも共謀罪法案が憲法第19条に規定する「思想・良心の自由」、つまり「内心の自由」を侵害する、違憲・無効の疑いが濃いものと指摘し、徹底審議を要求してきたと説明。それにもかかわらず、政府・与党が決めた審議時間を消化できるよう、秋野法務委員長が職権で委員会開催を強行するなど、国民軽視、国会無視の議会運営をしてきたと強く批判した。

PDF「法務委員長秋野公造君解任決議案 趣旨説明(予定稿) 」法務委員長秋野公造君解任決議案趣旨説明(予定稿) 

小西洋之議員

小西洋之議員賛成討論

 小西議員は、秋野法務委員長が首相官邸及び自民党に言われるがままに委員会を運営していることについて「立法府の存立そのものを否定し、国民の自由と尊厳を著しく侵害する違憲立法を主導する暴挙」と断じ、問責理由を述べた。その第1として「委員長が『忖度』を通り越した首相官邸の指示、すなわち、『総理のご意向』に従って、憲法及び国会法令に違反する政府参考人出席を強行した」と説明。第2の理由として「委員長が強行採決へと推し進める共謀罪が、かつての治安維持法が宗教団体やその教組をも弾圧した悲劇の史実が示すとおり、稀代の違憲立法であり、悪法である」と痛烈に批判した。それに対して委員長は本来、「共謀罪法案の憲法違反の問題、その乱用の危険や、『1億総監視社会』を生み出す危険の解明のために、適正審議を実現するために、職権行使すべきだ」と説いた。

PDF「法務委員長秋野浩造君解任決議案に対する賛成討論(予定稿)」法務委員長秋野浩造君解任決議案に対する賛成討論(予定稿)