民進党は、議員立法や政府案への対案作成など、政策面での対応を機能的かつ効率的に行うため、対応する衆参両院の委員会を4部会に集約する体制を取っている。各部会の状況と、重要議案を解説する。

第二部会

 第二部会は、衆院外務、同安全保障、参院外交防衛、同ODA特委、衆参両院の法務、情報審、憲法審の各委員会・審査会を所管している。

部会長 白 眞勲(はく・しんくん) 参院議員 比例代表・当選3回

部会長 白 眞勲(はく・しんくん) 参院議員 比例代表・当選3回

 朝鮮日報日本支社支社長を経て、2004年の参院選で初当選。元内閣府副大臣、参院拉致問題特別委員長。現在は、憲法審査会筆頭幹事(会長代理)、内閣委員会筆頭理事を務めています。誰もが平和で安心して暮らせる格差のない社会を目指します。


副部会長 真山 勇一(まやま・ゆういち) 参院議員 神奈川選挙区・当選2回

副部会長 真山 勇一(まやま・ゆういち) 参院議員 神奈川選挙区・当選2回

 調布市議を経て2012年繰り上げ当選。現在は法務委員会筆頭理事です。保護司として犯罪や非行をした人の更生保護にも関心を持っています。モットーは、「ニュースの力で真っすぐな政治」。メディア出身者として、政府によるメディア規制を阻止し、権力の暴走から国民を守ります。

重要議案の解説

「民法の一部を改正する法律案(成年年齢引き下げ)」

 成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げるもので、成人年齢を20歳と定めた1878年以来の変更となる。同時に、女性が結婚できる年齢を16歳から18歳に引き上げ、男女とも18歳に統一する。2022年4月1日の施行を目指す。

 07年成立の国民投票法では投票年齢が18歳以上とされ、16年の参院選からは公職選挙法の改正で選挙年齢が20歳から18歳に引き下げられた。本件も、少子高齢化社会への対応・若年者の社会参加を早めようという一連の流れに沿った改正である。

 別の法律で規定されている飲酒や喫煙、馬券の購入などが出来る年齢は20歳のまま据え置かれる。少年法の適用年齢を20歳未満から18歳未満に引き下げるかどうかは、法相の諮問機関である法制審議会で議論が続いており、当面は維持される見込み。若い世代が悪質商法などの消費者トラブルに巻き込まれる可能性も出てくることから、契約後の取り消しがより認められるような消費者契約法の改正も審議される予定。

「民法の一部を改正する法律案(選択的夫婦別姓)」

 選択的夫婦別姓の導入とともに、子の姓は出生の際に父母で協議し、父母いずれかの姓とすることを内容とする議員立法。民主党時代から十数回提出。第190通常国会にも提出している「再婚禁止期間の短縮」と「婚姻適齢の男女統一」を含めた法案の、「選択的夫婦別姓」部分を抜き出したものである。(「再婚禁止期間の短縮」は改正済み。「婚姻適齢の男女統一」は今後「成年年齢引き下げの民法改正」で扱う予定。)

 「選択的夫婦別姓の導入」は1996年法制審答申にうたわれて以来、2015年の最高裁判決でも「国会に議論を委ねる」との判断が出たが、一向に進んでいない。現在、選択的夫婦別姓を求める新たな訴訟が提起され、今後も各地で提起されようとしている。17年12月に内閣府が実施した調査では、選択的夫婦別姓の導入について、「法改正しても構わない」とする容認派が42・5%、「改正の必要はない」との反対派は29・3%となった(5年前は、容認派35・5%・反対派36・4%)。選択的夫婦別姓に対する世論の理解・ニーズは確実に進んでいる。党内の法案審査は終了し、野党各党との共同提出を目指し他党と交渉中である。

刻々と変化する北朝鮮を取り巻く情勢への対応

 北朝鮮は、作年9月に6回目の核実験を強行し、8月と9月には日本の上空を通過して弾道ミサイルを発射するなどの暴挙を繰り返し、安全保障上の脅威が増している。北朝鮮の非核化に向けての具体的な行動を促すために、国際社会が一致して圧力をかけ続けることが重要であり、日本政府による関係各国への働きかけの継続を求めるとともに、われわれも党間外交を通して協力を呼びかけていく。

 北朝鮮は平昌オリンピックを契機に対話に前向きな姿勢を見せ始め、南北間で首脳会談に向けての対話が開始し、中朝首脳会談が行われた。中国や韓国は北朝鮮に非核化の用意があると伝えているが、日本はこれら各国政府と緊密に情報交換し、北朝鮮の真意を慎重に見極めなければならない。米国も首脳会談に向けて準備中であるが、北朝鮮の核・ミサイル開発の凍結で妥協することなく、完全で検証可能な、かつ不可逆的な非核化の実現こそが共通のゴールであることを訴え続けて行く。

 また、拉致問題も国際社会の理解を得て同時に解決していく努力を政府に求めていくが、安倍総理が功を焦って、ストックホルム合意のように、北朝鮮の具体的な行動の前に重要な外交カードを切ることなどないよう注視していく。

日報問題で安倍政権での文民統制の危機的な欠如が浮き彫りに

 2017年2月、稲田元防衛大臣が「探したが見つからなかった」と国会で答弁したイラク復興支援活動の日報が、陸上自衛隊内に存在していた事実が小野寺防衛大臣に報告されるまで1年を要した等、防衛省・自衛隊の文書管理の信じ難いずさんさ、隠ぺい体質が次々と明るみに出た。自衛隊内で日報の探索が徹底的に行われておらず、日報発見後も報告を怠り、組織的な隠ぺいも疑われ、PKO日報問題を経ても、シビリアンコントロールが依然危機的に欠如していることが浮き彫りになった。

 大臣からの探索の指示があいまいだったということで、海空両自衛隊では日報の探索さえ行われていなかったことが判明し、実力組織に求められる指揮命令系統の緩み、背広組と制服組のコミュニケーション不足等、深刻なガバナンスの問題も明らかになった。そもそも自衛隊の海外活動の日報は、教訓となる重要な行政文書であるとともに、国家の歴史的文書であり、国民の財産である、という意識も防衛省内で希薄すぎることも明らかとなった。

 防衛省は大臣政務官を含む防衛省の内部調査チームでイラク日報問題の解明を行うと言っているが、徹底的な調査には第三者の目も不可欠であり、まずは特別防衛監察を行うよう求めて行く。また、陸自から統合幕僚監部に報告がされてから、日報隠ぺいの事実が1カ月間政務三役に報告されておらず、予算成立を優先し、意図的に報告を遅らせたのではという疑いもある。組織内の公文書に対する意識改革を強く求めて行くとともに、引き続き問題の究明と文書管理、組織のガバナンスの抜本的な改善策を検討・提案を行っていく。

議案一覧(見込みも含む)第二部会

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(民進プレス改題36号 2018年4月20日号5面より)

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