参院で7日、天皇の退位等に関する皇室典範特例法案特別委員会が開かれ、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案」の審議が行われ、全会一致で法案と付帯決議を可決した。

 民進党の長浜博行議員が質問に立ち、(1)法律の施行日(2)上皇陛下及び上皇后陛下の退位後のご活動(3)上皇が崩じた際の大喪の礼のあり方・皇室行事のあり方――などについて政府の見解をただした。

 長浜議員は冒頭、「衆参両院合同、10党派の議長公邸で開催された会議で立法府の総意を取りまとめ、政府に対して法律案の立案を促したことは国会の責任と使命を果たした」と述べ、正副議長の尽力に敬意を表した。

 退位後の活動について、「退位された後も、上皇陛下のお元気なお姿を拝見したいと思っている国民の皆様も数多くいらっしゃる」と述べ、政府としてどのように考えているかただした。

 菅内閣官房長官は、「宮内庁からは、陛下が象徴としてなされてきた、その行為については基本的にすべて新天皇にお譲りになられるものと理解をしている、との見解が示されており、このような整理が適切であると考える。その上で、上皇、上皇皇后としてのご活動については、宮内庁で新たなお立場を踏まえて十分な検討を行い、個別にご相談申し上げながら決めていくことになる」と答弁した。

 長浜議員は安定的な皇位継承の確保について、女性宮家の創設等について政府は「皇室典範の付則の改正」と「特例法」の施行後速やかに検討すべきとの点で「各政党各会派の共通認識に至っている」とした上で、2012年に野田内閣で「皇室制度に関する有識者ヒアリングを踏まえた論点整理」を取りまとめたが、その後の議論が進んでいないと述べた。

 さらに2005年、小泉内閣による「皇室典範に関する有識者会議報告書」には「当会議の結論が広く国民に受け入れられ、皇位の安定的な継承に寄与することを願ってやまない」と記されていることを取り上げ、「安倍首相が内閣官房長官時代にまとめられたもの。総理のご奮闘を願ってやみません」と述べ、安定的な皇位継承の確保について速やかに検討することを求め、質疑を終えた。

PDF「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する付帯決議」天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する付帯決議