党役員会見に関する基本的な方針について

江田憲司代表代行記者会見

2017年6月9日(金)14時03分~14時28分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=me5yw_YnpJM


■質疑

■冒頭発言

【代表代行】
 私のほうからは特段申し上げることはございません。


■質疑

○加計学園問題について

【日本テレビ・清田記者】
 加計学園に関連して伺いたい。これまで再調査しないと言っていた文書について、文科省は一転して再調査すると、きょう発表した。この点について受け止めと、今後どういうふうに追及していくか伺いたい。

【代表代行】
 さすがに国民の怒りの声に抗し切れなくなったのでしょうね。ぜひ、今度こそ徹底的な調査をしていただいて真相究明に努めていただきたいと思いますが、しかし、当事者が身内で調査をしてもろくな結果が出ないというのがこれまでの例でしたので、早急に調査結果を出していただいて、やはりそのチェックは我々野党の声であり、メディアの役割であり、そして最終的には国民だと思いますので、どういう調査対象にしたのか、どういう手法を採用したのか、その結果も含めて徹底的にチェックして、不十分であれば再度の調査を要求していくと。
 そして一方では、従来から申し上げているとおり、前川前文科次官、内閣府審議官・内閣官房参与等々の証人喚問、さらには課題であります予算委員会の集中審議、そういったものをぜひやっていただいて、国民の声に応えていただきたいと思っております。

【共同通信・下山記者】
 早急に(調査)結果を出してもらいとおっしゃったが、一部与党のほうからは、その調査結果の公表を先延ばしして、もしかしたら都議選の後にしたいというような思惑もあるのではないかという憶測というか警戒があるが、そこについて、要求、どのあたりまでとかいう具体的なものはあるか。

【代表代行】
 そんな悠長なことを言っていれば、続々、内部告発が出てきますから。今回の方針転換も、そういう事情も念頭にあったと思いますよ。前川さんという主流中の主流が覚悟を持って告発した、当然それに続く現職官僚もいるということで、こういった内部文書が続々流出しているわけですから。調査は幾ら先延ばししても、その前にどんどん、皆さんメディアの前にもそういった文書が振りかざされると思いますし、もしかしたら現職官僚も覚悟の顔出し会見をされるかもしれないし、それほどの問題ですよ。官僚組織、昔と比べれば質が落ちた、気概がなくなった、サラリーマン化したという声がありますが、さすがにこれほどの理不尽なことを言われると、みずからの来し方、官僚としての矜持に(照らして)耐えられなかったということだと思いますよ。
 延ばせば延ばしたらいいのではないですか。こんなものは1日あればわかりますよ、パソコンの内部に残っていると、現職の職員が証言しているのですから。「はい、共有フォルダだけではなくて個人のパソコンも全部見せてください。調査します」と言えばすぐにわかることです。国民の皆さんもさすがにこの問題詳しいですからね、延ばせば、どういう魂胆かというのはすぐわかりますから。それがまた安倍政権への批判にはね返ってくる。与党自民党、政府も、そんなばかではないと思いますよ。どうぞ、先延ばししたければ、やってくださいと。
 それから、例の天下りの全省庁調査の結果はどうなったんですかね。皆さんお忘れになっているかもしれないけれども、これも国会会期内にやらないんですか。随分時間がたちますね、何やっているんですかね。
 全てこれは国民の批判にさらされるということだと思います。選挙の争点にもぜひしていきたいと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 前川さんは、探そうと思えば探すまでもなく出てくると最初からおっしゃっていた。そのことは実は“もりそば”の財務省も一緒だと思う。江田さんも役人のご経験があるわけだが、やはり“かけそば”の文科省のほうが“もりそば”の財務省より健全であると、要するに財務省は悪質だと私などは思うが、その辺はどうご覧になるか。逆に、(財務省は)鉄壁だという意味で。

【代表代行】
 霞が関では「昔陸軍、今大蔵省」と言われた時代があるのですね。「昔陸軍、今財務省」。一方で文科省というのは、失礼ながら、私が言ったのではないですよ、「御殿女中」と言われていたのですね。田原総一朗さんが40年ほど前に書いた霞が関論というのがありまして、私も若い頃、当事者であって、どんなことが書かれているのだろうと興味津々、読みました。
 申し上げたいことは、「昔陸軍、今財務省」というのは、やはり鉄壁な規律のもとに一体となって組織として動く、そういう上意下達、組織として一体で動く省庁だという趣旨です。だから、残念ながら、安倍総理夫妻を守るために鉄壁の守りをしているというのが今の財務省。
 文科省は、「御殿女中」だからどうだこうだと言うつもりはありませんが、そういう財務省と比べれば、やはり組織の中でこういった個人的に行動される官僚も出てくる組織なんだということですよね。
 どちらが組織論としていいのか悪いのかという議論はあるかと思いますが、ただ、国民の関心は、やはりこれが安倍総理または安倍官邸の主導で、お友達だから甘い汁を吸ったのではないか、お友達だから利権にあずかったのではないか、こういう点についての解明ですから。何度も申し上げますように、行政・公務の廉潔性、公正性、中立性、透明性に照らして大変問題のある案件ですから、その本質を徹底的に解明していくというのは国会、与野党にかかわらず、これは責務だと思います。それをもう逃げまくっている安倍官邸と自民党に対する国民の怒りの声が、今回政府を動かしたということだと思います。

【テレビ朝日・白川記者】
 今のお答えとも関連するが、文書の再調査に関連して、今、政府のほうでは、仮に文書があっても、そこに書かれているいわゆる「総理のご意向」ということが本当かどうかというのはまた別問題だ、というような声が聞こえてきている。その文書があった場合、そこに書かれている信憑性についてはどのようにお考えになるか。

【代表代行】
 官僚組織の内部にいた者として、ああいう文書でうそを書く動機づけがありません。100パーセント真実だと思います。
 ですから、そこから安倍官邸の責任を免れようとすれば、トカゲの尻尾切りをやるでしょうね。単刀直入に言うと、藤原内閣府審議官の首が飛ぶのでしょうね。かわいそうなことだと思います。しかし、そうは問屋が卸さない。トカゲの尻尾切りでは卸さない。
 ちょっと先走り過ぎかもしれませんが、もう大体見えるのですよ、シナリオは。国民の怒りの声に抗し切れずに再調査を渋々認めた、ということは、今度は内閣府を切り離そう、安倍首相や安倍官邸とは切り離そう、そして内閣府に一身に責めを負わせて逃げおおせようという魂胆でしょう。いずれわかりますよ、時間がたてば。政府の対応を見ればね。かわいそうですね。

【東京新聞・我那覇記者】
 今のお答えに関連してだが、その「尻尾切り」に走っていった場合に、どういうふうに本体を掴んでいくかというか、「尻尾切り」をさせない方法というのは、どういうふうに追及をお考えか。もし内閣府を切ってきた場合に、どういうふうにその本丸に迫っていこうとお考えになるか。

【代表代行】
 事実関係の解明しかないですよ。これまで出ている資料だけではなくて、これからも資料が出てくると私は思いますし、今、文科省から流出しているだけの問題ですが、内閣府からも、良心のある、矜持のある役人からは、「そうではないんだ」ということがあるのであれば、しっかりそれは世の中に出していただきたいと思います。
 内部通報が悪いとかではなくて、そういう保護法もあるわけで、もちろん守秘義務というのはあるので、その範囲内ですが、しかし、それも権衡・バランスを考えないかんということですよね。もし仮に安倍総理が指示されて、お友達に、こういう加計学園ありきで落としたのであれば、これ自体が大変な問題ですから。語弊を恐れずに言えば、巨悪を暴くためには小悪やむを得ないという局面もありますので、そこは国民の立場に立ってみれば、一番の関心・本質は、この安倍政権になって、安倍総理あるいは安倍夫妻と親しい人であれば、行政をゆがめてまでも甘い汁を吸えるのか、利権にあずかれるのかということですから。額に汗して真面目に働く国民の皆さんからは、怒りの声が上がっても当然だと思います。それをしっかり究明していくのが野党の責任ですよね。

【フジテレビ・寺田記者】
 加計学園について、菅官房長官の会見でも連日集中的に質問があるが、この再調査をする運びになったことも含めて、これまでの長官の答弁についてどのようにご覧になっているか。

【代表代行】
 完全に初動を誤ったのでしょうね。
 前川前次官の会見は、何も安倍総理や菅官房長官を批判していたわけではなくて、内閣府の処し方を批判していましたよね。ですから、まず官房長官が言うことは、「ああ、そうか」と。「内閣府が、我々が指示もしていないのに、虎の威を借ってそんなことをやっていたのか。じゃあ、調べてみよう。聞いてみよう」というのが、やはり初動としては一番の危機管理だったと思いますよ。
 それを、ムキになって、あの沈着冷静な官房長官が前川氏の人格攻撃にまで走ったというところに、これは語るに落ちたというわけです。語るに落ちた、ボロを隠そうと思ったら逆にボロを見せつけてしまったということだと私は思うのですが、それはもう国民の皆さんの多くは「やっぱり何かやましいことがあるんだから、ムキになって反論しているのだろう」と思いましたよね。
 ですから、これは、この問題について安倍官邸の危機管理が最初から間違っていたと。それはなぜかというと、やはり本当だったから、ではないですか。
 この問題の一番の焦点は、安倍内閣みずからが決定した2015年6月の「4条件」を満たしていないのに、あえて加計学園に決定したのではないかということです。何度も申し上げますが、特区や規制改革については我々も大賛成です。しかし、その特区や規制改革の中にもルールがある、基準がある。それが、安倍政権みずからが決めた2015年6月の「4条件」、その中には、獣医師の需給見通しとか、ライフサイエンス・新規分野の需要があるのかとか、他大学でできないのか、といった基準が並んでいますでしょう。しかし、需給見通し一つ取ってみても、前川次官(当時)も農水省・厚生労働省から需給見通しをもらったことはないし、農水省も厚生労働省も官邸から需給見通しを作れなんて言われたこともないと証言しているわけですから、全く需給見通しもなく勝手に内閣府が決めたということですね。じゃあ内閣府は勝手にそんなことを決めるのか、普通の役人のビヘイビアとして。それはやはり、安倍総理の、もしくは安倍総理周辺からの指示があったのではないかと。
 だから森友問題と一緒の構図なんです、開学時期から逆算してトントン拍子に異例・初物づくしの手続を進めているという意味では、この加計学園と森友問題というのは酷似していると思います。
 そして同じようなことが今カジノで進行しているということをぜひ皆さんにリマインドしたいと思います。
 この前、仁坂和歌山県知事が抗議の会見をされました。カジノのいろいろな考え方、基準を、今、政府のほうで検討していますが、そのことについて一部報道が、たしか2、3週間前にあったのです。そこで仁坂和歌山県知事が、いや今の基準では我々のようなところではカジノは導入できないと、そういう会見をされています。なぜか。私は、横浜と大阪に落とすということありきで進んでいると思っているのです。ぜひ、それは取材してください。そこになぜ和歌山県知事が抗議したかというと、要は、IR・カジノを導入する時に大規模な国際会議場をつくれというのも入っているらしい。国際展示場みたいなものもつくれということになっている。和歌山の地方にそんな大々的な国際会議場をつくっても誰も利用してくれないから、これはそもそも大都会に設置することを前提に検討が進められているのではないか。これは私の邪推ですが、カジノというのはもう2ヵ所に決まっていて、これは横浜の山下埠頭と大阪の夢洲(ゆめしま)ということになっているのではないですか。
 だから、手法が一緒なんですよ、この安倍政権って。加計学園をこういう形で落としていくために、「広域的に獣医学部がない地域に限る」と基準まで変更して四国に落とす。近畿は大阪府立大学に獣医学部があるので、京都産業大学は対象にはならないと。「4条件」には、ライフサイエンス等のいろいろな需要、新規分野への対応と書いてあるのに、京都産業大学といえば「ネイチャー」誌という世界一の権威ある学術誌に日本の私立大学の中で一番論文を寄稿していることで有名な、トップの寄稿数を得ているということはライフサイエンス・生命科学分野では世界の先駆者だと認められているような大学を、あえて振り落とすために「広域的に獣医学部がない地域に限る」という基準をわざわざ昨秋設けて、京産大を落として加計学園を採用した。
 これは、私も役人でいましたから、大体、「どこかに落とす」とは言えないものだから、そうやって基準をつけて、どんどんどんどん間口を狭めていくのです、狙いを定めて。これが官僚の知恵というか、政治がそういうふうなゴリ押しをしてきた時に、うまく適正に見えるようにそういった間口を狭めていく、基準を決めていくというのはよくある手法です。
 そういうことが行われているということなので、カジノについてもぜひ皆さん目をパッと見開いてチェックをしていただければありがたいなと思います。

○神奈川県横浜市長選挙について

【読売新聞・高田記者】
 横浜市長選について、民進党県連の対応をきょう決めることになっているかと思うが、現職の林市長のほか、横浜市の伊藤大貴市議が推薦依頼を出している。最終的にどういう決着になるのが望ましいとお考えか、代行のお考えをお聞きしたい。

【代表代行】
 横浜市長選につきましては、林現職市長と伊藤大貴横浜市議から推薦依頼が県連に来たということでございますので、当面は県連内の手続を見守りたいと思っております。
 いずれにせよこれは最終的には(候補者選定手続きにおいて政令指定都市の長の選挙における公認・推薦の決定は)党本部の権限なので、県連からどういう申請が上がってくるのか、上がってこないのか、それを見きわめた上で党本部としてしっかりと判断したいと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 林市長の3選出馬の背景というか、やはり地元出身、菅長官の後ろ盾ということも言われているわけだが、都議選であれ横浜市長選であれ、7月の二つの選挙は、今の支持率とは別に安倍官邸に対する嫌悪感というのか、そういうのが一つの争点になるのではないかと思う。ご自身横浜で、対立候補の擁立に動いたと思うが、その辺を含めて、この二つの地方選、どのようにご覧になっているのか伺いたい。

【代表代行】
 都議選の後には仙台市長選、続いて横浜市長選がございます。
 いずれにせよ、なぜ政令市長選が党本部権限になっているかというと、単なる市長選ではなく、やはりこれは国政にも多大な影響を及ぼす、党の浮沈を左右する大きな重要な選挙だからこそ党本部に最終決定権を与えているのだと思います。
 そういう意味で、ご指摘のような、安倍官邸のお友達であればうまい汁が吸えるとか利権にあずかれるというようなことが一度ならず起こっておりますから、そういうことに対する批判は正直強いですよ、さすがに。さすがに、今まで安倍政権を「しょうがない、ほかにいないから」と支持してきた人達も、「ちょっとひどいんじゃないか」と、「やっぱりこの人達、何かおかしいことやっているんじゃないか」という声を最近よく聞きますので、こういう「権不十年」というか、「絶対権力は絶対に腐る」というイギリスの著名な歴史家の言もありますが、まさにそういう局面に安倍政権が移ってきているのではないか。
 そして、私もるる申し上げたように、カジノも、これは日本の将来を左右しますよ。観光の振興とか地域振興と言いますが、本当に日本古来の伝統的なよさとか、日本文化とか、そういったものをしっかり踏まえた観光振興であり地域振興であるべきだと私は思っています。それはもう世界的にも廃れてきているカジノ・博打を何でわざわざ導入しなければいけないのか。
 簡単に言えば、博打で横浜をめちゃくちゃにするのか。それとも、横浜には博打に頼らなくてもいっぱい魅力がある。そういう横浜らしい魅力を駆使して、やはり臨海部・山下埠頭の開発はしていかなければいかん。市長選というのは何も8年間の実績を評価して決めるのではなくて、次の4年間を誰に託すかという選挙ですから、横浜市の場合は山下埠頭倉庫跡、40ヘクタールくらい土地があるのですが、第1期工事として17ヘクタールくらいをやるのですね。そこにIR・カジノを導入するのか、それともカジノに頼らない斬新なアイデア・ビジョンで臨海部開発をやっていくのか。こういうのが最大の争点です。私は、そういう争点を訴えていければ、必ず道は切り開けると思います。
 ですから、当面、国政選挙が遠のいたという観測もあるのですが、目の前には都議選、仙台市長選、横浜市長選がございますから、7月に。やはり政党というのは、選挙で戦ってこそ足腰が強くなる。そんなところに自公と相乗りして、なあなあでやっていても、民進党の活路は開けない、これが私の基本的な考え方です。最近、残念ながら相乗り選挙が多い、地方の首長は。しかし、まさに370万都市、日本一の都市の横浜市長選が仙台市長選に続いてございますから、こういう本当に重要な選挙戦で民進党カラーを出して政策を訴えて、安倍政権の問題もしっかり訴えて戦うことが、民進党浮上の大きなきっかけになると私は認識をしております。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 ということは、林市長と何らかの政策協定を結んで相乗りするということは視野に入っていないということでよろしいか。

【代表代行】
 先ほど申し上げたとおり今お二人の県連の手続中なので、今の局面で私がどうこう言うのはやはりそこに影響を及ぼしますから、そこは控えておきたいと思います、きょうのところは。