党役員会見に関する基本的な方針について

野田佳彦幹事長記者会見

2017年6月19日(月)15時00分~15時35分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=1qLmoKtZEuU


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○米軍イージス艦と民間貨物船の衝突事故について

【幹事長】
 先週17日未明に伊豆半島沖で米海軍イージス艦とコンテナ船が衝突いたしました。イージス艦乗組員7名が亡くなるという事故が起きたわけであります。亡くなられた乗組員の皆さんのご冥福をお祈りするとともに、負傷された皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。
 政府においては、米軍と協力しながら早急に事故原因の解明を行い、再発防止策を講じていただきたいと思います。

○第193通常国会を振り返って

【幹事長】
 きのう(6月18日)で通常国会が閉会となりました。今国会は、1月に衆議院の補正予算審議で委員長職権を3連発で行ったことに始まり、政府・与党の極めて乱暴で強権的な国会運営が目立ったと思います。そのきわめつけというのが、最終盤で参議院の法務委員会で「共謀罪」をめぐる議論をしている際の(本会議における)中間報告だったと受け止めております。私も議会人として衆議院7期務めてまいりましたが、中間報告もかつては行われたことがありますが、与党の委員長のもとでこれだけ大事な法案がこういう強引なやり方で行われるということは、前例がなかったと思います。まさに乱暴な国会のきわめつけだったと思います。
 第2次安倍政権が発足して4年半になってまいりましたが、年々こうした傾向が強まっているのではないか。明らかに長期政権によるおごり、あるいは傲慢さがむき出しになってきていると思わざるを得ません。
 こうしたおごりや傲慢さというのは、政権の隠蔽体質も表わしていると思います。天下り、自衛隊PKO日報、森友、そして加計と、安倍政権は何一つ国民にまともに説明をしていません。国民の意見を聞かず、都合の悪いものは隠蔽するという、長期政権の典型的な欠点が随所に出てきて、そして露骨になっています。こうした安倍政権の体質に国民も気づき始めているのではないかと思います。
 一方で、天皇の退位に関する特例法が、国会全体のおおむねの理解を得て円滑に成立いたしました。民主的なプロセスを経て初めて実現する退位であり、その意義は非常に大きいと思います。衆参の正副議長初め、ご努力をいただいた方々に敬意を表したいと思います。
 民進党は、加計問題を初めとするさまざまな疑惑、そして退位特例法においても国会の議論をリードしてまいりました。あらためて、我が党には専門的な知見を有する優秀な同志が数多くいることを確認した国会でもあったと思います。こうした同僚が数多くいることを国民に伝えることで、民進党に対する信頼・期待を回復していきたいと思います。
 なお、きょう(19日)の夕方に総理の会見が予定されていると聞いております。おそらく、加計問題をめぐる弁明などが行われると思いますが、会見を通じてある意味一方的に自分でお話をされるのではなく、ぜひ予算委員会の集中審議、あるいは前川氏の証人喚問など、国会の場できちっと話をし、そして質問に答えていく。それこそが誠実な姿勢だと思いますので、そのことをあらためて強く求めたいと思います。
 また、おそらく「人材への投資」など、「人への投資」を主張している我が党の主張にかぶせてくるような内容も出てくるのではないかと思いますが、この国会の最後に教育の無償化法案を私ども提出いたしました。「人材への投資」を言うならば、来るべき臨時国会でこの法案をしっかり審議してほしいということを予告的に申し上げておきたいと思います。


■質疑

○千葉県船橋市議会議員補欠選挙の結果について

【朝日新聞・岡本記者】
 きのう投開票だった、幹事長のお膝元の船橋市議補選で、1万2千票差がついて、ある意味惨敗だと言えると思う。低投票率だったとはいえ、いわゆる野田票を固め切れなかったことになると思うが、その原因は何だとお考えになっていて、選対本部長としてお務めになったと思うが、その選対本部長としての責任をどう感じているか伺いたい。

【幹事長】
 当選者1人のところに6人が立候補するという激戦の中で、最後に立候補する態度を決めて、ご本人が現職のケアマネジャーで、5月に決意を固めてから選挙期間中になるまでケアマネジャーとしての仕事もずっとやってきて、候補者としてフル活動できたのは選挙期間中だけという出遅れ感がありました。ということと、1人女性で残り5人他の男性陣に追いついて追い越すまでは行きましたが、先行する女性の候補には追いつけなかったということが構造的な原因だったと思いますが、私が選対本部長でありますので、私がもっと地元に戻ってPRをしていれば結果は違ったかもしれませんので、そこは野田陣営を固め切れなかった原因は私がちゃんと活動し切れなかったということで、申しわけなかったなと思いますが、本人は次の本選に向けて頑張っていますので、いい政治家になれると思いますので、応援をしていきたいと思います。

【朝日新聞・岡本記者】
 今度、劣勢を強いられている都議選が控えているわけだが、今おっしゃったような、今回と同じような戦い方ではなかなか厳しいと思うが。

【幹事長】
 今回と、全然事情は違います。

【朝日新聞・岡本記者】
 もちろん選挙区事情は違うとはいえ、取り組み方というか、出遅れている候補者もいるだろうし、幹事長も代表も含めてもっともっと入らないといけないとか、そういうふうに変わってくるかもしれないが、要するに今おっしゃったような反省と同じようなことではなかなか厳しいわけだが、今回の反省を都議選にどういうふうに生かしていこうとお考えかお聞きしたい。

【幹事長】
 選挙の対応、事情が全然違いますので、ストレートにその反省を生かすということではないのですが、いずれにしても悔いの残らないように全力を尽くすと。最後まで諦めないで頑張るということだと思います。

○東京都議会議員選挙について

【朝日新聞・岡本記者】
 各党が都議選に関して議席数などの目標を設定する中、民進党だけは明言を避けている。それは一体なぜなのか。代表の責任回避のためなのか。

【幹事長】
 24人の公認候補を擁立したわけですから、24人が当選できるように全力を尽くしていくということです。

【朝日新聞・岡本記者】
 都議選の結果を受けての党の代表の責任ということについて、幹事長はどういう見解をお持ちなのか。一般論としてお聞きしたい。

【幹事長】
 一般論としては、それはやはり大きな選挙とは言いながらも地方選挙ですから、基本的には都連が責任を持って選挙の準備を行い、勝ち抜くための態勢を整えるということですが、もちろん大きな選挙でありますので党本部も全力で応援するということです。
 なお、選挙の執行は全て幹事長の責任だと思っています。

【フリーランス・堀田記者】
 都議選について伺いたいが、離党した6人をまた再び推薦すると、これはどういうことか。

【幹事長】
 私が報告を受けているのは、離党をして無所属になった候補者3人について。6人というのは、私は聞いていません。3人について、(民進党都連が)推薦をすると。だからそれは都民ファースト推薦と民進党推薦という形ですが、そういう都連の決定を(都連)常任幹事会でやったという報告は聞いています。それ以上は聞いていません。党本部に上がってくる話ではないです。

【フリーランス・安積記者】
 先ほど、離党者のうちの無所属の人3名、推薦するという話があったが、離党者のうち除名処分になった人に対して民進党の現職議員がそれを応援した場合、それは懲罰の対象になるのか。例えば柿沢ゆきえさんだが、除名処分になっている。これを柿沢未途さんが応援した場合はどういうふうになるのか。

【幹事長】
 柿沢(未途衆議院議員)さんご本人は、奥様・ゆきえさんが離党されたこと、これについては申しわけないということを、この間の両院議員総会でもお話をされましたが、ご本人は、奥様の街頭演説に一緒に立つとか一緒に集会に立つということはやらないということは明言をされています。その言葉を信じていきたいと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 蓮舫さんは都議選の応援で加計問題とかやっているが、加計問題の敵方の主役は自民党都連の萩生田さん・下村さんがいるが、ここで候補者が何を言うかというと、そこいらは全然言わない。そこいらは野田さんや代表から指導して言ったらどうか。聞いている側としては、何を言っているのかわからないというのが実際多い。

【幹事長】
 私も若いころ、先輩や幹部の皆さんに応援に来ていただきました。応援に来ていただいた演説を聞いて、自分は吸収して、学習をしていく。私も蓮舫代表も今、朝の街頭とか日中の街頭とかやっていますが、そういう話を聞いていただいて吸収してもらいながら、やはり歩調を合わせていくことが大事だと思うのです。
 この加計の問題は、やはり必ず触れなければいけない。それは、お友達優遇の政治、新しい利益誘導の政治ではないですか。国政でも、コネを使うのかという強い疑惑がありますね。「伏魔殿」と言われている東京だって、あるんです。有力者のドンが影響力を行使して、公共事業、コネがあると取れるかもしれない。特別養護老人ホームだって、公営住宅だって、特定の政党や特定の政治家に頼むと入りやすいのかもしれない。そういう「伏魔殿」としての問題がいっぱいあるではないですか。
 そういうことにしっかりと物を言っていく都議候補であるということを、(国政の問題と)つなげて、くっついてしゃべってもらうように、工夫していきたいと思います。

【時事通信・岸本記者】
 都議選で2点確認だが、民進党が考える最大の争点についてと、先ほど代表の責任について問われた時に「幹事長が責任を負う」とおっしゃったが、それは代表の責任まで及ばないという認識でよろしいか。

【幹事長】
 前段は、やはり都政の問題については都連やそれぞれの都議候補がきちっと、例えば品川と練馬では同じ東京都と言っても争点が違うものもありますから、それはそれぞれのご判断があると思いますが、総じて言えることは、今、多くの国民の皆さんが思っている加計学園の問題などを含めて、行政手続がゆがめられているという問題が国政では大きな課題です。東京都でも、それは豊洲をめぐる問題でも、あったのではないか。先ほど言ったような、公共事業とか、特養とか公営住宅、そういうことに入るにもコネが必要なんじゃないかというと、透明性がなくて手続がゆがめられていることがいっぱいあります。そういうものをきちっと納税者の番犬として発言をすることが民進党らしい候補者だと思います。
 後段のところは一般論で申し上げたのですね。一般論として、選挙の執行については幹事長であります。それはあらゆる選挙、全体を含めてであります。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 (内閣)支持率が下がったと。やはり都議選は、いろいろ争点があるが、この一連の安倍政権への嫌悪感というのか、そういうものが問われる選挙になるという認識を、野党はどのくらい共有して戦っていこうと思っているのか。そこのところを聞きたい。どんなふうにお考えになって、どういうふうに戦っていこうと思っておられるのか。

【幹事長】
 2週間くらい前から、都議選の関係で朝の街頭に立ったり、昼の街頭に立ったりするようにしていますが、その時に比べて、今ご指摘のあった安倍政権への嫌悪感の高まりとともに、「民進党頑張って」という声が強くなってきているという、体感というか手応えを感じますので、ご指摘のような戦い方がこれからの基本になるだろうと思います。

○世論調査の結果について

【テレビ朝日・村上記者】
 各社の世論調査で内閣支持率が軒並み下落した。弊社の調査でも支持が3割台になり、「不支持」が「支持」を初めて逆転した。現状の分析と、今後、党としてどのように政権に対峙すべきとお考えか伺いたい。

【幹事長】
 それぞれの社(の数字)が微妙に違ったりしていますので。ただ、傾向として言えることは、内閣の支持率が10パーセント程度下がり、不支持率が10パーセントくらい上がるというようなのが、どの社も傾向としてはあると思います。その中で、民進党の支持率も、横ばいからやや上がった調査から、10パーセント台に乗ったような調査まで、これもいろいろありますので、これは一概にくくっては言えませんが、やはり間違いなく終盤国会の「共謀罪」の強行採決、そして加計問題の消化不良に終わった、逃げ切りを図ろうとした姿勢は、やはり国民に対して説明不足と映っていると思います。それが政権への厳しい数字になってきていると思います。
 それを我々が受け止められるかどうかはまさにこれからの活動と思いますので、そうした政権への支持層がだんだん剥がれ落ちてきた分をしっかり受け止め、都議選に臨んでいけるように頑張っていきたいと思います。

【テレビ朝日・村上記者】
 数字はいろいろあるとおっしゃったが、総じて民進党の支持率はなかなか上昇はしていない現状だ。そういったことを踏まえて、この間の国会戦術や党運営で検証すべき点というのはあるとお考えになるか。

【幹事長】
 特に終盤国会でのあの攻勢があったがゆえに内閣支持率が下がるということを実現してきたと思いますので、それを主体的に取り組んできた党ですので、閉会中も同じような戦いをやり、そういうものを都議選にもつなげていくようにしていきたいと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 蓮舫・野田体制になってこれだけ支持率が、ということを見たら、これはレンコンの花か、あるいは蓮の花の蕾くらいはついたという感覚か。どんな感じか。結構頑張ったとさっきおっしゃっていたが、やはりかなり頑張ったのではないかと思うが、どうか。

【幹事長】
 花で例えるのは難しいのですが、やはりまだまだやらなければいけないという思いのほうが強いですね。これでいいとか悪いとかいうレベルではなくて、もっともっと頑張らなければいけないと。

【産経新聞・豊田記者】
 民進党の支持率についてだが、先ほど閉会中の取り組みや都議選に向けた活動について、今後のこととおっしゃったかと思うが、調査によって差はあるものの、軒並み内閣支持率が下落した割には、それが民進党の支持率に直ちには表れていないのかなという傾向を感じる。例えばその要因として国会での戦い方にもう少し他のやりようがあったとか、それとも、正しく戦えたと思うけれども、その意図が国民に伝わり切れていないとか、どんな原因で直ちには表れなかったと思われるか。

【幹事長】
 今までも、内閣の支持率が下落しても野党第一党がすぐそのまま、支持率が下がった分、こっちが上がるということはない。安保法制の時もそうです。その前をたどっていっても大体同じことが言えますから。
 とは言え、内閣支持率が下がるということは、逆に野党第一党が吸収していける部分もありますので、取り込んでいきたいのですよね。傾向としては、それは各社の世調によって違います。数パーセントだけ上がったというところもあるし、5パーセント前後くらいまで支持率が上がったところもあります。まちまちですが、それをしっかりと取り込んでいくことが大事だと思いますので。
 もちろん国会運営では、我々はいろいろご批判もあるかもしれませんが、ベストを尽くしたつもりでありますので、ベストを尽くした結果が今こういうことになっていますので、そのチャンスはつかんでいきたいと思います。
 チャンスをつかむためには、例えば加計問題などの調査チームなども、閉会中もしっかりとやりながら、問題追及をする姿勢と、新しいファクトを見つけていくこと、こういうことをこれからもしっかりとつなぎ続けていきたいと思います。

○通常国会を振り返って

【「FACTA」・宮嶋記者】
 前半戦は「もりそば」の共産党・小池さんの質問がMVPだったと私は思う。後半は、今井雅人さん、玉木雄一郎さん、最後は火を噴くような櫻井充さんの質問も久々にすごいなと思ったが、民進党のMVPは誰か。

【幹事長】
 MVPというか、三賞でいいですか、相撲で言う。個人1人、団体二つ。
 一つは、やはり川端達夫衆議院副議長。皇室典範の特例法においては、やはり立法府の権威を守るという立場で本当にご尽力いただいたこと、これはやはり三賞の一つ。副議長にそういうことを言うのも僭越でありますが、そういうふうに思います。
 それからやはり、今、共産党の小池さんの話が出ましたが、我が党の加計問題の調査チーム、森友問題の調査チーム、本当に体張って頑張って、そしていろいろ資料を集めたり、追い詰めたり、やってきました。随分とネットでは叩かれながらも、苦労しながらもやっていますよね。彼らもやはり殊勲賞であり敢闘賞を与えたいと思いますし、まだこれは終わったわけではなくて、あしたも加計問題の調査チームやりますが、しっかりと頑張り抜いてもらいたいと思っています。

【共同通信・橋本記者】
 さきの通常国会の話だが、森友学園や加計問題に対する追及が目立ったせいだと思うが、民進党は何でも反対だ、という意見が与党からある。法案に関して、民進党はどのような姿勢で臨んだのか。

【幹事長】
 これは政調会長が皆様にも資料をお配りしたかと思いますが、この国会で政府提出の法案に79パーセント賛成しています。意外に思われる方が多いのかもしれませんが、何でも反対ではなくて、やはり政権を預かった経験がありますので、きちっと責任ある対応をずっとやってきていると思います。反対した法案が14本です。14本のうち、でもほとんどが対案を出している、あるいは修正案を出しているということでございますので、しっかりした対応をしてきていると思います。
 中でも、先ほど典範改正の特例法の話がありましたが、対案を出すという政争の具というやり方にはしていませんが、皇室典範の本則改正案という対案を持ちながら各党と協議をして、そして合意形成に至るということもやっていますので、しっかり自分達の考え方をまとめながら対応してきています。
 議員立法も、継続のものも含めて今59本。新規で今国会で19本出していると思います。19本のうちには、「共謀罪」の問題で、「テロ等準備罪」との絡みで、民進党のテロ対策はどうなんだという問いかけがありましたので、航空保安法なども提出しています。あるいは介護人材の待遇改善などの法律など、緊急に解決しなければならない課題についてもしっかりと法案を提出して議員立法として提案をしています。
 そういう提案と、そしてよく議論して、何でも反対ではなくて、賛同できるものは賛同するということをやってきています。

【読売新聞・藤原記者】
 先日までの国会で、政権が調査をやると約束したもののうち、南スーダンPKOの日報についてはまだ報告がなされていないのではないかと思うが、これは稲田大臣は期限ありきではないみたいなことを言っているが、いつくらいまでに報告すべきだということを求めていくか。

【幹事長】
 これは1日も早く、ではないですかね。南スーダンのPKO日報の問題。何か改造があるとかないとかいうのもあるではないですか。そんな人事の異動の前に、やはり約束した人がきっちりと提出し、そして説明すると。それを国会でも議論するということをやらなければいけないと思います。これは南スーダンのPKOだけではなくて、総じて、まだ約束して全部(詳細を)出していない天下りの全省庁調査とか、いっぱいありますよね。そういうものは、きちっと調査したものは結果を出して、そして国会の議論に付すと。閉会中でもちゃんと議論するということに努めてもらわなければいけないと思いますし、強く要求していきたいと思います。
 関連で言えば、この南スーダンPKOの日報も、あるいは加計学園をめぐる行政文書の位置づけ、あるいは森友もそうでしたね、交渉記録がほとんど破棄された。公文書の管理のあり方も問われていると思います。その公文書の管理を徹底する法案も、先ほどの共同さんのご質問にも関わりますが、議員立法で提案していますので、こういうすぐやらなければいけないことは早急に対応していかなければいけないだろうと思います。

○「共謀罪」法の成立について

【東京新聞・我那覇記者】
 「共謀罪」について、国会が終わったということであらためて伺いたい。「共謀罪」、成立したわけだが、衆院通過段階で幹事長は、40の論点、180なのか、それと関連してむしろ混迷が深まったとおっしゃっていた。今、国会が終わって、その思いは変わったのか、どういうふうにお感じになっているか伺いたい。

【幹事長】
 混迷が深まったままですよね。本当になにか、何だかわからない法律になってしまったと思いますね。  少なくとも、大臣・政府側の答弁が、衆議院での答弁と参議院での答弁では違うというようなこともいっぱいありましたね。
 参議院に至っても、例えば小川敏夫さんの質問だったと思いますが、「共謀罪」の構成要件で、2人でもあるのですかと質問した時に、2人で満たしますと法務大臣は答えて、その次の小川さんとのやり取りの中では、2人ではだめと。同じ日の同じ質問者の答弁でも変わるというのは参議院でもありましたね。そんなことの繰り返しですよ。
 「組織的犯罪集団」だって、暴力団とかテロ集団とか。きちっと法文で定義されていない。その上に、「周辺」という言葉が出てきたり、あるいは「隠れみの」という言葉が出てきたり、どんどん拡大解釈が参議院のレベルでもっと膨らんできましたね。
 法律で大事なのは、誰が何をしたら調査され、捜査され、逮捕され、処罰されるのか、ではないですか。誰が何をしたのか、というのがわからない法律です。という意味では、ますます混迷が深まっていると私は思います。

【東京新聞・我那覇記者】
 混迷が深まっているという話だったが、きのうのテレビ番組でも、問題があるならば廃止という運動をしなければいけないということに言及されていたかと思うが、現時点で廃止に向けた取り組みを進めるのかということと、進めるとしたらどういう形で考えていらっしゃるかお聞きしたい。

【幹事長】
 まだ、世論調査を見ても、「テロ等準備罪」という、それこそ名称で何となく、テロ対策のために悪いやつを捕まえるのだと思って、そこだけで賛成する人も結構いらっしゃるので、この法律のいわゆる懸念すべきことというものを、国民の皆様と共有できるような運動をしていくことがまず大事だと思います。その共有の先をどうするかという議論はあると思いますが、まず懸念を共有してもらうことが大事だと思います。

○労働法制・「働き方改革」に関する議論について

【フリーランス・宮崎記者】
 通常国会から臨時国会にかけて、「残業代ゼロ」法案とか「高度プロフェッショナル制度」と言われる、労働基準法改正案が審議入りすらせず再び継続審議になった。秋の臨時国会では同一労働同一賃金の法案が、ちょっと聞いたところでは、出てこないのではないかという考え方が強いようだが、臨時国会に同一労働同一賃金の法案を出してもらいたいか。18時からの総理の記者会見でひょっとすると出るかもしれないが、現時点で野党幹事長としていかがお考えか。

【幹事長】
 どういう法案の出し方をしてくるかはまだ読めません。わかりませんが、「働き方改革」がやはり大きな課題となる次の国会だろうと思います。
 その意味では、例えば労基法の改正では、まだ「残業代ゼロ」法案が残っていますから、こういうものについては、我々は従来どおり真っ向反対の姿勢であります。
 一方で、いわゆる残業時間にキャップをはめる話などについて新しい要素も入ってくる。そういうものを、どういう形態で法案を出してくるのか、別々なのか、一体で出してくるのか。先ほどお話しされた同一労働同一賃金の問題はどうなるのか。まだ予測がつきませんが、まとめて出てくるのか、切り分けて出してくるのか。そういうことも含めて対応を決めていきたいと思います。

○議案書のペーパーレス化をめぐる議論について

【読売新聞・藤原記者】
 先日から国会の議案書などのペーパーレス化の議論が、主に日本維新の会の強い提案で始まっているが、これはやりようによっては数億円単位の経費の節減になる見方もあるが、民進党としてはペーパーレス化を進めていったらどうかというのは、賛否はいかが。

【幹事長】
 きょうも協議していると思うのです。よく議論していただいて、まとめていただければと。国対の中で意見集約してほしいと思います。
 この問題は、大きな会派だけで決めるのではなくて、一人会派なども含めて、そういう人達のご意見などもよく、その人達にきちっと情報を伝達するようにすることが大事なわけですから、そういうことも踏まえて対応していただきたいなと思っています。