党役員会見に関する基本的な方針について

野田佳彦幹事長記者会見

2017年7月10日(月)13時31分~13時57分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=U5MIBH5vcRA


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○九州北部豪雨災害について

【幹事長】
 まず、九州北部を襲った記録的な豪雨により、(現時点で)21名の方がお亡くなりになりました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。また、被害に遭われた方々には心からお見舞いを申し上げます。
 引き続き九州地方でも激しい雨が降る可能性があるとされておりますので、油断は禁物だと思います。住民の皆様に十分な注意を呼びかけるとともに、政府・自治体が協力して被害の拡大防止に努めていただきたいと考えます。また、数多くの方が避難されていますが、映像を見る限り、避難生活が長引く可能性もあるのではないかと心配しています。暑さの厳しくなる時期であり、政府は住民の健康管理に十分配慮していただきたいと思います。
 党としても関係県連と緊密に連絡をとり情報収集を進めておりますが、必要に応じて住民の健康管理、早期の復旧・復興などに関して、政府に意見を申し上げていきたいと思います。なお、私が「豪雨等災害対策本部」の本部長を務めておりますが、週末にも被災地に入るべく調整をさせていただいているところでございます。

○加計学園問題 衆議院での閉会中審査を終えて

【幹事長】
 先ほどまで衆議院で文科・内閣(連合審査会)の閉会中審査が行われました。前文科次官でありました前川氏が、あらためて「加計ありきで、背景に官邸の動きがあった」「『新設のための4条件を満たしていない』と主張していたが、有効な反論がないまま決定された」と発言しました。当時文科省の事務方トップであった前川氏の発言は、きわめて重いと受け止めております。
 政府側は、前川氏の主張に対して反論はするが、例えば萩生田副長官は高等教育局長と面会したことは認めた上で、「文書のような発言をした記憶はない」と述べるだけであり、明確な否定もしていません。疑惑はさらに深まったと言わざるを得ません。
 これから蓮舫代表も質疑に立たれますが、参議院での審議もあり、これを見ていく必要がありますが、あらためて総理がしっかりと出席して国民に(対する)説明責任を果たす、国会で説明責任を果たす場がどうしてもこれは必要であるということをあらためて強く思いましたので、近々、国対間での交渉があると思いますが、総理出席の集中審議を強く要請していきたいと思います。


■質疑

○内閣支持率下落・内閣改造について

【NHK・山枡記者】
 内閣支持率に関する受け止めを伺いたい。きょう、各社週末にかけて調査した結果を報じていて、各社によってばらつきはあるが、大体30パーセント台になっていると思う。この続落に対する受け止めを伺いたいのと、8月3日にも内閣改造ということが言われているが、現政権のそうした改造の意向、狙いについて幹事長としてはどう受け止めているか伺いたい。

【幹事長】
 内閣支持率が続落している傾向というのは、一つには、きょうは閉会中審査がありましたが、やはり肝心かなめの総理が説明責任を果たしているわけではありません。きちっと説明責任を果たそうとする姿勢が見えていないということ。きょうの閉中審査でもそうですが、前川前次官は出てまいりましたが、我々が要求していた和泉首相補佐官あるいは木曽内閣官房参与、政府にかかわった人を呼んでいて、その人達が出てこないなど、きょうの段階でも説明責任を果たそうとはしていないと思いますが、なおさら、やはり総理の出番がないということが一番の問題ですから、そういうことに対する不誠実な態度というのが続いているということ。
 それから、やはり防衛大臣がとんでもない発言をしたことはもちろんでありますが、さらに、先ほど私が触れました九州北部の大きな被害に際して自衛隊が懸命な活動をしている折に、防衛省の政務三役が不在の時間があったということなどもあります。その稲田大臣をかばい続けて、内閣改造でどういうことになるかわかりませんが、そこで交代をするということになるのでしょうけれども、引き続きかばい続けていることなどが重なって、内閣の支持率の続落につながっていると思います。
 興味深いのは、これは読売新聞の調査だったでしょうか、総理の人間性とか総理に対する信頼感が相当薄れている。「首相が信頼できない」からというのが不信任の一番大きな理由になっていました。ということは、内閣改造をやったとしても、総理本人に対して今、国民の不信感が募っている時でありますので、改造でどういうサプライズがあるのかどうかわかりませんが、そういう問題で乗り越えられることではないのではないかなという印象を持っています。

【NHK・山枡記者】
 一方で民進党の支持率がなかなか伸びていかないという現状にある中で、党内人事ということもささやかれているが、もしお考えがあればお聞かせいただきたいが、内閣改造を踏まえた上で、そうしたことを党としても検討していくご意向があるかどうか、お聞きしたい。

【幹事長】
 まず、我々が、例えば都議選で受け皿にならなかった。今の世論調査を見ても、受け皿になり切れていないという傾向が出ていると思います。あした(11日)から18日にかけて都議選の総括を厳しくやっていきたいと思いますが、せっかく自民党の支持率が下落している、内閣の支持率が下落している、なぜそこに我々が受け皿になれないのか、ということがたぶん本質的な総括になると思いますので、総括をきっちりとやることが何より大事だと思います。
 人事が云々という話は、特に聞いていません。

【時事通信・岸本記者】
 都議選の総括、18日までというのは、そこで結論を一定程度出される予定か。

【幹事長】
 18日まで(党・国会議員からの)聞き取りが続くということですから、18日に総括を出すということではありません。ブロック別に、あしたから始め、最後のコマが18日にある。18日まで、総括するべくいろいろなご意見を頂戴する、そういう場があるということです。

【時事通信・岸本記者】
 その総括の結果いかんでは、代表や幹事長の辞任という選択肢も検討に入ってくるか。

【幹事長】
 まず総括をするということです。

【産経新聞・豊田記者】
 若狭衆議院議員が、都議選で都民ファーストが支持を得たのを受けてだと思うが、二大政党制の受け皿をつくるべきだということで都民ファーストの会の主張を反映した国政政党を年内につくる考えを示した。新しい国政政党が、二大政党制の一翼を担うとか、自民党への批判票の受け皿となることを狙ってつくられるとなると、これは現在の民進党の役割と重なるところも大いにあり、民進党にとっては役割の奪い合いというか脅威になると思うが、こういった動きについて、どのようにお考えか。

【幹事長】
 その周りの動きであるとか、まだ不確定な話を、今、私がとやかくコメントすることではないと思いますが、でも間違いなく(民進党は)現時点で全国に220名以上の公認候補を決めているわけです。一部の地域で頑張れる政党が出たとしても、全国で今の自民党に対抗して受け皿になれる政党は野党第一党の我々だと思いますので、しっかり都議選の総括をした上で、さらにパワーが発揮できるように頑張っていきたいと思います。

【産経新聞・豊田記者】
 都議選の直前に民進党の公認候補が相次いで離党するという動きがあったが、今回、国政政党が新たに立ち上がるという動きをにらんで、国政でも離党者が出てくるという懸念は、今も「そう簡単にふらふら動く人はいない」というお考えに変わりはないか。

【幹事長】
 そうならないように、総括をまずやることだと思います。

【日本経済新聞・浦崎記者】
 先ほどの党内人事と重なる質問だが、幹事長が辞意を漏らしているという一部報道も出ている。そのあたりの事実関係を伺いたい。

【幹事長】
 漏らしていません。

【フリーランス・上出記者】
 今の安倍政治、何とか退場願いたい、という声がだんだん広がっていて、都議選を機にますます内閣支持率などに表れているのではないかと思う。ただ、実際そういう人達が願っているのは、残念ながら民進党だけが伸びるというよりは、とにかく安倍政治を辞めさせてほしいと。つまり野党共闘がもっと盛り上がって、そういう力がまず大切なのではないかと。内部のことよりは、民進党はまずそちらに目を向けてほしいという声がいろいろなところから聞かれるが、やはり二大政党の受け皿ということがどうしても前面に出て、停滞しているのではないかと思う。その辺、今後の国政での野党共闘などについては、何か新しい考え方というものはあるかお聞きしたい。

【幹事長】
 野党連携で受け皿になってほしいという声も、もちろんあると思います。一方で、その受け皿についても十分でないと思っていることが、新しい動きに期待をするという、そういう声にもなっていると思います。いろいろな声があると思いますが、どちらにしろ、やはり国政において野党第一党の我々がきちっとイニシアティブをとっていくことが大事だと思いますので、それに生かされる総括をしていきたいと思います。

【毎日新聞・樋口記者】
 細かい確認で恐縮だが、都議選の総括について、18日まで意見聴取をするということだが、その後の取りまとめの時期的なめどは幹事長はどうお考えか。

【幹事長】
 ご意見をたくさんの方から頂戴したら、それを整理をして、いわゆる総括案というものをまとめていきたいと思います。その作業はあまり時間をかけるものではないと思います。まとまったものができたならば、その案について、全議員の皆さん対象にお諮りを、意見をあらためてお聞きする。最終的には常任幹事会でその案を確定する、というスケジュール、段取りでいきたいと思います。

【毎日新聞・樋口記者】
 そうすると、できるだけ早くということなので、例えば月内ということも可能性としては十分あるか。

【幹事長】
 「いつまで」と区切っては、ちょっと縛ってしまいますが。もちろん遅らせようなんていう気持ちは全くありません。早ければ早いほうがいいと思っています。

【読売新聞・藤原記者】
 都議選の総括だが、幹事長のおっしゃり方からすると非常に抜本的な、本質的な総括をしようという意気込みが感じられる。一地方選の結果の総括ではあるが、例えば政党の背骨である綱領を議論して変えたほうがいいのではないかとか、党名を変えたほうがいいのではないかとか、意見もこれから聞くところなので何も出ていない状況だとは思うが、そういうところまで踏み込んで考えるようなお考えはあるか。

【幹事長】
 基本的には党運営に関わること、党としてできることを、もっと何があるか、そういうことを真摯に反省しながら、というものだと思いますので、党名とか綱領に立ち入る話には、幾ら何でもないだろうと思います。

【時事通信・岸本記者】
 多少関連してだが、今井雅人議員が、都議選の総括に関連して、蓮舫代表の二重国籍問題について、戸籍を公開すべきと自身のツイッターに投稿されたが、幹事長としてはどうお考えになるか。

【幹事長】
 代表自身はこれまで、変化があるたびに、あるいはお尋ねがあるたびに説明されてきたと思います。その上で、戸籍を明らかにするというのはプライバシーに関わる問題ですから、これはご本人がどう判断するかですが、説明はずっと、その都度やってきたと思います。

【フリーランス・上出記者】
 先週の代表の時にも同じ質問が出たが、共産党などは安倍政権打倒で衆議院解散をはっきり出している。これについて蓮舫さんは、一般論としては当然そういうことは根底にあるということは言っているが、野田幹事長としては、国民へのアピールの仕方、あるいは戦い方としてこの辺の問題をどのように捉えているか。

【幹事長】
 それはもう代表がお答えしているのだったら、代表の言葉に尽きると思います。

○「共謀罪」反対集会について

【フリーランス・堀田記者】
 きのう久しぶりに、「共謀罪」反対ということで大きな集会とデモが新宿であった。その時に、各党を代表してではないが、福島みずほさん、初鹿明博さん、山本太郎さん、小池晃さんが上った。初鹿さんがスピーチを始めた時に、「おまえ、全然反省していないじゃないか」「どのツラ下げてここに来ているのだ」と、4、5人からあった。その後で、「野田を辞めさせろ」「野田を代えろ」というコールがあった。その後で、「蓮舫も辞めさせろ」「蓮舫も代えさせろ」というのがあった。(党の役職を)辞めて、それの会見もない。そういったけじめをつけていないことについて、どのように感じるか。

【幹事長】
 その生の現場にいたわけではないので正確に把握はできませんが、きのう党として弁士派遣という形だったのかどうか、わかりません。初鹿さんが行って発言されたということは事実でしょうけれども。彼の場合は、党の役職などを辞めましたので、それが一つのけじめになっていると思います。青年局長などを辞任されていますので、それは一つのけじめをつけたと思います。私に対して何のというのは、そういう声もあるということは受け止めなければいけないと思います。

○「こんな人達」安倍首相発言について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 子どもにとって総理大臣と天皇陛下はどっちが偉いのかわからないくらい偉いわけだが、その総理の資質が問われていると先ほどおっしゃったと思うが、食傷なネタだが、前総理であった野田さんとしては、「こんな人達」発言というのはどんなふうに受け止めておられるか。そこのところを伺いたい。

【幹事長】
 総理を経験した時に感じたことは、1億2000万人の人達の生活の全てにわたって、最後の責任は自分にあるということです。応援をしてくれる人、してくれない人、意見の異なる人、そうでない人、好きな人、嫌いな人、人間としてはあるかもしれませんが、しかし国民を分断するというのは、総理の資格は全くないと思います。その時点で総理の資格なしだと、私は思います。広く、自分に対する批判も厳しい意見も受け止めながら、きちっと日本を前に進めていくというのが総理の役割であります。人を分断する、国民を分断する発想があるとするならば、その時点で総理の資格に大いに疑問を持たざるを得ないと思っています。

○参議院選挙制度改革について

【高知新聞・福田記者】
 参議院の合区の選挙からちょうど1年になるが、あらためて合区の問題についてどう考えているのか伺いたい。自民党は改憲による合区の解消を訴えているが、それについてどう考えるのかということと、民進党は20県10合区案を軸に検討するという姿勢だったと思うが、その辺も含めて今後の議論をどう進めていくのか伺いたい。

【幹事長】
 改憲をしてまで合区を解消という考え方は、党内にはないと思います。それ以外については、参議院制度の抜本的な改革をどうやるかについては、岡田克也政治改革推進本部長のもとで三つくらいの方向性を今出して、その議論を深めているという状況であります。

【高知新聞・福田記者】
 改憲で合区解消はないというのは、それを否定するのはどういう理由からか。

【幹事長】
 憲法改正の項目として挙げるほどのことではないと。もっと知恵を出すべきだということですね。

○衆議院愛媛3区補欠選挙について

【朝日新聞・岡本記者】
 ちょっと気の早い話で恐縮だが、10月にも予定されている愛媛3区補選について。都議選とか次にある仙台市長選は国政選挙ではないという意味では、補選はやはり国政選挙という意味でまた位置づけが違うとは思うが、党としてこの補選の意義というのをどういうふうにお考えになっているかお聞きしたい。

【幹事長】
 やはりこれは国政選挙でございますので、この選挙は単なる1議席ではなくて、やはり全体に大きな影響を与える選挙だと思いますので、党として、それは総力を挙げて白石洋一さんの勝利に向けて全力を尽くしていきたいと思います。

【朝日新聞・岡本記者】
 そういう意味では、都議選とかでは出なかった執行部の責任というのが、それ以上に問われると思うが、その点についてはいかがか。

【幹事長】
 常に責任は問われます。去年の補選でも問われました。そういうものです。

【フリーランス・堀田記者】
 補選のことだが、2区の横山さんがきのう地元の今治で、はっきりと離党するということを言った。ただ、その届というのは創新会の松野さんが持っているので、松野さんと今話してきたら、総括が終わるまで待てと。補選もあり、横山さんの活躍というのもあると思うが、横山さんに対してはどう接するのか。

【幹事長】
 それこそ横山さんにも四国ブロック、中国・四国・九州ですが、ブロック(会議)で基本的なご意見を、どうしたらいいのかということをぜひしっかりとお話しいただくということが必要だと思いますし、妥当だと思うものは当然我々は受け止めていきたいと思いますから、そういう場にまず出てきてお話しいただくことが大事だと思います。

○加計学園問題 関係者の国会招致について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 和泉さんの証人喚問は国会が決めるということだが、これは与党が拒んだ場合は、民進党は国民運動も含めてどういう動きに出るのか。それから、文科省から天下った木曽さんが要するに事務次官にいわゆる陳情したという事実もわかったわけだが、やはりこの淵源となっている加計のトップ、オーナー、これをやはり国会に呼ばないといけないと思うが、その点はどうか。

【幹事長】
 当然、総理には出てきて説明責任を果たしてもらわなかったら、これはもう何も解明にはつながらないと思います。特にきょう(閉会中審査で)も出ていましたが、獣医学部(新設)を全国展開などと言ったのも、総理が突然言い始めている。そういうことも含めて、総理でなければ説明できないことはいっぱいあると思います。これはもう、総理が国会できちっと説明するというのはマスト、しなければならないことでありますので、強く要請をし、実現をしていきたいと思います。
 加計学園の理事長についても、そういう環境になってきたのではないでしょうか。やはりこれは大きな、当事者でありますし、官邸の周り、自民党の中にも加計理事長と深い関係の方が複数いたということがいろいろな疑惑の発生源だと思いますので、そういう段階になってきたのではないかと認識をしています。