党役員会見に関する基本的な方針について

蓮舫代表記者会見

2017年7月13日(木)15時00分~15時36分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=RQSvWpUDB7k


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○九州北部豪雨災害について

【代表】
 まず九州北部を中心とした豪雨による犠牲者ですが、これまでに確認されただけで29人となりました。亡くなられた方々に心からご冥福をお祈りしたいと思います。また、連絡がいまだにとれない方が20名程度おられるとも報じられています。引き続き救命・救助に全力を挙げていただきたいと思います。
 きのう(12日)で発生から1週間が経過しました。報道等、映像あるいは写真で拝見する限り、いまだに現場では土砂・流木が山積みになっている。大変な状況です。
 こうした中で、きのう安倍総理が現地を視察され、激甚災害の早期指定の方針を示されました。このことに対しては、ぜひ安全の確保に向けて、より一歩、力強い対策を講じていただきたいと、私達もでき得る限りの協力をしたいと思っております。
 民進党としては、発生直後に現地県連に情報収集を指示、党本部に対策本部を立ち上げるなどして、細やかな対応をしております。さらに必要な対策などを確認するため、あさって15日、私自身が現地に入って現地の様子を実際に見させていただき、被災された方達の声を聞かせていただき、何をしなければいけないかということも確認していきたいと思っています。

○臨時国会未招集 憲法に基づく開催要求から20日に当たって

【代表】
 きのう7月12日、野党が臨時国会の開催を憲法に基づいて政府に要求を行ってから20日がたちました。自民党の憲法改正草案では、憲法(の規定)による要請があった日から20日以内に内閣は臨時国会を開かなければならないとされております。なぜ改憲をみずから強く主張する総理がこうした自民党の憲法改正草案を守らないのか、強く抗議をさせていただきたいと思います。
 もちろん、加計・森友の問題だけではなくて、この九州北部の災害への対応、あるいは日欧EPAについても政府が情報を積極的に公開しないという問題もあります。1日も早く臨時国会を開いていただいて、多方面で山積している政治課題、しっかりと国会で議論させていただきたいと、引き続き山井和則国対委員長を通じて自民党の竹下国対委員長には求めて続けているところであります。積極的な、前向きなお答えがないというのは非常に遺憾だということは、私からも表明しておきたいと思います。

○「教育大・学部の統合」政府方針について

【代表】
 それともう1点。きょう(13日)、文科省が教育大・教育学部を統合する検討をしているという報道がございました。獣医学部の新設は全国展開をしてどんどん広げていく一方で、少子化を踏まえて教育学部は整理統合することが政府の方針だとすれば、こんなに相矛盾することはないと思っています。こうした部分もしっかりと国会を開いて政府からご説明をいただきたいと思っています。


■質疑

○台湾籍の離脱について

【産経新聞・奥原記者】
 11日の執行役員会等で、蓮舫さんは戸籍謄本の公開をする意向があるという形で報じられたが、これについて真偽をあらためて伺いたい。

【代表】
 戸籍謄本そのものとは言っていません。特に我が国におきましては戸籍というのはすぐれて個人のプライバシーに属するものであり、これまで私も言ってきましたが、積極的に、あるいは差別主義者・排外主義者の方達に言われてそれを公開するようなことは絶対にあってはいけないと、今なお思っています。前例にしてはいけないとも思っています。
 ただ、一私人ではなく、一公人ではなく、野党第1党の党首として、今、特に安倍総理に対して強く説明責任を求めている立場からして、極めてレアなケースではありますが、戸籍そのものではなくて、私自身が既に台湾の籍を有していないということがわかる部分、これをお伝えする準備はあるということです。

【司会・芝博一役員室長】
 きょうの戸籍関係についての発言は、ここまでにさせていただきたいと思います。資料の提示と説明を、18日に、最後の都議選の総括の(ブロック会議)、執行役員会、常任幹事会を終えた以降に、本人が会見の場を持たせていただきたいす。
 きょうこの場で、いろいろ皆さん方がお聞きになりたい部分はあろうかと思いますが、今、手元に十分な資料もありませんし、公開すべきものはきちっと火曜日にお出しをして、しっかりと説明をした上で、質問を受けさせていただくという形で約束させていただきますので、その点はよろしくお願い申し上げます。
 あすの夕刻までには、18日の日程を皆さんに連絡をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【フリーランス・宮崎記者】
 芝役員室長に伺いたいが、あすの夕刻までには明らかにして、18日にはブロック会議に出すとおっしゃったが、あすの夕刻に何を出すとおっしゃったのか。

【芝役員室長】
 あすの夕刻に、18日の日程感を出します。今、書類を整理中です。それから経緯も含めて、書類を整理しています。あすの夕刻までには確認できると思いますから、わかった段階で18日の日程をお示しします。

【TBS・牧野代表】
 会見も同じ日に、18日にあるのか。

【芝役員室長】
 はい、会見も同じ日にやらせていただきます。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 民進党の綱領には、「共生社会」とあり、「多様性」を重視するとある。私は考え方を伺いたいが、そういう政党がそういうものを、それが最大の障壁らしいが、公開するような、それって看板に偽りありではないか。先ほどおっしゃったような状況がどうだではなくて、本当に説明すべきは、先ほどおっしゃったような安倍さんとどうだではなくて、もっと根本的な、党の綱領に照らして、やっぱり変だなとみんな思うと思うが。それを伺いたい。中身ではなくて。

【芝役員室長】
 賛否両論あろうと思います。いろいろなお考え、質問もあろうと思います。そこの部分はしっかりと18日に時間をとらせていただきます。出すべきもの、公開するものは全てして、本人が質問も受けさせていただきますので、きょうは控えさせてください。これは約束させていただきますから。

【IWJ・城石記者】
 説明責任とおっしゃったが、何に関して説明をするのかというのが、この問題の当初からさっぱりわからない。日本国籍であることは明らかなわけだから、二重国籍のことなのか、それとも説明が二転三転したことなのか。何について説明責任を果たそうとしているのかお聞きしたい。

【芝役員室長】
 その全てをきちっと説明したいと思います。それは先ほど言いましたように、書類関係を(整理をし)そろえて用意させていただいて、事前に時間をとってブリーフさせていただきます。説明会を開かせていただいた上で、代表の会見をさせていただく。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 要するに民進党という村では女酋長いじめをしているんだというふうに私などには見えるが、その点はどうなのか。やはりこれが民進党の体質なんだと、背中から鉄砲を撃つと、そういうことなのではないか。

【芝役員室長】
 そのことも中身の部分ですから、当日しっかりと時間をとらせていただきます。

【朝日新聞・中崎代表】
 確認だが、あしたの段階でスケジュール感をということで、18日にされることとして、今検討されていることとしては、代表の謄本含めた。

【芝役員室長】
 諸々の資料を出させていただきます。

【代表】
 (あすは)日程等の確認です。何を資料でお示しをするかも含めて、今、弁護士を含めて整理をしています。
 ただ、多様性を否定するものでもなく、我が党の仲間が私をどうのこうのというものでもありません。私は多様性の象徴だと思っています。その部分では「共生社会」をつくりたいという民進党の理念には一点の曇りもありません。ただ、そこに対して若干の曇りが私自身の二転三転した説明にあるという疑念がなお残っているのであれば、それは明確にさせていただきたい。そのことに尽きます。

【フリーランス・田中記者】
 内容には踏み込まないが、今代表がおっしゃったことだけもう一回確認させていただきたい。台湾の国籍を有していないという部分をお伝えするとおっしゃっていたが、その一方で芝さんは、あらゆるものを出すとおっしゃっていたが、どうなのか。

【代表】
 芝さんの言いぶりが、ちょっとざっくり広いというだけだと思います。
 そこも含めて整理しますので。

【芝役員室長】
 はい。全てを整理して、お出しをします。至らないところは私の責任でございます。

【産経新聞・奥原記者】
 蓮舫代表は先ほど、排外主義・差別主義者に言われて公開するのではないと発言されたが、党内では蓮舫さんが説明を二転三転されたことで、本当に二重国籍の疑惑がないのかという声というのは、マスコミがこの問題を追いかけなくなってからもなお議員は聞かれていた。例えばそういう疑問を持つ声を、差別主義者・排外主義者と一くくりにするような発言が先ほどあったかと思うが、それについてどうお考えなのか。

【代表】
 それは受け止めが完全に間違っています。差別主義者やレイシストの方達の声には私は屈しませんし、世の中一般的に絶対にあってはいけません。それと党内の声は別です。

○都議選の総括について

【テレビ朝日・延増記者】
 現在、ブロック会議を開いて都議選の総括案をまとめるべく進めているが、一つの焦点は、今回の都議選の敗北はやはり反安倍政権の受け皿になれなかったということについてだと思うが、蓮舫代表は、民進党がその受け皿になれていない最大の原因は何だとお考えか。

【代表】
 18日までブロック会議がありますので、まずは皆さんの意見を伺って、総括を、執行役員会(など党内の会議・懇談会)も開いて決めていきますので、ブロック会議の途中で私から「こうだ」と限定的なことを言う立場には今ないと思っています。

【テレビ朝日・延増記者】
 有権者も含めて、党内からも、まず民進党が一体何をする政党なのかがわからないという声が目立つ。今後党勢を回復し反安倍政権の受け皿になるべく、やはり民進党の存在感が非常に重要になってくると思うが、蓮舫代表はそれについてはどのようにお考えか。

【代表】
 全くそのとおりだと思います。

【テレビ朝日・延増記者】
 今、総括案をまとめるべくブロック会議を開いているが、反安倍政権の受け皿、今後民進党はどうしていくのかということの方向性、ニュアンスでも、民進党・蓮舫代表としてはやはり総括をしないとその方向性を出せないのか。

【代表】
 都議選は惨敗です。なぜ負けたのかをしっかり総括して、その途中経過で、今仲間の大事な声を伺っているところです。それを聞いた上で、何が足りなくて、何を打ち出して、どうすれば我々がしっかりと選択していただける政党になれるのか。積極的な支持をいただけるのか。そういうふうに認識をしていただける民進党になれるのかをまとめていくのは、とても大事だと思います。

○「残業代ゼロ」法案について

【IWJ・城石記者】
 政府は「残業代ゼロ」法案について連合の要請を受けて修正する方針を固め、連合の神津会長は近く安倍晋三首相と会談すると報じられている。神津会長は、健康確保措置を手厚くするように政府に要請するということだが、この連合の修正要求に政府が応じれば民進党は法案に賛成する可能性があるのか。まだ中身は具体化していないが、重要な法案だと思うのでコメントをお願いしたい。

【代表】
 法案は大変重要だと思っています。特に働いている方達の労働環境をどれだけよくしていくかというのは私達の党是でもありますので、これまで連合の皆様方と政策協議もそれぞれ詰めながら、特に裁量労働制の拡大であるとか、高度プロフェッショナル制度のあり方については、極めて慎重であるべきというのが私達の立ち位置でした。こうした立ち位置は、もちろん連合も同じ認識でおられると思っておりました。
 ただ、ちょっと今回、若干報道が早めになされたこともあり、けさ、神津連合会長から私に直接電話がありまして、コミュニケーション不足だったことに対して陳謝をしたい、と謝罪がございました。ですから政調会長に私からも指示を申し上げて、どういう形でこれまで我々が一緒になって闘ってきた部分を守っていけるのか、あるいは政府と連合の関係もおありでしょうから、その部分は連合はどのように総括をしていくのか、密な連絡をとらせてくださいという話はしています。
 ご指摘のとおり、国会に仮に(「残業代ゼロ法案」修正案が)出てきた場合の対応ですが、それはそれでどういう内容のものが出てくるのか見なければ現段階では話せないと思いますが、しっかりとした党内手続をとることになると思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 この労働基準法の14条の改正案は2年以上前に出てきて、その時点では労働者派遣法改正案もあったが、派遣のほうは成立したが、労働基準法14条のほうは2年以上成立もさせない、審議入りもしない状況で来ている。手続はどうであれ、連合会長が修正に応じるということは、成立に応じると、普通に考えればそうなると思う。そういった国会内での闘争を連合会長が後ろから鉄砲を撃つようなことを任期間際にするというのは、ちょっと人としてどうかなと思う、神津さんというのは。連合発足以来最低最悪の会長だ。代表は、立場でおっしゃれないかもしれないが、どう思われるか。

【代表】
 やはり「残業代ゼロ」法案というのは、我が国で働く労働者全員にかかってくる労働環境の変化というものがもたらされますので、その中身においてはより慎重に、なおかつ最大限の情報公開をしながら、政府には丁寧な説明責任が求められるものと思っています。
 その部分では、今回、連合さんは政府との関係でさまざまなご提案をされると伺ってはおりますが、連合の中でも闊達な議論というのは封じられるものではないと思っていますので、そうした健全な議論を経て連合さんがどのような判断をするのかを、私達が口を出す立場ではないと思います。
 ただ、我々は公党として、その労働法制の中身が納得できるものなのかどうなのかは、しっかりと独自の判断をするべきだと思っています。

【芝役員室長】
 今の発言の中でちょっと、あまり記者会見の場でふさわしくない発言がありました。そこは議事録から抹消しますが、いいですね。

【フリーランス・宮崎記者】
 それはじゃあ、終わった後に話しましょう。

【芝役員室長】
 これは我々としてもきちっとした公式の場ですから。後で話をしましょう。

【フリーランス・田中記者】
 ふさわしくないから抹消します、というのはどういうことでしょうか。宮崎さんの質問は、どの字句がふさわしくなかったのか、僕はピンとくるが、それでもやはり抹消するというのは好ましくないのではないか。

【芝役員室長】
 後で話し合いをしましょう、ということです。発信しますから、全てこの中身は。質問側も答弁側も。

【代表】
 ちょっと丁寧にやらせてください、そこは。

【フリーランス・上出記者】
 今のは非常に重要な問題なので。記者会見の場で記者が言ったことを、これは言論の自由ですからね、それに反することですから。評価の問題です。罵倒している言葉ではない。確かに相手にとっては聞きよくないかもしれないが、これは相談の意思はないと思う。

【芝役員室長】
 後で発言者と相談させてください。

【フリーランス・上出記者】
 それは私は反対。民進党はそういうことはやってはいけない。

【芝役員室長】
 わかりました。後は宮崎さんに、判断に任せます。

【代表】
 私達は情報公開・透明性を重んじておりますので(代表会見はネット)中継されているますので、いろいろお思いのことはありますが、個人攻撃に当たるかのようなことは、私としても、それに対して直接お答えするのは難しいと、そこはご理解をください。そこは丁寧にやらせてください。

【芝役員室長】
 発言を制限していることは全然ございませんから、考えは。

【フリーランス・宮崎記者】
 今、代表が「中継中に」とおっしゃったが、後の話し合いは入らないので、一言だけ。私の考えだ、と言ったはずです。私はそう思う、とたぶん言っています。

【共同通信・野見山記者】
 今の関連の話で、民進党は極めて慎重であるべきだという立ち位置だということで、その点の確認だが、以前は、第1次安倍政権の時は「ホワイトカラー・エグゼンプション」という名前で、それから名称を「高度プロフェッショナル制度」と変えて、年収要件も変えるというような方向性で進んできたが、こうした制度の方向性について、労働者の働き方に資する改革と本当に言えるのかどうか、その辺の立ち位置をあらためてお考えを伺いたい。

【代表】
 幾つもの論点はあると思います。特に裁量労働制の場合には、じゃあ営業職まで本当に広がるのだろうかと。そういう意味では、連合の中ではそこはしっかり担保をして、際限なく広げるのは、しかも政省令ですから、そこはどこかで明快な担保をしてもらいたいというのは私達の中でも主張がありました。高度プロフェッショナル制度においても、年収要件はありますが、政省令でそれを際限なく引き下げられるおそれがありますので、一度法律が通ってしまえば国会が関与しないところで政府の裁量によってその判断が引き下げられる、あるいは広げられるということはあってはいけないと思っています。そういうことなど新たに出されてくるのであれば、注視していかなければいけない点ではないかと思います。

【共同通信・野見山記者】
 連合との関係で、さきの原発政策をめぐってもそうだが、今回も若干のそごというか、すれ違いの部分が見受けられる。労働組合と政党で立場は必ずしも完全に一致するわけではないと思うが、こうした現状が続いていることについては率直にどのように思われるか。

【代表】
 コミュニケーション不足だったのは、これは改善しなければいけないですが、健全だと私は思っています。私達政党と連合、確かに最大の支援団体ではありますが、それぞれ別人格でありますから、やはりそれぞれの立場において政策をしっかり議論してまとめていって、一つの考えを出していく。
 例えば原発に至っては、脱原発という方針、もう一度議論していくという俎上ができたことによって、多いときで週に2回、議論を進めることによって理解を得られながらさらに前に踏み出していったということもあります。全く同じで議論をしないという不健全性から比べたら、極めて前向きな方向性をお互いそれぞれが歩いていると思います。

【NHK・花岡記者】
 先ほどの発言の中で確認をさせていただきたいが、連合の神津会長ときょう電話でお話しされて、神津会長から、コミュニケーション不足だったという謝りの言葉があったと。このニュアンスというのは、報道が間違っているということではなくて、そういった報道が出る前に民進党と話をするべきだったと、そういうニュアンスでよろしいか。

【代表】
 それは神津連合会長にご取材をしていただければと思います、誤解が出ないように。
 私が連合会長と話したのは、私への説明、あるいは政調会長への説明が随分とぎりぎりだったものですから、会長としてはもっと早くから説明をされているというような認識だったようで、そこにそごがありました。それだから、コミュニケーション不足というところを陳謝をされた。そういう経緯です。

【日本経済新聞・加藤記者】
 関連してだが、連合の内部でも、表立って修正を政府側に求めるということに対して反発の声が産別でも上がっている。民進党とのコミュニケーション不足も含めて、連合のこういった動きについて、どういうふうにご覧になるか。

【代表】
 私がどうこう、連合内部のことについて口出しをする立場ではありません。ただ、やはり最大の支援組織なので、一つの成果物としてまとめていただいたものに対して、我々が公党として政調中心に向き合うというのがこれまでのスタイルです。
 ただ、今回の様子で言いますと、我々とのコミュニケーション不足もそうなのですが、やはりまださまざまな声がおありのようなので、そこはしっかりと議論をしていただきたいということは、私からも会長を通じて申し上げています。

【東京新聞・我那覇記者】
 いわゆる「残業代ゼロ」法案について基本的なところを確認したい。内容はこれからなので中身にはあまり踏み込まないが、これまで過労死を増長するとか「残業代ゼロ」という指摘を民進党としてはされてきて、すごく強い反対姿勢を示していた。それからすると多少の微修正では賛成は当然できないと思うが、基本的に絶対譲れない部分というのはどういうところなのか、あらためてお考えをお聞きしたい。

【代表】
 なかなか、労働法制に対して今ここで基本的にどこかというのをまとめて一言で言えるとは思っていません。それこそ三六協定の上限の時間の問題もありますし、あるいはそれと相まって、こうした高プロであるとか裁量労働制を1本で束ねてまとめて出てくること自体も、法律の立て付け、立法府の審議そのものを随分軽視しておられる。ここはやはり譲れないと思っています。それぞればらして、1本ずつしっかりと審議をするべき内容だと思っています。
 やはり我々民進党の立ち位置としては、働く人達のことを考える政党でありますから、使われて、切り捨てられて、そしてその命さえも危うくなるような労働環境があるのであれば、それを改善するのが政治だと思っています。残念ながら、今の安倍内閣から出されている法案は一貫してそれをむしろ助長するかのような方向の流れなので、これに対してはしっかりと向き合わなければいけないと思います。

○「共謀罪」反対集会について

【フリーランス・堀田記者】
 9日の日曜日に集会・デモがあった。メインは、「こんな人達」と言われたことと、「共謀罪」反対だ。新宿中央公園からデモがあって、その後で、党の人からの話があった。初鹿さんが登ったら、そこに集まった170人、180人のうちの4人か5人からだが、「おまえは反省していないじゃなか」「帰れ、帰れ」と言われた。その後に「野田は辞めろ」「野田は交代しろ」と言われた。それから「蓮舫も辞めろ。交代しろ」と言われた。ここに初鹿さんが行くということは代表は知っていたか。

【代表】
 承知していませんでした。

【フリーランス・堀田記者】
 これは別に後で取材したら、党のほうに「代表的な人、来てくれ」と言ったわけではないが、福島さん、山本さん、小池さんは、ある意味で党の代表クラスの人だ。初鹿さんは違う。そこを言われていたが、これについてどうか。

【代表】
 ちょっと持ち帰ります。「こんな人達」と区切るような人と我々は違いますので、なぜそういうふうになったのかということを。

【フリーランス・堀田記者】
 「こんな人達」と言われた人達が集まった。やゆしていました。

【代表】
 わかっています。ちょっと持ち帰らせてください。

【フリーランス・堀田記者】
 徹底して批判されていた。

【代表】
 その声も真摯に受け止めます。

【フリーランス・堀田記者】
 他の3人が代表クラスなのに、代表ではないような、都連の幹部でもない人をやって、一般的に見たら、代表クラスが来ている、それに対してどうですかということをお聞きしたい。

【代表】
 初鹿さんが出られたことも承知していなかった。

【フリーランス・堀田記者】
 その前提条件としてお願いします。

【代表】
 おっしゃる意味はよくわかりました。

○核兵器禁止条約への日本の不参加について

【フリーランス・上出記者】
 数日前の話になるが、国連で核兵器禁止条約が採決された。これは非常に画期的な内容だが、政府は日米同盟を優先させる、それから今の国際的な安保環境から現実的ではないということで、反対されている。民進党も、民主党時代にやはり日米同盟の重要さについてはいろいろ皆さん言っておられたが、その辺から行くとなかなか簡単な問題ではないと思うが、今の民進党の立場からして核兵器禁止条約、政府がかなり厳しく非難していることも含めて、どういうふうにお考えか。賛成なのか反対なのか含めて伺いたい。

【代表】
 その場での(核廃絶を訴えてきたサーロー節子さんの)スピーチはとても感動的だったというのは、私も印象に深く残っています。これに対して政府が、やはり随分と消極的というか後ろ向きな姿勢に終止したというのは、非常に残念だと思っています。もちろん日米関係もあれば、あるいは国連の中でのさまざまな立ち位置、やるべきこと、何を主導するべきか、さまざまな理由はあるかとは思いますが、やはりそれに対してなぜ賛成しなかったのかということについても、しっかりと説明は得られていない。そうしたものをまず聞かせていただいて、我々としての考え方もまとめていければと思います。残念ながらまだ我が党の中では、外交・防衛でここはそんなに深めていなかったと思いますので。ご質問の趣旨、よくわかります。

○宮城県仙台市長選挙について

【時事通信・丸橋記者】
 23日投開票の仙台市長選が事実上の与野党対決の構図となり、安倍政権の支持率が下がる中で国政にも影響を与える選挙として注目を浴びている。郡和子候補、無所属だが、事実上民進党も含めた野党共闘の候補となっており、民進党としてこの選挙をどのように位置づけているかということと、どのように郡候補をバックアップしていくかということをあらためて伺いたい。

【代表】
 郡市長候補は市民からの強い要請を受けて判断をしたと、私も報告を受けています。今回の選挙戦も、そうした幅広い市民の皆様方のご支援をいただいて、市民の声を代弁する、説明をしっかり果たしていく選挙戦を戦っていると伺っています。
 その部分では党を前面に出して組織的な支援は行っていません。ただ、我々の大切な、古い時代からの仲間でありますので、個人の思いがある代議士・議員が、秘書も含めて、個々の判断で支援をしていますので、そうした部分で私達の仲間も市民の一人だという立ち位置で支援をしているところです。
 何とかいい形が出ればなと、私自身も郡さんは非常に大事な友人ですので、頑張ってもらいたいと思っています。

○次期総選挙での鞍替え出馬について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 都議選の責任のとり方について、東京の選挙区の最も厳しいところで退路を断って戦うと、それで範を示してほしいという意見があったと聞くが、戸籍いじめと違ってこれは真っ当だと思うし、みんな共感すると思うが、この受け止めと、東京の選挙区でどこで戦うということをいつおっしゃっていただけるのか、この辺を伺いたい。

【代表】
 最終的な調整は今なおしているところですので、ちゃんと判断ができた時にはご報告をします。