党役員会見に関する基本的な方針について

蓮舫代表記者会見

2017年7月18日(火)17時00分~18時08分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=uP3Bzt_Fps4


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○国籍問題に関連する資料の開示について

【芝博一役員室長】
 きょう午後0時半から大串博志政調会長と弁護士によりまして、これまでの経緯の資料並びにもろもろの関係書類・参考資料等々をお渡しをしまして、事前の説明会をさせていただきました。あらためて蓮舫代表から冒頭コメントをいただき、皆さん方のご質問をお受けしたいと思います。

【代表】
 本日、私が既に台湾の籍を有していないことがわかる、戸籍の一部を含めた関連資料をお示しいたしました。
 本来、戸籍は開示するべきではないと思っています。また、誰かに強要されて戸籍をお示しすることはあってはならないことだというのは、まずもって申し上げさせていただきたいと思います。ただ、私は民進党の代表、野党第1党の党首として、私の発言の信頼が揺らいでいることがあってはいけないということ、それと、何よりも現政権に対して強く説明責任を果たすように求める立場であることに勘案いたしまして、今回戸籍の一部を含めた、台湾籍を有していないことがわかる資料を公表させていただきました。ただ、これを他者に当てはめたり、前例とすることは断じて認めることはできません。このことは冒頭に強く申し上げさせていただきたいと思います。
 本日、資料でお示しして確認できる事実関係でありますが、昨秋からご説明しているとおりであり、これまでの説明と全く相違はございません。
 1985年の改正国籍法施行によりまして、私は17歳の時に届け出で日本国籍を取得いたしました。あわせて、台湾籍放棄の手続を父が完遂してくれたものと理解をしており、昨年指摘をいただくまで、台湾籍を持っているとは考えたことも、思ったこともありませんでした。
 昨夏、報道の指摘を踏まえて、台湾当局に念のための確認をさせていただきましたが、私の台湾籍が残っていることが判明いたしました。当時、私の記憶によって説明があやふやになってしまったこと、申しわけございませんでした。17歳で日本国籍を取得して以降、旧国籍法、改正国籍法、私がとらせていただいた経過措置も含め、あるいは戸籍法に関してもっともっと私が関与して関心を持って勉強して確認する行動をとるべきであったと、深く反省しています。自分の不確かな記憶で説明してしまったことも謝罪をさせてください。
 台湾籍が残っていたことを確認した後に、速やかに離脱手続を行いました。昨年9月23日に台湾当局から9月13日付の国籍喪失許可証書を受領いたしました。これをもって戸籍法106条による外国国籍喪失届の手続を行ったところ、10月7日にこの届出が不受理となったことから、法務省の説明を踏まえまして、同日10月7日に国籍法14条2項にのっとりまして、外国籍を放棄する「選択の宣言」を行いました。「選択の宣言」の日付は去年10月7日であります。
 戸籍はすぐれて個人のプライバシーに属するものであります。戸籍の一部とはいえ、選択宣言の日付を公表することに私は一貫して慎重でありました。特に選択宣言、その日付が記されたページは、私に関する情報が載っているものではなくて、私の娘と息子に関する記述のあるページです。そのことからも、この戸籍の一部を公開することに対して私は慎重でした。
 ただ、この春、双子がそろって二十歳になり、成人年齢に達したことから、この戸籍あるいは台湾籍の問題等について、離れたところにいたのですが、デジタル情報等を通じて連絡をとり合っておりました。7月に息子が留学先から帰国した機会にあらためて子どもたちと、家族で話し合いをしたところ、家族の了解が得られたこと。それと、私が一人の政治家を超えて、より強く説明を求められる公党の代表として、この立場を勘案して今回、資料の開示を判断したところであります。
 「公党の代表だからこそ、慎重な姿勢を貫いてほしい」、この声も多くいただきました。本当に細やかに意見書・要望書を送っていただけたことにも、感謝を申し上げます。多様な声があるということ、そしてそれをしっかりと受け止めたいと思う気持ちは十分にあります。ただ、他方で私に「台湾の籍が残っているのではないか」と指摘をされ、私が手続をわかっておらず、高校生の時以降考えたことのない台湾籍について記憶に基づいて話したことによって、不安定な印象を深めてしまいました。それを払拭することなく「私は正しい」として、時の政権に対して「間違いを正してほしい」「説明をしっかり果たしてほしい」と言うこと、その求める姿は説得力に欠ける。この判断が資料の開示につながったことを、ぜひご理解をいただきたいとお願いします。
 今回、選択宣言の日付を公開し、台湾籍が残っていないことをお伝えしましたが、こうした開示は私で最後にしてもらいたいと思います。「すべて国民は、法の下に平等」(日本国憲法第14条)です。人種や性別、社会的身分などで差別をされてはいけない。親や本人、子どもの国籍、髪や肌の色や、名前や、出自など、日本人と違うところを見つけて、「違わない」ということを戸籍で示せと強要されることのない社会をしっかりとつくっていきたいと思っています。多様性の象徴でもある私が、みずからの経験をもって、差別を助長することのない社会、多様性を認め合う共生社会を、民進党代表としてつくっていきたいということを最後に強く申し上げたいと思います。
 きょうはお集まりいただき、ありがとうございました。私からの冒頭の発言は以上です。


■質疑

○国籍問題に関連する資料の開示について

【テレビ朝日・延増記者】
 今回、このタイミングで戸籍情報を公開するに至ったその理由について、あらためて詳しく聞かせていただきたい。

【代表】
 一貫して慎重であったことは、子どもが未成年であったということ。特に選択宣言の日付が記載されたページには子どもに関する記述があったということが、とても大きいです。春に、日本でいう成人年齢に達し、そしてこの件について話し合ってきました。そして7月に息子が留学先から帰国したことから、家族で顔を合わせて話し合って、「これはむしろ、一部であれ、しっかりと公表してもいいのではないか」という理解が得られたこと、これは私の心の中でとても大きいものがあります。
 もう一つは公的な立場でありますが、一政治家よりも公党の代表として、民進党、野党第1党の党首として、国会においては時の政権、特に今の総理には強く強く、「みずからがお話しになり、説明責任を果たしていただきたい」と求める先頭に立つ立場でありますので、こうしたことも勘案をしまして、私が不安定な説明によって疑いが持たれていると思われることについて、しっかりと皆様方に資料を公開したところでございます。

【テレビ朝日・延増記者】
 きょうブロック会議を終えたが、そのブロック会議でも戸籍情報の公開を迫る声もあったり、このタイミングで公開したのは、やはり二重国籍の問題が都議選の敗因の一つになったというお考えもあったのではないかと思うが、いかがか。

【代表】
 実際にブロック会議ではさまざまな声もありました。積極的に公開すべきだという方もおられたし、一方で、慎重にされるべきだという声もありました。ただ、やはりブロック会議全体の声を聞くことも大事だと思ったので、終わったというのは一つの区切りの時期だとは思っています。
 ただ、都議選における敗北の主力な要因として私の国籍の問題がそう大きかった、ボリュームを占めているとは思いませんが、いずれにせよ公党の代表である私の発言の信頼に、「本当なのだろうか」という思いを持っている方がおられるとするのであれば、それを裏付ける資料は差別を助長しない形で、私が前例とならない形で、極めてレアなケースということをお願いして、今回公表することにいたしました。

【時事通信・山田記者】
 まさにタイミングの話だが、今おっしゃった理由であれば来週でもよかったのかなと思うが。この日曜日には仙台市長選挙があり、来週には総理が国会に出られるという話もある。まさにきょうであるという理由は、そうした政治日程との兼ね合いがあったのか、なかったのか。そのあたりはどうお考えか。

【代表】
 それは全くありません。来週でもよかった。でも、来週になったら、「再来週でもよかったのではないか」。いろいろな政治日程がありますので、さまざま、いつ会見をしても、「なぜ今」と、聞かれると思いますが、やはり家族の理解が得られたこと、そして国会においてしっかりと私達が説明責任を時の政権に求めていく、その先頭に立つ立場である私が判断をしたら、1日も早い公表というのが、私のこの問題に向き合う姿勢だとご理解をいただければと思います。

【朝日新聞・中崎記者】
 冒頭の発言の中でも代表は戸籍について、原則としては公開すべきでないものであると繰り返された上で、私を最後にして、前例にすべきでないとおっしゃった。戸籍は極めてプライバシー性の高いもので、これまでいろいろ歴史的な経緯もあって、いろいろ懸念の声は代表の耳にもたぶん届いていると思うが、代表の問題意識として、戸籍を公開すべきでないというのはどういう問題意識に基づくものかということと、加えて、前例にするべきではないということを重ねておっしゃったので、その前例にしないためにどのような手だてを講じていくお考えか。その2点を伺いたい。

【代表】
 特に、戸籍に記載されている極めて秘匿性の高い個人情報をもとに、例えば結婚であるとか、就職であるとか、いろいろな部分で差別が助長されてきた歴史というものも、大きな問題として我が国は抱えています。そして、この差別をなくすために大変な努力をされてきた、まさに当事者であり支援者であり、そして基本的人権をしっかり守るんだという認識を持った方達の(努力の)結果として、戸籍というのは極めて秘匿性の高い情報だと思っています。だからこそ、安易に公開を迫られるものでもないし、他者によって強制的に「それを示せ」と言われるものでもないというのが、私の最も根源的な認識であります。
 他方で、今回、一部とはいえ公表したことを、やはり前例にしてほしくはないのです。これまで差別を助長することがないようにと、秘匿性を高めてきたものですから。さらにここは個人が自分で戸籍を守ることができる社会をつくる、それこそが今の日本の多様性の社会において民進党がまさに政治の世界でそれを守っていく役割を、「共生社会」を綱領に掲げる私達だからこそ、特に私は代表としてやらせていただきたいと思っています。

【「ニコニコ動画」・七尾記者】
 関連だが、おっしゃることはよくわかるが、ただし、そうは言っても前例になる懸念というのは残されると思う。例えば今後、こうしたことが悪しき前例にならぬように、民進党・蓮舫代表みずからが建設的な政策なりルールづくりなりを主張していくというお考えについてお聞かせいただきたい。

【代表】
 ぜひ、考え得る、考えられる政策であれば、全て対象にしていきたいと思っています。直接的な戸籍の開示を強要されない政策には当たらないかもしれませんが、過去、民主党が2009年に政策インデックスで、総選挙でお約束をさせていただいたのは、国籍選択制度を見直すという内容でした。
 まさに私が届け出によって経過措置で日本国籍を取得した1985年に改正国籍法が施行され、この2009年というのは、国籍の選択制度が入れられてから生まれた子ども達が選択を迫られる年齢になっていました。その時に、多様なヒアリングをした時に、「重国籍を容認してほしい」。就労、生活、父母の介護など、両国間を往来することも多いし、例えばダブルのアイデンティ。アイデンティは私も父にもあるし母にもありますからその気持ちはよくわかるのですが、「こうしたアイデンティを認めてほしい」ということ。あるいは、「国際的な基準に合わせていただきたい」という要望が強くあったことを踏まえて、当時の民主党が約束したものでありました。
 例えば2015年、厚労省の人口動態調査を見ると、新生児の約1.9%が、お母さんかお父さん、どちらかが外国籍。数にすると、今生まれている赤ちゃんの53人に1人が、私達の時代では「ハーフ」と言っていました、今は「ダブル」と言うのかもしれません。ご両親のどちらかが外国籍。
 そうしたことを踏まえると、多様性を歩み出している日本において、やはりこの二重国籍のあり方をもう少し踏み込んで見直してもいいのではないか。これは民進党でまだ始めたことがありませんので、ぜひ、私が代表でいるうちに議論をさせていただければと思います。

【フリーランス・安積記者】
 戸籍が極めて個人情報に関係することであることはわかるが、戸籍の開示については当初からのテーマではなく、これは代表の国籍の問題についてどうだったのか、二重国籍であるのかどうなのかというのが最初の議論だった。それをきちんと説明されないままここまで来て、それで世論が高まって、それだったら戸籍の開示という話になったわけで、これを私人にまで拡大するということは問題のすりかえだと思うが、これについてどうお考えか。そもそも最初に、初動をきちんと説明していれば。例えば民進党がここまで、支持率が上がることがなかった。しかも安倍政権がこのような状況で、その受け皿になり得ていない。都議選でも5議席という結果になった。その都議選で戦っている最中でもやはり二重国籍についての疑問も出ていた。こういうことについてどういうふうな責任をお感じになっているのか。

【代表】
 冒頭ご指摘の部分、そのとおりだと思います。事実の確認であるとか、法的評価を混同して発言してしまったことが、私の発言として一貫性を欠いていたこと。それがあやふやな説明として浸透してしまったこと。それによって、「本当なんだろうか」と思う人達が存在してしまったことは、私の発言によるものだと思っています。そこは全ての今回の問題の原点です。
 その部分において、私は戸籍の開示というのは慎重ではありましたが、やはりずっと、私の発言が「本当なんだろうか」と思っておらえる方達がいることを、仲間からも、あるいは政界以外の方からも言われていたことは事実でありましたし、先ほど来何度か言っていますが、幾つかの条件をクリアして今回資料を公開するということになりました。

【読売新聞・森山記者】
 きょう公表された資料は、おっしゃるようにいずれも秘匿性の高いものだというのは十分理解するが、昨年秋の時点で、一番秘匿性が高いとされる戸籍謄本の一部を除いて少し公開をして説明責任を果たされる、という考え方というのはおありだったのかどうか伺いたい。

【代表】
 昨年の秋の時点では、ありませんでした。何度も申し上げさせていただいて恐縮なのですが、子どもが成人年齢に達していないことが最大の理由です。

【朝日新聞・田玉記者】
 きょう開示された戸籍のところで、先ほどおっしゃったように選択宣言の日付というのが新しく出たと思うが、一方で代表は秋の時点で、日本国籍を選択宣言したこと自体は公表されていたと思う。それだけではどうして説明責任が果たせていない、不十分だと思われたのか。つまり、きょう新しく出てきたのは日付だけだが、そこはどういう違いがあると思ったのか。

【代表】
 去年の秋の私の発言は、まさに選択宣言をしたということもありましたが、その前から踏まえると、一貫していない説明が幾つもあったように思えます。やはり高校生の時だったので、例えば17だったか18だったか、誕生日の前だったか後だったか、こんな基本的なことすらも、私の記憶があやふやだったことで説明に一貫性がなかったのが幾つか積み重なっていました。だから、それも含めて選択宣言だけを発表すればいいというものでもなかったように思います。

【「アゴラ」・新田記者】
 まず蓮舫さんに、去年から我々「アゴラ」のほうからも再三公開をお願いしておりましたが、まず、この非常に難しい決断の中、率直に公開されたことに対しては敬意を表したいと思います。
 きょう、これまでご説明していただいたとおりのものをきちんと裏付けで出していただいた。国籍選択日が10月7日であるということがこれで確認できたし、台湾籍もちゃんと離脱されていたことが、きちんと公的な証明でそれぞれ裏付けられた。ただ、反面、10月7日に国籍選択宣言をされたということは、結局、正式な形としては二重国籍の状態でその時期までずっといらっしゃったということでもある。2004年の選挙公報では、プロフィールに「1985年、台湾籍から帰化」ということで、つまり台湾の国籍から日本国籍に変わったという意味合いに普通だったら考えられる内容で表示されている。私もこの当時、東京都民の一人として、蓮舫さんに投票するかどうか非常に考えていた有権者でもあるわけだが、結果として事実と異なる経歴を表示されていたわけで、そのことに対する政治責任という、例えばちょうどこのタイミングで、つい先ごろ、オーストラリアでは二重国籍が発覚した議員が、過失犯とはいえ、先週に続き2人目の方が辞職を表明された。そういうこともあり、公開はされたが、ただ、やはり国籍法に残念ながら違反していたことは確定したので、やはり何らかの形の政治責任。オーストラリアでは議員報酬返上もどうやらターンブル首相が検討するようなことを言っているようだが。その辺も含めて政治責任を今後何らかの形でとられるのか。その辺のご見解を伺いたい。

【代表】
 国籍法に関して手続を怠っていたことは事実ではありますが、故意に怠っていたわけではなく、17歳の時に日本戸籍を取得してから、私はずっと台湾籍はもう放棄したものだと思っていました、思ったままでした。その中で、2004年、政治家にさせていただいた時の(選挙)公報に記載した部分は、まさに台湾から日本人になったと、日本国籍取得を「帰化」という形で使わせていただいたという認識であり、それ以上深いものでもなかったと思っています。故意ではないとご理解をいただければと思います。
 オーストラリアの件に関しては、憲法違反にあたる件だったと思いますが、その評価はちょっと私はわかりません。

【フリーランス・宮崎記者】
 今回公表されて納得がいったが、要は今後、総理大臣になっていく可能性もある中で、外交に関して伺いたい。危機管理の話なので、「仮定の話には答えられません」とお答えできない話だが、例えば南シナ海で我が国の海上自衛隊の護衛艦と台湾の船がぶつかって事故が起きたと。それで中国が「そこは領海だから、国内法でやる」というふうなことになった時に、それは日本の総理大臣という形で国民のためにやるでしょうけれども、ちょっと疑念が生じることがあると思う。そういった時はどうされるか。

【代表】
 お立場上あえて聞かなければいけない質問だとは思うのですが、愚問だと思います。日本人のために、次の世代、日本の子ども達のためにいい日本を残したいと思って政治家になっているわけですから、そこは迷うことなく我が国の国益を考えます。

【フリーランス・宮崎記者】
 1年前の外国特派員協会で、17歳の時にお父さんは台湾語で台北駐日経済文化代表処で会話をされたとおっしゃっていた件、それは北京語でなくて台湾語ということなのか。また、日華断交後、商売をされていたから、どちらかと言えば共産党よりも国民党のほうにシンパシーが強いというようなことがご家族ではあったのではないか。当時、そのほうが普通だと思うが。その辺、北京語でなく台湾語だったのか、また共産党と国民党、日華断交後に家庭とかで会話をされたことがあるか伺いたい。

【代表】
 17歳の時の私は、北京語と台湾語、いわゆるビン南語の区別がそうつくものではありませんでした。ただ、自分自身で拙く勉強していたものもあり、いわゆるマンダリンとは違うイントネーションのやりとりが要所要所であるのかなと思っていた程度の認識です。
 それと17歳の時点で、父と政治的なものを話した記憶は正直あまりありません。ただ、今お話しになられた国民党であり共産党でありというのは、それ以降の話で恐縮ですが、私はそれ以降、例えば天安門事件があったりいろいろなことがあって、自分で勉強していった時に、あらためて台湾の歴史を学んで、台湾で生まれて台湾で育ったいわゆる「本省人」と呼ばれている方達が必ずしも国民党を歓迎していたわけではないという歴史も学んでいますので、今となっては父に確認するすべはありませんが、共産党にも国民党にもそう強い支持を持っていた人ではないように思います。その部分では、随分さまざまな生き方を祖母の代からしていますもので。それはちょっと確認できないので恐縮ですが。ただ、17歳の時点でそうした政治的なことを議論をしたことは記憶にありません。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 父と母から生まれた子どもが二つの祖国を持つということはよくあることで、それをプライドに持つことは人間の尊厳だと私は思っております。蓮舫さんの父上は、戦前は日本人であったわけで、すると、戸籍法のこの記述というのは、はっきり言ってわかりにくいというか、かかる複雑な状況について決して親切ではない。18歳の時にそういうことを、「二つの祖国の一つを選べ」みたいなことを言っている法律というのも私はよくわからないが、それは制度としてある。そういう意味で、戸籍法に対して物を言いたいことはあるのか、ないのか。
 それから、あらためてこの一連の流れ、この一連の報道を含めた日本社会について、やっぱりその非寛容というか、少し日本が嫌いになったという面はないか。

【代表】
 大好きですよ、日本は。  今おっしゃった戸籍法に対して物を言うというか、立法府にいる者ですから、いろいろな法律を見ていて、やはり法律はわかりづらいというのは一般的にあると思っています。ただ、私の場合はそうした改正前の国籍法、改正後の国籍法、あるいは経過措置、それとあわせた戸籍法、やはりもっともっと関心を持って学んで確認をする行動をとってこなかったことは、何度も言いますが、深く反省しなければいけないことで、法律が悪いわけでもないと思っています。

【時事通信・岸本記者】
 国籍法違反だったという状態に関して、代表は国会議員、大臣経験者、また野党第1党の党首だということを踏まえて、率直にどうお考えになっているかという点と、もう1点、端的に、ご説明はこれで十分責任を果たされたと思っていらっしゃるか。2点伺いたい。

【代表】
 ご指摘のとおり、手続を怠っていたことは事実であります。いずれにせよ、私はずっと日本籍のみだと思っておりましたので、去年ご指摘をいただくまでは疑ってもいなかったことであります。その部分では、故意に怠っていたわけではありませんが、公職に就く者として深く反省をしています。
 説明責任は、これまでも求められて言われた時には説明をさせていただくことはしていましたので、「はい、これで終わり」ということではなくて、引き続き丁寧に、理解をいただけるように、そして私のような境遇におられる方達が同じように悩んでおられるのであれば、その方達の声に耳を傾けて立法化していく、政策化していく。それと、秘匿性の高いプライベートな情報が、「日本人であることを示せ」と強要されるような社会をつくってはいけないのだということを、しっかり我々の政党としてやっていきたいと思っています。

【フリーランス・上出記者】
 これまでの質問とちょっと重なるが、まとめみたいな形で質問させていただきたい。きょう、こうやってたくさんの記者が集まる中で説明されて、これが今後、いろいろな評価があると思う。民進党を何とか引きずりおろしたいという立場からこれを捉える人、それから差別助長につながらないようにと願っている人、いろいろな方がいると思うが、これがどのようなきっかけで、どういうふうに今後の民進党の活動につながっていくと、きょうの説明の意義についてあらためて語っていただきたい。朝日新聞などは、こんなことをしても本当に票は増えるのかというような社説も掲げられていたが、結局、これが今後どのように役に立っていくのか。

【代表】
 役に立つための会見ではないということはご理解をください。票を増やすための会見でもないということはご理解をください。
 公党の代表として、私の発言が、私の不確かな記憶によって一貫性のない説明をしてしまったことが、「疑いがある」という声が今なおある。それと、家庭の問題をクリアしたこと。そして今、国会において今の政権の間違いをただす、その先頭に立つ立場であるということ。全てを勘案して、今回率直に、開示できる資料を含めてお示しをして、皆様方にお集まりをいただいて、私の思いをお話しさせていただいたところです。

【やまと新聞・松原記者】
 事実関係の確認だが、資料の中にパスポートの写しが入っているが、1987年7月に期限が切れていると思うが、この後に更新とか再発行で(台湾の)パスポートを取得したことがあるのかどうか。それと、これの失効後に台湾に出入国されているかと思うが、その出入国の時に提出されているのは日本国籍のパスポートでされていたということでよろしいか。

【代表】
 すべて、「はい」です。これ以降、台湾のパスポートは申請もしていませんし、持ってもいません。これ以降は、全て日本国の発行するパスポートで、台湾にその後行った時にも、その日本国のパスポートを使っています。

【テレビ朝日・延増記者】
 一つ前の質問に関連するが、蓮舫代表としては、今回の戸籍情報の公開で一つの説明責任を果たすことで、民進党への信頼回復につなげたいというお考えはあるか。

【代表】
 日本人のお母さんや日本人のお父さんを選んで生まれることができない。その中で、私は台湾の父、日本の母のもとで生まれて、幸せに育ってきて、公職に就いて活動してきた。そして代表を目指して、その時に「台湾籍が残っているのではないか」という指摘を受けて、まさかと思って調べたら、残っていた。そのことに関して深く反省をしながら、質問があればきちんとその都度お答えをしようと努めてきました。
 戸籍の一部を開示することについては常に慎重でいたということは、変わりありません。ただ、そのことによって私の発言の信頼性が揺らいでいると受け止める方が国民の中におられた。そして、その声を伝えてくる方もおられた。その部分で、家族の理解とか、あるいはさまざまにそろった資料をしっかりお示しをするという今回の判断に至った、それが率直なところでありまして、党のためとか、何とかのためということはない、というのはご理解をいただければと思います。

【朝日新聞・中崎記者】
 今回の一連の騒動というか、お話の中で、自民党の中やあるいは一部のメディアから、例えば「スパイ」なんていう言葉も聞こえてきたりということがあった。実際に日本には数十万と言われる重国籍の方がいらっしゃるという指摘もあり、法務大臣として勧告というのはできる制度にはなっているが、実際にそれはされたことがないというような状況になっている。多様なルーツを持つ方は日本にたくさん住んでいて、少し不安に思った方もいらっしゃると思うが、今回の騒動、当事者として経験されて、そういった方々への、心情等も含めてどのようにお感じになったか伺いたい。

【代表】
 子どもはやはり親を選べないわけですから、先ほどご紹介した数字で言って、私も最新の数字を調べて「あ、こんなに増えてきているんだ」と思ったのは、やはり1年間に生まれる新生児、赤ちゃんのうちの53人に1人のお父さん(もしくは)お母さんが外国人であるということ。そうすると、その子達は親を選んで生まれてくることはできないわけで、生まれた時から二つの国籍、二つのルーツを持つようになる。その方達が22歳になるまでに選ばなければいけない。
 その制度のもとで、重国籍でいる人達全員を一刀両断に「スパイだ」と言ってしまうのは、ある意味非常にせつないし、もし立法府に身を置く者がそういうことを言っているのであれば、じゃあそれは「スパイだ」という立証をどういうふうにしていただけるのか。それを言われることによって自分が否定されるような思いを持つ子、思いを持つ人がいないように、配慮をしなければいけないのだと思う。その発言は全く共感できません。
 ただ、私の不安定な発言によってそういう思いをするような発言を招いてしまったとすれば、それは私の反省するところだと思います。

【IWJ・城石記者】
 きょうの午前、路上で排外主義者達に常に対峙している学者の方や弁護士さんが中心になって、民進党に、戸籍の一部であっても(公開しないよう)申し入れ書を出したが、その記者会見の席で、ある弁護士が、「路上でも排外主義に対峙して、民進党も含めて法律もつくった。その流れを信用してほしい。蓮舫さん、もしきついのだったら、我々は幾らでも助けるから、そう言ってくれ。その流れを今、つくっているんだ。その上で、野党第1党の党首として、戸籍を開示しないことが責任なのではないか」とおっしゃっていた。
 一部であれ、隠している部分があるにしても、開示してしまった以上、差別を受け続けているマイノリティの方達にもしおっしゃりたいことがあればお願いしたい。

【代表】
 そうした申し入れ、いただきました。しっかり読ませていただいて、本当にしっかりとした考え方を持っておられるし、この方達がやはりヘイトスピーチに対して、あるいは排外主義者に対して、毅然とした対応でこれまで向き合ってきた姿勢には共感をしますし、その部分では私達もヘイトスピーチをなくすための法律もこれまでつくってきました。これからも同じ姿勢で、基本的人権に配慮する、基本的人権を守るための活動は、民進党として行っていきたいと思います。
 今ご指摘の、まさにさまざまな出自とか性別とかいろいろなものによって、マイノリティとして差別を受けている方達に寄り添う。その方達の声をしっかりとくみ上げる。そして共生社会を実現する。それを多様性の象徴でもある私が先頭に立って実現してきたいと、これはとても強く思っています。

【「アゴラ」・新田記者】
 先ほど、もちろん故意ではないということで、我々もそう思っているが、過失とはいえ国籍法に違反していたことに対して、例えば公職選挙法は過失で「うっかり違反」なんかあるわけで、やはりそこに対して一定の責任なり謝罪なりいろいろあると思う。過失とはいえ、結果的に違反してしまったことに対して、その辺のところの見解を。
 もう1点。はっきり言って複雑な国籍制度の問題、ぐちゃぐちゃしているので、多重国籍者の方は推定で少なくとも50万人はいると言われている中で、例えば、先ほどおっしゃっていたが、2009年の時に政策インデックスの中に国籍法改正等を入れていたし、その前には2008年には自民党が河野太郎さんのプロジェクトチームで、公職を除いて二重国籍を容認するということも案としては上がっていた。例えば臨時国会とか次の総選挙のマニフェストで国籍法改正を掲げるとか、そこはまさに民進党としての政策を示すところでもあるかと思うが。きょう昼間、大串さんにもお聞きしたが、あらためて代表としての蓮舫さんのご見解をお聞きしたい。

【代表】
 前段の部分においては、まさに公職にある者として反省をしています。やはり思い込んでいた、それが事実と違った、その解消に向けて最善の、最速で、努力をしてきました。それに関する資料は今回お示しをしたとおりです。これに関しては、やはりもう深く反省するしかありません。
 後段の部分においては、2009年の、民主党時代の話であって、民進党ではまだ議論はしていません。ただ、やはり党首である私が、今こういう部分で皆様のお手を煩わせて取材にも来ていただいていますから、このことがある意味、いろいろとこれから広がると思います。実際に二つ、あるいは三つの国籍を持っておられる、例えば日本の国籍法で、どちらかの国籍を選択をしろと、あたかも自由のように思えるのですが、他方で日本以外の籍、日本以外の国で国籍を抜けることができない制度になっている国もあるのです。その場合では、我が国の法律で言うと、日本国籍を選択できないという、むしろ逆の強要を迫る法律という立て付けにもなっていると思いますので、このことについて真剣に議論を始めたいと思います。
 もちろん、(議論を)始めることによって逆の意見もおありだと思います。「多様性」と言いながら、国会議員は重国籍の方はだめだという判断をしている方もおられるかもしれません。ただ、私はそうではなくて、いろいろな方が多様性を持って我が国の共生社会をどうやって実現していくことができるか、そのための戸籍法・国籍法はどうあるべきか、これはぜひ考えさせて議論させていただいて形にしたいと思います。ただ、時間軸についてはいついつまでと言うのは、なかなか今示すのが難しいのですが、必ずやらせていただきたいと思っています。

【フリーランス・安積記者】
 先ほど、台湾籍を離脱した経緯、お父様が離脱の手続をされたと勘違いをされたというお話、それは理解したが、一方、代表は政治家になられる前にタレントとして活動されていて、これはお父様から受け継いだ台湾のアイデンティティを一つはタレントとしての個性としてお使いになっている。その関係の発言は幾つかあるが、アイデンティということはいいが、事実として、こういう記載がある。「週刊現代」の93年2月6日号は、「父は台湾で、私は二重国籍なんです」と発言されている。また、朝日新聞、93年3月、「在日の中国国籍の者としてアジアからの視点にこだわりたい」と。「CREA」の97年2月号では、「だから自分の国籍は台湾なんですが」と発言されている。これらの記録は、先ほどの代表の説明と矛盾するが、これについてはどういうふうなことか。

【代表】
 当時の、タレント時代の私が、事実の確認や認識あるいは法的評価を混同して、幾つか今お示しいただいたように発言をしていました。今振り返ると、随分浅はかな発言だったと思っています。
 他方で、当時私は本名で、「蓮舫」という名前で、アジアのダブルのルーツを持っているという部分でキャラクターを立たせる形で、タレントであり、あるいはその後はニュースキャスターをして、特に中国や香港、台湾、アジアの問題と日本をつなぐジャーナリストの役割を果たしたいという部分は、これは自分のルーツをもとに際立たせていたこともあります。
 その部分で、ハーフという部分、ダブルという部分を強調したことが、結果として今、法的な評価、あるいは事実関係を含めて、そごが生じているのは本当に申しわけない。当時の発言が軽かったと思っています。

【フリーランス・安積記者】
 ということは、この「二重国籍」とか「中国国籍」といった発言は、当時としてはうそをついていたということになるのか。

【代表】
 「二重」という部分でも、「ダブルのルーツ」という言いぶりだったと思います。あるいは、国籍、台湾ではあるのですが、当時の日本では中国国籍でしたから、そういう部分を発言したことはありますが、いずれにせよ全部、私の中では、ハーフであり、多様性があり、二つのルーツ、アジアに拠点を置く活動をしていく立場に自分がなりたいという思いで、それで幾つか強調して話したことがあるのだと思います。

【東京新聞・我那覇記者】
 確認だが、今回公表したものは、結果的には国籍の選択宣言とか、代表が一番慎重、ためらった理由として挙げておられた「子どもが成人年齢に達していない」というところとは関係がないというか、出そうと思えば去年でも、同じように白塗りにした形で公表することはできたと思うが、なぜ、一番早くで言えば去年の代表選のころに、今回のような形で公表できなかったのか。これまで幾つかタイミングがあったと思うが、その辺をもう一度伺いたい。

【代表】
 今回お示しをさせていただいた資料は、ある意味セットだと思っています。選択宣言の日付だけを、一部とはいえ公表したら、「選択宣言をしても台湾の籍は残っているのではないか」という声がきっと出てくると思います。そうなると、台湾の国籍喪失許可証書もあわせて出さないと、本当の部分で台湾籍を有していないということ、私が言っていることを裏付けることにならないと思ったのです。そういう部分ではセットだと思っています。そのセットの中に、やはり戸籍の一部というものが含まれているのであれば、当時子どもが成人年齢に達していないこと、何度も言って恐縮なのですが、その部分でブレーキがかかっていて、そして今回になった。そのようにご理解ください。

【IWJ・城石記者】
 先ほどの「アゴラ」の方の質問の関連だが、IWJでは、この問題は一切法律に違反していないというスタンスでいるが、民進党として、あるいは蓮舫さんとして、これは国籍法に違反していたんだというお考えか。もしそうだとすれば、どの点が違反なのか。

【代表】
 国籍法上、我が国は重国籍を保有することはできず、それを選択する制度が1985年に導入されました。その時において、その施行された前日までに未成年だった子どもは特例措置で3年間、届け出ることによって日本国籍を取得することができます。私はこの経過措置を活用して、届け出で取得をしました。それ以降、台湾籍をもう有していないという認識でずっといたものですから、私自身は法律を順守できていないという認識はありませんでした。
 ただ、昨年指摘を受けて、台湾の籍が残っていることが確認できたものですから、速やかにその籍を放棄する手続をとり、そして本来であれば台湾の籍が抜けたことを届け出ることによって受理をされて終わったものが、不受理という形でしたので、選択宣言という次の、法務省の説明にのっとった手段をとらせていただきました。

【産経新聞・石井記者】
 本日のお話で、蓮舫さんが代表としての立場、公人としての立場というのと、一人のお母様としての立場というのを非常に比重を持って今回の公表に臨まれたことがわかったが、どうしても、先ほどの東京新聞の方の続きになってしまうが、このお子様のことが関係すると言われる国籍選択の宣言の日付のところ、これを見ても真っ白になっていて、何かしら直接的な関係があるとは思えない。そのほかにも、ご本人のサインの部分などは白塗りにされたものを公表されている。お子様の立場、未成年という立場にこだわられたお気持ちを伺いたい。

【代表】
 確かに石井さんや第三者から見たら、それは何が書いてあるのかわからず、「子どもの戸籍の記載のページですよ」と言われて初めてわかるものだとは思うのですが、親としてはそこに書いてあることはわかっているわけで、それに対して、極めて秘匿性の高い戸籍、仮に白塗りにしたところで、それを出すということは、親としてはやはり成人年齢に達して理解を得られて、たとえ白塗りにするにしても、ものすごくそこは慎重になるという思いがあるということ、これはぜひご理解をいただければと思います。

【「ニコニコ動画」・七尾記者】
 あえてお伺いするが、今の関連で、公表が今になった理由については子どものことがあったと。それは親として当然のことだと思うが、ただ、その一方で、蓮舫代表は党の代表でもある。公表が遅れたことによる党への影響、これはどれだけの影響かというのはちょっとわからないが、例えば選挙に勝てない、あるいは支持率の低迷。公表しないことによる、子どもとの兼ね合いで、一方で党の代表であることの心の葛藤というか、これはどういうものがあったのか。

【代表】
 葛藤というのか、党の代表としても、信頼性が私の発言によって揺らいでしまったのであれば、それを正すべき立場にあるのだと思っています。
 ただ、そこにおいて、そもそも戸籍、秘匿性の高いものを公開すべきではない、慎重だという姿勢はその時からも変わっていません。ただ、そこにプラスアルファで家族のことが乗っかってきている。ぜひそれでご理解いただければと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 蓮舫さんが17歳の時に日本の国籍を与えてくださった亡くなった父上は、その時に蓮舫さんに何とおっしゃったのか。これから日本人だから、実際、蓮舫さんは台湾語ができるわけでもないようだし、お父さんにはお父さんの気持ちがあったのだと思う。戦前は日本人だったわけだし。そういう父上のことを思うと私は非常にいろいろなことを思うが、お父上は何とおっしゃったのか。それを覚えていたら教えていただきたい。

【代表】
 父にまで思いを寄せていただいて、ありがとうございました。
 あの時は、17歳、そうですね、いろいろな手続、いろいろな事務作業等もありました。特に兄も弟も全員そろって届け出によって取得していたものですから。あるいはばらばら、学校の事情があったので、一緒に話すことはあまりなかったのですが、父が言ったのは、「これで選挙権が得られる」ということを言われて、「納税だけではなくて、選挙権が得られる。この立場はとても尊いものだ」と言われたように思っています。だから、二十歳になって以降は、全ての選挙に行っています。

【毎日新聞・眞野記者】
 7月に家族で相談して公表を決めたということだが、資料に書いてある戸籍の(交付)日付が6月28日になっていて、都議選中だが、あらためて公表を決めるに至った時系列をもう少し詳しく伺いたい。

【代表】
 家族における経緯は、去年こうしたさまざまなことがあって、連絡は常にとっていました。どういう状況なのかというのは、子どもたちにも報告をして、彼・彼女達なりからの意見もありました。そして春、成人をした、我が国では大人になったという部分で話をしていって、実際に資料も見たほうがいいだろうと思い、これを取り寄せたのは息子が留学先から帰国する直前です。新しいものをと思い。ただ単に物理的に取りに行った日時がここだったというわけで、この直後に息子は帰ってきていますから、実際にそれを見て、「この部分を示したい」という話し合いをしました。

【サンケイスポーツ・丸山記者】
 今回、故意ではなかったにしても、国籍法の義務を履行されていなかったのは事実だ。差別を助長する云々とは別に、今回、説明責任を求められてこうした対応をとられたわけだが、今後もし現行の国籍法のもとで同じようなケースが起きた場合に、その国会議員なり党首なりに同じケースが起きた場合に、説明責任があると思われるか。

【代表】
 あると思います。ただ、戸籍の一部であれ公表というのは、極めて慎重に、できればやられないほうがいいと思います。

【産経新聞・奥原記者】
 ネットの情報ではあるが、今なお蓮舫さんが中国籍を持っているのではないかとか、三重国籍の疑いがある。先ほどフリーの方も質問されていたが、代表のタレント時代というかニュースキャスター時代に、情報誌などのインタビューで、ご自身が「中国籍」「台湾籍」であったりという発言を展開されているわけで、三重国籍の疑いも言われているが、その点についてお答えいただきたい。

【代表】
 三つ、私が国籍を持っているということですか。

【産経新聞・奥原記者】
 そうです。台湾籍と、中国籍、そして日本籍を持っているのではないか、という疑いがある。

【代表】
 台湾籍と中国籍って、一緒に保有できるんですか。

【産経新聞・奥原記者】
 それも含めてご回答いただければ。

【代表】
 いや、ちょっと聞かせてください。

【産経新聞・奥原記者】
 ネットで言われている、不確かな情報について、「ない」ということを言っていただきたい。

【代表】
 それは、ネットで言われている真偽不確かなことを、産経新聞さんが今、理由ではなくて、私に確認をしている、という質問でよろしいですか。  はい、あり得ません。

【フリーランス・田中記者】
 ダブルパスポートやトリプルパスポートもある国というのは世界にざらにある。そんな中で、台湾の国籍を離脱していなかったということが問題になるこの日本の社会を、どう思うか。ちょっと一般的な質問で申しわけないが。そういうことをこういうふうに取り沙汰される国自体、どう思われるか。

【代表】
 まず、全てにおいて、きょうもこうして皆様方にお集まりをいただいてしまったのは、私の不確かな記憶、不安定な発言に端を発して、やはりそれをちゃんと裏付ける資料を、センシティブなものも含めてお示しをすることになってしまったのは、深く反省します。本当に申しわけないと思っています。
 ただ、その上で、現行法においては、やっぱり二重国籍は(どちらかの国籍を)選択をする制度になっているので、この法令は今の日本においては守るべきものだと思っています。ただ、その先として、生まれる赤ちゃんの53人に1人の割合でハーフの子どもさんが生まれる。そして実際に、総理自身も「世界で一番働きやすい国にしたい」、つまり外国の方にも来ていただける、ヒト・モノ・カネも全てが国境を越えて、多国籍、国際的な社会になろうという時代、そうなってきている時代において、今の法律が合わないのであれば、もう少し違った改正をしなければいけないと思いますし、特段、共生社会、多様性を認めた我々民進党としては、そのリードの先陣を切りたいと思っています。

○その他

【テレビ東京・大江記者】
 安倍政権の支持率が下落する中で、民進党がその受け皿になり得ていないという状況、民進党党内からも不満の声が執行部に上がっている現状だと思うが、そんな中で、民進党をこれからまたどうやって一つにまとめていかれるのか。そして、どうやって国民の支持を得ていかれるのか。そのあたりどうお考えか伺いたい。

【代表】
 一つ一つ丁寧にやるしかないのだと思っています。やはり、その受け皿、そして積極的な支持をいただけるには、私達は何をするべきか。私達は何をする政党か。民進党は、誰の何を代弁して、どんな社会をつくるのか。その政策をやはり高く掲げることに尽きると思っています。例えばきょうの機会もそうなのですが、多様性を認める、「自由」「共生」「未来への責任」、その共生社会、「すべての人に居場所と出番がある、強くてしなやかな共に生きる社会をつくる」という我が民進党の原点。それをもう一回、強く強く訴えていく立場にいると思っています。
 その上で、次の世代に、例えば差別を助長するような国家ではなくて、何かを強要するような社会ではなくて、やはり豊かなものを残したい。それは脱原発であり教育の無償化であり、次世代の豊かさというものを、民進党は自民党と違って残していける唯一の政党だということを、丁寧に丁寧に訴えていきたいと思います。

【テレビ東京・大江記者】
 先ほどもお伺いしたが、民進党内で執行部に対する不満というのは、この問題も含め、それから都議選の結果も受けて、高まっていると思う。その党内の不満の声を蓮舫代表ご自身がどのように認識していらっしゃるか。また、それにどう対処していこうとお考えか伺いたい。

【代表】
 いろいろな声があります。率直に言ってきてくださる方、丁寧にメールをくださる方、いろいろなやりとりを通じて、しっかりとその思いをプラスに持っていけるように頑張りたいと思います。

【テレビ東京・大江記者】
 蓮舫代表が周囲に弱気な発言を漏らしているというような話も聞こえてくるが。

【代表】
 本当に?

【テレビ東京・大江記者】
 はい。代表を続けるという意思にお変わりはないか。

【代表】
 私もよく弱気な発言はしています。  それと、代表の話につきましても、今、東京都議会議員選挙のブロック別会議を終えた直後でございますので、その総括の作業をまず進めたいと思っています。

【テレビ東京・大江記者】
 最後に確認だが、あらためて先ほどの質問だが、代表を続けていく意思に変わりはないということか。

【代表】
 きょうは、ごめんなさい、戸籍の話でしっかりと説明をさせてください。

【東京新聞・我那覇記者】
 確認だが、先ほどの発言で、ブロック別会議を終えた直後で、その総括をまず進めたいと。これまで都議選後の党の会合で、最前線で引き続き頑張りたいと、今後も続けていく意思をお示しになっていたかと思うが、そこに変化があったのかどうか、確認だけさせていただきたい。

【代表】
 特段ないです。