蓮舫代表

 参院予算委員会で25日、安倍内閣の基本姿勢に関する集中審議が行われ、質疑に立った蓮舫代表は、(1)南スーダンPKO日報問題(2)加計学園問題――について、安倍総理や関係閣僚に質問した。

 質疑の冒頭、「九州北部豪雨で亡くなられた方へのご冥福と、被災者にお見舞いを申し上げるとともに、秋田県、新潟県でも豪雨災害が起きている。政府には万全の対策を講じてほしい。民進党としても全力で協力させていただく」と述べた。

 蓮舫代表は、「事実に基づくという言葉が揺らいでいる。記憶はなくなる。記録は相変わらずない。求められていることは丁寧な口調ではない。確たる記憶と、動かざる記録。そして納得できる説明をしてほしい」と述べた上で質問に入った。

 はじめに南スーダンPKO日報問題を取り上げた蓮舫代表は、「防衛省で何が起きているのか。稲田防衛大臣は防衛省をしっかりと統制できているのか」と質問。稲田大臣は何度かの質疑のやりとりの後、「さまざまな批判があることは承知している。しかし、問題の南スーダンPKOの日報については、私が指示をして日報を公表した」「なすべきことをやっていく。統制は効いていると考える」とようやく答えた。

 これに対して蓮舫代表は、「統制が効いているのに、なぜ次から次へと内部情報が洩れるのか」と指摘するとともに、「現在行われている特別防衛監察の中身が一斉に報道された。この報道された中身は本物なのか」と問いただした。稲田大臣は、「特別防衛監察の事実調査は継続されている状態だ。報道されているものが何であるか、私は承知していない」と答えるにとどまった。蓮舫代表は、「現在報道されている特別防衛監察の内容は、ある意味内部告発的な中身だ。メディアに情報が公然と漏洩している。これは憂慮すべき事態ではないか」として、稲田防衛大臣を罷免するよう安倍総理に迫った。

 加計学園疑惑を追及した蓮舫代表は、「事業主体が加計学園であったことを安倍総理は1月20日に初めて知ったということは本当か」と問いただしたが、安倍総理は「申請は今治市であることは承知していたが、事業者が加計学園であると知ったのは1月20日だ」「国家戦略特区の議長なので、申請すれば知りうる立場にはあるが、今治市の提案と加計学園の申請など、整理が不十分なまま答弁したところがある」と答弁した。蓮舫代表は、「不十分な整理のまま答弁したというが、『2007年に福田内閣で申請を受けたが対応不可と知っていた』『安倍内閣の構造改革特区で申請されていたことを知っていた』『国家戦略特区への申請は議長だから知りえることになる』など、不十分ではない。1月20日ではないのではないか。もう一度記憶を呼び戻してほしい」と、再度の答弁を求めた。安倍総理は、「申請を決定する段階の1月20日に諮問会議の議長として加計学園の計画について承知した」と、繰り返し答弁した。

 これに対し、6月5日の参院決算委員会での民進党の平山佐知子議員の「加計さんが獣医学部を新設したいという思いはご存知でしたよね」との問いに安倍総理が「安倍政権になってから、国家戦略特区にその申請は今治市とともに出された段階で承知した」と答えていることを蓮舫代表は指摘し、「1月20日に知ったということとは違う」と厳しく迫った。しかし安倍総理は、「急な質問があり、混同したところがある。整理が不十分なまま答えた。加計学園と今治市を混同した」など、苦しい言い訳に終始した。

 こうした答弁に蓮舫代表は、「とても不誠実な対応だ。記録は廃棄され、証言を求めると記憶をなくし、総理は国会答弁を修正する。信頼できない。これで幕引きではない」と述べ、疑惑を解明するために、憲法53条に基づいて早急に臨時国会を招集するよう強く要求した。

参院予算委員会集中審議