党役員会見に関する基本的な方針について

蓮舫代表記者会見

2017年8月10日(木)14時31分〜14時56分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=TDQ4aCeAdq0


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○北朝鮮のミサイル発射計画について

【代表】
 まず北朝鮮のミサイルについてです。
 北朝鮮が弾道ミサイル発射計画を発表いたしました。その内容なのですが、「日本の上空を通過させ、グアム島周辺の海上に落とす」とする中身であると同時に、仮に発射した場合、「日本の島根県・広島県・高知県の上空を通過」と、極めて具体的な飛行ルートを予告しました。
 これは決して看過できる状態ではないと思っています。仮に計画が実行された場合、我が国の安全保障にとって極めて深刻な事態でありまして、北朝鮮に対しては断じてこうした計画を実行しないように、強く強く求めたいと思います。
 政府におきましては、日米、日米韓の連携強化はもとより、あらゆる手段を講じて北朝鮮の計画を阻止するために全力を挙げていただくことを強く要請したいと思います。

○閉会中審査・南スーダンPKO日報問題について

【代表】
 また、きょうは衆議院・参議院で閉会中審査が行われています。
 まず、野党が要求した安倍総理・稲田元防衛大臣の出席を自民党・公明党が拒否したことに、強く抗議を申し上げたいと思います。
 午前中の(衆議院)安保委員会を見ましても、やはり当時の大臣がいないことには、一体大臣は報告を受けていたのか、受けた上で了承して隠蔽していたのか、核心の部分が何一つ明らかになりません。現大臣は元大臣と電話でお話をしたと言いますが、どういう電話内容だったのか、何をもって信頼に足ると判断したのかも、やはり説得力が薄いと言わざるを得ません。
 自衛隊という実力部隊が隠蔽体質になってしまっていて、それを政治が追認するという事態が本当にあったのか。国会での答弁が虚偽だったのか。これはまさにシビリアンコントロールの根底が揺らぐ話でもありますので、引き続き稲田元防衛大臣の国会への参考人招致、並びに引き続きの委員会、もう一度開いていただきたいということは国対を通じて与党に強く申し上げたいと思います。

○加計学園問題・森友学園問題について

【代表】
 また、きょうも民進党の加計学園疑惑調査チームが開催されますが、まさにこれまで安倍総理がお話しになられている「丁寧な説明」が全くなされていない中、うそが上塗りされているのではないかという事例が次から次へと明らかになってきております。
 報道等を通じましても、2年前の4月、愛媛県・今治市の担当者のみならず、加計学園の関係者までもが当時の柳瀬総理秘書官と面談をしていたことが報道されています。これが果たして事実なのかどうなのか。
 その後、私達民進党の加計学園疑惑調査チームで明らかになったのですが、面談をしていたとされる4月のわずか2ヵ月後の6月、国家戦略特区のワーキングチームに加計学園関係者が出席して、直接説明をしていたことも明らかになっています。
 つまり、ほかにも手を挙げるかもしれない、まさに公平中立でなければいけないワーキングチームに特定の加計関係者だけが出席して説明しているのは、もうこの2年前の時点で始まっていた。京都産業大学には具体的なスケジュール、あるいはさまざまな具体的な詳細な内容が全く説明されていないのに、なぜ加計だけにずっと丁寧な対応がなされていたのか。点と点が全て線でつながっているように見えます。
 引き続き、迅速に国会を開いていただいて、そろそろこの問題に終止符を打つための努力を、安倍内閣自身が、「仕事人内閣」として最後の仕事で、もうこれはこれでピリオドなんだという情報公開をしていただきたいし、国会での委員会審議に積極的に臨んでいただきたいと強く要求させていただきます。
 これは森友学園も全くそうなのですが、国有地の払い下げにつきまして、財務省、近畿財務局と籠池理事長との間で具体的な価格交渉があったことを示すメモとか音声が、既に公然と報道されています。
 国会で、政府はこれまで、事前に価格を示すことはあり得ないとしていましたが、国会での答弁を覆す記録が政府側にはないのに、なぜ、メディアの報道でそれがなされるのか。なぜ、私達の加計調査チームで確認をしたら、そういう事実があったということが認められる事態になるのか。余りにも国会軽視ではないかと、これも強く抗議を申し上げたいし、加計・森友問題、そろそろ終わりにするために、何度も申し上げます、国会を開いていただいて、安倍総理・安倍内閣は丁寧な説明をして国民の疑念を晴らす責務があると強く申し上げます。

○最後の定例会見に当たって

【代表】
 きょうが最後の(定例)会見になります。これまで本当にありがとうございました。


■質疑

○代表退任に当たって

【読売新聞・森山記者】
 きょうは最後の会見ということで、あらためて1年間の代表活動を振り返ってのご所感と、次の代表が決まるまでまだ1ヵ月弱あるが、そこでどう切れ目のない党運営を続けていかれるか、その意気込みを伺いたい。

【代表】
 まずは、きょうの国会、閉会中審査もそうですが、やはり国会を開いて審査をするとまだまだ審議し足りない部分の論点が見えてまいりますので、引き続き、稲田さんに来ていただいたり、あるいは安倍総理にお越しいただいて、予算委員会の集中審議を行うという課題が今なお残っています。
 また、憲法53条の臨時国会の開催要求もしておりますので、これは引き続き強く求めていくと同時に、10月には愛媛・青森で(衆議院)補欠選挙がありますので、ここに対する対応もしっかりとしていかなければいけませんし、先ほど言及しましたが、北朝鮮のミサイルへの対応、これは一刻の猶予もないと感じられるところでありますので、これはいつでも執行役員会を開く態勢というのは先ほどの執行役員会で確認させていただいております。常任幹事会についても、何かの有事の際あるいは開催の必要性を感じた時には招集することは確認をさせていただいています。ここは次の執行部ができるまでに万全の態勢で引き継ぎをさせていただければと思っております。
 1年近く代表を務めさせていただいて、本当に国会の、あるいは安倍内閣の信頼が揺らぐ1年だったと思っています。それに対して、「攻め」と「受け」の部分で、攻める部分の力は十分にあることはむしろ明らかになりましたが、「受け」の部分の不十分さ、この部分は次の執行部にしっかりと蓄えていただいて、特にエネルギーの問題であるとか、あるいは社会保障、生活保障、消費税と社会保障のあり方も含めて、あるいは憲法のことも含めて、弾込めはほぼ終わっていると認識しております。次の執行部にはこの弾込めを完全に終わらせていただいて、総選挙にいつでも臨める態勢で臨んでいただく、そのための仕事はさせていただいたと思っています。

○加計学園問題 設置審の認可判断保留について

【朝日新聞・中崎記者】
 加計問題について伺いたい。文科省の学部新設にかかる審議会が、新設を認めるかどうかの判断について保留することを明らかにした。先ほど加計調査チームのほうでは、通常1回保留すると10月の下旬から場合によっては11月、12月とかいうこともあると発表されていた。折しも補選が愛媛である時期で、10月になると補選の後に判断先送りとなりかねないと思うが、これについて代表としてお考えがあれば伺いたい。

【代表】
 政治的戦略で先送りしたのではないと思いたいと思います。なぜならば、来年4月に開学というふうに目標を定めて、学生にも応募の手を挙げるような手続が進んでおりますので、開学できるかどうかも含めての設置審の判断が1日でも遅れるということは、学生にとってはまさに自分の将来の夢がどうなるかという瀬戸際になると思っているのです。まさに、どこを向いて政治を行っているのかと考えたら、新しく就かれた文科大臣のやる仕事は先送りではなくて、一刻も早い判断だと私は思います。
 また、この時期において大学側に、例えば教授陣の年齢であるとか、あるいはカリキュラムの内容であるとか、その確認を求める。余りにも、余りにも初歩的なことをこの段階で求めるというのが、にわかには信じがたい。過去の大学設置審の審議ともう少し丁寧に比べてみなければいけないと思いますが、そう当たり前のことが行われている判断だとは思えないのですね。その部分では、なぜ先送りするのかについてもしっかり国会で文科大臣に伺わせていただきたいというのが率直なところです。

【朝日新聞・中崎記者】
 政治的な判断で先送りされたのではないと思いたいということだが、10月には愛媛で選挙があるが、それに与える影響について。この判断がついていない段階で有権者は投票行動をせざるを得ないことになりかねないが、それについて代表はどのようにお考えか。

【代表】
 補欠選挙には当然影響が出ると思います。
 いずれにせよ、今治も愛媛県も、ある意味の被害を受けた立場だと私は思っています。国家戦略特区はまさにトップダウンで、総理が議長で、権力を持ってこの国の経済を牽引する特別な区を決めていくという手法ですが、その手法が総理の「腹心の友」のためにゆがめられたという疑惑がずっと、私達の調査で、あるいは国会の委員会の中で(真相が)明らかにされないまま、次から次へと虚偽であるとか、あるいは疑いのおそれがあるというような記録が出てきていること自体、そのたびごとにやはり愛媛県や今治の方達は、自分達は蚊帳の外に置かれて、そして自分達がまるで何か加害者側に加わったのではないかと見られるような印象が残っていることは、むしろ非常に国としてやってはいけないことをやっていると私は思いますので、いずれにせよこれは補欠選挙の大きな争点になると思っています。
 その時の争点は、今の政府の情報公開の姿勢でありますし、丁寧な説明の是非になるのだと思います。その時に一つの判断材料の設置審(の判断)が出ていないというのは、やはり思惑があるのではないかと疑われてもしようがないと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 森友学園の時も同じだったと思うが、やはり加計学園は経済的事情により4月開学にこだわると。当然だと思う。設置審は保留とかしているが、当然訴訟リスクを含めていろいろなリスクがかかっていく。そういう意味では設置審も気の毒だと思うが、民進党としてはこの疑惑を追及している段階ではやはり開学自体を早い段階で延期するなり、そういうのを求めていくというお考えがあるのかどうか。それが学生のためだと思うが、その辺はどうか。開学延期を先に求めるという考え方はどうか。

【代表】
 我々の考えとしては、今の国家戦略特区自体を一旦停止する。それで、規制緩和のあり方はどのようにあるべきかというのをもう一回考えるというのが基本的な考えです。その中で、既に国家戦略特区として認定して動いている事業に対しては、行政的に何らかの命令や指示を下すことはなかなか難しいと思いますが、まだ未着手なものにおいては一旦凍結・停止をするという考え方であります。
 しかも、この段階において設置審が、具体的な理由を私達も知るすべはないのですが、(判断を)延期するということは、開学までの時間がどんどん短くなっていくから、誰が一番被害を受けるかと言われたら学生です。次の世代に、国の行政がゆがめられたそのツケが行くのはあってはならないことでありますから、民進党としてと言うよりも、政府として、総理として次世代に責任を持っているのであれば、自分の「腹心の友」に疑いが持たれたというのが全ての原因ですから、そこは政治判断をするべきだというのは求めたいと思います。

○衆議院愛媛3区・青森10区補欠選挙について

【共同通信・野見山記者】
 10月の補選の関係だが、野党候補の一本化に向けて、それほど時間がない中で、蓮舫代表の在任中、または次の執行部で、どのように急いで具体的に調整を進めていくべきだとお考えか。

【代表】
 私のところで今、選対委員長を中心に、現場で、あるいは各野党の皆様方との調整はさせていただいておりますが、これは次の執行部が判断することになると思います。

○野党連携について

【フリーランス・上出記者】
 野党共闘の関係で。次の代表選の候補ということで新聞などでいろいろ報じられているが、その中で一番のポイントになるのが、野党共闘これからどうするのかと。一人の候補は、共産党とは連携しないと。一人の候補は、連携すると言っている。現実の問題としてやはり丁寧に野党共闘を積み重ねていかない限りは、安倍政権に対して退場願いたいと思っている多くの国民の願いにはなかなか応えられないのではないかと思うが、あらためて蓮舫代表自身、野党共闘のあり方について、特に共産党との関係についてどのようにお考えか伺いたい。

【代表】
 これは全く、代表に就任した時と変わりません。「できる限りの協力」を行っていく、そこに尽きます。
 野党連携がまるで目的のようにおっしゃっていますが、これは私達がしっかり勝っていくための一つの手段だと思っています。その時の手段の最も大きいのは、民進党の政策、民進党の目指す国家像、民進党が国民に伝えていく社会のあり方、憲法、社会保障、税のあり方、この部分をしっかり旗を掲げることによって、まさに我々の政策を選んでいただくための選挙に向けての政権公約が最も大事になってくる。その時にその地域、地域で「できる限りの協力」においてわかりやすいシンプルな構図をつくることができるのであれば、それはつくらせていただきたいという優先順位です。

【フリーランス・上出記者】
 現実に代表選をやっているので言いづらいかもしれないが、今の蓮舫代表の言い方だと最低限4党で協議した「できる限りの協力」ということは、これは新しい執行部にも追求してほしいということでよろしいか。

【代表】
 次の代表選に影響が出ることは、コメントは一切控えさせていただきます。

○「役所の答弁書を朗読」「素人」江崎沖縄北方相発言について

【共同通信・野見山記者】
 新たに就任した江崎鉄磨大臣の発言が取り沙汰されている。(国会答弁は)役所の原稿を朗読するとか、北方領土問題は素人だとか、安倍総理が「仕事人内閣」と標榜した中でこうした新閣僚の発言をどのように見られるか。野党側はきょうの閉中審査にも江崎大臣の出席を求めたが与党は拒否した。隠そうとしているのではないかという指摘もあるが、この点についてもどう思われるか。

【代表】
 安倍総理は、第2次安倍内閣が生まれてから一貫して、みずからの手で領土問題を解決してロシアとの平和条約を締結していくと、声高に何度も言われていた。その思いを持ってプーチン大統領との連携も深めてきたし、実際に来日されて首脳会談も行ってきた。にもかかわらず、その北方領土問題に責任を持っている担当大臣が、「門外漢」であるとか「素人」と言うのは、まさに「仕事人内閣」と言っていることと真逆だと思いますので、この時点でアウトだと思います。
 確かに放言とか失言はあるかもしれません。ただ、そのことを一つ一つ取り上げる以前に、本当にその任にあるのかどうなのかというのを考えた時に、残念ながら一度大臣を固辞された方にもう一度要請をして就任をお願いしたという総理の任命責任のほうが大きいと思います。

○細野議員の離党について

【読売新聞・森山記者】
 細野さんが正式に離党表明をされた。あらためて受け止めと、対応としては離党届を受理することになったと伺っているが、直近では藤末さんや長島さんの離党届は受理せずに除籍となっていると思うが、その違いについて伺いたい。

【代表】
 まず事実関係で、きょうの執行役員会・常任幹事会で、離党届は受理という形になりました。
 長島昭久さんに至っては、まさに東京都議会議員選挙の実質的な責任者でもある都連の幹事長であったにもかかわらず、選挙直前に離党という、まさに党に対する信頼を失墜させる行為。倫理規則に基づいて看過しがたい事態があったこと。あわせて、民進党の比例票で選出されている国会議員であることを重く受け止め、倫理委員会にその判断を仰ぎました。
 藤末さんに至っても、まさに参議院の政審会長という部分では政策の責任者でもあります。その方が私達の政策にいろいろと意見があるのであれば、中で改善をする措置をとらないで、7月2日にいきなり離党届を出されるということは反党的行為ではないか。並びに、彼も、特に我々を支援していただける友好団体の支持を得て、比例代表名簿で当選している議員でありますから、それぞれの立場、それぞれの比例で受かっていることに鑑みますと、倫理委員会に委ねるという判断は適切だったと思っています。
 一方で細野さんは、確かに要職は歴任されておりますが、春以降は一議員という立場で、また夏の都議会議員選挙にも大変努力し、汗をかいていただいていたこともありますので、そこは一議員としての離党届という判断で受理。これに対して異論やさまざまな意見は出ませんでした。

【テレビ朝日・延増記者】
 細野さんが離党届を提出した後の記者会見で、政治団体を今週立ち上げた若狭さんとの連携についても意欲を示したり、新党結成に向けた決意を語っていた。野党再編などにも意欲を示していたが、細野さんのこういった決意について蓮舫代表はどのようにお考えか。

【代表】
 よくわかりません。

【TBS・牧野記者】
 細野さんが新党を結成したり、野党再編に意欲を示しているようなことが、民進党にいる議員にとってどのような影響を与えるとお考えか。

【代表】
 すみません、前提が仮定なので、なかなか答えられません。

○原発ゼロ基本法案について

【共同通信・野見山記者】
 「原発ゼロ」法案について伺いたい。先日、代表選に立候補表明した枝野幸男さんはその会見の中で、この「原発ゼロ」法案を引き継いで年内の国会提出に向けて取り組みたいという発言をされた。次の代表がどなたになるかは別にして、代表がこれまで取り組んできたこの「原発ゼロ」法案を次の執行部にどのように引き継いで作業を取り組んでもらいたいか、お考えを伺いたい。

【代表】
 引き継いでいく政策の中での優位順位は最も高いものだと思っています。

○党代表選挙について

【NHK・鈴木記者】
 代表選を通じて、党内では、代表選の結果に応じて分党や解党、そういったことに対する危機感や心配する声も聞かれる。選挙を通じて、この民進党がどういった形で進んでいくことを希望されるかお聞きしたい。

【代表】
 引く立場なので多くを語る立場にはありませんが、一致結束、もうここに尽きると思います。

○代表退任に当たって

【「FACTA」・宮嶋記者】
 この1年を振り返られて、弾込め、「攻め」の蓮舫執行部だったと。そういうことだったと思うが、総選挙に弾が放たれると、蓮舫さんの弾はどこから飛んでいくのか。やはり東京で退路を断って戦うという選択肢こそ蓮舫さんらしいと私は思うし、そうあらねばやはり将来の総理大臣にはなれないと思うが、その辺のことを伺いたい。

【代表】
 きょうは去っていく最後の会見なので、多くは語りません。

○最後の定例会見を終えるに当たって

【代表】
 1年間、ありがとうございました。