党加計学園疑惑調査チーム(共同座長=桜井充参院議員、今井雅人衆院議員)は23日午後、国会内で会合を開催。学校法人加計学園の獣医学部新設を認可するかどうかを審査している文部科学省の大学設置・学校法人審議会(設置審)の審査基準や、加計学園の建築図面などについて政府の見解をただした。

 会合には「今治加計獣医学部問題を考える会」共同代表の黒川敦彦氏も出席。黒川氏は建築関係者からの内部告発により明らかになった加計学園の建築図面について、専門家からの意見を踏まえ(1)建築費の水増しとそれによる今治市からの補助金を詐取しようとしているのではないか(2)バイオセーフティ偽装=現在計画されている施設・設備は高度なウィルス研究を行うために十分な機能を有しておらずバイオハザードのリスクがある(3)獣医学研究棟の7階にはワインセラーが設置されたパーティールームが建設される予定であり、ワインセラーに関しても今治市に補助金請求がなされようとしている――の3点を指摘。建築費の水増しなどこれまで指摘してきた事項について、「図面が公表されたことでより疑惑が深まった」と述べた。

 この建築図面について、現在設置審で審議されている獣医学部今治キャンパスのものと同一あるいは類似のものかの確認を求めたが、文部科学省は「いま審査中。設置審では詳細な設計図を求めていない」と答えるにとどまった。

 設置審での審査をめぐっては、桜井議員が「学校の設置の基準は授業ができるスペースだけ確保されていればいいということか」「動物実験なども当然行うわけであり、そうした設備があるのか。研究者の費用なども含めた上での設置認可となるのか」などと質問。前回16日の同チームの会合で、文科省の担当者は2015年6月に閣議決定された獣医学部新設4条件を満たしているか審査する役割は持っていないとの認識を示していたが、同日の会議では別の同省担当者が「国家戦略特区のプロセスを通過した加計学園の構想と合致した教育あるいは研究ができるかどうかはしっかりと確認する」と説明し、前回発言を訂正した。

 出席議員らは、設置審での厳正な審査を求めるとともに、昨年9月に内閣府から文科省に「平成30年(2018年)4月開学」と期限を切って要請されたことがそもそもの問題の発端だとあらためて指摘。黒川氏も「今治市でも、内閣府から『急げ急げ』と言われてほとんど市民に説明がないままここまで来てしまっているという現状は誰の目にも明らか。すべての資料に『内閣府主導でやってきました』と書かれており、その結果いろいろな疑義がある。総理のご意向と総理の主導でやってきたことだと国民の皆さん、僕たち今治市民の目線から見てもそう思っている。ぜひこうしたことを総理にもお伝えいただきたい」と求めた。