党加計学園疑惑調査チーム(共同座長=桜井充参院議員、今井雅人衆院議員)は29日午後、国会内で会合を開催。北海道大学教授の稲葉睦氏を講師に迎え、「獣医学部新設問題:一大学人としての考察」と題する話を聞いた。また学校法人加計学園の獣医学部新設を認可する文部科学省の大学設置・学校法人審議会(設置審)の審査基準ついて関係省庁担当者からヒアリングした。

 稲葉教授は、獣医師の役割・社会的責任、獣医師教育の現状や改善の方向性・目標などについて説明。出席議員からは稲葉教授に「設置審の果たすべき役割」「教員数と学生数のバランス」「設備投資や人件費などがかかるが私立で獣医学部の経営は成り立つのか」「教育の質という観点から、加計学園の新設計画は妥当か」――といった質問があった。

 病原体を扱う研究施設の安全性について、昨日の会合で文部科学省から厚生労働省が判断するという説明があり、それを踏まえて本日は厚生労働省から報告を受けた。それによると、大学認可後、研究活動を開始してから、病原体の所持を厚生労働省に申請。その上で現地調査を行うと説明。「施設要件を満たさなければ許可を下ろさない」と説明したものの、大学開設との関係については「承知していない」と回答した。

 桜井座長は、厚生労働省に対し規制官庁としての認識の甘さを指摘。出てきた建築図面・設計図は加計学園のものかどうか定かではないとの見方を示したものの、(人体に危険なウイルスを隔離検査などを行った場合)ある感染系研究者が「100%感染する」とまで言う施設であることについて、規制官庁である厚生労働省の姿勢について「無責任」だと述べた。

 また国土交通省に建築確認の件について質問。設計図の段階、工事着手前に耐震基準について確認済み。施工後に設計図通りに施工されているかの検査は残っていると説明があった。

PDF「稲葉睦北大学教授 配布資料」稲葉睦北大学教授 配布資料