党役員会見に関する基本的な方針について

前原誠司代表就任記者会見

2017年9月1日(金)15時19分~15時45分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=D1t62-mt0tc


■質疑

■質疑

○党運営・人事について

【NHK・稲田記者】
 先ほどのご挨拶の中で、投票結果を聞いて厳しい船出だ(「難しい船出だ」)とおっしゃった。なぜそのように思われたのか。そしてそれを乗り越えるために、どのような党運営、そして幹事長をはじめとした役員人事を行っていくのか、日程感を含めてお聞きしたい。

【代表】
今回の投票結果で厳しい党運営になるのではないかと申し上げたのは、白票(無効票)の多さですね。白票が多かったことについては、これは大変厳しい党運営になるのではないかという思いを持ったと、こういうことであります。
 人事はこれから。先ほど代表にならせていただいたばかりでありますので、今後考えさせていただきたいと、こう思っています。

【テレビ朝日・村上記者】
 関連して伺いたい。厳しい船出とおっしゃっていたが、国会議員の白票が出たことをどのようにご覧になっているのか、あらためて伺いたい。これは離党予備軍が出ているという認識でよろしいか。

【代表】
 今の段階で私がそれに対してコメントする必要はないと思います。とにかく新たな体制をしっかり決めて、みんなでしっかりと、この党をもう一度政権交代の高みまで皆さんの力で持っていく。そのことに力を注ぎたいと、こう思っております。

【日本テレビ・黒島記者】
 先ほど、白票の多さについて厳しいというふうにお感じになったということだったが、このような離党予備軍が現在党内にいらっしゃる状況の中で、どうやって挙党態勢を敷いていくお考えか。代表選の中では、人事もリーダーの重要な役割だとおっしゃっていたが、人事を含めてどういった挙党態勢をつくっていくのかお聞きしたい。

【代表】
 先ほど代表に選出いただいたばかりでありますので、人事についてはこれから少し考えさせていただきたいと。この結果も踏まえて考えさせていただきたいと、こう考えております。

【京都新聞・鈴木記者】
 前回12年前に一度代表をされて以来、2回目の代表ということになる。前回、メール問題含めていろいろあったかと思うが、これらの当時の反省もしくは教訓を踏まえてどう臨んでいかれるかお聞きしたい。

【代表】
 そういった代表時代の失敗、あるいはいろいろな経験を積ませていただきましたので、しっかりその経験を生かした党運営というものを心がけたいと思っております。

【東京新聞・我那覇記者】
 無効票の関係だが、厳しいということで、普通に考えればうっかりミスではないだろうと思うが、事前の取材では、特に若い議員を中心に、民主党を思い起こさせるお二人の一騎打ちの構図になったことに対する批判的な意見があった。今回の無効票はそういう抗議の意思の表れと受け止めていらっしゃるのかどうか。
 それにも関連するが、今度の執行部、特に幹事長だが、挙党態勢を構築する上で、対立陣営というか、相手に近い方から選んでいくのか。あるいは、刷新感を出すために若手とかを登用するのか。誰かというのはこれからだと思うが、大きな方針というのをどう考えていらっしゃるか伺いたい。

【代表】
 無効票、どなたが入れられたのか、どういう思いで入れられたかということについては、現時点で知る立場にはございませんので、お答えはできない。
 また、人事についてはこれから検討させていただくということでございます。

【財団金剛報道府・岡本記者】
 単刀直入に伺いたい。前原代表は総理大臣を狙いますか。

【代表】
 野党第1党の党首というのは、次の総選挙で政権交代を狙う、すなわち総理大臣になるというつもりで今回の選挙に出させていただきました。新代表にならせていただいて、その気持ちで今後取り組んでいきたいと考えております。

【朝日新聞・斉藤記者】
 人事の中身ではなくて、空白があるとよくないと思うので、人事を決める両院総会は来週早々にも開くべきだと考えられるか。

【代表】
 来週早い時期に両院議員総会を開くということで調整をしたいと考えております。

【共同通信・市川記者】
 人事についてはこれから考えるということだが、今回代表選を戦った枝野さん。人事とは別にして、党の挙党体制を築くために、枝野さんには今後どういった役割を期待されるか、お考えがあれば伺いたい。

【代表】
 枝野さんには、あれだけの得票をされたわけでありますから、これからの党の運営についても、どういうポジションかということはまだ全く考えておりませんが、しっかりと関わっていただきたいと。それがまさにノーサイド、挙党一致体制、これを築くことになると考えております。

【上毛新聞・石倉記者】
 地方組織のあり方についてお考えを伺いたい。群馬県内では、旧維新系と民主系とで県組織が並び立っているような状況で県連組織というのがある。こういった地方というのはあると思うが、総選挙の前にこういった地方の融和、組織の統一、こういったものを急がせる考えはあるか。

【代表】
 私、4年半余り、全く民主党・民進党の執行部に関わってこなかったものですから、47都道府県、地方組織がどういう状況になっているかということについてつまびらかに知っているわけではありません。したがって、今までどういう47都道府県の地方組織が運営されてきたのかということについては今後勉強させていただいて、そして何よりも、解散・総選挙が1年3ヵ月以内に必ずあるわけでありますので、現職の議員の方々の再選、新たな方々の当選に向けてしっかり努力していきたいと、こう考えております。

○衆議院補欠選挙について

【「日刊ゲンダイ」・生田記者】
 10月22日の補選について伺いたい。これ三つ取れば非常にインパクトがあると思うが、三つ取るためには野党共闘、統一候補にしないとなかなか勝てないと思う。この補選に関して野党共闘をどう進めていくのか、どういう条件が整えばそれができるのか伺いたい。

【代表】
 先ほど新たな代表に選んでいただいたばかりでありますので、まず都道府県連から、各県連から状況、お話を伺って、そして新たな体制の中で相談して決めていきたいと、こう考えております。

【愛媛新聞・松本記者】
 野党の共闘について。先ほど、都道府県連に状況を伺って新たな体制の中で相談して決めたいとおっしゃっていたが、投開票は10月22日に迫っているが、いつごろをめどに結論を出したいと思われているか。

【代表】
 どのタイミングで、ということを決めているわけではございませんが、10月22日が投票日ということは、期日がかなり迫っておりますので、それほど時間をかけない中でどういった態勢で補欠選挙を戦わせていただくかについては、県連と話をさせていただきたいと思っております。

○目指す社会像の発信について

【J-CAST・青木記者】
 内閣支持率が下がったということをきょう枝野さんも言っていたが、ただ、一方で民進党の支持率が上がっていない状況もしばらく続いている。前代表である蓮舫さん時代とどういった違いを打ち出していこうかというお考えがおありでしたら、お聞かせください。

【代表】
 蓮舫代表のもとでも、私が会長にご指名をいただいて、尊厳ある生活保障総合調査会をつくっていただき、我々が目指す社会像というものをこの1年間検討してまいりました。これをベースとして、今後、新たな体制になるわけでありますが、必ず1年3ヵ月以内には解散・総選挙があるわけでございますので、我々としてはマニフェスト、どういう社会を目指していくのかということも含めた、国民にわかりやすい像を示してまいりたいと、こう考えています。

【「フランス10」・酒井記者】
 ゲイレポーターの酒井佑人です。前原代表、ご就任おめでとうございます。
 前原新代表に伺います。TBSラジオの番組で同性婚を認める発言をしておられたが、前原新代表は、フランスのPACSのような同性間のパートナーシップを認める新しい制度をつくるべきとお考えか、それとも今ある結婚制度を同性カップルにも解放するように変えるのか、そのどちらでしょうか。

【代表】
 我が党は多様性を認める、LGBTを認める、これが基本的な考え方であります。
 どういう制度がいいかということについては、今までの議論も踏まえて、私自身どちらにということについて今申し上げる状況ではありませんので、そういった前提で我々の党は考え方を持っていると。そしてそれをどういうふうにすれば実現できるかということについても党内で議論を深めていきたいと、こう考えております。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 きょうはおめでとうございます。
 前原先生の決意表明を聞きながら、私は、前原さんは変わったと、実は確信を持ったが、きょうから「私は変わった」宣言というのができるのかどうか。
 それから、その原動力となった井手(英策)先生ともう電話で話をしたのかどうか。やはりこの方を「All for All」の旗として、社外の政調会長ではないが、何か特別な前原カラーをはっきり出す形での処遇というかポストというか、そういうのがあってもいいのではないかというくらいの「All for All」だと思うが、その辺を伺いたい。

【代表】
 まだ電話は誰にもしておりません。(臨時党大会が)終わりましてから、補選の候補者と写真撮影をしておりまして、そして私を応援してくださった方々に対する謝辞を申し上げてこちらに参りましたので、どなたにも電話はしていない。
 そして今回の「All for All」については、まさに井手先生との出会い、これはもう2年以上前になりますが、この人の考え方は、その考え方自身というよりも、この「人」に熱がある。国を想う、国士としての情熱にあふれている。こんな人と酒を酌み交わして将来の話をしたい。1回目は新橋、2回目は井手先生のご地元の小田原にも行きまして、酒を酌み交わしながら、それから私がお願いをして月に1回、(今までで)15、16回だと思いますが勉強会をさせていただき、そしてまとめた考え方というものが「All for All」であります。
 したがって、井手先生との出会いがなければ、この考え方にはたどり着かなかったと思いますし、私は井手先生とは一生の、まさに刎頸(ふんけい)の友として、あるいは私の師匠として、これからもご指導いただきたいと、こう思っております。
 私の思いとしては、尊厳ある生活保障総合調査会は継続したいと思っています。そしてアドバイザーとしての役割はこれからもお願いしたい、そう考えております。したがって、これからも井手先生とは二人三脚で頑張ってまいりたいと、こう考えております。

○野党連携について

【「ニコニコ動画」・七尾記者】
 前原代表は、代表選前のことだが、報道で、民進党の名前にはこだわらないと発言されたと伝えられている。自民党に対抗するために、野党再編についてどうお考えか。演説でも言及されていたように思うが、野党勢力の結集、野党再編のために積極的に動かれることになるのか。

【代表】
 きょう民進党の新たな代表に選んでいただいたわけですので、しっかり我々の理念・政策を高らかに掲げて、そしてまずは党の再生に取り組むということから始めさせていただきたいと、こう考えております。

【産経新聞・奥原記者】
 共産党は、次期衆院選で選挙協力に当たって相互推薦・相互協力を求めているが、こういった共産党の要請について応えることはあるのか。また、共産党とは党対党で政策協定を結ぶというお考えがあるか、あらためて伺いたい。

【代表】
 まず、代表選挙の際、あるいは代表選挙が始まる前に申し上げていたのは、やはり政党は、政治家は、理念・政策が大事であると。そしてその一致がなければ、特に政権選択の衆議院選挙においては、それは成り立たないということを申し上げてまいりました。
 また、今までの執行部が積み重ねてこられた他党との協力関係、あるいは約束事というものは尊重しなくてはいけないと、こう思っておりますが、この4党で結んだものの是非については、その見直しも含めて検討するということを申し上げてまいりました。
 私が代表にならせていただいたわけでありますが、代表は独裁者ではありませんので、これからまとめる執行部の中でどういう判断をしていくのかということについては議論していきたい。しかし、少なくとも私の考え方というものを多くの方々が、国会議員、総支部長、党員・サポーター含めて、そういったことも含めて私を代表に選んでいただいたということを自分自身は重く受け止めてまいりたいと、こう考えております。

【日刊スポーツ・中山記者】
 代表になられて、今後の発信方法というか、国民に接するための、例えば街頭演説に積極的に出られるとか、そういう代表としての発信方法を今どういうふうにお考えか。

【代表】
 先ほど代表に選ばれたばかりでありますので、みずからのいわゆるプレゼンテーションも含めてどのようにやっていくのかということについては、まだ決めておりません。
 しかし、代表選挙の間にも申し上げてまいりましたが、広報については抜本的に見直して、代表自身というよりは党の考え方をしっかりと国民の皆さん方にご理解をいただけるような体制というものに、よりいいものにしていきたい。こういう思いはありますので、そういった観点から、私自身もどういう発信をしたらいいのかということについては検討させていただきたいと思います。

○憲法論議について

【読売新聞・高田記者】
 あらためて憲法の考え方について伺いたい。まず、代表になったら、次国会以降の憲法審査会にどう臨むのかということも含めて、党内の改憲の議論、また代表自身のお考え、改憲に積極的だったと思うが、それも含めてどのように党内議論を進めていくのか、お考えをお聞きしたい。

【代表】
 私は代表選挙の時に、憲法の議論は野党第1党として大いにすべきだということを申し上げました。そして当選をさせていただきました。
 ただ、党内にはいろいろな考え方がありますし、全てのテーマについてそうでありますが、代表は独裁者ではありません。代表が決まった段階で全て自分の思いどおりになるということは、これは党の民主主義が破壊されることになりますので、しっかり新たな体制を決める中で、どのような党内議論を行っていくべきかということについても皆さん方と話をさせていただきたいと思っています。

○野党連携について

【TBS・牧野記者】
 先ほど決意表明で、他の勢力との連携や協力を否定しないとおっしゃったが、決意表明でそれをあえて打ち出したのはどのような思いからなのか。そして、いわゆる小池新党への対応や非自民勢力の結集についてどのようにお考えなのかをお聞きしたい。

【代表】
 繰り返しお話をしておりますように、政党というのは理念・政策を実現するためにその旗のもとに集まっているメンバーが党を形成している。その理念・政策に共鳴してくださるところであれば、協力するということは当然のことではないかと思います。
 現時点において何か特定の政党とか特定の勢力を念頭に置いたものではありません。しっかりと理想の社会実現のために頑張ってまいりたいと、こう考えております。

○代表選挙を振り返って

【Buzz Feed Japan・石戸記者】
 枝野さんとは、保守派だ、リベラル派だというようなことで、対立軸があるかのように描かれることが多かったと思うが、今回の代表選で、お二人の間で共通点も浮かび上がってきたかと思う。前原新代表にとって枝野さんとの共通点というのはどのあたりにあるとお考えか。

【代表】
 目指すべき社会像だと思います。私の言葉で言うと「All for All」、枝野さんの言葉で言うと「お互いさまの支え合い」。これは再分配をより重視して、多くの不安を、国民の持っている不安を解消していく。そして新たな社会の好循環をつくっていく。この社会像というのは極めて酷似しているのではないかと、私はそう思って論戦を聞かせていただいておりました。

【フリーランス・宮崎記者】
 代表就任おめでとうございます。
 今回の代表選挙だが、正直、世間の関心が非常に薄いのか冷たいのかわからないが、既に代表になられているが、候補者としてきのうまででの感想、そういったところを実際に党の内と外でどういうふうにお感じになられたか。

【代表】
 全国8カ所で討論会・街頭演説をさせていただきまして、どの会場も満員盛況でありました。そして街頭演説も、一般の方々も立ち止まって聞いてくださる方々もたくさんおられました。
 確かに、これは率直に言いまして、我が党の支持率は1桁ですから、我が党に対する国民の厳しい見方があるのは事実であります。ただ、全国組織がある我が党、野党第1党として、きょう決意表明をさせていただいたように、やはり自民党に代わる選択肢をつくらなくてはいけないという使命はあると思いますし、それを我々はしっかりと国民に示していくこと。そして、その結果として支持率とか、あるいは関心とか、こういったものが高まってくる、そういった努力をさせていただきたいと考えています。