民進党の前原誠司代表は衆院総選挙の公示日である10日、遊説のため長崎市を訪れ、長崎1区から希望の党公認で立候補した西岡秀子(にしおか・ひでこ)候補の街頭演説会で第一声をあげた。

■前原誠司代表

 前原代表は、総選挙直前に民進党と希望の党を合流させた理由について、「それはひとえに安倍政権を倒したいからだ。こんなに身勝手な安倍政権をこれからも続けていくことが本当に日本の為になるだろうか。私はならないと思う」と安倍政権を倒すための決断であることを強調し理解を求めた。

 なぜ、安倍政権を倒さなければいけないかについては、「北朝鮮の今の状況を考えると、自衛隊も大事、そして日米関係も強化しなければいけない。そして、確かに日本はアメリカの抑止力に守られている。核の傘もあるかもしれない。しかし、本当に主体的な外交というのは、皆さん、核兵器をこの世の中からなくすことではないか。そして、まず第一歩として、長崎の皆さん方、広島の皆さん方にしっかり思いをきたし、どれだけ苦労してきたかという亡くなられた方々の思いもしっかりとわれわれは政治として寄り添いながら、核兵器禁止条約、これを日本もしっかりと参加し、核のない社会を作ろうじゃないかということを同盟国であるアメリカに言うことこそ、本当に主体的な外交ではないか」と核兵器廃絶に消極的な姿勢をとる安倍政権を批判し、アメリカにもはっきり言うべきなどと主張した。

 また、前原代表は、今後年金の受給額が減らされ続け、特別養護老人ホームに入れない人が増えていることに触れ、「こんなに日本を立派にしていただいた方々をそういう不安に思わせている政治を放置している自民党政権しか1強多弱で選べない国民は不幸だ。ぜひわれわれが、一つにまとまり、安倍政権を倒し、自民党に代わって、今まで日本をこんなに立派な国にしてくださった方々が、いくつまでも安心して過ごせる社会をしっかりと創っていく。財源も含め、制度設計も含め、そういう選択肢をしっかり示して、自己責任型で冷たい自民党政権を選ぶのか、将来不安で仕方がない不安だらけの自民党政治を選ぶのか。片や、若い方々も年配の方々も安心して、希望を持てる社会を作っていくのか。そういう選択肢の選挙にしようではないか。どうか皆さん勝たせていただきたい。安倍政権を倒す。そして、自民党政治を終わらせる」と安倍自民党政権を倒し、もう一つの選択肢を有権者に示して新たな社会を創っていく決意を示した。

■西岡秀子公認候補

 西岡候補は、「旧態依然とした長崎の政治の勢力図にわたくし西岡秀子はぜひ風穴を開けたい」と述べ、「私の父西岡武夫は生涯を通じて保守刷新、より良き保守政治を作り上げることに信念を賭し、命がけで取り組んできた。父が生前よく使っていた言葉は『宿命に生まれ、運命に挑み、使命に燃ゆ』。西岡秀子、いま使命に燃えています。どうぞ皆さんの力を西岡秀子に賜りますように心からお願い申し上げます」などと決意を語った。

■前原代表ぶら下がり記者会見

 演説後、前原代表は記者団からの取材に応じた。

 前原代表は、演説で核兵器禁止条約に触れたことについて、「私は代表選挙でも核兵器禁止条約、日本は唯一の被爆国として、参加すべき、賛成すべきだと申し上げた。北朝鮮の問題があり、日米同盟が重要だということは十二分に認識している。アメリカとの連携は必要。しかし北朝鮮をこれから暴走させてはいけない。そして世界の大きな火種は核拡散。これがテロ組織に渡ると世界は大変なことになる。従って、もちろん日米同盟は大切だが、いま水際でとどめないと大変なことになるんだと。多くのテロを経験しているアメリカだからこそ分かってもらえることもあると思うので、ぜひ国民の皆さん方に将来への危機をどう芽を摘むかという観点からも被爆国である日本が、そして長崎の皆さん、広島の皆さんが中心となってぜひこういったムーブメントを広げていきたい」などと語った。

 昨日、会合をもった希望の党の小池百合子代表とどのような話をしたかを問われると、「とにかく安倍政権を終わらせる。そして、しがらみだらけの自民党政権に終止符を打つ。その考えで完全に一致した。その前提であれば、私は首班指名については、小池さんにお任せすると申し上げたので、あとは小池代表が判断していただければと思う。ともに安倍政権、自民党政権を終わらせるためにこれから選挙戦を戦いたい」と説明した。