大塚耕平代表と増子輝彦幹事長は8日、両院議員総会後に党本部でそろって記者会見を開いた。役員室長に就任した羽田雄一郎参院議員が司会を務めた。

 大塚代表は、「本日の両院議員総会で新しい執行部の骨格を承認いただいたので、党の運営に当たらせていただく。幹事長には増子輝彦参院議員に就任いただいた。増子さんに(幹事長を)お願いしたのは長い政治経験をお持ちで衆参両方の実情に詳しく、そして多くの人脈をお持ちだからだ。これから『3党物語』が進展していくなかで、こうした増子幹事長のご経験・そして蓄積は大いに意味を持ってくると思っている。そういう観点から大先輩ではあるが三顧の礼をもってお迎えし、お願いした」と冒頭で語った。

 増子幹事長は「私の役割は大塚代表を支えて、大塚代表の弁慶役としてしっかりとこれからの党運営に当たることだと思っている。この党は今、変則的な状態にある。先の総選挙を経てわが党は、結果としては事実上の分裂をしてしまった。参院議員を中心にして、(衆院側は)党籍を持つ『無所属の会』の皆さんという、政党の形としては変則的な状況のなかで大塚代表が代表の役を担っていくことは平坦な道ではない。国民の皆さんの声を聞きながら、党員・党友・サポーター、そして衆参両議院の仲間といっしょになって、この道をしっかりと切り開いていきたい」と表明した。

 増子幹事長はまた、「1990年に安倍首相のご尊父の安倍晋太郎先生の弟子として衆院に初当選して2回安倍派に所属して途中で自民党を離党した。政治改革を実現したいという思いだった。羽田議員のお父さんの羽田孜先生もまったく同じ理念・政策の中で、時期は違ったが自民党を離党して日本に2大政党を作りたいという思いでやってきた。五月雨式に自民党を離党して現在も政界に残り野党でいるのは私と岡田克也常任顧問と小沢一郎先生の3人しかいない。大変厳しいいばらの道のりだったと思いながらも、ここでもう一度、政権を担当できる政党になるために、大塚代表の元気で明るく、そして聡明な、この知恵をしっかりと具体化していくことが私の仕事だ。大塚代表にはあまり細かいことに触れさせないで、私がしっかりと泥をかぶって、みんなでいい政党をつくっていくために頑張って行こうということで今回の役割をお引き受けした」と述べた。

 来年の通常国会に自民党が改憲草案を提出するとされるなか、憲法改正の議論への対応を問われた大塚代表は、「わが党は旧民主党から民進党と、脈々とした憲法の検討の蓄積があるので、当然これまでの蓄積に基づいた対応をしていく。と同時に、議員数も事務職員数も減っているので同じような組織を設けて運営していくことが可能かどうかをこれから検討する。憲法調査会というものをつくるかどうかは今後の課題だが、政務調査会は立ち上がる。また、本日設置した基本政策検討本部は、もし憲法論議が本格化してくれば関わることになる」と語った。

 民進・希望・立憲などの野党連携や再編に関して増子幹事長は、「基本的には大塚代表の進める方向性をしっかり踏まえなければいけない。現状のわが党は参院中心に、衆院は党籍をもつが無所属の会という形であるので、国会対策上はしっかりと同じような考えを持つ、かつての仲間の皆さんも含めて連携していかなければいけない。このことを踏まえながら国民の皆さんにしっかりと国会対策をやっているなと(いう)形を作り上げていく」と発言。10日に共同代表選挙が行われる希望の党の動きも見極めていく考えを示し、「どういう形がいいか、拙速は避けつつ積極的に取り組んでいく」と述べた。

 立憲民主党の枝野幸男代表が「永田町の数合わせの論理に組するつもりはない」と繰り返しているがどう連携するのかとの記者の問いに増子幹事長は、「かつてわれわれは同じ釜の飯を食って、政権をお互いに担ってきた仲間であるので、そういう方々と虚心坦懐(たんかい)いろんな形で話う余地は十分にあると思っている。と同時に、国会対策と政党としての姿の数合わせというのは少し違うのではないか。国会(対策)をばらばらでやるよりは、しっかりと連携していくことが必要なのではないか。党のそれぞれのアイデンティティを大事にしながらどのような形で党勢拡大をしていくかということ。数合わせに走らない、これは大塚代表もそのような考えをもっていると思う。先ほどの両院議員総会での大塚代表のあいさつにもあったが、お互いに話をすること、話を聞くこと、こういう代表の気持ちを受け止めて、われわれが頭を下げてでも、虚心坦懐な気持ちで皆さんと連携をしていくような下地をつくることが私の役割だと思っているので、あまり心配しないでしっかりやっていきたい」と語った。