党役員会見に関する基本的な方針について

大塚耕平代表・増子輝彦幹事長記者会見

2017年11月8日(水)14時54分~15時19分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=o0Jmccky0-A


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○両院議員総会で党役員人事を承認

【司会・羽田雄一郎役員室長】
 それでは大塚代表の記者会見を始めさせていただきたいと思います。
 役員室長を仰せつかりました羽田雄一郎です。よろしくお願いいたします。
 それでは、まず代表からご挨拶をお願いします。

【代表】
 皆様、お疲れさまでございます。  本日の両院議員総会で新しい執行部の骨格をご承認いただきましたので、早速党の運営に当たらせていただきたいと思っております。
 幹事長には増子輝彦参議院議員に、ご就任いただきました。増子さんにお願いをいたしましたのは、長い政治経験をお持ちで、衆参両方の実情に詳しく、そして多くの人脈をお持ちです。これから「3党物語」が進展していく中で、こうした増子幹事長のご経験、そして蓄積は大いに意味を持ってくると思っております。そういう観点から、大先輩ではありますが、三顧の礼をもってお迎えをし、お願いをさせていただいたということであります。  冒頭、以上をつけ加えさせていただいて、私からの説明にさせていただきます。

【羽田司会者】
 それでは増子幹事長のほうからご挨拶をお願いいたします。

【増子輝彦幹事長】
 あらためて、両院議員総会で幹事長に承認をいただきました、参議院議員の増子輝彦でございます。
 先ほど(両院議員総会で)申し上げたとおり、私の役割は何と言っても大塚代表を支えて、そして大塚代表の弁慶役として、しっかりとこれからの党運営に当たることだと思っております。
 皆さんも、この党は今、変則的な状態にあることはよくご存じだと思います。さきの総選挙における我が党の現状、結果としては事実上の分裂をしてしまったということ。そして参議院議員を中心として、党籍を持つ「無所属の会」の皆さんという形でありますから、本来であれば政党の形としては非常に変則的な状況の中で、大塚代表が代表の役を担っていくということ、決して平坦な道ではないと思っています。その道をしっかりと国民の皆さんの声を聞きながら、あわせて党員・党友・サポーター、そして衆参両議院の我々の仲間と一緒になってこの道を切り開いていきたい、そういう思いでございます。
 ただいま代表からも過分なるご紹介をいただきましたが、私も1990年に、安倍首相のご尊父の安倍晋太郎先生の弟子として衆議院に初当選して、2回安倍派に所属して、途中で自民党を離党いたしました。「政治改革を実現したい」、これは羽田室長のお父様の羽田孜先生も全く我々と同じ理念・政策の中で、時期は違いましたが自民党を離党して、「日本に二大政党制をつくりたい」、そういう思いで今日までやってまいりました。
 ご案内のとおり、あの当時、五月雨式に自民党を離党して、今、野党で政界に残っているのはわずか3名となっています。不肖私と、岡田克也常任顧問と、小沢一郎先生。3人しか、あの時自民党を離党して残っている者はいないという、私にとっても大変厳しい茨の道を歩んできて、今、参議院議員として国政の中にいることは、本当に私自身としても大変な道のりだったなと思います。
 ここでやはり我々がもう一度政権を担当できる政党になるためには、大塚代表の元気で明るく、そして聡明なこの知恵をしっかりと具現化・具体化していくことが私の仕事だろうと。大塚代表にはあまり細かいことに触れないで、私がしっかりと泥をかぶってみんなでいい政党をつくるために頑張っていこうということで、今回のこの役割を私もお引き受けすることにいたしました。どうか皆さんにも引き続きいろいろな形の中でご指導いただければ大変ありがたいと思います。
 冒頭に、私からあらためて幹事長としてのご挨拶と抱負とさせていただきます。


■質疑

○党運営費について

【時事通信・小松記者】
 代表は先日のネットのテレビで、党の資金について、70億円くらいと。まだ精査しているということだったか、その後、精査した結果はお幾らくらいだったか。

【代表】
 この間のネットテレビで申し上げた状況と変わっていません。あれはたしか土曜日ですよね。今、事務局で精査しています。状況に変わりはありません。

○党役員人事・党組織について

【東京新聞・我那覇記者】
 代表に伺いたい。これから衆院で国会論戦が本格化していく中、そういう論戦を初め、他党との国会内外での連携のあり方などを考えていく上で、党のかなめとなる幹事長を衆議院側から起用したほうがいいのではないかという意見も党内にはあったと思う。そうしなかったのはなぜか。あるいは、そういうことを考えなかったのか。

【代表】
 衆議院側にはご経験の豊富な議員ももちろんたくさんいらっしゃいます。同時に、今回は「無所属の会」という形で新たな会派を立ち上げられておりますので、民進党の幹事長が「無所属の会」の方というのもわかりにくい面もある、というご指摘もありました。
 幹事長をお務めいただくに足る方はもちろん複数いらっしゃると思うのですが、先ほど申し上げましたような観点から総合的に判断させていただいて、この局面ではおそらく増子議員が幹事長としては最適任であろうということで判断させていただきました。

【日本経済新聞・加藤記者】
 代表に伺いたい。自民党は来年の通常国会にも改憲草案を出すという方向で議論していて、きょう自民党の憲法改正推進本部が細田本部長のもとで新たに立ち上がったが、民進党として今後どういう体制で憲法改正の議論に臨んでいくか。今回、人事の中では党の憲法調査会長はまだ発表されていないが、どう臨んでいかれるか。自民党の細田さんのもとでの新たな体制をどうご覧になっているか。

【代表】
 まず後段のご質問ですが、他党のことですから、私がここで十分な情報もない中でコメントする立場にありません。
 そして我が党の検討のあり方ですが、我が党は民主党から民進党と脈々とした憲法の検討の蓄積がありますので、当然これまでの蓄積に基づいた対応をしていきます。
 と同時に、きょう両院議員総会を聞いていただいておわかりのとおり、議員の数も減りまして、事務職員の皆さんの人数も減っていますから、同じような組織を設けて運営することが可能かどうかというのもまさしくこれから検討しますので、憲法調査会というものをつくるかどうかというのは今後の課題です。  ただし、政務調査会は立ち上がります。政調会長もいらっしゃいますし、それからきょう設けさせていただいた本部の三つ目の基本政策検討本部、この二つの部門は少なくとも、もしそういう憲法論議が本格化してくれば関わることになると思います。

【共同通信・市川記者】
 国会対策の関係で大塚代表に伺いたい。先ほどの両院議員総会で、国会対策委員長に平野博文さんが承認された。今、国会では野党第1党が、衆院では立憲民主、参院では民進党ということで、意思疎通というか情報がうまくいっていないという指摘もある。今回、平野さんが就任することによって、「無所属の会」会派としていろいろ調整にも当たられると思うが、民進党の国会対策委員長でもある。平野さんに、情報がうまく行っていないという指摘も踏まえて、どういった役割をこれから期待されるか。

【代表】
 両院の野党第1党が異なるというのは、たしか戦後初の状況ではないかと思います。このような前例のない国会環境の中で、非常に複雑な調整が必要になる。並びに、現時点で衆議院の立憲民主党の国対委員長は大阪の辻元さんであるというようなことを勘案いたしますと、もう国対経験の長い平野議員、そしてさらに、辻元さんと大阪でしょっちゅうお会いできますから。そういうお立場にもある平野さんには、衆議院側の情報をしっかり我々参議院側にお伝えいただくと同時に、皆さんもご承知のとおり国会対策は、例えば衆議院先議であれば衆議院から入って参議院から出てくる、このプロセスでさまざまな戦略を練らなければいけないので、その全体の戦略を練る上でいろいろご指導いただけるものだと思います。

【日本経済新聞・加藤記者】
 増子幹事長に伺いたい。以前、増子幹事長は、たしかメールマガジンかで、民進党はもう歴史的な役割を果たし終えて、解党しても構わないのではないかという趣旨のことを配信されたと記憶している。解党について、どういうお考えでそういうふうに発信されたのかあらためて伺いたい。幹事長に就任されて、民進党の存在意義をどのようにお考えなのか。

【代表】
 たしか東京都議会議員選挙が終わった後に、私が自分のメルマガに書きました。総括会議をしている中でのいろいろなご意見を踏まえながら、また国民の皆さん、都民の皆さんの民進党に対する期待感ということを考えると、極めて深刻な状況にある。その時点でもし衆議院が解散・総選挙になった時に、本当に耐えることができるのかというような思いを強く、多くの国会議員が持ったと思いますし、また国民の目から見れば、ご案内のとおり世論調査の支持率が極めて低い状況がありました。ですから、そういう意味では一旦リセットしたほうがいいのではないかという思いを強く持っていたわけです。
 結果として今回、変則な形でこれもある意味では解党的な形になってしまって、参議院が中心となって、無所属で戦った党籍を持つ皆さんは民進党では戦っていないわけです。ですから、そういう意味では今後の党のあり方ということは、私は実は、大塚代表をしっかりと支えていくという立場と同時に、やはりこの党にはイノベーションが必要なのではないだろうかと思う。改革が。国民の皆さんが民進党にどういう期待をしているのかということを冷静に、我々は大塚代表がこれからやろうとする全国の地方組織の皆さんや国民の皆さんの声をよく聞きながら、どのような形の中でイノベーションをしていくのがいいのかということはこれからやっていかなければいけない最大の仕事の一つだと思っています。
 そういう意味で、民進党という政党がどういうふうになっていくかはこれからのことですから。私も幹事長としてあらゆる局面を想定しながら、そして何が一番国民の皆さんのためであり所属国会議員、そして地方議員の皆さんのためになるかということを、代表を中心としてしっかりと考えていきたいと思っています。

【東京新聞・我那覇記者】
 幹事長に一つ確認したい。民進党を残して存続させるというこの間の決定を踏まえていくという理解でよろしいのか。
 あと、大塚代表が提案された「次の内閣」の不設置。これはもともと政権交代を目指してやっている中で出てきた話かと承知しているが、党が縮小したとはいえ、ちょっと後ろ向きというか、消極的な印象を抱いた。これは仮にいずれ党勢が復活してきた場合に、また何かそういうふうに目指していくのか。何かお考えがあれば伺いたい。

【幹事長】
 この政党のあり方は、今もいみじくも質問が出ましたが、党勢拡大ができた時に何ができるかということにもつながってくると思う。ですから、現時点では参議院中心の民進党という立場が本当にいいのかどうかを含めて、あらゆる選択肢を我々は考えていかなければいけない。当然、大塚代表のもとの新執行部は民進党としての執行部ですから、当然、当面民進党という立場の中で、どのような形の中で国会対策をやり、党勢拡大をし、次の統一地方選挙や参議院選挙、しかるべき総選挙に向かっていけるかということは、私たちはいろいろな選択肢を持ちながら、国民の声を聞き、地方議員の皆さんの声も聞いていくということで、おのずから決まってくるのかなと。
 当然、今は民進党という組織・政党の中で行動していくことは当然であります。

【代表】
 まず、先ほどの「次の内閣」の不設置というのは、これはあくまで案と書いています。そして、その上に書いてありますように、所管の長、このケースでいうと政調会長の足立信也さんが速やかに検討・具体化すると。
 これは足立さんご自身にもお考えいただかなければいけないのですが、今までと同じ人数のNC(「次の内閣」)を任命していったら、党運営はもたないです。職員の皆さんの数も少ないですから。だから、全然後ろ向きではなくて、現実にこれだけの規模になった政党として、どのように効果的に人数以上の活動を行い得るかという工夫をするという意味でありますので、後ろ向きでは全くありませんので、その点はご理解ください。
 あわせて、これはあくまで案ですから、もうあしたにでも足立さんと話をして具体的な対応を検討させていただきたいと思います。
 最後になりますが、これは両院議員総会の時に大事なことを申し忘れていました。これらの本部とはまた別に、福島の復興というのはまだまだ道半ばでありますので、福島復興に関する対策本部的なものは早急に議論をして、ぜひ立ち上げさせていただきたいと思っております。
 それから、今、幹事長が「イノベーション」という言葉をお使いになったのですが、最近はAIがはやりですが、私たちはやはりPIが必要だなと思っています。ポリティカル・イノベーション。つまり、やはり自民党はある程度長い伝統と蓄積で一つの政党の形ができ上がっているわけですが、我々、いい意味で国民の皆さんに政権選択の機会を提供していく上で、じゃあこれからどういう対応の仕方があるのだろうかというのを、あまり過去の例とか2009年の成功体験にとらわれることなくポリティカル・イノベーションを追求しなくてはならないと思っています。
 実は幹事長とるるお話をしていく中で、期せずして幹事長からも「イノベーション」という言葉が出て、私もPIということをずっと考えていたものですから、そういうことを念頭に置きながらこれから党運営に当たらせていただく所存であります。

○野党連携について

【読売新聞・鈴木記者】
 増子幹事長に伺いたい。大塚代表はかねてより「3党物語」で連携とおっしゃっているが、あらためて増子幹事長としての今後の野党連携、あるいは再編に対する考え方をお聞きしたい。

【幹事長】
 基本的には代表の進める方向性を私たちはしっかりと踏まえていかなければいけない。
 冒頭に申し上げたとおり、現在の我が党の状況は参議院中心、衆議院は党籍を持っていても「無所属の会」という形ですから、これは国会対策上はしっかりと、やはり同じような考えを持つかつての仲間の皆さんも含めて連携していかなければいけないのだろうと。
 全くこれは代表と異なる方針ではありませんので、このことを踏まえながら代表とよく相談をしながら、また代表の指示を受けて、しっかりと国民の皆さんに「ああ、しっかり国会対策をやっているな」という形をつくり上げることができることが大変いいことだと思っていますので、そういう方向で私も代表と一緒にやっていきたいと思っています。

【読売新聞・鈴木記者】
 現時点でスケジュール感とか、おおよそのものは。

【幹事長】
 「3党物語」から含めて、ですか。

【読売新聞・鈴木記者】
 そうです。

【幹事長】
 これはご案内のとおり希望の党(共同代表選挙)がきょう告示になりまして、10日に投票ですよね。それを見て、さらに来週以降本格的な国会で新たな論戦が始まっていくということになりますから、それも見きわめながら、どういう形がいいか。拙速は避けつつ、やはり積極的にそういった問題についても取り組んでいく必要もあるのだろうと私個人は思っています。

【NHK・稲田記者】
 増子さんに伺いたい。今の「3党物語」に関係するが、立憲民主党は、いわゆる永田町の数合わせの論理にくみするつもりはないということをこの間再三繰り返している。かつての仲間ではあるが、そういうことを言い続けている相手に、向こう側の福山幹事長はかつての同僚だが、どのように声をかけてその場に出てきてもらおうと、どういった形の場をやっていこうとお考えか。福山さんには、まずどういった言葉をかけていきたいかお聞きしたい。

【幹事長】
 これは他党の代表の発言を、直接聞いたわけではありません、報道で知るのみです。ですが、かつて我々は同じ釜の飯を食って、政権をお互いに担ってきた仲間ですから、そういう方々と虚心坦懐いろいろな形で話し合う余地は十分あると思っています。
 同時に、国会対策と、政党としての姿の数合わせというものは、ちょっと違うのではないかと。国会、バラバラと言われるよりは、ある意味ではしっかりと連携していくこともまた必要なのではないか。同時に、それぞれの党のアイデンティティを大事にしながら、どのような形で党勢拡大をしていくかということ。  「数合わせに走らない」、当然我々も、大塚代表もそのようなお考えを持っていると思います。しかし、話をすること、お互い話を聞くこと、それは先ほど代表の挨拶の中にもありましたが、こういう代表のお気持ちをしっかりと我々受けとめて、我々が頭を下げてでも虚心坦懐な気持ちで皆さんと連携をしていくような下地をつくることがまず私の役割だと思っていますから、あまり心配しないでしっかりやっていきたいと思っています。

【NHK・稲田記者】
 関連して。今おっしゃったことは、希望の党や、あるいは他の野党たる共産党や社民党、自由党、そういうところとも同じような考えなのか。

【幹事長】
 国会対策委員長がきょう新たに選任されましたので、こういったことについては国対委員長と私と代表ともちろん相談しながら、どういう形で連携していくことが国会対策上一番いいのか。これからのことでありますから、今の時点でどうということに言及することはできないと思います。
 しかし、やはり今の政権が間違った道を歩むならば、どの党とも我々は連携していくことは基本ではないかと、私自身は思っています。