大塚耕平代表は29日、日本記者クラブが東京都内の日本プレスセンターで開いた記者会見に出席した。大塚代表は(1)総選挙で国民に政府を選択できる構図を示すこと(2)民主主義を重んじる仲間と政権をつくること――が代表としての仕事だと語った。

 大塚代表は、「わが国の民主主義はまだ進化の途上にある。発展途上であるという認識を持っている」と述べ、「主権者とは何か。総選挙で政府を選べること以外ない」と断じ、2009年の総選挙で初めて国民が政府を選んだと説明した。そのうえで、「国民の皆さんが政府を選択できる国でなければ健全な社会、健全な民主主義は維持できないという気持ちでいる」と述べ、「総選挙の時にまた国民の皆さんに政府を選択していただけるような構図に持っていけるかどうかがこれからの私の仕事。私の任期は来年の9月なので、まずは与えられた任期の中でそのための助走期間としてこれからどういうガバナンスを行っていくのかが私自身に問われている」と決意を語った。

 代表質問で大塚代表が安倍総理に質問した「保守」と「リベラル」の概念をあらためて取り上げ、「保守であれリベラルであれ、自分の意見だけが正しい、あるいは自分の意見を押し付けるということをやると、そこに争いごとが発生する」と説明。「正しいとか正義とかは定義ができないので、だから熟議を尽くせば尽くすほどより良い結論に到達できるかもしれないので、議論を尽くせと言っている。これが民主主義。実はこれからの対立軸、本当の対立軸は民主主義をより重んじる勢力か、民主主義を軽視とは言わないがわたしたちよりはかなり軽く考えている勢力か、国民の皆さんにどっちに政府を預けるか問うことが重大な対立軸ではないか」と語った。こうした考えにたって大塚代表は、「私としても今の安倍政権、あるいは自民党の皆さんが民主主義というものに対して深い洞察に欠けた政権運営をしているなという意識がしている。安倍さんたちの状態が変わらないのであれば、民主主義をより重んじる仲間の皆さんと政権をつくるのが私の民進党代表としての仕事であろうと思っている」と述べ政権を取る意欲を示した。

 民進と立憲、希望で分かれてしまった中での今後の国会運営への考えを問われると、「衆院で申し合わせたことが、そのまま参院で通るわけではないので、与党の皆さんの国会対策はハードルが増えた。したがって、今の状態が異常と考えるのではなく、今の状態を有効活用できるような野党間の連携を考えていきたい。すでに幹事長同士の会談や国対委員長は無所属の会の平野さんが事実上いろいろな指南役をやっているので連携もしている。政調会長間の連携も始まっているので徐々に進んでいく」と進展を報告した。

揮毫(きごう)を示す大塚代表

揮毫(きごう)を示す大塚代表