党役員会見に関する基本的な方針について

岡田克也「無所属の会」代表記者会見

2017年12月5日(火)15時00分~15時18分
編集・発行/民進党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=MvxdN-jqJak


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○女性宮家創設の議論について

【「無所属の会」代表】
 皇位継承について、本日の閣議で、「平成31年4月30日退位、5月1日改元」の皇室会議の報告がありました。8日に閣議決定されるということですが、天皇陛下ご退位、新天皇ご即位の日程が固まったことを厳粛に受けとめたいと考えております。つつがなく一連の儀式が行われ、広く国民の皆さんの理解を得て、祝意の中で儀式が円滑に進むことを願っているものです。
 ただ1点、私からは、特例法の附帯決議の中では、「女性宮家の創設等について(中略)本法施行後速やかに、皇族方の御事情等を踏まえ、全体として整合性が取れるよう検討を行い」という表現になっております。「本法施行後速やかに」ということになると、平成31年5月1日以降というふうにも受け取られかねないわけで、もちろん本格的な政府における検討はありますが、国会においては別にそれに制約される必要はありませんので、ご退位の問題も途中の段階からむしろ国会主導で議論が行われたわけで、女性宮家の問題は急ぐ話なので、しっかりと国会でも議論をしていく必要があると思っております。
 具体的にどうするかということは、今後、党としての考え方も執行部と相談した上で、議長や副議長に対して申し入れをしていきたいと考えております。

○国会審議 森友学園・加計学園問題について

【「無所属の会」代表】
 それから国会がもう終わるということで、国会が終わったら記者会見は予定しておりません、記者懇談会ということにしたいと思いますので、きょうは(年内)最後の記者会見になるわけですが、やはり注目の森友学園・加計学園について、しっかりとした議論を尽くすことができなかったことは大きな後悔として残ります。
 安倍総理は、財務省が(適切と)言うからそれを信用して答弁していたのだという趣旨のことをお話しになったわけですが、ご自身の問題で、しかもこれだけ国会で何度も取り上げられたことについて、財務省が言うからそれをオウム返しに言っていたというのは極めて無責任な発言で、しかも官僚にその責任を押しつけるものであります。
 ご自身としてどう考えていたのか、あるいはいるのかということについて、まだ説明責任をしっかりと果たされていないと思いますので、これからもこの問題、問うていきたいと思っております。

○国会審議 外交・安全保障政策について

【「無所属の会」代表】
 北朝鮮ミサイル情勢への対応ということで、きょうも本会議で決議が行われました。あしたの外務委員会でこの問題を取り上げようと思っておりますので、テーマとしては、この北朝鮮の問題と、特に本会議で代表質問をして十分な答弁が得られなかったことについて、しっかりと外務大臣と一対一の議論をしたいと考えております。
 あわせて、これも本会議で申し上げたのですが、非核三原則の問題について、河野外務大臣は大臣就任前と大臣になってから言うことがかなり変わっております。大臣就任前の発言をそのまま受け入れれば、結局また密約ではありませんが、日米の食い違い、あるいは国民をだますということがこれからも続いていくことになりかねませんので、そこについてしっかり議論をしたいと考えております。


■質疑

○国会審議 与野党の質問時間配分について

【時事通信・岸本記者】
 冒頭の国会での質疑の関連で伺いたいが、今回の与野党の時間配分についてどのように受け止めているか。

【「無所属の会」代表】
 結局、森友・加計を総理が出席の予算委員会でやりたくないということに尽きるのだと思います。
 ほかの委員会では、5対5とか、必ずしもそういった主張がなされているわけではありません。各委員会で理事間で協議して、(野党側への)時間の配分、従来と比べると少なくなっている部分もありますが、あまり変わってないというのが実態だと思います。
 やはり総理は、「丁寧に説明する」とかいろいろ言われましたが、結局、国民の前できちんと説明ができない。あるいは、したくないということのあらわれだと思います。それを自民党総がかりで守ったということではないでしょうか。

【朝日新聞・斉藤記者】
 関連で。多数を持っている与党がそうやってくることに対して、今後、野党として何か手だてはあるか。

【「無所属の会」代表】
 前から申し上げていますように、やはり野党間で協力することは不可欠だと思います。
 協力の度合いはいろいろな段階があって、相手もあることですから一概に言うことはできないと思いますが、例えばそういうスキャンダルの事実をただす、そういうことについては少なくとも野党3党はしっかり協力してチームをつくるとか、そういうことができなかったことが今回の反省点だと思います。
 特に参議院において、他の2党はほぼ議席がありませんので、やはり参議院において民進党が受け止めて、希望や立憲民主の質疑も踏まえて質問すると。そのためには、やはりチームが一つになっていないと十分ではないということだと思います。

○「共謀罪廃止法案」について(1)

【NHK・稲田記者】
 テロ等準備罪を廃止するための法案(組織犯罪処罰法改正案)の共同提出が民進党にも呼びかけられているが、岡田さんは会派の代表としてはこの法案の共同提出に乗るべきとお考えか。どういった対応が望ましいとお考えか。

【「無所属の会」代表】
 これは既に党内的な手続を経て、代表に一任ということになっていますので、私が今ここで何か申し上げないほうがいいと思います。
 ただ、目指す方向は、党の中で食い違いがあるとは思っておりません。

○「連合フォーラム」の立ち上げについて

【朝日新聞・斉藤記者】
 きょう連合の神津会長が「連合フォーラム」、要は推薦を出している議員が集まる会合をつくろうと。これは3党連携にも関わってくると思うが、期待するところなどがあれば伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 連合のほうで、3党がしっかり結束して行動できるように、そういった仕組みを考えていただいていることは歓迎すべきだと思います。党は違っても同じ思いの議員が集って政策のすり合わせをしていく、同じ方向で動いていくということは、将来の連携、本格的な連携につながってくる。そういうことだと思っています。

○党改革本部 中間報告のたたき台について

【テレビ朝日・村上記者】
 きのう、党再生の中間報告のたたき台が示された。ごらんになっていたら、そのご所感を伺いたいのと、その中で「解党的出直し」という文言があった。これまでも「解党的出直し」という言葉はよく使われていたと思うが、今回はどのような意味で使われているか、お考えをお聞きしたい。

【「無所属の会」代表】
 中身の話はちょっとわかりませんので、まとめられたペーパーを見る限りは、非常に抽象的であって、特にそれが何か問題があるとは思っておりません。
 ただ、「解党的出直し」とか「あらゆる改革の選択肢」とか、言葉がかなり躍っていますよね。その割には具体策が書いてないので、これからだと思っています。
 党内手続もこれから、今週何回か会議を持って行われるということですので、さらにしっかり議論していきたいと思いますし、党大会を目指して最終結論に至るということになると、もう時間的には、次の国会が始まるころにはまとまっていないと。党大会が2月の初めと言われていますから。
 国会がいつ始まるかわかりませんが、(1月)19日とか22日とかいうことになると、それまでに具体的なものはもうまとまっているということなので、年末年始でなかなか地元も皆さん忙しいと思いますが、しっかりと議論に参加して、そして納得のいく報告書にしましょうということを、きょうの我が会派の総会でも申し上げたところです。
 私も執行役員ですので、議論に前広に参加をして必要な意見を言っていきたいと思っています。

【テレビ朝日・村上記者】
 関連で伺いたいが、きのうの常任幹事会の出席者からは、その「解党的出直し」という言葉自体が後ろ向きだという声も上がったようだが、岡田さんご自身はあくまで民進党は存続させるべきだとお考えか。

【「無所属の会」代表】
 「解党」というのは、解党をしてどうするのかという答えがないまま「解党」や「解党的出直し」という言葉が躍ったり、それは国民の信頼を得ることにはならない。やはり具体的にどうするかということがしっかりないと、自己否定ばかりしていてもだめなんだと、そういうふうに思っております。
 今、中間報告ですから、その決意を示したということはいいのですが、具体的にじゃあどうするのかと。
 私、申し上げているのは、今までの何が問題だったのか。そのことをきちっと反省をして、指摘をして、特に衆議院選挙の直前の一連の行動も、これ我々は総括していませんから、しっかりやって、そういうことを踏まえて「我々はこう変わる」ということを言わないと、言葉だけ躍るということでは有権者や党員・サポーターの皆さんの理解を得ることにはならないのではないかと思っています。
 だから前提として我々が何を目指しているのかということですが、それは当然、政権交代ある政治、自民党に代わるもう一つのしっかりとした固まりをつくる、政権交代を実現するということが目指しているところなので、そういうことが明確にわかるような、そういう報告でないと有権者の皆さんには伝わらないのではないかと思っています。

○「無所属の会」会派活動について

【読売新聞・藤原記者】
 会派のことでお尋ねしたい。間もなく特別国会が終わるが、来年1月に通常国会が召集される際に、確認だが、通常国会も今の「無所属の会」の会派として活動していくと現時点で考えていらっしゃるということでよろしいか。

【「無所属の会」代表】
 これはいろいろな議論があります。
 幾つかのメディアから、何か政党交付金を受け取るために「無所属の会」になっているのではないかとか、全く論理的でない批判もありまして、もう少ししっかりと勉強してもらいたいと思います。
 政党交付金、我々の頭数も含めて(民進党の)政党交付金の額が決まります。それから立法調査費、これは1人当たり幾らと決まっていて、その大部分は党に入るということになっています。それ以外に党の収入としては、党員・サポーターの会費とか、あるいは少ないながらも個人献金とか、そういうものが党の収入になって、その中で活動の一部として議員の活動のためのお金が給付されているということですから、政党交付金を特記して、何かそれをもらうために「無所属の会」をやっているんだみたいな話は、これは全くおかしな話だと思います。
 その上で、じゃあ名前をどうするのかというのが次の議論としてあります。
 もう一つは、やはり会派をつくらないと国会活動が極めて制約されることも事実です。委員会の質疑など、私も外務委員会でやりますが、完全無所属の方はほとんど質問できていないのではないかと思うのですね。一定の仲間が集まって、そして国会活動に参加していくというのは、当然国会議員としてはやらなければいけないことだと私は思っています。そういう意味で会派というのは非常に重要だと考えています。
 問題は、名前ですね。名前が紛らわしいという批判は当然あります。その名前をどうするのか。私としては「無所属の会」の代表ですので、皆さんの意見をよく聞いてみたいと思っています。
 我々は選挙を無所属で戦ったことは間違いありません。そして、選挙をどう戦うかというのは議員の一番の根本のところなので、我々は「無所属の会」ということで名乗りを上げたわけであります。
 ただ、前からここでも申し上げているように、我々が民進党の衆議院における会派であることも事実。そのことは何度も申し上げております。そこがうまく結びつかないというご批判はご批判としてわかります。
 私も頭を悩ませているところですが、ただ、「民進党」ということであると会派の中にはいられないという方がいることも事実なので、そこは皆さんの総意を私としては大事にしながら意思決定していきたいと思っています。

○「共謀罪廃止法案」について(2)

【時事通信・岸本記者】
 先ほどの質問で、「共謀罪廃止法案」の対応について。「目指す方向は、食い違いがあるとは思っていない」と代表はおっしゃったが、対応に食い違いは出てくるか。

【「無所属の会」代表】
 それは大塚さんに一任していますので、私が何か言わないほうがいいと。それは代表一任が決まった以上、代表が最終的に責任を持ってお決めになるということだと思います。

【時事通信・岸本記者】
 大塚代表が決めた対応に、「無所属の会」も衆院の民進党会派として従うという理解でよろしいか。

【「無所属の会」代表】
 基本はそうです。

○ことし1年の政治情勢を振り返って

【朝日新聞・斉藤記者】
 突飛で恐縮だが、ことし最後の会見だということで。ことしはまれに見る、野党にとっては激動の年だったと思うが、どう振り返るか。

【「無所属の会」代表】
 年末というのはいろいろなことが今までもありました。党が突然解散されたり、そういうこともかつてありました。新進党が解党されて、あわてて、小さな党が幾つもできて、やがて民主党と合流するという。
 そこまでは行っていないものの、かなり日本の政治としてはひどい、この10月・11月・12月だったと思います。党員・サポーター、あるいは有権者の皆様に対して、本当に申しわけないと考えております。
 ただ、謝っているだけではいけないので、もう一回この野党を、しっかりと力量を発揮できるように、どういうふうにして力を結集していくのか。あまりあわててもいけないと思いますが、そんなに時間があるわけでもないので、今までのさまざまな信頼関係をもとにしっかりとした話し合いをしていきたいと思っています。

【朝日新聞・斉藤記者】
 どう「ひどい」か。

【「無所属の会」代表】
 せっかく二十数年間かけてつくってきた野党第1党が空中分解してしまったわけですから、それは「ひどい」以外の何物でもないと思います。