党役員会見に関する基本的な方針について

大塚耕平代表記者会見

2017年12月21日(木)15時00分〜15時21分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=LMRhpxROsSg


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○来年度予算案・次期通常国会について

【代表】
 政府の予算案も、あす正式に決定ということでございますので、我々としては予算案の中身をしっかりチェックして、来年の通常国会に臨みたいと思います。
 スパコンの問題とか、リニアの問題とか、いろいろ国会で取り上げなくてはならない問題が浮上しております。これらに関する予算の中身がどうなっているかなど、検証すべき点は多々ありますので、しっかりと通常国会に臨む準備をいたしたいと思います。


■質疑

○死刑制度について

【「フランス10」・酒井記者】
 ゲイレポーター、酒井佑人です。死刑について伺いたい。先日、死刑囚2名の執行が行われた。フランス大使館のローラン・ピック駐日大使は、フランスは世界じゅう至るところで死刑という非道徳的で犯罪抑止力のない刑罰に反対しています、と抗議声明を出している。駐日EU代表部、東京に大使館を置く26のEU加盟国及びアイスランドとノルウェーと共同し、抗議声明を出した。大塚代表は、この死刑執行をどう思われるか。また大塚民進党代表は死刑に賛成か反対か伺いたい。

【代表】
 まず、党として死刑について一定の見解をまとめてはおりませんので、これについては党内でしっかり議論をしていかなくてはいけないと思っています。
 同時に、私個人も含めて、死刑という大変重い刑罰、これについてはもちろん人権の観点からどのように考えるかというのは大きな問題ですが、一方で、死刑に相当されるというような判決を下される重い罪を犯した場合に、その被害者の皆様のご家族の感情などをどう考えるか。検討すべき点は非常に深いと思います。
 ヨーロッパの国々等、既に死刑を廃止している国々からは、一定のこのことに対する反応があるのは理解できますが、日本においては現行の法制の中で、今申し上げたような観点を十分吟味しながら、これからも死刑制度のあり方は議論していかなければいけないと思っています。

○憲法論議について

【朝日新聞・斉藤記者】
 憲法のことで、四つ、自民党が改憲テーマについて議論している。9条への自衛隊明記、緊急事態条項の創設、参院選の合区の解消、教育無償化。それぞれ各党議論していると思うが、この四つのテーマについて、今の民進党や代表の立ち位置を伺いたい。

【代表】
 私の立ち位置というのは党の方針でありますので、党の方針ないしは党の議論の集約された結果として申し上げられることは、この自衛隊の問題は、まだ総理から十分に直接の説明を聞いているわけでもありません。自民党からも聞いているわけではありませんので、コメントを現段階でする立場ではありません。
 ただ、先般、私が代表質問で総理にお伺いした内容はご承知のとおりだと思いますが、我々は憲法に書いてあろうとなかろうと自衛隊は合憲の立場でありますので、憲法に自衛隊を明記しないとならない理由及び明記すると何が変わるのかということについて代表質問でお伺いしましたが、これについて明確な答弁がなかったわけであります。こうした点をしっかり詰めていくことをこれからしていく過程だと思います。まだ正式に何かこういうことを国会に提案されたわけではありませんが、今後しっかり議論していきたいと思います。
 それから緊急事態条項は、これは国民の皆さんの人権を制約する内容になる蓋然性が高いわけでありますので、はたして緊急事態条項なるものの人権の制約と、緊急事態条項によって実現しようとしている法理とのバランスの問題であります。これも一体どのようなお考えなのかということはしっかり議論しないと、現時点では賛否とかコメントを申し上げる段階ではありません。
 参議院の合区の解消、これはまた非常に重要な問題でありまして、国会の中でも自民党さんの中においても議論が収れんしなかった中で、今回はこの合区の解消が自民党さんの憲法改正推進本部として一つの案として出てきたということなので、一体どういう考え方で、合区を現に認めてしまった現状において、この合区解消という論理に至っているのか、これはお伺いしたいと思います。これは我々にとっても同様に重い問題でありますので、自民党さんと一緒にしっかり考えていきたいと思います。
 教育の無償化は、国が教育環境の整備を不断に推進すべき旨を規定する方向で概ね一致となっているのですが、これは別に憲法に書かなくても、不断に整備する。しかも普段から。これはもう当然の責務であって、このことによって何をしようとしていらっしゃるのか、あるいは、教育無償化というような総論においては誰も反対しようのない項目をあえて入れることで何か副次効果を狙っていらっしゃるのか、ちょっとよくわからない点がありますので、お考えの開陳があればしっかり直接お伺いしていこうと思っています。

【朝日新聞・斉藤記者】
 党内で議論するとあったが、どこの場で、どういうスケジュールで議論していくお考えか。

【代表】
 これは、11月8日の(両院議員総会で)今後の基本方針(「今後の党運営について」)で、基本政策検討本部なるものを立ち上げることの了承をいただいております。ご承知のように、党内の改革本部のほうの議論に今、集中的にエネルギーがかかっているのでまだ立ち上がっていないのですが、そうした検討本部や、あるいは政調内に設置するかどうかを今検討中の憲法調査会、こうした場で議論していくことになると思います。

【NHK・稲田記者】
 関連して。自民党の4テーマということだが、今、各論については代表のお考えを伺ったが、総論として、こういったことをしたいという与党の姿勢、公明党はまた別の考えがあると思うが、その全体について代表はどういうふうに総論としてお考えか。

【代表】
 我々は、憲法改正は建設的に議論をしていくべきという立場でありますので、従来から「論憲」とか「創憲」という言葉を使っております。民主党時代から。必要なことは議論すべきだと思います。
 例えば今回の9月28日の解散もそうですが、首相の解散権のあり方などは、これはますます非常に重要な論点が明確になってきていますので、こうした点も含めて議論はしていくべきだと思います。
 ただし、憲法というのは国の骨格を決める非常に重要なものであるということは皆さんご承知のとおりですので、拙速な見直しや十分な議論のない中での見直しということは避けなければならないと思っています。

○離党届の取り扱いについて

【新潟日報・長野記者】
 党所属議員の離党についてお伺いしたい。新潟選挙区選出の風間直樹さんが、きょうこれからだと思うが、離党届を提出し立憲民主党に移るということを言っているが、こちらについての対応と、こういう形で所属議員の離党に歯止めがかからない格好になっているが、この受け止めについて。2点お願いしたい。

【代表】
 まず、報道は存じ上げていますが、この後16時前にこちらにいらっしゃるという連絡は受けていますが、具体的なお話は聞いていませんので、現時点では風間さん個人のことについてのコメントは差し控えたいと思います。
 この間、有田さんの離党届は今お預かりをしていますが、やはり党所属の議員の皆さんには、総選挙があのような展開になった結果の現在の混乱ですので、より冷静かつ慎重にお考えいただいて、やはり党が再生・結束していく方向でご努力もいただきたいし、もともと3党は3ヵ月前は同じ党だったわけですから。いわば、もう一度3党が連携して国会で活動していけるような方向でご協力をいただきたいと思っています。

○党改革の議論について(1)

【読売新聞・鈴木記者】
 党の改革についてお伺いしたい。先日、両院懇談会が行われたが、それを代表として率直にどのように受け止めたかというのと、来週にも代表の考え方をあらためてまとめて提示するということだが、それについてはどういう方向で今検討されているか教えていただきたい。

【代表】
 一連の経過は皆さんもご承知のとおりであります。全国幹事会は、随分落ち着いた議論になってきていると思います。それはやはり国会の事情、特に衆議院の事情でこの3党分裂が起きた結果、地方議会でも、やはり他党に移らなければならないという事情が生じている中で、従来の仲間は各級議会で、同じ会派や、今あちらこちらで動きが出ている地域政党というような枠組みで一緒にやっていこうというご努力をされている最中なので、まさしくそういう方向の改革本部の考え方ということに非常に冷静に対応していただいているのですが、国会のほうは、特に衆議院の皆さんを中心に3党分裂した当事者でいらっしゃるので、全国幹事会の皆さんよりはかなりいろいろなご意見がまだあるというのは事実だと思います。
 しかし、一定の方向で収れんしていくことを期待していますし、私は26日に、この1ヵ月半、相当の熱心なご議論をいただきましたので、代表として一定の考え方を総合的にお示しするつもりでいます

○「終身刑」制度について

【「フランス10」・及川記者】
 死刑制度について伺いたいが、終身刑というのは、よく人道的な政策だと思われているが、死刑よりも残虐な面もあり、例えばイタリアで340名の終身刑囚が、このまま生かされるよりは死刑を執行しろという嘆願書を首相に出したこともある。あるいは、フランスでも同様に、終身刑囚が死刑執行にしてほしいというような嘆願書を出したこともある。民進党としては、あるいは大塚代表としては、終身刑の導入についてはどのようにお考えなのか伺いたい。

【代表】
 これも、先ほどの死刑と同様に、犯罪とか刑罰というのは加害者と被害者がいるわけです。終身刑についても、実はその加害者として刑に服している方のお立場の考え方と、それから被害者としてそのご家族の受け止め方、これは死刑と同様に終身刑も非常に難しい問題があります。
 加害者として刑に服している方は、今ご質問のような受け止め方もある一方、被害者として被害に遭われた方のご家族などは、やはり加害者が現に生存しているということに関していろいろなお気持ちをお持ちの方もいらっしゃいます。
 そういう中で、各国の過去からの刑罰の歴史とか社会の受けとめ方というのは微妙に差があります。そういうことを十分に反映して、我が国における終身刑のあり方というのは考えていかなければいけないと思います。

○友党との連携について(1)

【共同通信・河内記者】
 3党の連携の話だが、民進が目指している立憲や希望との統一会派に関して、呼びかけるにしても、どのタイミングでいつ呼びかけるかといった今後のスケジュールをどういうふうにお考えになっているか。立憲民主のほうはやはりこれには否定的な考え方のようだが、そういった政党に対してどのように代表として呼びかけていきたいかといったことについて伺いたい。

【代表】
 タイミングの問題も、それから今2番目にご質問になられた、立憲は否定的だがどう思っているかということも、両方とも予断は抱いていません。
 とにかく、まず1点目のほうは、26日の議員総会で一応ご了解をいただきたいと思っていますので、それを経た後に考えたいと思います。
 それから二つ目の質問ですが、これは先ほどもちょっと申し上げましたが、3ヵ月前まで同じ党でやっていたわけですから。いろいろな事情で、今、それぞれのご主張を独自の党としてされ始めていることは十分理解していますが、非常に乱暴な国会運営をやっている安倍政権・自民党に対して、一定の合意の枠組みをつくって協力していくということは、もう十分可能だと私は思っています。
 トリガーが我々の党からの申し出ということになるわけですが、ぜひ双方、「双方」というのは、私どもと立憲、私どもと希望、歩み寄って何とか3党連携ができるといいなと思っています。

○安室奈美恵さんの引退・紅白出場について

【「フランス10」・及川記者】
 芸能の話だが、安室奈美恵さんが紅白出場することについてのコメントと、引退されるわけだが、安室奈美恵さんの足跡について、大塚代表の何かお考えというかご感想があれば伺いたい。

【代表】
 安室奈美恵さんは偉大なシンガーだと思っていますので、来年、誕生日でご引退されると聞いておりますが、一ファンとしては残念です。
 紅白出場は大変うれしいですので、私も紅白見ようと思っています。

○友党との連携について(2)

【朝日新聞・斉藤記者】
 3党の統一会派の話で、一定の合意の枠組みというのは、どういうテーマで、どの程度のカッチリとした合意が必要と考えるかということと、ちょっとテクニカルだが、両方とも合意したら3党になるから一緒だが、やり方としては3党の統一会派を申し入れるのか、それとも各党に「私と組んでください」と申し入れるのか。

【代表】
 一定の合意の枠組みは、これは過去にこういう共同会派・統一会派はいろいろな例が現にあるわけですから、我々もこの今の党になる過程では民主党と維新の党で合意をしているわけですので、大体その時のような枠組みをイメージしています。
 それから、我々はやはり3党でぜひやりたいとは思っていますが、これはお相手のある話なので、お相手の反応と、それから国会情勢、そして刻一刻と時間は過ぎていくわけでありますので、年が明けると翌年は統一地方選挙と参議院選挙がありますから、そういう時間軸も考えながら、申し出た後の対応については考えていきたいと思っています。

○党改革の議論について(2)

【読売新聞・鈴木記者】
 党改革についてもう一回伺いたいが、26日に考えを示した上で、最終的にはどういうふうに決めたいとお考えか。例えば代表に一任を求めるとか、投票にするとか。

【代表】
 きのう、両院懇の最後に申し上げて、ブリーフで皆さんに伝わっているかどうかわかりませんが、今、私ないしは執行部としての考え方は、まさしく整理している最中でありますが、おそらく26日にお示しするものは、カテゴリーとしては三つに分かれると思います。
 26日に皆さんにご了解をいただくべきもの、あるいはご了解をいただくことが可能なもの。
 それから、年末年始も含めてさらに検討を進めて、できるだけ早い段階でご了解をいただくことを目指すもの。
 もう1個は、2月4日の党大会で皆さんにご了解いただくべきもの。
 大体三つに分かれると思います。