党役員会見に関する基本的な方針について

大塚耕平代表記者会見

2017年12月28日(木)15時00分~15時28分
編集・発行/民進党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=468ZeeJHc0M


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○党改革の議論について

【代表】
 クラブの皆さんもお疲れさまでございます。ことし1年はクラブの皆さんにもいろいろお世話になりましたが、ことし最後の定例記者会見ということでご報告を申し上げます。
 せんだって26日の会合で確認された「確認事項」に沿って、これから私達は粛々と、しかも迅速に、さまざまな懸案に対処していきたいと思っております。
 ついては、31日に執行役員会も開きますが、基本政策検討本部の検討会も開催いたします。まだ基本的な議論を始めるところでありますので、記者の皆さんにおかれては気兼ねなくゆっくりお休みをいただきたいと思っております。わざわざ取材に来ていただく必要はありませんので、その点申し添えたいと思います。


■質疑

○友党との統一会派交渉について(1)

【読売新聞・鈴木記者】
 希望の党が、統一会派の結成について交渉のテーブルには着くという方針を示されたようだが、今後の3党連携・統一会派の進め方についてあらためて伺いたい。

【代表】
 希望の党の対応については私も先ほど連絡を受けたところで、まだ詳細を聞いておりませんが、私達としてはできる限り3党での統一会派を実現する方向でぎりぎりまで努力したいと思っていますので、引き続き立憲にも働きかけていきたいと思っています。

【読売新聞・鈴木記者】
 「ぎりぎりまで」というのは、締め切りとしては何を想定していらっしゃるか。

【代表】
 それはもちろん通常国会が始まるまで、ということです。

【朝日新聞・斉藤記者】
 3党でというのが難しい場合は、2党もあり得るのか。

【代表】
 現状では予断を抱いておりません。ぎりぎりまで3党で統一会派を組めるように努力したいと思います。
 立憲の皆さんのご主張は十分理解しておりますので、説得できるように努力したいと思いますが、やはり私達は総選挙において国民の皆さんに政権を選択していただけるような、そういう政治構造を提供していくのが非常に大きな責務だと思っておりますので、立憲の皆さんにも、そういう公党、しかも今は我々は野党サイドにいるわけでありますので、その野党サイドにいる公党としての重要な責務について十分にご理解いただけるように努力したいと思っています。

【朝日新聞・斉藤記者】
 テーブルに着きますよということだが、次テーブルに着くのはいつごろを想定しているかということと、31日はどういう会議になるのか。

【代表】
 今の前段のご質問は、希望についてですか。

【朝日新聞・斉藤記者】
 希望について。両方ともスケジュールの話で、希望との協議はいつか、31日の党内協議は何か。

【代表】
 希望の皆さんとの協議は、スケジュールはまだ聞いておりません。これは2幹2国にお任せしていますので、幹事長・国対委員長のほうでスケジュールをお決めになると思いますが、現段階では聞いていません。
 31日は、執行役員会は統一会派のこちらからの申し出に対する状況についての認識の共有と、今後それを受けてどうするかを協議することになります。
 基本政策検討本部の検討会のほうは、共同座長も決まり副座長も決まりましたので、やはりせんだって26日の「確認事項」の第1、我々は国民の生活向上が党としての原点であると。目標の最も大事な点であるということを踏まえて、綱領等の修正あるいは加筆が必要であればそういうことに取り組むということが決定されたわけですので、そのことについての議論をスタートするということであります。

○党改革の議論について(1)

【「FACTA」・宮島記者】
 この間、代表らしい文体で見事なドラフトというか、「政界のマッキンゼー」というぐらい、その点ではなかなか評価が高いが、やや根回しが足りなかったのかなと言う人もいる。来年もう少し、今のモードをどういう形でまとめる方向で考えていきたいと思っているか。少し反省というか、それも含めて伺いたい。

【代表】
 いや、逆にお伺いしたいのですが、根回しが足りないというふうには思っていませんので、それはどういう点でしょうか。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 どなたかとは言わないが、蓮舫さんあたりは、何かもう少し話をしたかったようなことを言っておられる時もあった。地方の議員とかそういうところには非常に細かくやって、それが全て「見える化」されているのはすばらしいが、本音はどうなの、というようなことも含めていろいろ聞きたい人もいたのではないのかなと。この離党ドミノを見ていると、ちょっと残念なタイミングかなという面もあるが、その辺をどう思われているか。

【代表】
 ありがとうございます。そういう情報についてはできるだけ真摯に受けとめたいと思いますが、来年も十分に党内の調整を図って、やはり我々立ち止まっているわけにはいきませんので、決めるべきは決めていきたいと思っています。

○友党との統一会派交渉について(2)

【NHK・稲田記者】
 統一会派について、先ほど、通常国会が始まるまでとおっしゃいましたが、党内の一部では常会が始まってからも交渉を続けてもいいのではないかという声もある。確認だが、代表は通常国会が始まるまでに統一会派の結成で、始まってからはどうするというのは何か考えはあるか。

【代表】
 今のご質問は非常にいいご指摘ですが、交渉に終わりはありませんので、もちろん常会までには何とか実現したいと今は思っていますが、その交渉の経過を見て、しからば常会にはどういうふうに臨むか。そして、完全に3党連携がコンプリートしていなければ、常会が始まって以降もどうするか。これはしっかり検討したいと思います。

○離党届の扱いについて

【NHK・稲田記者】
 きょう蓮舫さんが立憲民主党への入党が認められたということだが、離党届の扱いが現状どうなっているか確認させていただきたい。

【代表】
 離党届は、今お預かりをしている状態です。
 きのう役員会で一応報告はしましたが、これは常幹で決めなければなりませんので、今はお預かりしている状態です。

【NHK・稲田記者】
 離党届が受理される前に、友党たる立憲民主党が入党を受け取ることについて、代表としてどう思われるか。そしてそれは、事の整合性ということについてはどういう見解をお持ちか。

【代表】
 やはり公党間の、いわば暗黙の紳士協定的な観点から言えば、やはりこちら側の処理が終わっていない段階でお受け取りになられるというのは少し、いろいろ思うところもありますが、しかしこれは他党のご判断なので、我々としてこれ以上申し上げる立場にはないです。
 ちなみに先般の風間さん、有田さん、江崎さんも、私どものほうの対応が決定される前に一応入党届を受理しておられるというふうに聞いておりますので、同じようなご対応をされたのかなと思っています。

【朝日新聞・斉藤記者】
 黒岩さんもそうだが、蓮舫さんも年明けの常幹で離党届の対応を決めるということか。それから、交付金の関係はこれどうなるのか。

【代表】
 これは蓮舫さんの分はもともとカウントされておりません。
 政党届の作成というのがありまして、これは政党交付金の算定基礎になるのですが、そのために所属国会議員の承諾書及び宣誓書というのを12月15日付で毎年いただくことになっておりまして、蓮舫さんはそれを提出しておりませんので、もともと算定基準に入っていません。

【朝日新聞・斉藤記者】
 黒岩さんは。

【代表】
 他の方も一緒です。
 お一人は、たしか風間さんだと思いますが、届けておられたのですが、離党届を受理したということもあって、これは届け出をなかったことにして、当然、交付金の算定対象から除外しております。

【朝日新聞・斉藤記者】
 次の常幹で決めるのか。

【代表】
 蓮舫さんですか。

【朝日新聞・斉藤記者】
 黒岩さんも。

【代表】
 黒岩さんについてもそうですね、次の常幹で決めることになると思います。

○政党交付金・党財政について

【フリーランス・上出記者】
 政党交付金について伺いたい。各党によって考え方が違うと思うが、一般論として、政党交付金は国民の税金で成り立っているものであるから、その処理についてはできるだけ公平にということで、一部の学識者が、民進党はそれぞれ分かれたところにそれなりに公平に分けるべきではないかという声がある。そういうことに対してどう考えているかが1点。
 それから、本来、政党交付金と企業献金を両方一遍にやるというのはよろしくないのではないかというのはずっと議論としてあると思う。企業からもらう一種の賄賂ではないかと考えているところもある。今、民進党はその辺、企業献金と交付金との関係をどのように整理されているか伺いたい

【代表】
 まず、私どもの今の資産のうち、いわゆる助成金が財源になっているものは、あと10億ちょっとだと思います。あとはそれまでの、寄付金であったり党費であったり、さまざまなものの蓄積であります。もちろん交付金としてお預かりしたものを、使途上使用可能なものは助成金としていただいた交付金からまず使っていきますので、今そういう感じになっています。
 それから10月に交付された分については、おっしゃるようなご指摘があるのは理解をしております。それまでは年初の基準日の人数を抱えての政党活動でありましたので特段問題はありませんが、10月については、議員数が衆参合わせて約60になっていましたので、人数割分の、若干のそういうご指摘の部分があるのは理解しています。
 その一方、党職員の皆さん、そしてこの建物もそうですが、そういう経常資産として計上している部分がありますので、これはどういうふうにマネージメントしていくかという観点からいうと、やはりある程度これはお預かりをしないと運営できませんので、この処理についてはきっちりご説明できるような形にして今も運営しております。
 それから企業献金の話は、これは昔から続いている重要な論点でありますが、もともと私ども企業献金をあまり頂戴できる立場にはありませんので、助成金との関係では、それほど企業献金が何か構造的な問題になっているとは思っておりません。
 ただ、やはり企業献金なしでできる政治構造がいいと言う方もいらっしゃれば、逆に、税金で行うのはいかがなものかとおっしゃる方もいらっしゃるわけで、ここはバランスの問題ととるのか、それともどちらか一辺倒に集約すべきと考えるのか、難しいところだと思います。
 特に日本の場合は、まず個人献金をしていただける割合がまだまだ非常に少ない。そういう風土にないということ。しからば企業献金に頼るかということになると、企業献金は自民党さんに集中するわけでありますので、そうすると、なかなか健全な競争関係が成立するような政治風土になりませんので、この企業献金だけに一本化するというのは難しいかなと思っています。

【IWJ・谷口記者】
 一部報道では、これまでの政党交付金を含めた貯金額が民進党の中で今70億円あるのではないかと。先ほど政党交付金の残りの部分に関しては10億ちょっとという話があったが、一旦金庫に入ったお金に関しては色がないというか、企業献金の分と政党交付金の分を分けて使うということにもちょっと違和感を感じる。現在実際に貯金としてたまっている額をお聞きしたい。

【代表】
 まず、それは違和感があるのではなくて、これはちゃんと使い分けなければいけないのです、法律上。交付金は使途が決まっていますので、その使途として認められているものについては、やはり交付金からしっかり使っていくということになります。
 70億というのは私が就任時に申し上げていましたが、10月分も含めて、その後の精査は今していますが、年末の年越えの資金としては若干それより多くなると思います。今計算中ですが、おそらくそれよりは多くなる、80億に乗るか乗らないか。今、精査中です。

○党改革の議論について(2)

【新潟日報・小池記者】
 離党関係でお尋ねしたい。昨日、新潟3区の黒岩宇洋さんが離党され、今月に入って5人目の離党届となった。新潟に限定した質問で恐縮だが、衆院選後に、民進党籍を持ったまま無所属で出馬して当選した3人の衆院議員と、現職の参議院議員が相次いで離党している。2009年の政権交代時には最多で9人いた民進党県連の国会議員が、黒岩さんが仮に離党となれば、不在となる。
 今、党改革を進めていらっしゃるが、地方組織の維持・再生という意味で、地元の県連のほうからもちょっと先行きが見通せないということで、相当の危機感というか不安感がある。そういったことを踏まえて、現状の代表の認識をお聞きしたい。

【代表】
 まず、離党者がまた12月に入って出たことについては大変残念だと思います。
 それぞれご事情が若干違いますので一概に言えませんが、黒岩さんの場合は、私もご本人に会いましたが、やはり総選挙に無所属で出た以上、党籍があるというのは非常にわかりにくいと。どこかでけじめをつけなければいけないと思っていたけれども、年末、党改革の議論が一段落するところまで待とうと思っていたので、きのう提出をさせていただくことにしましたと、ご本人からきちっとご説明がありました。
 残念ではありますけれども、ああいう選挙になった以上、やはり有権者の皆さんへのご本人の説明責任であったり、とりあえずのけじめのつけ方として、まあ、やむを得ないかなと思っています。
 それから新潟のみならず、民進党所属(国会)議員がいなくなっている県というのはほかにもあるわけでありまして、そのために26日の会合で確認を皆さんにしていただいたように、これからさまざまな規約の変更をしていくことになります。
 その中の一つには、地方組織、総支部や県連が、私どもと友好・連携関係を維持できることが確認できる友党等の議員、つまり他党の議員ですね、この皆さんとはしっかり連携していけるように。しかも我々の組織の総支部や県連が、これを規約に基づいて支援できるようにするということが決まったわけであります。
 各県連、新潟のような県連の皆さんのご不安な気持ちは十分理解できますので、それを払拭できるように早く規約の改正をし、そして友好・連携関係を維持できる人たちは支援していくという体制をつくらせていただければ、おのずとそれぞれの県連や総支部の役割が決まってきますので、そのように対応したいと思います。
 我々は3党連携と言っているわけでありますので、冒頭のご質問とも関係がありますが、政党は政党のために存在しているわけではなくて、国民の皆様全体、日本国全体のために存在しているわけでありますので、今やはり野党側にいる公党はいろいろ政策的な違いはあったとしても、それを何らかの形で乗り越える努力をして、一つの固まり的な存在として国民の皆さんに選択をしていただくという状況をつくらないと、これは政党の自己満足になってしまいますので。それはよくないなと私は思っています。
 したがって、今申し上げましたように、他党の皆さんであっても、そもそも今回の経緯で、もともと我々と同じ党だった人たちについては、連携・友好関係が維持できるならば支援をしていけるようにしたいと。
 もちろん民進党としても、希望や立憲の現職や、あるいは我々と友好関係にある候補者がいないところでは今後擁立を努力していきますが、先々の連携の障害となるような対応は現時点では考えていませんので、できるだけ新潟の県連の皆さんにも今申し上げた仕組みを理解していただけるように努力したいと思います。

○LGBT差別解消法案について

【「フランス10」・酒井記者】
 ゲイレポーター、酒井佑人です。民進党の抱えているLGBT差別解消法案(「性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進に関する法律案」)などは、いつごろまでをめどに解決されるおつもりでお考えか。

【代表】
 これはできる限り早く対応したいと思いますが、通常国会でも、我々だけで対応するのか、それこそ3党連携、この問題については3党のみならず他の野党の皆さんとも連携して対応できるように努力したいと思っています。

○蓮舫議員の友党への入党について

【産経新聞・廣池記者】
 蓮舫さんが離党したことへの率直な受けとめと、代表経験者による離党というのが党にどのような影響を与えるのかということを伺いたい。

【代表】
 一言で申し上げて、大変残念だと思います。
 私も直接お会いしてお話ししましたが、ただ、蓮舫さんがおっしゃった内容の中で、やはり蓮舫さんも3党連携が必要だと思っているので、立憲に行かれた後も、逆に民進との連携のかけ橋になれるように努力したいとおっしゃってくださいましたので、それはそれで大変ありがたいことだなと思っています。
 代表経験者が離党されたというのは、繰り返しになりますが、大変残念なことではありますが、今、諸般の事情で大変かたくなになっておられる立憲に代表経験者が行かれてかけ橋として努力をしてくださるというのは、逆に力強い、心強いという面もあります。

【テレビ朝日・延増記者】
 関連して、蓮舫さんの離党について。党の改革の議論の中で蓮舫さん自身、党の存続を求めていたと思うが、それなのに離党するのはおかしいと、民進党内でも批判の声があるようだが、代表はその辺はどのように受けとめられるか。

【代表】
 そういうお声があるのは理解しています。常識的に考えればそのご批判はよく理解できますが、そもそも常識では考えられない事態が総選挙以降起きているわけであります。さまざまな不条理が我々の目の前にありますので、一個一個、これまでの常識では判断し切れない部分がありますから、先ほど産経さんにお答えしたように、大変残念ではありますが、逆に3党連携のために努力をしていただけるということであれば、ぜひ連携してやっていきたいと思っています。

○年末年始の過ごし方について

【共同通信・河内記者】
 ちょっとやわらかい質問だが、就任から2ヵ月近くたち、いろいろ大変だったと思うが、この年末年始、三が日も含めて、どのように。31日は執行役員会があるということだが、それも含めて、年末年始どのようにお過ごしになるご予定かお聞きしたい。

【代表】
 毎年、地元日程や東京での日程を消化しながら年末年始を過ごしていましたが、ことしは31日の党の会合等もありますので、例年とはちょっとスケジュールの消化の仕方が違いますが、必ず行きたいなと思っているのは、30日の地元の消防団の打ち上げと、それから元旦は朝から我々いろいろな会合があるのですが、皆さんあまりご存じないと思うのですが、愛知県の岡崎市は1月1日の10時から市主催の新年交礼会という、3000人が武道館に集まってやる会合がありまして、もうこれ私、当選以来16年連続で出ていますので、やはりそれにはちゃんと出たいと思っています。
 あと、うちは子どもが2人ですが、家族4人で集まれるのは毎年元旦しかないので、元旦は家族で食事をしたいと思っております。
 もう2日からは仕事です。

○党改革の議論について(3)

【読売新聞・鈴木記者】
 26日の会合の時に、できるだけ早期に新しい党に生まれ変わるとおっしゃっていたが、この「できるだけ早期に」というのは代表の中でどういうものをイメージされているか。

【代表】
 それはまさしく、あのスピーチ原稿の項番の3のところで書かせていただいた内容のとおりです。あそこは掛け値なく書かせていただいております。
 やはり同じ構成員で新党といっても、これはなかなかわかりにくい面があります。それから、今の私達の綱領とかが何か足りないとは全く思っていませんが、同じ綱領を掲げて同じメンバーで新党と言ってもこれは意味不明でありますので、やはりこれから綱領等をしっかり議論し、そして何がしか変更する必要がある。そして仲間も増えるということであれば、これは堂々と新しい党に移行できると思っています。
 同時に、「確認事項」の第1点には、国民生活向上が我々の政党として目指すべき原点であるということを皆で確認できたわけでありますので、やはりそういう政策に注力する政党として、もう一回きっちり皆の認識を共有し、そして、その点において連携できる他党や仲間を増やしていくことを念頭に置いて、新しい党にできる限り早期に移行できたらいいなと思っています。