民進党は16日午前、政務調査会第三部会(田名部匡代部会長=参院議員)を開き、香川県さぬき市の養鶏場で11日に確認された高病原性鳥インフルエンザの発生経緯と対応について農林水産省と防衛省からヒアリングを行い、合わせて東京都内などで確認されている野鳥への鳥インフルエンザの発生状況について、環境省から説明を聴取した。また、党香川県連から木村篤史・香川県議会議員が出席し、さぬき市内の現地周辺の状況について説明した。

 木村県議は、養鶏場付近の地元住民から、(県などの公式発表以前に出てくる)数々の先行する報道による不安や、付近道路の交通規制、報道陣のヘリコプターの騒音などに対するストレスなど、さまざまな意見が寄せられたことを報告した。その上で、現場は山に囲まれた場所にあり、報道ヘリコプターの頻繁な飛来は養鶏場を囲む山のほこりや消毒のために散布した石灰をプロペラでかき立てることにつながるため、こういう状況下では控えるよう要請した。また、国と香川県・さぬき市との着実な連携や住民向けの情報のさらなる開示が必要と指摘し、今後の対策にあたっては地元養鶏業界への法的な補助だけでなく、風評被害に対する支援と、とりわけ心労の大きい養鶏場周辺の農場経営者や付近住民の安心できる生活環境の確保に配慮するよう求めた。

 これに対し政府の担当者は、報道陣に対してはプレスリリースの都度、住民のプライバシーや防疫対応に専念するための配慮を要請してきたが、今後対策を行う中で、定時的に映像を含めた情報を積極的に提供することなどを通じて、過度な取材による混乱や住民負担が低減されるように考慮していきたいと応じた。

 また出席議員からは、野鳥の鳥インフルエンザに対し、むやみに死亡している野鳥に近づかないなど、政府広報などを活用して周知することが必要ではないかとの意見が出た。政府の担当者は、鳥インフルエンザになりやすい鳥の種類などをホームページで公表しているが、さらに周知に向け努力していきたいと回答した。