党役員会見に関する基本的な方針について

岡田克也「無所属の会」代表記者会見

2018年1月23日(火)15時00分~15時21分
編集・発行/民進党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○定例会見について

【「無所属の会」代表】
 きょうはありがとうございます。国会も始まりましたので、この定例会見、毎週1回行っていきたいと思います。

○草津白根山の噴火・雪崩災害について

【「無所属の会」代表】
 まず冒頭、草津白根山の噴火・雪崩でお亡くなりになった方、そして被災された皆様に対して、お悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。
 被害がこれ以上拡大しないことを心から祈りたいと思っています。

○第196回通常国会開会 首相所信表明・代表質問について

【「無所属の会」代表】
 国会がきのうから始まりました。総理の演説があって、あすから代表質問ということになっています。私自身はあさって、午前中が大塚耕平代表、午後が衆議院のほうで私ということになると思います。
 あしたじゅうにはあらかじめ皆さんのほうに質問の内容はお知らせしたいと思いますが、演説を聞いていていろいろなことを感じました。
 いろいろ具体的なことをお述べになって、あまり挑発的ではなかったというところはそれなりに評価できると思いますが、私が一番気になっているのは、やはり財政の健全化ということについてあまりにも無頓着であるということです。
 きのうは2行だけ演説の中で触れられたのですが、財政健全化はやりますとおっしゃるのですが、私の理解ではPB黒字化はその第一歩にすぎないと思っています。安倍さんはPB黒字化を実現すれば、その「実現」も相当怪しいわけですが、それで財政が健全化したと考えているのかなと思ってしまうようなきのうの言いぶりだったと思います。それはあくまでも第一歩だという厳しい認識に欠けているのではないかと思っています。
 そういうことを中心に、財政健全化の問題をおそらく最初に聞くことになると思っています。
 それから総理の話を聞いていて、前々国会、解散・総選挙の前にあれだけ森友や加計で議論があった。森友に至っては、最近、財務局の中のやりとりについては資料が実はあったのだということが明らかになって、説明責任を全く果たしていないということに対して一言もなかったのはいかがなものかと思っています。
 そういうことも含めて、あさっては総理としっかりと議論したいと考えております。

○党改革の議論について

【「無所属の会」代表】
 党のほうは、これから執行役員会がありますが、2月4日の党大会に向けてさまざまな改革、党規約、あるいは政策、そういったことについての議論が本格化していくと認識しております。
 まず執行役員会で議論した上で、常任幹事会や、あるいは地方も含めた議論ということになります。時間もあまりありませんのでスピーディーに、しかししっかりとした議論をしていきたいと考えております。

○友党との連携について

【「無所属の会」代表】
 統一会派の問題は、前回一頓挫したというか、希望との関係は、希望のほうからもしばらくやらないと。そういうふうに私は理解していますが、この国会では非常に難しくなったと思います。
 大塚代表は、「ゼロではない」と言われました。私は、「可能性は非常に少ない」と申し上げました。同じことを表と裏から言っている、基本的に認識は同じだと考えておりますが、そういう中で立憲とどうするかということになります。
 あまり慌てずに、しっかりと時間をかけてやっていかないといけない問題ではないかと私は思います。選挙が終わってまだ3ヵ月。ある程度時間の経過が必要なものもありますし、同じ党になるわけではないのですが、そうは言っても統一会派、いろいろな意見がある中で統一会派を結成するということは簡単なことではないだろうと思っております。
 ちょうど維新と統一会派を組み、そしてそのまま新しい民進党になったわけですが、あの時のことを振り返っても、実際そういう方向でやろうということは私が代表になった直後から始まっていて、そして松野頼久さんや江田憲司さんとじっくり話し合うこと十数回。それは半年ぐらいかけているわけです。
 やはり信頼関係がとても大事だと考えていますので、そういう意味では、半年かけるとは申し上げませんが、少し時間をかけて丁寧に詰めていかなくてはならない問題だと思っております。
 きょう平野博文さんとも話をしたのですが、統一会派までいかなくても、立憲と我が党、それから希望と我が党、それぞれもう少し国会の場で協力できる、そういう状況をつくり出さなければならないということで、きょうは「働き方改革」について希望と我が党で役所を呼んで話を聞きました。参議院の講堂、大きな部屋がいっぱいになるぐらい多くの人に出席をいただいたわけであります。そういった2党間のさまざまな協力、そして場合によっては3党間、あるいは野党全体、いろいろな形をそのテーマごとに使い分けながら協力していくということが極めて大事ではないかと思っております。
 そのために、私も会派の代表として、あるいは党の執行役員の一人として、しっかりと努力していきたいと考えています。


■質疑

○友党との連携について(1)

【時事通信・小松記者】
 希望の党との関係だが、「無所属の会」の野田佳彦前総理がブログの中で希望の党との関係について、「小池都知事及びその周辺のカラーが脱色されるのを見定めてから、同党との連携を探るべき」だという考え方を示している。これは会派を代表しての発言ではないと思うが、岡田代表も同じような認識でいらっしゃるかどうか、見解を伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 (自身の)ブログなどでも明らかにしておりますが、結局、三つのことがきちんと解決されなければならないと申し上げてきました。
 一つは、理念や政策について。これは紙を具体的に、幹事長・国対委員長レベルでは合意をして持ち帰るということになったわけですね。
 もう一つは、やはり「けじめ」の問題。
 3番目が、党がおおむねまとまること。
 この2番・3番において、希望との間は残念ながら要件を満たさなかったということだと思います。
 その2番の「けじめ」というのは、要するに、突き詰めればやはり小池さんが主導してできた希望とは違う存在でないといけないと。我々衆議院議員は、少なくともそういう希望には行けないと言って無所属で戦ったわけですので。
 基本的な、例えば保守二党論とか、あるいは自民党にある意味で寄り添うような姿勢とか、あるいは安保法制や憲法改正についての考え方とか、そういうところについてもう少し小池色が脱色されないと難しいということを野田さんは述べられて、私も同じ思いです。

【朝日新聞・斉藤記者】
 先ほど「無所属の会」の総会があったが、平野さんと、希望とも立憲ともそれぞれ連携しようというのは、その場での話か。また、「無所属の会」の総会で何か決まったことがあれば教えていただきたい。

【「無所属の会」代表】
 総会として意見交換をいたしましたが、特に決めたことはございません。ただ、その場で、やはり国会のレベルで協力できるように、これは2党間とか3党間とか、あるいは野党全体とか、先ほど言いましたようにいろいろなやり方はあると思いますが、テーマに応じてそれを柔軟に使い分けて、しっかり協力できる態勢をつくっていくべきだということは異論はなかった。むしろ、そうすべきだという皆さんの意見だったと思っています。あと私のほうからは立憲との関係は少し時間をかけて丁寧にやりたいということは申し上げておきました。

【共同通信・河内記者】
 立憲民主党との関係だが、立民側は「無所属の会」が単独で統一会派結成を提案してきた場合の対応については、真摯に受け止めたいとしている。(先ほど)時間をかけてやるべきだとおっしゃったが、現段階でそういう申し入れるとか申し入れない、その辺の調整についてはどういった状況か。

【「無所属の会」代表】
 時間をある程度かけて丁寧にやるという意味は、何か正式に交渉が始まれば、私のやり方かもしれませんが、それは合意できる見通しを持って、そういう時に初めて正式交渉と言うべきであって、それまではいろいろな、何と言いますか、信頼関係をつくりながらコミュニケーションをとって物事を前に進めていくということですので、「いつから」とかそういうことを申し上げる状況にはありません。
 それから、「無所属の会」であれば、という発言を引用されましたが、そうでない、違う言い方もされている時がありますので、そこはさまざまなんだと思っています。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 「もり・かけ・スパ」、その3野党合同協議会とか、あるいは「働き方改革」、そういうのが縦割りに散発的にできるのか。国民の目から見たら、やはり3党首がそういう枠組みをやらないと期待に応えていないと思うが。会派をつくるというよりも、国会でどうやるかについて3党首で話もできずに散発的にやったって、何なんだろうと。その辺はまさに岡田さんの出番ではないかと思うが、野党としては党首レベルのそういうことはできないものなのか。

【「無所属の会」代表】
 これは相手のある話なので。
 立憲は3党ということを明確に拒否されていますし、できるところからやっていくということが現実的ではないかと思います。
 やっていく中で、野党がちゃんと対応できていないということになれば、国民の皆さんからもまたご批判もいただくわけだし、いろいろなことの中で態勢が整っていくと考えています。

○「無所属の会」の名称について

【NHK・稲田記者】
 確認だが、先ほどの会派総会で、会派の名称をめぐっての話し合いはされたのか。大塚執行部からは「民進」の名前を入れるべきだという声も上がっているが。

【「無所属の会」代表】
 特にしておりません。

○友党との連携について(2)

【NHK・稲田記者】
 (会派総会において)立憲民主党と話をする際には会派を代表して岡田さんがやるということで意思統一はされたのか。

【「無所属の会」代表】
 これは立憲とどういう形でやるかと。つまり、衆議院だけの会派の問題なのか、党対党なのかということも、まだ相手の感触を我々は得ておりませんので。そういうことが見定まってくれば、おのずと形ができてくるということだと思います。

○憲法論議について

【読売新聞・藤原記者】
 憲法のことで伺いたい。自民党は党大会を3月にやるようだが、そこまでに自民党としての憲法改正案をまとめるべきだというような声も自民党の中から少なからず出ていて、今後党内の議論をペースアップしていくようだ。中身よりも、このスケジュール感、速度感について、どんどん速めていっているような印象もあるが、これについてどう考えていらっしゃるか。

【「無所属の会」代表】
 いろいろな思惑があっていろいろな発言がありますので、一々反応する必要はないと思います。
 ただ、野党がまとまっていないなというふうに思えば、それはこの国会だって十分可能性があると思いますので、そこは野党がお互い協力していかないといけないと思います。
 9条の中身の話は、要するに9条2項の扱いの話だと思うのですが、これは全く意味合いが異なってきますので、まず自民党さんでしっかり意見集約してもらいたいと思います。
 そうでないと我々、私は9条は変える必要がないという考え方ですが、9条2項を削除して集団的自衛権を制限なくできる国にするというのが自民党の憲法改正草案ですから。2年前の審議では、2項が残っていれば制限なく集団的自衛権を行使することは憲法上できないと政府も言っていましたので、逆に言うと削除すればできるということになります。だいぶ意味合いは違いますので、そこは自民党のほうでしっかり議論されるべきではないかと思います。

【毎日新聞・樋口記者】
 関連して。憲法の議論を民進党内で、以前、調査会があってやっていたと思うが、現状の民進党の中だとなかなかそういう組織がない。そういったことを、もちろん執行部が決めていくということだと思うが、いつごろまでに民進党としての考え方をまとめる必要があるとお考えかということと、憲法に関係してはテーマごとに連携という意味で3党の連携というのは可能と岡田代表はお考えになっているか伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 2番目の質問はちょっとまだ先の話なので、何とも申し上げられません。
 1番目の話は、いずれタイミングを見て憲法をしっかり議論する場を党内につくるということになると思います。ただ、2月4日の党大会までは、ちょっとそこまで手が回らないというのが現実ではないかと思っています。

○友党との連携について(3)

【テレビ朝日・村上記者】
 立憲民主党への連携の働きかけについて、先ほど代表は相手の感触を得ていないとおっしゃったが、民進党内では岡田さんが先頭に立つという認識は共有されているか。

【「無所属の会」代表】
 いや、別に決まっていません、何も。
 党対党でやるならば、それは党のルートということが優先されると思いますし、衆議院の中でやるということになれば、それは会派の代表である私が、ということになるのだと思うのです。
 それから、そもそも正式に交渉開始、その時は大体先が見えている、結論が見えているという状況で正式に交渉開始ということになるのだと私は思っていますが、それまでの間は「誰が」と決める必要は別にないので、何人かの人がしっかりといろいろな相手と話をして煮詰めていく。こういう交渉が普通ではないかと思います。

【朝日新聞・斉藤記者】
 この前の両院総会の決まりは、執行部プラス「無所属の会」で立憲との交渉をやっていくという受けとめが大抵の皆さんだったと思うが、じわじわと「無所属の会」が議員個々に立憲に働きかけていって執行部と共同作業していくというようなイメージになるのか。

【「無所属の会」代表】
 いや、この前の紙は希望を念頭に置いたものだったのですね、あの紙は。特に、希望は参議院がいなくなるという前提で書かれた紙ですから。ちょっと状況は変わってしまいましたよね、希望のほうがもう当面やらないということですから。
 「じわじわ」ということではなくて、やはりそこは連携をとって、多面的な働きかけをしていくと。それは無責任ということではなくて、役割分担しながらやっていくというのがいいのではないかと私は思っています。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 結局、2党の会派の背中を押したのは最大の支持母体で、この間の会長の会見でも、可及的速やかにと。やはり希望も民進もそういう特定のところに主体性を侵されているのではないかと率直に思うことがある。逆に言うと、岡田さんがおっしゃっている「じっくり時間をかけて」というのは、その支持母体とは真逆のことを言っているように思うが、その辺はどうごらんになるか。

【「無所属の会」代表】
 党が3党に分かれて、こういう状況ですから、連合が非常に心配されるということはよくわかりますし、参議院選挙もありますので、いろいろなお考えがあるということは理解します。ただ、会派を結ぶかどうかは、これは政党のさらにその先の話なので、これは少し温かく見守っていただきたいと。我々政党にお任せいただきたいと。そういうふうに考えています。
 今申し上げたことは、連合にもちゃんと伝えてありますので。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 12月に立憲がつくった綱領とか、あの言葉の中で言うと、例えば「草の根」というような今まであまり言っていない言葉が出てきたり、それに基づく落とし込みとして「パートナー制度」とか、それなりに立憲さんは立憲さんでオリジナリティーがあるが、そういうものを、無所属であの戦いを越えてきた「無所属の会」の皆さんはどう受けとめているのか伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 これは、「無所属の会」の中でそのことを特定して議論したことはありません。
 ただ、私は参議院選挙が終わった時に、代表として参議院選挙を戦って、「新しい民主主義」の形が見えたと、そういう趣旨のことを申し上げています。つまり市民の皆さんとの連携ですね。その思いはたぶん枝野さんも当時幹事長として共有されていて、それが今言われたことにつながっているのかなと思います。
 ですから私個人としては、そういった市民の皆さんと直接連携していくというのは、野党として、そして政党として、自民党にない新しい形だと高く評価しているところです。