参院予算委員会で31日、2017年度補正予算に対する総括質疑で民進党・新緑風会の2番手として質疑に立った浜野喜史議員は、(1)働き方改革(2)地球環境問題(3)再生可能エネルギー(4)エネルギー基本計画・原子力行政――等の問題を取り上げた。

 浜野議員は労働者と使用者のどちらが強い立場にあるかについて安倍総理に確認を求め、「労働者と使用者との間には交渉力の違いがある。労働法制は立場の弱い労働者が劣悪な環境で働くことがないよう保護する観点から契約自由の原則を修正しているもの」との答弁を受けて「働き方改革はその認識を前提として組み立てたものと思われるが、そういう考え方から裁量労働制の対象拡大や高度プロフェッショナル制度が出てくるのが極めて疑問だ」と指摘した。

 「企画業務型裁量労働制の対象業務拡大」「高度プロフェッショナル制度の創設」に関して加藤厚生労働大臣が「多様な働き方の選択」「皆が能力を発揮できる柔軟な制度」などと強調したことに対し浜野議員は、経済界のトップリーダーのような強い交渉力をもつ人ばかりではなく、現実的には断ることが困難な立場の人がおり、労働に関する制度はそうした弱い労働者の立場に立って考えるべきだとして両制度の撤回を求めた。「結果的に労働時間の助長につながることを危惧する。せっかくの働き方改革が働かせ方改悪になる恐れが大だ」と政府が提出しようとしている法案を批判した。浜野議員はまた、企画業務型裁量労働制に追加された「課題解決型提案営業」と「裁量的にPDCAを回す業務」について対象となる業務の詳細を明らかにするよう厚生労働大臣に注文をつけ、詳細資料の委員会への提出を要請した。