党役員会見に関する基本的な方針について

大塚耕平代表記者会見(2018年度定期大会)

2018年2月4日(日)15時50分~16時12分
編集・発行/民進党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=4vAvALGgqfs


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○党大会 2018年度活動方針等について採択

【代表】
 メディアの皆様方におかれましても、きょうは午前中からおつき合いいただきまして、ありがとうございました。
 2018年度の定期党大会は、ごらんのとおり円滑な運営のもとで無事に終えることができました。
 昨年の10月31日に代表に就任して、執行部は実質的に11月8日からスタートしたわけでありますが、この間やはりあれだけの、ある意味異常な総選挙の後を受けての党運営でありますので、困難な場面もいろいろとありましたし、まだ課題は山積しておりますが、現時点において党の今後の方針というものをきょう皆さんに確認していただきましたので、きょう決まった内容を受けて今後の党運営に当たっていきたいと思っております。


■質疑

○党大会 2018年度活動方針等について

【時事通信・小松記者】
 本日の党大会で打ち出された活動方針の中で、「できる限り早期に新しい党として生まれ変わる」とあるが、この「できる限り早期」という時期的なめどについて改めてどういうお考えかということと、それに関連して、きのう増子幹事長のインタビューが河北新報に掲載され、「新しい党」に関連して「党名変更の是非も検討することになるだろう」とおっしゃっている。それは代表も同じ認識か。

【代表】
 まず、「できる限り早期に」というのは、現時点ではまさしくあの文言以上でも以下でもありません。
 とはいえ、私のスピーチの中でも申し上げましたが、4月になれば統一地方選挙の1年前であるということを踏まえ、という意識はご披露したわけです。それから7月になれば参議院選挙の1年前になりますので、やはりそういうことも踏まえて皆さんが熟す、そういう方向に向けて足並みと気持ちがそろう、その熟すタイミングというのは図っていかなくてはいけないなと思っています。
 それから、幹事長がどのようなご趣旨でおっしゃったのかというのは、ちょっとまだ確認をしておりませんが、やはり民進党という名前に愛着のある人もいらっしゃるし、それから先般の私のように「民主党」と間違えてしまうくらい民主党にまだ愛着を感じている人もいる。しかし今の党の名前では、中身はいいのです、政策の方向性とか理念はいいのですが、やはり一度衆議院選挙に候補者を立てなかったという大きな出来事を経てしまったので、やはりこのままの名前では難しいと思っている方もいらっしゃるので、そういう意味では幹事長のおっしゃる「検討すること」も必要になるかもしれないというのは、そのとおりだと思います。

【「ニコニコ動画」・七尾記者】
 きょうの大会は、地方の議員を前面に立て、あまりないことで非常に新鮮だった。今の質問と関連して、地方議員と地方組織の声について改めて伺いたいが、党名を変えるべきだとか、あるいは立憲や希望と再結集すべきだという声が大きいのか。あるいは、民進党のままで党勢拡大していくべきだという声はないのか。地方の声についてお聞きしたい。

【代表】
 まず、どの声が大きいかというのは、これは定量的に何かアンケートをしたわけではありませんし、そこはなかなか定量的なお答えをするのは難しい面があります。したがって、やはり「3党でもう一回結集して」というお気持ちの方もいれば、「民進党単独で何とかしてほしい」というご意見もあるとは思います。
 ただし、47都道府県別に見ると、希望も立憲も国会議員がいなくて民進の国会議員しかいないとか、あるいは3党とも国会議員がいないのだけれども民進の地方議員だけがいる、こういう県においては、総じて言えば、やはり「民進党のまま立て直してほしい」というお気持ちはあると思います。傾向としては、この3ヵ月、それは理解しています。ただし、自分たちの県の衆議院議員が希望に行ってしまった、あるいは立憲に行ってしまったということになると「3党結集してほしい」という声が強くなりますし、だいぶ地域性があるというのが現状です。

【NHK・稲田記者】
 先ほど代表は党大会の挨拶の中で、ほか2隻の船に対してショットライン(もやい綱)を投げたけれども届かなかったり受け取ってもらえなかったりということをおっしゃっていた。とはいえ、届けたい気持ちはあると思うが、この党大会でそうした方針が正式に認められた中で、そしてまた先ほども「機が熟すことが必要」とおっしゃっていたが、どうやって機を熟させようとしているのか。これから改めてどういうアプローチをとって立憲民主党・希望の党に働きかけていこうとお考えか、そこのプランをお聞きしたい。

【代表】
 これも実は今のニコニコさんの質問とも関係があるのですが、都道府県によってかなり3党の距離感と協力の仕方が違うわけです。したがって、ショットラインを投げ続けますが、ひょっとしたらどこかの都道府県でまず最初に3党ががっちり組もうというケースも出てくるかもしれなくて、地方の動きに中央が誘発されることだって起こり得ると思います。
 現に立憲の枝野さんのお地元の埼玉県では、県連ベースでは非常に協力的に対応しているとも聞いていますし、逆に私の地元の愛知県では「新政あいち」が立ち上がりましたが、現時点では立憲の方々はそこには入らない、ただし議会の会派は一緒に組むと言っているわけです。地方によってだいぶ動きがまちまちですので一概に言えませんが、まず一点申し上げたいのは、地方の動きが中央の動きを誘発することはあり得る。
 それから中央においては、これはきょうのスピーチでも申し上げましたが、1月27日の枝野さんのご発言を受けて、まず統一地方選挙の基本的な考え方の調整をぜひ立憲との間でもさせていただきたいと思っていますから、そういう働きかけはしますので、これもショットラインになると思います。
 一方、希望の党は地方議員はいらっしゃらないわけですから、やはり希望の党で立候補して落選された元民進党の衆議院議員や候補者の皆さんをどうするのかという話をするというのが次のショットラインになると思いますし、それから希望の党も今いろいろ中でご議論しておられるようなので、あちらの動きも見定めながら両党への働きかけのあり方は考えていきたいと思います。

【読売新聞・鈴木記者】
 今の質問に関連して。「立憲」と「希望」という言葉が出たが、自由党や社民党などほかの野党に関しても同じように選挙区調整を呼びかけるのかというのが一点。
 もう一点は、挨拶の中で3隻の船に例えていたが、民進党はその中で牽引役になるのか、それとも3隻は横並びで進んでいくというイメージなのか。
 その2点を伺いたい。

【代表】
 自由党や社民党にももちろん働きかけたいと思います。特に参議院の1人区とか統一地方選挙の県議選・政令市議選の1人区は、これはやはり協力し合うとそれなりの勝つ確率が出てきますので、しっかり働きかけたいと思います。
 それから船が3隻になった、この構図ですが、これはご想像にお任せしますが、ただ、ショットラインを撃つ機械のことをラインガン(もやい銃)というのですが、船を2隻つなぐのにラインガンでショットラインを撃つわけです。この3隻が並走していくためには、やはり民進党が真ん中にいないと、希望の党と立憲の間ではショットラインはつながらないわけですから、3隻並走の中で民進党が真ん中であるという認識でおります。

【時事通信・岸本記者】
 希望との合流を「誤り」とした活動報告について。先ほど大塚代表も言及されたように、党の決定で希望から出て落選された方もいるし、また希望にいる方もいる。そうした方にとっては党の決定で人生を左右されているわけだが、なぜ「誤りだった」と結論づけたのか、もう少し代表の思いとして詳しい説明を伺いたい。

【代表】
 皆さんもご承知のとおり、今回の総括は昨年末の一連の文書の中でも示されている基本的な考え方ですから、きょう唐突に出てきたわけではありません。
 去年の文書でも申し上げていますが、やはり政治は結果責任です。選挙に際して、ある一定の目的と理由、そして見通しを持ってあのような決断をしたこと、これは理解できます。これは就任の時の挨拶でもそう申し上げました。ただ、結果としてこのような分裂状態を招いた。そして、分裂したことによって、自民党の得票率は大変低いにもかかわらず議席占有率がすごく高くなってしまった。こういう結果をもたらしてしまったわけですから、結果責任においてやはり「判断は誤りだった」と言わざるを得ない。
 よく、「あのまま民進党として突っ込んでいたらどうなったか」という議論はあるのですが、この手の話に「たられば」というか、仮定の話を持ち込んで総括はなかなかできませんので、判断の誤りというのは、あくまで結果から判断すれば「誤り」と言わざるを得ないと、こういう意味です。

【朝日新聞・斉藤記者】
 「新党」ではなく「新しい党」という表現だが、今、党名変更も検討するという気持ちはわかるということがあったが、大塚代表としては「新しい党」というのはどういう思いというか狙いというか定義で使っているのか。
 あと枝野さんの発言、バッティングを避ける発言のこととか、協議を始めるという言葉が、もう協議会設置みたいな内諾ができていて、どのメンバーでやるとか決まっているのか。

【代表】
 まず後者からお答えすると、そういうことはありません。「協議する」とは言っていません、「働きかける」と言っているわけですね。働きかけるのもショットラインなので、受け取ってもらえないかもしれないし、これはわかりません。ただ、きょうの大会を機に、申し上げたような内容の働きかけを始めるということであって、何かが決まっているというわけではありません。
 「新しい党」のイメージは、私が何か断定的に申し上げることではありませんが、大会の中で承認していただいた表現の範囲でいうと、「中道的な新しい党」。そしてきょうスピーチの中でも申し上げましたが、やはり我々、政権交代を目指し続けなければ存在価値がない。これは(来賓の)神津里季生さんや田原総一朗さんもおっしゃっていましたが、そう思っていますので、そうなると、2009年がそうであったように、多くの中間層の皆さんからご支持をいただけるような政党でなければこれは政権交代には到達しないので、あえて申し上げれば、より多くの中間層の皆さんからご支持をいただけるような政党が「新しい党」のイメージであるということになります。

【「フランス10」・及川記者】
 田原総一朗さんが挨拶の中で、トランプ政権の新核戦略を支持すると言った河野太郎外務大臣に対して、「日本の恥さらしだ」とおっしゃっていた。このトランプさんの新核戦略について大塚代表はどのようにお考えになるのか伺いたい。

【代表】
 「核なき世界」を目指していたオバマ前大統領、あるいは「核なき世界」は基本的にほとんどの国がそれを目指しているわけですから、それを否定して今回の方針変換をしたということは好ましいことではないと思っております。
 やはりせんだってのエルサレムの首都認定の話もそうですし、今回の話も、やはり日本は同盟国であっても苦言を呈するという、対等で有意義な関係であってほしいと思いますので、河野大臣にはもう少し発言の内容をお考えいただきたいなと思います。
 11月の私の予算委員会の質問も、北朝鮮のミサイルが飛んだ当日で、河野大臣と少しやりとりをしましたが、北朝鮮は全く対話に応じる(自制をする)意思がないことを確認した、というふうに答弁されたのですが、あの辺も少し河野さんのご性格をあらわしているのかなと思いながら聞いていたのですが、今回の件も含めて、日本の外務大臣としてもう少し幅の広い観点からアメリカにも苦言を呈することができるような、よい外務大臣になっていただきたいと思います。
 同時に、ちょっと今回のトランプさんの件について申し上げると、オバマ大統領はノーベル平和賞をもらった後に、大統領(任期)の終盤にかけて、向こう30年間で全核兵器の更新を1兆ドルかけて行うという大統領令にサインしているわけです。「核なき世界」を目指しながらオバマ大統領がそういうことをやっていたという事実をやはり我々はもっと知るべきでありますし、実は今回の小型核兵器も、もうその時にオバマ大統領はB61-12型という、発射した後に爆破力を調整できる、小型化もできる、広島型の3倍から広島型の2%まで調整のできる、そういう核爆弾を開発することにゴーサインを出しているわけでありまして、そういう一連の過去の経緯も十分いろいろこれから認識を共有して、政府には的確な発言をしていただきたいと思います。

【フジテレビ・古屋記者】
 代表は冒頭、「円滑な運営のもとに終わることができた」とおっしゃっていて、確かにきょうは予定よりも30分くらい早く終わったと思う。裏を返すと、「新しい党」への具体的な姿であるとか、あるいは「新しい党」への移行の具体的な方式というものが特段示されなかったので異論も出ることがなかったという見方もできるかと思うが、その点に関してはいかがか。

【代表】
 別に無理に裏を返さなくてもいいですよ。そういうことではないと思います。
 やはり去年の秋口ぐらいの皆さんかなりピリピリしていた時期からすると、いろいろな意味で、まだ考え方に幅はありますが、一定の方向感を共有しつつあると思います。表も裏もないと思います。

○LGBT当事者へのいじめ等について

【「フランス10」・酒井記者】
 ゲイレポーターの酒井佑人です。宝塚大学の日高庸晴教授の調査によると、LGBT当事者の58.2%が学校でいじめを受けており、自殺未遂率はヘテロセクシャルの約6倍に相当するということだった。これに対してのご意見と、あと若者の自殺に対してのご意見を伺いたい。

【代表】
 その先生のアンケートは存じ上げませんが、ただ、LGBTの皆さんが学校などでいじめを受けているかもしれないという、その実情については何となく想像はできますので、そういうことのないような社会にならないといけないなと思います。
 それから、そういう方々が自死を考えられたり未遂が6倍という、そのアンケートが事実であるとすれば大変ゆゆしき事態なので、我々のきょうの綱領の検討会の報告も皆さんも聞いていただいたと思いますが、やはり「あらゆる差別を許さない」という価値観が私たちの政党に集まっている仲間にはかなり共有されていますので、そういう観点からいうと、あってはならないことですし、いわんやそういうお立場の方や若者全体としてそういう自殺率や未遂率が高いというのは日本の社会の大きな問題だと思いますので、そういうことのないような社会にしていくことを我々としてはしっかり取り組みたいと思います。