党役員会見に関する基本的な方針について

岡田克也「無所属の会」代表記者会見

2018年1月30日(火)15時00分~15時26分
編集・発行/民進党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○衆院予算委審議 補正予算案の委員会通過について

【「無所属の会」代表】
 予算委員会の審議が行われておりますが、非常に短い時間で、問題の多い補正予算の審議・採決を行うということは極めて問題があると思います。
 私も本会議で指摘いたしましたが、本来補正に含まれるべきではないのではないかと思われる、災害対策を除く公共事業予算でありますとか、「ものづくり補助金」とか、それから昨日後藤祐一さんが質問していた廃炉にかかる費用とか、さまざまなものが補正に組み込まれている。
 その結果として、当初予算ベースで「公共事業予算が増えていない」とか、あるいは「国債の発行額が減っている」とか、そういったことを総理は言うわけですが、実際には補正でそういったものを組み込むことによって見かけをよくしているだけだと。
 そういった問題について何ら答えることなく、同じことが繰り返されているというのは極めて遺憾に思っております。

○衆院予算委審議 森友学園問題について

【「無所属の会」代表】
 それから森友の話も、私も申し上げたのですが、わずかな言葉の差を捉えて「そういう資料はない」と答えたけれども、近畿財務局の中の内部資料としては森友学園の国有地払い下げに関するものがあったということであります。しかも会計検査院長のお話ですと、報告を出す直前にそれが示されたということで、極めて意図的な隠秘ではないかとも思われます。
 私が理解できなかったのは、そういう議論が行われている時の麻生財務大臣、もちろん総理もそうなのですが、まるで他人事のような振る舞い。そういう資料をどうするかと、例えば会計検査院に時期をはかって出したとしか思えませんが、そういうことも政務が関わっていないはずはないと思うのですね。官僚だけでそういうことを決めるのではなくて、大臣まで上がっていたかどうかは確認のしようがありませんが、政務には当然相談をしてやっているのではないかと思われます。にもかかわらず他人事のような、所管大臣としての自覚がない財務大臣、あるいは総理。
 私が本会議で指摘したように、「関連する資料は一切出せ」というふうに総理なり各大臣が指示を出して、そうすればこれは出てくるはずでありますので、それがちゃんと国民に対する説明責任を果たすということではないかと思っております。
 以上、私から感想を申し上げておきたいと思います。


■質疑

○経済政策について

【「フランス10」・及川記者】
 大塚代表にも伺ったが、民主党政権時代の経済ブレーンだった小野善康先生が朝日新聞大阪本社版の1月12日朝刊で、安倍政権の掲げる「人づくり革命」「生産性革命」というのは結局供給サイドの政策で小泉構造改革路線の延長線上にすぎない、経済の喫緊の課題は総需要不足の解消ではないか、とおっしゃっていた。そのことについてどのような見解を持たれるかということと、民進党・「無所属の会」としてはこの総需要不足の解消のためにどのような経済政策を掲げるのか伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 小野先生が当時の民主党のブレーンだったかどうかというのは私は定かに承知しておりませんが、当時の菅代表は小野さんとかなり近かったとは思っております。
 需要不足があるというのはそれはそのとおりで、だからこそ消費の喚起ということが必要になるわけです。小野さんがそういう意味でおっしゃっているのかどうかは、私は読んでおりませんのでわかりませんが、需要不足ということが経済が低迷する原因の一つであることは間違いないと思います。

○茂木経済再生大臣の線香・手帳配布問題について(1)

【NHK・稲田記者】
 茂木大臣が、選挙区で線香や手帳を配ったが、自分の名前が入っていないのでこれは違法ではないと主張している。茂木さんが配ったこと、そしてそれに対して茂木さんが言っていることについて、岡田さんはどう思われるか。また、茂木さんや任命権者である安倍総理はどういった対応をとるべきだとお考えか。

【「無所属の会」代表】
 まあ、理解不能ですね。
 茂木さんの秘書さんが(線香を)持っていったと私は理解しているのですが、そうであれば別に名前が書いてあるかないかというのは形式的な話ですから、自らの政治活動の中で線香を寄附したという責任は免れないと思います。名前が書いていなければ構わないというならば、例えば花輪だって何だって名前を書かなければいいということになるわけです。それはちょっとよく理解できない説明ぶりだと私は思います。

【NHK・稲田記者】
 茂木さんがとるべき進退とか、そういうことについてはいかがか。

【「無所属の会」代表】
 それはまずご本人が判断することではないですか。

○受動喫煙対策 厚労省案について

【朝日新聞・竹下記者】
 本日、厚労省が受動喫煙の対策に関して(健康増進法)改正案の骨子を発表したが、当初案よりも大幅に分煙・禁煙の幅を緩めたものになっている。この受動喫煙対策についての評価を伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 私は実物を見ておりませんので、そのご質問にそのままお答えすることはできないと思いますが、ただ、これ、もともと厚労省が出してきたものが自民党の中でさまざま意見が出て後退したということです。
 受動喫煙ということは場所がどこであっても起こり得ることなので、もちろん中小零細の企業・飲食店などに対する配慮が一定程度必要であることはわかりますが、実質的に受動喫煙になってしまう人のこともしっかり考えてもらいたいと思います。結果的には、そういうことを恐れてかえってお店に行かなくなるということも想定されますので。
 そういったことも総合的に考えて、少なくとも多くの先進国並みの対応はとってもらいたいと思います。

○茂木経済再生大臣の線香・手帳配布問題について(2)

【テレビ朝日・村上記者】
 茂木大臣の件で、希望の党は大臣の議員辞職を求めているが、野党間で連携して追及していくお考えはあるか。

【「無所属の会」代表】
 これは国対ベースでご相談することになると思います。

○国会における野党の連携について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 きのう一日の印象だが、確かに麻生さんのそういう問題が浮き彫りになったのかもしれないが、全体に野党の戦闘力が落ちたという印象を持った。いかがか。

【「無所属の会」代表】
 三つに分かれていることの問題点というのは確かにあると思います。もちろん国対ベースでいろいろな連携はしていますが、やはり一つの党であった時と三つの党に分かれた時で状況が異なることは事実だと思います。本予算(審議)ではしっかり頑張っていきたいと考えています。

【フリーランス・上出記者】
 きのう共産党の小池書記局長が記者会見で、希望の党が改憲問題で立法事実のない9条改憲には反対だということで、安倍首相が出している提案に事実上反対する立場だと評価している。今まで、維新とともに自民党の補完勢力だと、あまりいい関係ではなかったが、国会で野党連携の新しい動きが出てきているという捉え方をしている。これも含め、今、宮嶋さんは野党は全体として力が落ちていると言われたが、プラスの面もあるのかなと思うが、その辺はいかがお考えか。

【「無所属の会」代表】
 共産党の小池さんが言われたことがどういう意味を持つかというのは、それは共産党に聞いていただかないとわからないことなので、私が憶測を交えて言うべきではないと思います。
 ただ、やはり野党が、維新はちょっと特別として、それ以外の野党がしっかりまとまれる時にはまとまって対応するということは重要なので、少し変化が出てきたのかなと、私も期待を持って見ているところです

○スパコン開発会社による助成金詐欺事件について

【時事通信・岸本記者】
 冒頭の、政府の追及に関連して伺いたいが、スーパーコンピューターの話で、開発会社による助成金詐欺があった。ご所感と、今後国会で、民進党としてと「無所属の会」として追及されていくお考えがあるかどうか伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 こういう問題は「無所属の会」として特別にという問題ではないと思います。したがって、党としてどう取り組むか、あるいは野党3党としてどう協力していくかという問題だと思います。
 私もあまり詳細を承知しているわけではないのですが、一つの企業に、しかもあまり実績のない企業に100億前後のお金が補助金として渡っているということはかなり異例なことなので、まず役所がしっかり説明責任を求められる。結果的にこれは詐欺であったという容疑になっているわけですが、適正な手続を踏んで、合理的な理由がはたしてあったのかということの説明は、しっかり役所に求めていかなければならないと思います。

○野中広務元官房長官の逝去について

【「フランス10」・及川記者】
 先週、野中広務さんがお亡くなりになった。岡田さんもおつき合いがあったと思うが、ご感想を伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 実は私は野中先生とあまりおつき合いがなかったのですね。もちろん自民党時代にはありましたが、その後、お話をしたことはほとんどありません。
 お見受けしていて、やはり反戦ということを非常に強く感じておられる、そういう方だし、立派な政治家を失って本当に残念に思っております。
 ただ、なぜおつき合いがなかったのかというのはちょっとわかりませんが、私の選挙区における相手の方も経世会の方だったので、そこの応援には選挙期間中よく来ておられたので、そういうこともあってお互いに少し距離があったのかなと思っています。

○大使会議の非公開化方針について

【フリーランス・安積記者】
 昨日、河野外相が大使会議で、これから大使会議をクローズにすると発言をされた。外相経験者として、この考えについてどうお考えか。

【「無所属の会」代表】
 私は、ここは大臣の判断だとは思います。
 オープンにすると外交機密に関わるような話はできなくなるという面があることは否めないと思います。突っ込んだ話をすれば、その赴任国、他国に対して、何といいますか、あまり表に出したくないような問題が出てくるということも当然ありますので、そういう意味ではクローズにするという判断は一つの判断だと思います。
 ただ、メディアの皆さんがこういう大使会議というものを一つの機会として捉えているのであれば、それはそういう機会を別途設けるとか、そういう工夫はあっていいのだろうと思います。

○「無所属の会」と民進党の関係について

【読売新聞・藤原記者】
 岡田代表は民進党としての党勢拡大や支持率のアップといったことは必要だとお考えか。それとも、今は過渡期的な状況なので、そういうところにはあまり拘泥しないというお考えか。

【「無所属の会」代表】
 「イエス」アンド「ノー」ですね。
 もちろん大きな固まりをつくっていくプロセスにありますので、無理に支持率を上げるとかアピールするということを必要以上に考える必要はないと思います。
 ただ、やはり野党の結集の軸になる党として求心力が必要ですから、そういう意味では支持率ももうちょっと上がったほうがいいとは思います。

【読売新聞・藤原記者】
 関連して。かつて出たやりとりで恐縮だが、「無所属の会」の中の人達は(民進)党籍を持つ人が大半だと思うが、会派の中に「民進党」を名乗らないというか入れない理由について、改めて伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 「無所属の会」は現在14名。そのうち党籍を持たない人は3名、それから党籍はあるけれども党所属議員という定義にそのまま当てはまらないという方が1名いらっしゃる。14名中4名ということですから、かなりその割合というのは大きいのですね。
 無所属で選挙を戦う中で、これは党籍を持つ人も含めてですが、そういう中で有権者との関係でいろいろな説明、訴えというものをしてきています。民進党とは距離を置くというような説明をしておられる方もいらっしゃって、まだ「民進党」と名乗るのは早いという、そういう声はかなりあるという状況です。
 私は代表として14名のこの仲間をしっかり大事にしたいと考えていますので、現時点では「民進党」を、私は名乗ったほうがいいと考えていますが、名乗れない状況にあることはやむを得ないと考えています。

【読売新聞・藤原記者】
 名乗りたいんだけど、ということと、支持率については上がったほうがいいという率直なお考えがあると思うが、例えば「無所属の会」として岡田代表が代表質問をされ、党籍と会派は厳密に分かれているのはそのとおりだと思うが、国民から見たらなかなか峻別しにくいかなとも思う。民進党を名乗らないことで、例えば「無所属の会」としていい活動をしたり法案をどこかと共同で出したりした時に「民進党」が出てこないわけだが、これによって党勢拡大なり、今特殊な状況に置かれている中での民進党の認知を妨げているのではないかという見方もあるかと思う。この点に関してはどういうお考え、ご認識か。

【「無所属の会」代表】
 そういう声が一部あることは事実です。ただ、法案を出したりするのは、これは党として出したり出さなかったりするわけで、「無所属の会」として法案を出すということはないです。

○平成28年度収支報告における寄附・弁護士費用支出について

【フリーランス・安積記者】
 岡田さんが代表時代の話で伺いたいが、平成28年度の収支報告書について、7月15日、ちょうど都知事選の告示日の翌日だが、鳥越さんに2000万寄附されている。
 それと28年全体として、弁護士費用で7人の弁護士に対して3000万払われている。これだけ弁護士費用を払われている例は他党も含めあまりないが、顧問料とか弁護士費用とかいろいろ名目はあるが、なぜこういう支出になったのか。28年といえば、鳥越さんは出馬の時に女性スキャンダルを週刊誌に書かれて、それに対して訴えられた。これは当時民主党のほうからプレスリリースがあったわけで、多分そういうふうにお金を出されたと思う。また4月前後に支出があるが、この時ちょうど山尾さんのガソリンプリカの件でトラブルがあった。その因果関係はわからないが、このあたりのことを伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 まず鳥越さんについては、我が党として推薦をして、したがって一定の資金支援をしたということです。そのことが何か問題だというふうには私は考えておりません。より詳しくは、きのう幹事長が申し上げたように、書面でご質問いただければ書面でお答えしたいと思います。
 それから、それ以外の弁護士費用というのは私は初めて聞く話なので、ちょっとすぐにはお答えできないのですが、我が党に顧問弁護士が何人かいらっしゃって、もちろんそこには定期的に謝礼と言いますか、お金を払っていますが、それ以外に具体的な事案があればそれに即して、世の中の相場感に基づいて弁護士費用を計上しているということだと思います。
 具体的に何の事件について今おっしゃった金額が支払われたのかということは、私は承知しておりません。

○在沖縄米軍ヘリコプターの飛行に関する問題について

【フリーランス・上出記者】
 今、沖縄で米軍ヘリコプターなどのトラブルがあり、これはどこも厳しく追及しているが、結局政府の答弁は、米軍に要請しますと。幾ら要請しても今の日米地位協定の中でははね返されるのはわかっていると思うが、外務大臣を経験されて、政府が答弁されていてまだそれでも突っ込める部分があるのかないのか、今の日米地位協定の中ではあれが精いっぱいでしようがないのか。国民、特に沖縄県民としては命にかかわることなので放っておけないと思うが、外務大臣経験者としてその辺で少し踏み込んでお答えいただきたい。

【「無所属の会」代表】
 きのうの川内君の質問は私は非常に興味深く聞いたのですが、アメリカでは法的にそういった一定の範囲内での飛行(住宅地上空の低空飛行)というのは禁じられていると。アメリカで禁じられているものがどうして日本で可能なのかと。私はそのやりとりを自分で確認したわけではないのでわかりませんが、やはりそこにアンバランスがあるとすると、それはアメリカでやっているようなことを日本においても同じように求めていくということは全くおかしなことではないと私は思っております。
 それは地位協定(改定)というものがなければできないかというと、私にはそういうふうには思えませんので、お互いの政府が確認すれば可能なことであって、そういう余地があるのではないかと、きのうの質疑、やりとりを聞いていて感じたところです。

○友党との連携について

【テレビ朝日・村上記者】
 立憲民主党との統一会派結成について伺いたい。現時点での進捗状況と、週末には党大会を控えているが、岡田さんはどれぐらいのスパンでこの案を考えていらっしゃるか。

【「無所属の会」代表】
 前も申し上げましたが、個々のやりとりの状況について、途中経過をご報告するつもりはありません。
 それから、簡単な問題ではないということは前から申し上げているとおりです。立憲も立憲のご主張のもとで選挙戦を戦われたわけですから。民進は民進で違う考え方といいますか、当然ありますので、統一会派を結ぶということになればそういうものを乗り越えなければいけないということになります。
 少し丁寧にやっていかないといけないし、それからいきなり統一会派というのはハードルが高いかもしれないなと、そういうふうに思うところもあります。

○森友学園問題 麻生財務大臣の答弁姿勢について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 冒頭で、麻生財務相、森友については他人事のようだと。例の「スパ」のほうも国会で自ら答弁されているわけだが、やはり麻生さんというのはすぐれたタフな答弁者だと、攻めあぐねるくらい難攻不落な、野党にとって難しい人という認識か。その辺を伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 私は、今回の森友の話を見ていて、かつて財務省のある役人に申し上げたことがあるのですが、「あなた達は立派だ。組織として守り切った。一糸乱れずやった。それは組織としては立派なことかもしれないが、国民の信頼を一気に失ったよね」と。今、そういう状況だと思うのです。
 財務省というのはこれからも、例えば消費税の引き上げとか、その他の税の負担とか、あるいは歳出の削減とか、国民にとって、「全ての国民にとって」と言うつもりはありませんが、人によっては大変厳しい、そういうことを求めていかなければならない。そういう宿命を持った役所です。国民の信頼なくばそういったことはできなくなってしまうので、そういう意味で役所の信頼というのは非常に大事、財務省の信頼というのは非常に大事だと思います。下手したら増税なんて全くできなくなってしまうかもしれない。
 ですから、何といいますか、組織を守るというか、あるいは安倍さんを守るというか、そういうために対応を強いられているとは思いますが、そのことが長い目で見て財務省としての国民からの信頼を落とすということになると、本当にそういう対応でいいのかどうかということを考える必要があるのではないか。
 少なくとも財務大臣は、その間に立って悩まなくてはいけない立場ではないかと思います。それがあの態度というのは、私は理解に苦しむわけです。