党役員会見に関する基本的な方針について

岡田克也「無所属の会」代表記者会見

2018年2月6日(火)15時00分~15時24分
編集・発行/民進党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=_loK_juauws


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○自衛隊ヘリの墜落事故について

【「無所属の会」代表】
 まず私からは、自衛隊のヘリの墜落について、亡くなった自衛官の方に対して心からお悔やみを申し上げたいと思います。
 同時に、お子さんもけがをされたということですが、大変大きな惨事になりかねない、そういう状況だったと思います。政府には、徹底的に原因究明をして、同じことが繰り返されないようにしていただきたいと考えております。

○米国の核戦略見直しに対する政府の姿勢について

【「無所属の会」代表】
 私から2点冒頭申し上げたいと思いますが、第1点はNPR(核戦略見直し)についての日本政府の姿勢です。河野外務大臣は「高く評価する」とおっしゃったのですが、私には全く理解できないことであります。
 幾つか問題があると思いますが、一つは、従来は核兵器の役割を低減させるということでしたが、今回はそれを拡大させるということで、核軍縮に関する考え方が180度変わったと言わざるを得ないと思います。それを「高く評価する」というのは一体何事か、と考えております。
 一つは、戦略核について、新START条約が実施されて、本来であればこれからさらにその次、戦略核のさらなる縮減について、米ロ、場合によっては中国も巻き込んでしっかり話し合わなければならない、そういうステージだと私は思いますが、核軍拡という流れができたことで、戦略核の軍縮の次の一歩という機運が全く失われてしまったのではないかと思います。それがなぜ「高く評価する」ということになるのか。  2番目は、核搭載海上発射型巡航ミサイルの可能性を追求するということですが、もしそういった技術ができるということになると、これは戦略核ではありませんので、INF(中距離核戦力)全廃条約との関係がどうなるのか。あるいは、INFにもかからないような足の短い戦術核ということであれば、これは数の規制というのは私が承知している限りありませんので、米ロの間でこの戦術核をめぐって軍拡競争が始まりかねない。そういったことについて、なぜそれが「高く評価する」ことになるのか。
 核兵器の発射ボタンを多くの人が持つということは偶発的な事故にもつながりかねないということで、従来、艦船からの核というものは除去すると。潜水艦と爆撃機に限定するというのがアメリカの政策だったと私は理解しておりますが、いろいろな艦船が核を持つ時代に戻るということは、それだけ誤って使われたり、そういうリスクも高まるわけで、それがなぜ「高く評価する」ことになるのか、私は全く理解できない。
 あわせて、北朝鮮について、この情勢があるからということも言われていますが、核の使用の敷居を下げる。つまり、確かにオバマ時代のNPRでも完全に核を先に使うことを排除していたわけではありませんが、それは非常に限定した場合に限るということで、核を先に使うことがあるとははっきり言っていなかったわけです。それを今回、場合によっては核を先に使うこともあり得るということにしたわけです。ということは核使用の敷居を下げてしまった。北朝鮮から見れば、先に核を使われてしまうのであれば自分がより先に使わなければいけない、ということになってしまうのではないかと私は恐れております。それがなぜ「高く評価する」ということになるのか、全く意味不明です。
 しかも、代表質問で触れましたが、広島でオバマ大統領と並んで「『核なき世界』を目指して努力する」と、そういうふうに言った安倍さんと、どっちが本当の安倍さんかと、改めて聞いてみたいと思っております。

○政党交付金・慶弔費支出に関する報道について

【「無所属の会」代表】
 もう一つは「政治とカネ」の話で、私は非常に気になる新聞報道が二つありましたので申し上げたいと思います。
 一つは、週末の読売新聞で、「無所属の会」に政党交付金が支給されていることが適切なのかという指摘が出ているという記事がありました。問題があると考えるならば、新聞社として「問題がある」と書かれればいいのですが、「そういう指摘が出ている」という、逃げの入った記事ではあります。
 まず、政党交付金が我々に支給されているわけではありません。政党交付金は政党に支給されるものです。そして、それは政党に所属する議員の数に応じて支給されるということで、我々は民進党の議員であるということは、これは紛うことなき事実でありますので、会派としてどういう名前を名乗っているかということとは関係がない話であります。
 それから、民進党から我々に支給されるのは、原資は政党交付金であることが多いと思いますが、それに限られるわけではありません。年間800万円が支給されるという方向で議論されておりますが、これは政党の支部に、支部長に、支部活動のためということで支給されるものでありまして、国会で「無所属の会」を名乗っていることとは何の関係もありません。
 それを、ザクッと記事を読んだ人に何か「無所属の会」がもらってはいけないお金をもらっているというような印象を与えかねないような、そういう記事は一定の意図を持っていると言わざるを得ない。極めて遺憾だということを申し上げておきたいと思います。
 もう一つは産経新聞の記事でありまして、きょうの産経新聞で、私の政治団体が支出した香典が平成22年から25年の4年間に15件あるということを報じております。
 記事の中では、それは「全て選挙区外への支出である」と私はコメントしているということも書かれておりますが、これは数日前に急に1枚の紙がファクスされてきまして、これはどういう趣旨ですかということなので、これは選挙区外での葬儀における香典であるということを明確に申し上げているわけです。何の問題もありません。それをなぜわざわざ記事にするのかというのは、意味不明であります。
 読者は細かく法律に通じているわけではありませんから、何か問題があるかのような印象を与えてしまっている。そういう記事は極めて遺憾だということを申し上げておきたいと思います。
 今、茂木議員の線香代をめぐっていろいろな議論があります。それを、野党も同じようなことをやっているということで打ち消すような、そういう思いでやっておられるとしたら、それはメディアとしての考え方から外れているのではないか。そのことを申し上げておきたいと思います。
 本当に問題のある、そういうことについて書かれることはもちろん構いませんが、問題のないものを問題があるかのように報ずるのは、それはよく考えていただきたい。皆さんもメディアに入って、事実を伝える、問題があればそれを指摘する、そういう思いで各メディアはあるわけですから、そのことは十分踏まえて報道していただきたいと思っています。


■質疑

○慶弔費支出に関する報道について

【フリーランス・堀田記者】
 そうすると、産経さんがメインでやった民主党・民進党系の人たちのそういったことは、全然問題がないのか。

【「無所属の会」代表】
 いや、私について言っているわけです。私の記事について言っているわけです。

【フリーランス・堀田記者】
 これはある意味で柚木さんが名刺広告を出したのと同じだと思う。つまり岡田さんが選挙区外で配って、岡田さんの知り合いの人に「岡田はいい男だ」ということが伝わる、そういったこともあるので、それはやはりやらないほうがいいと思う。

【「無所属の会」代表】
 法令上、何の問題もありません。

○慶弔費支出・公選法に関する議論について(1)

【テレビ朝日・村上記者】
 政治資金をめぐる一連の問題で伺いたい。きのう増子幹事長が記者会見で、民進党は政治家の冠婚葬祭(寄付)の全面禁止ということで提案していきたいとおっしゃったが、岡田さんは同じ考えか。

【「無所属の会」代表】
 これは党の中ではまだ議論されていないと私は理解していますので、個々に私が自分の意見を申し上げる話ではないと思います。

○沖縄県名護市長選挙・辺野古移設問題について

【「フランス10」・及川記者】
 名護市長選挙の結果についての受けとめと、民進党は今回、稲嶺進さんを応援したわけだが、辺野古への基地移転というのは反対になったのか。以上2点伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 普天間の現状を固定化させない、そのために辺野古に移すということは、党としてはその考え方は現時点では変わっておりません。ただ、進め方については県民の十分な理解を得て、現在の進め方については容認できないというのが我が党の基本的考え方だと思います。
 市長選について、県連としては推薦されたと。本部としては、政令指定都市の市長及び知事以外は本部は支持とか推薦とか決めないということなので、議論は特にされておりません。
 ただ、やはり現在の政府の進め方は極めて乱暴だという中で、現職を応援すると。幹事長も行かれたということですが、特に推薦とかそういうことは決めていないけれども、幹事長としては応援されたということだと思います。
 現職が負けたことは残念だったと思います。

○株価の急落について

【日本経済新聞・藤田記者】
 きょう株が、15時に終わり1000円を超える下げになった。アメリカ中心に今どんどん下がってきていて、アベノミクスの金融緩和の影響なども批判として野党から上がっていたりするが、マーケットのこの動きについてどういうふうにごらんになっているか。

【「無所属の会」代表】
 私も専門家ではありませんし、あまり感想を言うべき段階ではないとは思います。
 今回のことはアメリカの株安に相当影響されて日本の株も下がったということですが、日本の株価がアメリカの影響を受ける以上に下がるとか、そういう事態になればいろいろな議論が出てくると思いますが、現時点ではちょっと様子を見るしかないと思っています。

○財政健全化について

【日本経済新聞・藤田記者】
 アベノミクスの批判などを予算委員会などで野党の議員が取り上げているが、一方で野党としてアベノミクスの弱みである財政や成長戦略など、そういうものを党としてどういうふうに今後打ち出していくお考えか。

【「無所属の会」代表】
 財政については私も代表質問で申し上げていますが、やはり財政の健全化に向けた努力ということは行わないと、将来の社会保障制度の維持すら不可能。現状は非常に問題があると思います。
 総理は「経済成長なくして財政健全化なし」と言われますが、では経済成長すれば財政健全化がなされるかというと、そういうことではありません。
 それから歳出削減のやり方もいろいろあって、直ちに大きく歳出をカットすれば、それは確かに成長に影響する場合が出てくると思います。ただ、歳出をより効果の高いものに重点化していくということは必ずしも成長にとってマイナスではありませんし、それから例えば公務員の人数を減らすとか、そういうことは直ちに大きな歳出削減につながるわけではありませんが、それを積み重ねていくことによって長い目で見れば大きな歳出削減につながるわけです。そういうものはちゃんと今からでもやっておくべきだ。
 実は民主党政権の時に30万人の国家公務員の中で1%以上は毎年純減していたわけです。
3000人以上、多い時は5000人の年もあったと思います。今は2000人ぐらい、あるいは1000人台ということで、純減はしているものの、その勢いは非常に少なくなっています。
 公務員の数を純減するということは、すぐには歳出削減効果は、1000人減らしたとしてもそれで何千億も出てくるわけではありませんが、積み重ねていくことによって、例えば毎年1%、3000人減らせば10年で10%になるわけです。そういう努力はしっかりと安倍政権にもしてもらいたいと考えています。

○慶弔費支出・公選法に関する議論について(2)

【フリーランス・安積記者】
 香典問題だが、選挙区内・外の問題は法の条文によって区別されているので省くが、選挙区内で議員の秘書が議員の後援会のメンバーとして配った場合と総支部として配った場合とが一応区別されていて、総支部として配った場合は合法だという、それぞれの党の統一見解などを出していると思うが、一般有権者からすると、政党支部の職員なのか秘書なのかは区別がつきにくいと思う。実際、私設秘書が支部の職員として、雇用の関係だと思うが、採用されている事例は結構あるわけで、この区別がつきにくい。実際の運用で、総支部の仕事だから総支部の職員しかやらないとか、後援会の仕事だから私設秘書しかやらないとか、地元事務所でもそういう区別はつけていないと思う。こういう実態に関して、今回の問題はどういうふうに考えていったらいいのか。有権者としては同じように思うが、これについてはどういうふうにお考えか。

【「無所属の会」代表】
 まず議論の前提として、確かに政治家の後援会、それと総支部、これに区別があることは事実だと思います。ただ、我が党では、山尾議員の時にもこれは問題になって、私は代表だったのですが、党としては政党支部だからオーケーだと決めたわけではありません。
 あの時に多少議論になったのですが、山尾議員が記者会見でそういう趣旨のことを言われたので、私は代表として記者会見した時にそれを訂正しております。党の顧問弁護士の統一見解としては政党支部であれば問題ないということだけれども、党としてそういうふうに決めたわけでは必ずしもありません、ということを申し上げて訂正をしているわけです。
 もちろん後援会と総支部は色合いの違いはあると思いますが、いずれにしてもおっしゃるようにわかりにくいことは間違いないので、この辺を立法的にきちんと手当てするということは、それは議論すべき一つの点だと思います。
 政治家が自分で持っていけばいいと、違法だけどいいというような話ですが、これも非常にわかりにくい。
 といって、結婚式に出て会費相当のお金ですらだめだと、これはタダ飯ということになるわけです。これもちょっと世間常識からいうとわかりにくいので、こういうことについてもう少し整理したほうがいいのだろうと思います。

○米国の核戦略見直しに対する政府の姿勢について

【NHK・稲田記者】
 先ほどの核の関係だが、被爆国・日本として、即座にそれをいいと言う総理や外務大臣の反応はいかがなものかと思う気持ちのある人は一定数いると思うが、なぜ今の政権はそこにオーケーだと言うのか、どういうメンタリティーがあると岡田さんは分析しているか。また、それに対して、今後の国会論戦でどういうふうに臨んでいこうとお考えか。

【「無所属の会」代表】
 論理的に言うと北朝鮮の問題は、今回のアメリカのNPR、むしろマイナスだと、リスクが高まると私は思っていますが、アメリカの政策に違うことは言わない、言えないということではないかと思います。だから、オバマ大統領の時も、それはすばらしいと。トランプ大統領がやったら、高く評価すると。両方を高く評価してしまっているわけですが、これは日本の外交の信頼性を損なうものだと私は思っています。
 河野大臣も核軍縮には熱心な方だったと私は理解していますが、今回のことは大変びっくり。失望という前に、びっくりしました、高く評価するということは。
 それからNPRの話は私は代表質問でも聞いているのですが、その時に、アメリカと情報交換をしていくというのが安倍さんの答弁だったのですが、たしか河野大臣は予算委員会で、NPRについて承知していない、中身がわからないという答弁をしているのですね。これも何かちぐはぐだ。
 一体アメリカのNPRに対して、もちろん詳細を事前に知ることはできないというのは、私の経験では、2010年の(NPRの)時は外務大臣ですから。しかし、いろいろなメッセージを発することで日本の考え方を伝えることはできるはず。ではどういう考え方を伝えていたのだろうかということは、はなはだ疑問です。

【「フランス10」・浜田記者】
 同じくNPRに関して。安倍内閣は賛意を表して、岡田代表は反対だとおっしゃるが。

【「無所属の会」代表】
 反対と言っているわけではないですよ。ただ、評価できないと言っているわけです。

【「フランス10」・浜田記者】
 評価できないと。これが例えば日本の原子力の現場において、もう既に何かの影響があるとかいうような察知あるいは情報というのはあるか伺いたい。

【「無所属の会」代表】
 「原子力の現場」というのは、どういうことですか。

【「フランス10」・浜田記者】
 日本の原子力の現場。

【「無所属の会」代表】
 ちょっと趣旨がよくわからないです、ご質問の。

【「フランス10」・浜田記者】
 情報がなければいいが、もしそういう動きが、例えばNPRのような、これは可変の核爆発出力の機器だが、こういった開発が日本の原子力の中で既にあるかどうか。あるいは、これを意図したものがなされているかどうか。

【「無所属の会」代表】
 私は承知しておりません。